
●
「冬こそ水垢離で体を浄めろ!」
廃寺でビルシャナがそう叫んだ。
その廃寺には半ば凍り付いた大きな池があり、その周辺に裸体や半裸の男達が群がって冷水を頭から被っている。
「冷水を被り、自身が犯した大小さまざまな罪や穢れを洗い落とし、心身を清浄にするのだ! 寒い時に冷水を被った方が効果がある! 冷気で心身を引き締めるのだ! 冬こそ水垢離!」
水垢離は修験道で行われる事であるから、主に様々な儀式や型式があるはずなのだが、男達やビルシャナは廃寺の汚い池でそのまま半裸で水を被り続けるのみ。
「お前達も、冷水を被って、悟りを開くのだー!!」
相変わらずビルシャナは無茶苦茶なのであった。
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「冬こそ水垢離で体を浄めろという悟りを開いたビルシャナが発生しました。問題を解決して下さい」
セリカ・リュミエールが集めたケルベロス達に説明を開始した。
九尾・桐子(蒼炎の巫女・e33951)は寒い二月に何をやってるのかと思った。
「悟りを開いてビルシャナ化した人間とその配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破する事が、今回の目的です。このビルシャナ化した人間が、周囲の人間に自分の考えを布教して、配下を増やそうとしている所に乗り込む事になります。ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、ほうっておくと一般人は配下になってしまいます。ここで、ビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が配下になる事を防ぐことができるかもしれません。ビルシャナの配下となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば元に戻るので、救出は可能ですが、配下が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」
●
「ビルシャナの能力は?」
桐子が尋ねると、セリカはすぐに資料を広げてくれた。
ビルシャナ閃光……敵を退ける、破壊の光を放ちます。
八寒氷輪……氷の輪を飛ばし、敵を凍りつけさせます。
浄罪の鐘……鐘の音を鳴り響かせ、敵のトラウマを具現化させます。
以上の力で戦うらしい。
「今回のビルシャナは、元引きこもりです」
「は?」
「引きこもりやニートを預かってくれる寺をご存じでしょうか。彼も、その寺に預けられて修行をさせられ、強制的に引きこもりは治りました。しかし、自分の引きこもりが治った素晴らしい方法を広めたいと勘違いし、とにかく、人は寒い時に冷水を被れば心身を浄められて悟りを開くと思い込んだ模様です」
「……まあ、ビルシャナですからね」
桐子はため息をついた。
「そんなビルシャナに洗脳される人間達ですから、人格の弱い引きこもりや、仕事の続かないフリーターの男性達です。みな、廃寺の池の周辺で裸体や半裸になりながら、ビルシャナの命令で池の冷たい水を被りまくり、それだけではなく近隣の住民も仲間に引き込もうとしている模様……」
「迷惑ですね」
桐子はそう言い切った。セリカも頷いた。
「こんな間違ったやり方が広まったら大変な事です。早く信者達にはインパクトを与えて正気に返し、ビルシャナは退治してください」
桐子は頷いた。
●
最後にセリカはこう締めくくった。
「教義を聞いている一般人は、ビルシャナの影響を受けているため、理屈だけでは説得することは出来ないでしょう。重要なのは、インパクトになるので、そのための演出を考えてみるのが良いかもしれませんね」
参加者 | |
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![]() リティア・エルフィウム(白花・e00971) |
![]() 叢雲・紗綾(無邪気な兇弾・e05565) |
![]() 月霜・いづな(まっしぐら・e10015) |
![]() ヒマラヤン・サイアミーゼス(カオスウィザード・e16046) |
![]() 東雲・菜々乃(のんびり猫さん・e18447) |
![]() ヒエル・ホノラルム(不器用な守りの拳・e27518) |
![]() 九尾・桐子(蒼炎の巫女・e33951) |
![]() 銅螺尾・双麻(不条理世界の探偵紳士・e34665) |
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ケルベロスが現場の廃寺の門の前に直行した。
すると池のある庭の方から大声が響き渡った。
「水を被れ、かぶれ、悟りを開くのだーッ!」
荒れ果てた門から中に入りながら、ケルベロス達は互いにため息をついた。
「前の寒中水泳も酷かったですが、今回はさらに酷い。……もしかして神事を馬鹿にしてますか?」
九尾・桐子(蒼炎の巫女・e33951)は、静かな怒りを感じているらしい。
「前(寒中水泳大好きビルシャナ)に続いて今度は水垢離ですか……もう冬場に冷たい水は遠慮したいです。こんな冬に冷水浴びたがる馬鹿は今日本に何人いるですか、もう」
叢雲・紗綾(無邪気な兇弾・e05565)は、桐子の隣で怒りつつも呆れている。
「真冬に水垢離なんてめっちゃめちゃ寒いではないですか!! お作法がなっていないのもマナー違反ですよ! たぶん!」
リティア・エルフィウム(白花・e00971)は真っ白のぬくぬくもっふりコートであったかそうな格好でそう言った。
「そんなにつめたいのが、おすきでしたら、れいぞうこのなかにでも、おはいりなさいませ! おつとめは、だいじですけれど、おこたにはいって、おいしいおやつをほおばるのが、しあわせだとは、おもいませんか。ああ、そうぞうしただけで、とろけてしまいそう……」
月霜・いづな(まっしぐら・e10015)は、怒っていたが、途中からお菓子を想像してとろとろの表情になった。
「寒いのです。早く帰ってコタツに入りたいのです。こんな寒い中で水を被ってても、風邪を引くか凍死するって悟りしか得られないと思うのですよ……?」
ヒマラヤン・サイアミーゼス(カオスウィザード・e16046)は、若干ヒいているようだ。
「この寒い中水を被るなんて私にはできませんがとんでもない悟りを開いたものですね。しかも引き篭もりやニートを信じ込ませるなんて普通のビルシャナではないかもしれませんね。でも本当にそんな事で何かうまくいくようになるのでしょうか?」
東雲・菜々乃(のんびり猫さん・e18447)は二月の寒さに自身も震えながらそう言った。
ヒエル・ホノラルム(不器用な守りの拳・e27518)、銅螺尾・双麻(不条理世界の探偵紳士・e34665)も共に、ケルベロス達は池の方に向かった。
「ニート卒業!」
「冷たい水で心身を鍛える!!」
庭に回り込んで池の方を見れば、廃寺の半分凍った汚い池の周辺に、半裸や裸体の男性達が密集し、各々、盥で池の汚水を被っている。
何かの冗談のような異様な光景である。
ケルベロス達は思わず、じとーっと裸体の変な集団を見入ってしまった。
「誰だっ!?」
その気配に気がついたビルシャナがケルベロス達に向かって怒鳴る。
「お前達も引きこもりの仲間か?」
信者の一人が頓珍漢な事を言った。
「私達はケルベロスだ。君たちを説得しに来たんだ」
双麻はやれやれと言った様子でそう話した。
「なんだと? 邪魔をするな!」
ビルシャナがいきり立つが、双麻はその場で焚き火の用意をし始めた。
「言ってる事は立派だが、本当に効能とかあるのかね? 風邪を引くだけだと思うがな。少しくらい大変な事をやったら、何かを成し遂げた達成感は得られるかもしれんが、結局は自分自身の力で道を切り開かないと前には進めないんだぜ。そこの鳥野郎の言う事を聞いていていいのかい? そいつは自分の意見に賛同してくれる誰かが欲しいだけだ。自分の事しか考えていない。つまり、お前らがやっている事は、何の意味もないってことだ」
「何を言うか……!」
ビルシャナがますますいきり立って羽毛を逆立てるが、双麻は相手にしていない。
そうしている間に彼の手で焚き火が焚かれて、暖かい炎を燃え上がらせた。
「そんな寒い事してないで、ゆっくり暖まったらどうだい」
唇を真っ青にして震えていた信者達は、焚き火を前にしてゴクっと生唾を飲み込んでいる。
(「別に慌てる必要は無い。こいつらに根性があるならニートやひきこもりなんかやってないのだから」)
双麻は余裕であった。
「ああ、暖かい火……」
ふらふらと一人の信者が焚き火の方へ。
「何をやっているかー! 悟りを開くんじゃないのか! ニートを卒業するんじゃないのかッ!」
しかし、ビルシャナが喚き立てるために阻止されてしまう。
「むむむ、みずごり、でございますか……かみにつかえるみとしましては、ひとこえ、おかけしなければ!」
そこで使命感に駆られたいづなが一歩前に出た。
「あのですねえ、ビルシャナさま! ゆかいなおなかまさま! わたくし、そうちょうに、きよめのみずをあびるまいにちですの。しかし、しかし、こころのなかでは、ずーっと、おやつのことばかり、かんがえておりまする!」
いづなは凛と胸を張ってそう言った。
「でも、こーんなに、りっぱに、つとめをはたしておりますの!」
いづなはさらに胸を張る。
「なにより、りえきをえようなどと、みずにむかう、それこそが、ぼんのう! ――ようは、あなたさまの、こころしだいなのでございますよ」
信者達はしばらく、元捨て犬の巫女が立派に胸を張って水垢離とかおやつとか言っているのを聞いていたが、やがて、彼女の方に近寄っていって取り囲むようにしてこう言った。
「お嬢ちゃん、一緒に水垢離をしよう」
「さあさ、こっちに来て脱いで」
無言で紗綾と桐子が銃を抜いて威嚇射撃を行った。
「次は当てる!」
「ロリコン変態!」
恐るべき連携で毒舌を言い放つ二人であった。信者達はすごすごと汚い池の方へ戻って行く。
「馬鹿ですか貴方達」
よりいっそう冷たい視線で桐子は言い放った。
「確かに冷水にて罪や穢れを流し、心身を浄める行はあります。が、そんな小汚い池の泥水ぶっかけて、何が綺麗になってるんですか。それすらわからない馬鹿ですか?」
本職の巫女に冷たく言い切られて、信者達は震える。
「問題は水が冷たいかではありません。行はあくまでも神仏への祈願の一種。祈りもなくただ水ぶっかけるだけでは、無駄なうえに健康を害するのみ。引き籠る所が家から病室になるだけの愚行です」
冷静に理詰めで説いて聞かせる桐子であった。
「馬鹿鳥の真似して穢れたいなら勝手にすればいいですが、他の人巻き添えにしないでくださいね?」
信者達は首を竦める。
「馬鹿鳥とはなんだーッ!」
ビルシャナは一人で怒っている。
「馬鹿ですねこいつら」
紗綾は紗綾で軽蔑の視線をビルシャナ達に向ける。
「こんな汚い水被るとか有り得ねーです。身体は間違いなく汚くなってるです。ってか水被るだけで心が綺麗になるワケねーですし」
実際、水垢離で心身浄めるといいながら、先程のいづなへの煩悩はなんなんだ。それを目の当たりにしているだけに、桐子も紗綾もきつい。
「そもそも水浴び(最早水垢離とは呼ばない)続けるだけで何が変わるって言うですか。変えたいという意思を持たなきゃ何も変わるワケねーです。何も考えずに水浴びするような馬鹿の心は、何したって汚いままです。こんなコトするのは自殺志願者だけです、死にたいならもっと人目につかないトコ行けです」
最早、ビルシャナと信者を全否定する勢いであった。
変態シネの勢いで罵る紗綾。
「……俺、何だか気持ち良くなってきた」
そこで、元がニートや引きこもりの青年達は、そう言った。やはり軟弱な精神を持った変態。汚水で心は清まっていない。
「シ・ネ!!」
「抹殺しましょうか」
最早、そういうしかない紗綾であった。桐子も加勢している。
「こんなもん無視だ! さあ、水をかぶれかぶれ!」
ビルシャナはビルシャナで喚き続ける。
言われるがままに池の周りで汚水を被り出す変態信者達。ああ寒いし汚い。
「水垢離にだって作法はあるし、心掛けだって大事なのです。ただてきとーに水を被ったり相手に掛けただけで、悟りが開けたり変われたりできるなら、苦労は要らないのですよ」
それを見て、呆れた口調のヒマラヤン。
心は変態だわ、見ていて汚いわ、何が心身を浄める行なのか、分からないのだ。
「俺は実際に、これで、引きこもりを回復した! 前は部屋から一歩も外に出られなかったのに、こうして外に出て人と話す事だって出来る! 俺がこうして克服したんだから、こいつらにも出来るはずだ!」
ビルシャナはまた無茶苦茶を言っている。
「うわー、寒そうなのです」
そこで、菜々乃がそう言った。
「何故こんな事になった。せめてもっと意味ありげな場所で行うとかあるでしょう。アニメや漫画だってもうちょっとめんどくさそうでご利益ありそうな場所で修行とやらをするのですよ」
菜々乃は冷水被る男達を間近から見つめた。
「これをやって本当に何かが得られているのかよく考えるのです。鏡をよく見てその震えて変な顔色になってる様を見るといいのですよ。温かいところ、行きたくないですか? 本当に?」
そして菜々乃はちらりと双麻の焚き火を見る。
言われて、男達も焚き火を見るが、動かない。
「変な顔色になっても、滝に打たれ続けていれば、いつか悟りが開けるのだ!」
ビルシャナがそう叫んだ。
「……本当に引きこもりが治っているのか? 引きこもりが治っているのであれば、自ら堂々と人々の輪の中に入り普通に生活を続けているのでは無いだろうか」
そこでヒエルが疑問を呈した。
「このビルシャナは、結局人の輪に入って行けなかった成れの果てだ。有ろう事か他の奴まで自分の側に引き込もうとしている。本物の僧が行う様な滝行などでもなく、綺麗かどうかも分からない池の水を被り、その行いで今までお前達を支えてくれていた者達にも距離を置かれるようになる」
ヒエルは静かに語りかけた。
「もう一度深く考えてみろ。お前は今、心も体も浄めとは反対の方向に向かっているのではないか? 本当に精神を鍛えたいのであれば、俺が鍛えてやってもいい」
信者の一人の目を見ながら言うと、その信者は涙目になりつつ、汚水をかぶる盥の手を止めた。
「ここまでやった以上、結果を出すまでは諦めきれない……!」
確かに、ここで投げ出したら、今までかぶってきた汚水はなんだったんだという事になる。
「そうだー! 悟りを開き、ニートを克服するまで! この池の冷水を被り続けろー!」
声援らしき声をかけるビルシャナであった。
そういうことならとリティアが前に出た。
「寒い時に寒くなるような事を公衆の面前でやるのはいかがなものかと思います! 別にそんなの見たくないって人に対して迷惑すぎますよ! そこで私が提案しますのはこちら」
そう言ってリティアは池の近くの地面に大量の木を撒いて火をかけた。
「ファイアーーーーーー!!!!!」
元気よく叫ぶ。勢いよく燃え上がる炎。
「もとい火渡りです! 見ている方はあったかい上にあなた方は修行が出来るのです! 水垢離よりも火渡り! 火の上を渡ってこその修行ですよ! さあほら早く歩いて!!」
そう言って信者の腕を取って引っ張っていって火渡りの方へ突き飛ばす。
すんでのところで飛び退いて、地面にコケる信者。
「さあ、あなたも、あなたも!」
次々と火の方へ突き飛ばしていくリティア。
「あ、熱い……あったかいんじゃなくて熱い!」
「嫌だ、苦行は辛い!」
「こんなんで悟りが開けるかー! 俺はおうちに帰るんだーー!!」
そう叫んで信者達は半裸や裸体のまま、寺の門の方へ走り去ってしまった。
「コラー! 待て、貴様ら、修行を中途半端で投げるなーー!! 悟りを開くんじゃなかったのか!!」
大慌てで叫ぶビルシャナ。
「ビルシャナも火渡りをしたらどうだ? 焼き鳥になってしまうがな」
双麻がからかうようにそう言った。戦闘開始。
●
『揺蕩う光よ、天駆ける風となりて その身に力を宿しましょう』
リティアが静けき森の謳で仲間達の力を高めていく。
『依巫此処に希ふ、神業を以って成し給へ――!』
同じ頃、いづなも神鳴で壊アップをかけていた。
ヒマラヤンがレゾナンスグリードで蹴りかかる。
菜々乃はニートヴォルケイノを撃ち放つ。
「くうっ」
パワーアップしているケルベロスの力にビルシャナが呻く。
そのビルシャナにヒエルがハウリングフィストで突っ込んで行く。
双麻の達人の一撃。凍り付くビルシャナ。
そこに桐子がヘッドショットを撃って氷を打ち砕く。
桐子の銃撃に沿いながら紗綾がバスターライフルを構える。
『遠慮は要らないです、全弾纏めて持っていけですー!』
千なる一の銃声で無数の弾丸をビルシャナにたたき込む紗綾であった。
「ふざけるなァーー! 悟りも開けぬ愚民がァ--!!」
ビルシャナはビルシャナ閃光を撃ち放つ。前衛を中心にダメージ。
間髪入れずに八寒氷輪を撃つ。今度は後列にダメージがケルベロス達に襲いかかる。
しかし一番後ろにいたリティアは無事だった。すかさずリティアがオラトリオヴェールを前列にかける。
リティアのボクスドラゴンのエルレと 桐子のシャーマンズゴーストのラビドリーがビルシャナに突っ込んで行き、ボクスアタックと神霊撃で時間を稼ぎ始めた。。
紗綾のボクスドラゴン、アルゴルは被弾した主人に属性インストール。
菜々乃とヒマラヤンのウイングキャット、ヴィーくんとプリンは清浄の翼を広げて主人達を回復。
ケルベロス達は、即座に立ち上がった。
「寒暖差が好きなんだろう」
ブレイズクラッシュを撃ち放つ双麻。
桐子のブレイジングバースト。
桐子が燃やした次の瞬間、紗綾がフロストレーザーで凍り付かせる。
正に寒暖差の攻撃。
そこに菜々乃が戦術超鋼拳で突撃し、ビルシャナの羽毛を吹っ飛ばす。
その影からいづなが獣撃拳で追い打ち。
『当てて、流し込む。それだけだ。』
弱っていくビルシャナに、ヒエルは氣貫掌底で触れながら気を流し込む。
『コード・トーラス! これで殴られたら痛いですよ!』
コード・トーラス モードat-pにより、ヒマラヤンのオーラがガントレットとなってビルシャナを殴打。
それがトドメとなり、哀れなビルシャナは池の側に倒れ伏して、二度と動かなくなった。
●
戦闘後、ヒールで片付けを終えたケルベロス達が門の方へ向かうと、そこでは信者達が服を探して戻って来ていた。
「まあ、いっぺん死んだ気になって頑張れば、割となんとかなる物なのです。そういう意味ではビルシャナも役に立ったのかもしれないのですが、アレは頼ったり縋ったりしてはいけないモノなのです。おにーさんたちも風邪を引かない内に帰って暖かくするのですよ」
ヒマラヤンが苦笑してそう言った。
菜々乃やヒエルも彼らの事を気にしていたため、ケルベロス達は廃寺で元信者達の話を聞いてやった。その後、元信者達の何人かは無事に社会復帰を果たしたという。
人間、その気になれば、いつでもやり直しは出来るのかもしれない。
作者:柊暮葉 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
![]() 公開:2017年2月17日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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