降臨せし驕れる神蛇

作者:千咲

●驕れる神蛇
 ――夕暮れ時、岩手県某所。
 西の山中より、夕焼けの赤い空をバックに巨大な何かが市街へと迫っていた。
「な、なんだ、アレは……!?」
 何やら長いものが空中をうねるように飛んでいる。
「へ、蛇? ううん、飛んでるってことは、龍かしら?」
「いや、ありゃ龍じゃねーな。さしづめ空飛ぶ蛇ってトコだな」
 どこかのビルの屋上で夕焼けを眺めていた2人が顔を見合わせた。
 『竜』、『龍』、どっちだろうと構わないが、その何かは人々にとって決して益をもたらすものでないことだけは確かで、のんきに眺めている場合じゃ……。
「……ってことは、デウスエクス! デウスエクスの襲撃だっ!!」
 などと言ってる間に、蛇は市街上空に到達。
 夕陽に照らされて輝く真鍮色の鱗、無数の歯車が重なり合って形成された、見るからに強固な外殻を持った大蛇。
「我こそはダモクレスの祖。世界の始まりと終わりを司る神なり!!」
 地を震わすような太い声で大言壮語を放ったそれは、己の力を誇示するかのように小さな歯車を無数にばら撒いてゆく。
 歯車は、地表に到達すると同時に卵のように割れ、中から小さな蛇が生まれ出でる。その蛇たちはすぐさま周囲の人間たちに取り付き、グラビティ・チェインを奪って昇華してゆく。
「我が可愛い子らよ。グラビティ・チェインを吸い尽くし、我が元に戻るが良い」
 先ほどとは打って変わって母のような優しげな台詞を吐くと、宝石のような三対の瞳がきらりと輝く。
 これが、神を自称する奢れる蛇が降臨する際の一部始終だった……。

●イマジネイター
「みんな……大変なことが起きたの」
 ヘリポートに集まった面々に、赤井・陽乃鳥(オラトリオのヘリオライダー・en0110)が深刻な面持ちで告げた。
 指揮官型ダモクレスによる地球侵略が始まってしまった、と。
「そのうちの一体『イマジネイター』は、数あるダモクレスたちの中でも、特に規格外と言えるイレギュラーの機体ばかりを取りまとめ、地球侵略の為に差し向けてきているようなの。その中でも岩手県に遣わされたのが『絡繰神蛇』と呼ばれる巨大な機械蛇……自らを神と驕る空飛ぶ蛇なの」
 軍団に所属する配下なのにね……と皮肉めいたことを言いながら、派遣されたダモクレスの特徴を語る。
 曰く、7m近くもある巨体。歯車を重ねて作ったような真鍮色の鱗。見るからに真っ赤な宝石と言った体の三対の瞳。
「この蛇は、夕暮れ時に街に現れ、グラビティ・チェインを吸い取る小さな蛇を無数に生み出すの。そうなってからでは被害を防ぐのは難しいわ」
 ゆえに、街に降臨し、被害が出る前に侵攻を食い止めて、この巨大な蛇を斃してほしい、と。
「大蛇の攻撃は、宝石のような赤い瞳から放たれる光、そして生み出した歯車から紡ぐ、無数の小さな蛇……と言ってもそれは独立した配下とかじゃなく、対象から何かを吸い取る攻撃の一環みたいだから、まだマシだけど」
 ただそれより何より特徴的なのは……と続けて語る陽乃鳥。
「この蛇は空中から降りようとはしないってこと――つまり、こちらも飛行しない限り、近接攻撃は届かないと思って」
 あるいは、周囲のビルから飛び降りざまに一撃、とかなら可能かも知れないけど……さすがに現実的じゃないものね、と。
「いずれにしても、イレギュラーなのは決してその性格を称して言っている訳じゃないと思うから、十分、気を付けて。この驕れる神を斃せないようじゃ、到底、指揮官型には届かないもの」
 陽乃鳥は、皆の高揚感を煽るように告げ、準備は良い? と尋ねた。


参加者
クロハ・ラーヴァ(熾火・e00621)
ムスタファ・アスタル(同胞殺し・e02404)
レイ・ジョーカー(魔弾魔狼・e05510)
彼方・悠乃(永遠のひとかけら・e07456)
黄檗・瓔珞(斬鬼の幻影・e13568)
夜殻・睡(氷葬・e14891)
篁・鷹兵(大空羽ばたく紅の翼・e22045)
西城・静馬(創象者・e31364)

■リプレイ

●驕れる神
 ――岩手県某所。夕暮れ時。
 颯爽と市街地に降り立ったケルベロスたちは、即座に警察や消防に連絡。デウスエクス来襲の可能性を伝え、有事の際の避難誘導を依頼した。
「それにしても神とはまた……くちなわ風情が大きく出たものだねぇ」
「まったく、大きく出たものだな。使い走りと同じくせに」
 『神』を僭称する件のダモクレスについての、陽乃鳥からの説明を思い出しながら、辟易したような言葉を交わす、黄檗・瓔珞(斬鬼の幻影・e13568)と、篁・鷹兵(大空羽ばたく紅の翼・e22045)。
 くちなわ……つまりは蛇のことで、朽ちた縄に似ていると言うのが由来なのだが、此度の相手は約7m。縄にも使い走りにも、ちょっと大き過ぎて不便だろう。
 そんな風に神を騙る敵についてアレコレ語っていると、その横合いでクロハ・ラーヴァ(熾火・e00621)が、シニカルな相貌で旧知の友に尋ねる。
「神を騙っていますが、宗教家としてのご意見はどうですか……ムスタファ?」
「そもそも、同じ次元に存在している時点で神ではなかろう。それともお前の宗教ではその程度のものを神と呼ぶのか?」
 相手がダモクレスだから、という訳でなく……神を名乗る不届きな存在に対する心からの侮蔑を込めて返すムスタファ・アスタル(同胞殺し・e02404)。
「なるほど、ならば神罰を気にする必要はなさそうだ」
「そうとも。だから、叩き落すからしっかり捌けよ」
「蛇を捌くのは得意ですよ、どうぞお任せあれ」
 ――捌いたところで、食すに値しない気もするが。
 このように揶揄するような態度を見せてはいるものの、実は強大な敵であることは十分に承知。呑まれぬようにしているだけで、決して油断している訳ではない。
「たしか、相手はイマジネイターの手のモノ……つまりダモクレスのはぐれ集団ですか。独自の動きがあるようですが、神を称する相手では、情報を得るのは難しそうですね」
 西城・静馬(創象者・e31364)はそのような会話の間も、組織の一員である敵から何かを引き出せないものかと考えを巡らせていたが、どうやら有効な手立ては思いつけそうになかった。
「……ん!?」
 そのとき、西の彼方に敵が現れたのを、夜殻・睡(氷葬・e14891)がいち早く発見し、仲間に伝達。受けたレイ・ジョーカー(魔弾魔狼・e05510)が警察に連絡して状況を伝える間に、睡はパニックテレパスで周辺の住民に「逃げろ!」と促した。
 その上、警察の出動が速やかになるよう、彼方・悠乃(永遠のひとかけら・e07456)がGPSの地図を送信。無駄のない連携対処のお陰で、ソレが市街上空に達するより早く、迎撃準備を終える事が出来た。
「ふざけた神気取りが。こいつで撃ち抜いてやる!」
 相棒の二丁拳銃、魔狼銃フェンリルと冥淵銃アビスに手を添え、レイは意気揚々と空の彼方を見据えていた。

 ――が、そんな状況とは露知らず、空飛ぶ巨大な蛇は、市街に到達するや、地を震わすほどの重厚な声を響かせた。
「我こそはダモクレスの祖。世界の始まりと終わりを司る神なり!!」
 音の中にある種の圧力を感じながらも、ケルベロスたちは誰1人怯むことなく、上空を見上げた。
「神様? お前が? ……笑わせんじゃねぇよ、クソ蛇」
 市街の喧騒を貫くように、睡の声が神蛇に届くと、キラリと、紅玉のような瞳が彼を睥睨するように見下ろした。
「何か……言ったか!?」
「さぁ、な」
 噂で耳にした程度の相手に同じセリフを繰り返してやる義理はない。代わりに口を開いたのは、ムスタファ。
「神、と言ったかお前。なるほど……確かにお前はでかいし俺の何倍も強いだろうな」
「……当然だ。比べるまでもなかろう」
「だが知っているぞ。お前イマジネイターの配下なのだろう? 何かの部下とはまた随分と安い神だな」
 持ち上げて落とす挑発に、巨大なダモクレスが憤怒に塗れた。我は誰の下でもない……と。

●紅き三対の瞳
「そうだ、ダモクレス! 怒るがいい。我々が相手をするぞ!」
 鷹兵が、掛かってこい……と、ガントレットの指先から蛇の頭に向かって光弾を連射。
「受けよ! 時空凍結弾ッ!!」
 瞬間、空間が凍り付き静寂が辺りを包む。さらに、バスターライフルを構えた静馬が、的を重ねるようにフロストレーザーを放つ。
 その連射で、氷結は一層強固になった筈だったが、機械製の大蛇は身じろぎ1つでそれを薄氷のように砕き、新たな声音を轟かせた。
「愚か者が。神の力、身を以て知るがいい」
「神、神……って、うるせぇな。仮にテメェが本物の神だったとしても、人を傷つけ、奪う事しかできねぇんなら……神を名乗るなッ! 神を気取ったタダの先兵がっ!」
 鬱陶しいまでの『神』の繰り返しに、レイの怒りが沸点に達した。
 その怒りを感じ取ったのか、主の言と同時に、敵の直下に走り込んだライドキャリバー、ファントムがガードレールを利用して車体を上空に向け、ガトリング銃を斉射。
 そのサーヴァントの後を追うように、クロハがエアシューズで疾走。
「まぁ、大きいだけは間違いないですからね。せいぜい、神殺しの雰囲気くらい味わえればいいんですが……」
 などと言いながら、上空に向けて火球を蹴り上げた。
 が、それらの攻撃をものともせず、大蛇の宝石のような眼が紅くフラッシュバック。その光を直視した後衛の面々の脳裡に、狂気が宿る。

「まぁ、この程度は予想済み……ですがね」
 裂帛の気合で意識をクリアにする瓔珞。一方で悠乃は竜牙杖を振るって、頭上を覆うように雷の壁を紡いだ。
「私たち1人1人の力は、あなたに敵わないかも知れない。でも、私たちは1人じゃない! たとえどんなに強大でも1人は弱いと教えてあげます」
 凛とした態度を崩さない悠乃に、神蛇の邪悪な視線が注がれる。その隙に視界の外からボクスドラゴンが翔び、ブレスを一閃。
「いいぞ、カマル。そのまま誘導するんだ」
 己がサーヴァントを目印に竜砲弾を放つムスタファ。その砲撃の前に、神蛇の巨躯を構成する歯車が幾つか砕け落ちた。
「傷ついたな? なら、やはり貴様は神ではない。所詮、ただの蛇だ」
「ただの蛇なものか。阿呆な機械蛇だろう?」
 そう付け加えた睡の手から、氷結の螺旋が放たれる。さらにそこに瓔珞が同じ螺旋軌道の手裏剣で相乗り――敵の攻め手を封じるために。
「まだ終わりではありませんよ。廻る廻る、時の檻をあなたに……」
 悠乃の詠唱に、ダモクレスの躯を構成する歯車が軋み、動きを乱し始める。
 が、さすがに状況の不利を察したのだろう。神蛇は鱗状に配置された全身の歯車を棄て、瞬く間に再生。
 キリがないと感じたレイが、次に備えて感覚を研ぎ澄ませると、次第に、周囲の時が遅くなったかのように意識が鮮明になってゆく。
「今だっ! 砕けッ! ブレェェェドッ! クラッシャァァアァァァッ!!」
 鷹兵の両腕のガントレットから、ブレードが展開。高速回転しつつ蛇の躯を穿った。音にならぬ叫びを発し、激しく躯を揺らす神蛇。
 その紅い瞳に憎々しげな光を宿してケルベロスらを見据えたその時、クロハと睡、2人のナイフの刀身に立て続けに惨劇の様子が映る――それは自称『神』であるダモクレスにも、思い出したくない過去があることを示していた。
「おや、存外神とは脆いものですね」
「心乱すか……なら、神だって殺せそうだ。我ら地獄の番犬ならね」
 DNAを侵食して破壊する毒を含ませた手裏剣を等間隔に突き立ててゆく瓔珞。続いて静馬が自らの業を武器に換え、黒き風の刃と成して敵に放った。
「傲慢は大罪。己の業を身に刻み、その血で贖え」
 刃が歯車を崩し、鱗を削り取ってゆく……傷付いたその体躯を狙い、レイが火球を蹴り上げて蛇の耐性を破壊する。生身なら肉の焦げる臭いが漂っていたことだろう。
 空中で、のたうつように激しく蠢く蛇は、周辺のビルを叩き壊しながらも、紅く光る瞳でケルベロスらを狂気に誘ってゆく。
「貴様が心を蝕むのなら、俺は肉体を破壊する!」
 瓦礫の降り注ぐ中、狂気に対抗するように鷹兵が地獄の炎弾を叩き付けた。
 その間もムスタファは、練り上げたオーラで精神を強く保つと、カマルに命じ、ブレス攻撃を続けた。
「ヒールグラビティを研究し続けてきた私の前で、許しませんっ!」
 回復の知識で右に出る者はないと自負する悠乃は、再び雷の壁を以て癒しを促す。
「我に仇なす不届き者よ……滅ぶが良い。我が子らよ、この母のために力を貸しておくれ」
 そのとき、蛇の懇願するような声が、周囲に響いた。

●機械の卵
 危機を察した蛇が、ここで突如として戦い方を変えたのだった――歯車状の卵を無数に降らせたのだ。
「そうはさせるかっ!」
 すかさずレイが二丁の銃で、卵のうちに撃ち抜いて潰してゆく。
 が、卵の数はそれを上回ってなお多い。残る卵から孵った機械蛇が彼を含む面々に喰らい付き、グラビティを吸い取ってゆく中で、ファントムが、主だけは……と、自ら盾になる。
 同じく鷹兵も、メディックである悠乃への攻撃を、己の身体で防いでみせた。
 一方でクロハは、自らにまとわりつく機械蛇の処分を諦め、いっそ本体の神蛇を殺らんと、膂力の限りを以てケイオスランサーを投げつけ、片一方の紅玉の瞳をすべて潰してのけた。
 直後、再び暴れまわる大蛇。
「あまり失望させないでください、どうせならもっと足掻いて頂かねば」
 そんな様子と共に、一定量のグラビティを吸い取って砕け散ってゆく機械蛇たちが独立したダモクレスではないことに安堵しつつ、やはり敵の攻撃力をもっと落としておかねば……と、静馬がグラビティ中和弾を、そして動きを止めんと睡が螺旋の力を込めた氷で蛇の躯を貫いた。
 が、なおも激しく暴れまわる蛇をおとなしくさせるべく、全身のオーラを弾に込めて放つムスタファ。
「お前も続けっ!」
 クロハへの合図。クロハも、それに応えるかの如く再び炎弾を上空に向けて蹴り上げる。
「もっと……惨めにのた打ち回れ、蛇らしく!」
 さしもの神蛇も耐え難かったのか、再び鱗を棄てて再生を図る。
「ここで耐性を付けられては面倒です。お願いします!」
 半透明の御業を、鎧のようにして瓔珞の身体に装着。
「そうだねぇ……戦いが長引いて、これ以上街に損害が広がるのも癪だしね」
 紫苑を構えるのと同様に、自らの精神を極限まで集中。高まる霊力が、泡沫の一刀を作り上げる。そのまま大上段に構えた体勢から、静かに振り抜いた。
「我が一刀、山を絶ち、天を裂きて欠ける事無し―――」
 破剣を付与された破山の一太刀が神蛇を斬る。太刀は霞の如く消えてゆくも、空飛ぶ蛇は依然として宙を舞う。ただし、油と体液の混ざりものを撒き散らしながら。
「一気に畳み掛けるか、全てを撃ち抜けっ……ブリューナクッ!!!」
 二丁の銃を重ねるようにして放つは高密度の結晶エネルギー。眩い光が空中で5つに分裂するや、それぞれが大蛇を追い詰めるように1点を貫く。
 さらに、鷹兵が再びガントレットを構えて刃を展開、渾身の力を以て蛇の顔面を狙う。
「貴様もまた辛苦の時代を齎す者…消え去れ!」
 しかし、寸でのところで躱され、紅い宝玉の瞳の幾つかにひびを入れるのが限界。そこで神蛇は起死回生を図るべく、再び機械蛇の卵を撒き散らしてゆく。
「皆、もう構うな! 残りは俺が片付けよう」
 ムスタファの轟竜砲。竜の力が降り注ぐ蛇を凌駕し、残る瞳を粉々に打ち砕いた。
 大気を震わすような大蛇の絶叫が一同の耳を劈く。
「墜ちろ愚神よ、常世で永劫に驕れ」
 静馬の、黒き烈風が大蛇の全身を切り刻む。グラビティが奪われようと影響ないほどに。そろそろ戦も潮時か……!?
 自然と同化した睡が、雨燕の力を引き出し、八相に構える。
「一は火、二は風、三は水。――それだけ斬れれば大体斬れる。夢を見たまま断たれて絶えろ!」
 瞳が潰れていなくても、その切っ先を捉えることは出来なかったろう。異なる次元にある霊体を、寸分違わず両断する斬撃が、絡繰神蛇を捉えた。
 斬撃から遅れることコンマ数秒で、実体が裂けてゆく。
「……イマジネイター。そして共にある同志たちよ。後を、後を……」
 いつまでも、繰り返すように末期の叫びが響きわたっていた。

●蛇神の残骸
 重苦しい『声』が止んだと同時に、睡が大きく息をついた。
「そうですね。でも休んでる暇はないですよ。被害を受けた街をヒールしましょうか」
 手間のかかる事こそ早く片付けようと、瓔珞が促す。ついでに、自称神様とやらの残骸調査も含めて。
「……しかし機械の神、か。存外、親玉はそんなものかも知れんな」
 鷹兵がぼそっと呟く。
「驕る平家は久しからず……ということです。我々も、この勝利に驕らず、気を締めねばなりませんね」
 静馬も、残骸の片付けを手伝いながら語る。
 それにしても此度の敵は長い。7m級の蛇など、そうは居るまい。
「ふん。しかし、でかいのは図体と口だけだったな。ところで知っているかクロハ。ウナギの旬は夏ではなく冬だということを。うまい店を知っている。いくぞ」
「はは、アレと比較されるウナギが哀れでなりませんが、美味い物は好ましい。付き合いましょう」
 やがて、片付けが一段落したのを見て声を掛けるムスタファだったが、なかなか通好みの店に詳しい様子。殺伐とした戦の後でもこうして声を掛けてくれる友人は好ましいもの。
 せっかくの機会だからと皆に声を掛けるも、同行したのは半分ほど。
「俺はいい……なんか、妙に疲れた」
 睡は、残骸の中から使えそうなものを懐に仕舞い込むと、一気に疲労が襲ってくることを見越して残りの面々ともども、早めの帰路につく。
 まだ戦いは終わらない。次なる時に備え、英気を養う為に……。

作者:千咲 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年2月21日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 7/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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