アイドルはダモクレス 突然さよならライヴ

作者:そうすけ


 開演前のBGMが止まる。ホールの灯りが落ちて客席が闇に沈んだ。ぽつぽつとペンライトの明かりが、期待にうねる黒髪の波の上に浮かぶ。
 さあ、本番だ。
 1 時間以上待たされたファンたちの期待が、舞台の袖まで押し寄せてきて、素肌ではじけて――!!?
「ちょっとぉ、なんで携帯持ってんの。困るよヒナミちゃん。もうすぐ――って、どこへ行くの!!」
「ごめんなさーい、すぐ戻りまぁ~す」
 本番前にマジで無粋な着メロ。
 でも無視できない。
 だって、これ、レジーナ様専用の着メロなんだもん。
「はい、ヒナ……え、帰ってこい? ええ~っ!? でもでもぉ、今夜は…………あ、はい……わかり、まし、た」
 がっくり。
 いきなり撤退しろってひど~い。今夜はヒナミの初の単独ライヴなのにぃ。
「あ、でも、メジャーデビュー直前ライヴで失踪……っていうのもいいかも♪ やだぁ、ヒナミ、伝説になっちゃう~♪」
 ヒナミを愛してくれるファンたちなら、お別れにグラビティ・チェインを喜んで差し出してくれるよね?
「ヒナミちゃーん!!」
 あ、マネージャーが呼んでる。行かなきゃ。
 ついでにこいつも殺しちゃおーっと。 
 

「『コマンダー・レジーナ』の部下による事件がまたまた起こるよ」
 ゼノ・モルス(サキュバスのヘリオライダー・en0206)はあきれ顔だ。
 指揮官型ダモクレスの地球侵略が始まって久しいが、潜伏中だったダモクレスの多くは、そのまま指揮官の命に従って撤退している。
 だが、行きがけの駄賃のようにグラビティ・チェインを略奪しようとして、ケルベロスに討伐されたダモクレスは少なくなくない。
「うん、今回もそのうちの一体が事件を起こすんだ。今回、討伐対象となるダモクレスは、知っている人もいるかもしれないね。最近、人気急上昇中のインディーズ・アイドル……」
 わざとらしく間を置いてから、ゼノはダモクレスの名を口にした。
「弥生ヒナミ。彼女……じつは彼が、今夜行われるライヴで正体を現し、ファンたちやマネージャーさんを「歌って踊りながら」殺しちゃうんだ」
 目の前で爆発が起こり、最前列の人が吹き飛んでも、これはライヴの演出だと思い込んだ客は、逃げるどころか悪乗り。
「ボクもヒナミちゃんにぶっ飛ばして欲し~いって、自ら進んでステージに向かうファンでいっぱいだよ。さすがに途中からおかしいって気づいて逃げ出すんだけど」
 そのころには半数の客たちが死んでしまっている。生き残っている人々も、建物自体の損傷が激しく、火災も発生しているため、ライヴホールから無事に逃げ出すのは極めて困難だ。
 事前に避難誘導させようとしても、行動を起こす前にケルベロスが介入すると、ファンたちから一斉に抗議されるだけで終わってしまいかねない。
「だから、みんなはダモクレスがファンたちに向かって正体を明かした直後、ステージに上がるといいんじゃないかな」
 ゼノは手を上げて合図すると同時に、ヘリオンのドアが開いた。
「お客さんたちに怪我をさせることなく、弥生ヒナミがファンたちにかけた幻想を打ち砕き、できれば最高にライヴを盛り上げて倒して欲しい……って、難しい?」
 でも、ここに集まったみんなならきっとできるはず。
「さあ、乗って。ダモクレスのさよならライヴへ行こう!」


参加者
椎名・来栖(貴方が為の輪舞曲・e01160)
山之内・涼子(おにぎり拳士・e02918)
浦葉・響花(未完の歌姫・e03196)
バジル・ハーバルガーデン(薔薇庭園の守り人・e05462)
嶋田・麻代(レッサーデーモン・e28437)
デリック・ヤング(渇望の拳・e30302)
浜本・英世(ドクター風・e34862)
エイス・レヴィ(ワールドイズユアーズ・e35321)

■リプレイ


 デビュー前のアイドルが歌うにはいささか大きすぎるライブホールのステージに続く廊下を、ケルベロスたちがゆく。
 山之内・涼子(おにぎり拳士・e02918)は人気上昇中という触れ込み、いや、実際に人気はあるのだろう、いわゆる地下アイドル・弥生ヒナミのダモクレスとしての一面を誰よりもよく知っていた。
 それゆえ、前方から聞こえてくる地鳴りのような騒めきには、困惑と同時に強い怒りを感じる。
(「ファンの人たちには悪いけど、みんなのためにもこのライブは成功させちゃだめだからね」)
 アイドルに託した夢と思いを無残にも砕き、命――グラビティ・チェインまで奪うとするデウスエクス。涼子にとってもヒナミは宿敵の一人である。必ず倒す、とぐっと握った拳に決意を込めた。
 バジル・ハーバルガーデン(薔薇庭園の守り人・e05462)は、興味深そうに廊下の壁を眺めながら走っていた。
(「このライブには沢山の人達が集まっているのですよね。必ずみんな助けてあげましょう!」)
 この廊下にはこれまでに活動してきた無数のバンドやシンガーの汗や情熱、音楽に賭ける思いと、そのファンたちの夢がしみ込んでいるのだろう。どうやらそんな名もなきミュージシャンたちの熱が体に移ってしまったらしい。
 一方、浦葉・響花(未完の歌姫・e03196)のテンションは、前を行く二人に比べて低い。
(「最高のライブで盛り上げて倒してほしい? 出来る訳ないでしょう。無茶な事を言わないでよ」)
 ヘリオライダーの無邪気な笑顔を思い出し、ついつい愚痴をこぼしたくなる。
「ま、せいぜい頑張るけど。あ、ちょっと待って」
 響花の呼びかけに応じて、ケルベロスたちは先に曲がり角が見えている階段の前で足を止めた。
 もう一度、作戦の確認をするために八人で円陣を組む。
「……それじゃあ、わたしは左へ。外へ出るドアを先に開けておくわ」
 浜本・英世(ドクター風・e34862)はスーツの内ポケットから、プラチナチケットを取りだした。これがあれば、警備員やスタッフたちにとがめられることなくステージの袖まで行ける。
「私はここを上がってステージの袖に回るとしよう。まずマネージャーを説得、その上で逃がす」
 デリック・ヤング(渇望の拳・e30302)は階段を封鎖する鎖を外した。一段目に足をかけて、仲間たちを振り返る。
「俺はステージ袖から一番に切り込んでいって、MCで避難誘導の時間を稼ぐ。まあ、その……なんだ。どうやったって、盛り上がりに水を差す悪者になっちまう。客席から早めに上がってきてくれよ」
「大丈夫です。できるだけ客席の前の方で待機します」
 嶋田・麻代(レッサーデーモン・e28437)がぽんっと胸を叩く。
「敵が正体をばらしたらすぐにステージにあがって、間髪入れず根性平手打ちを見舞ってやりますから」
「アイドル勝負って事デスね!! あたしも派手にぶちかますデスよ」
 椎名・来栖(貴方が為の輪舞曲・e01160)は、掛かってこいやぁ、と愛らしい声にせいぜいドスを利かせながら、立てた中指を薄暗い天井に向けた。
 ひくく抑えた笑い声が輪の内に広がったことで、いい具合に緊張がほぐれたようだ。組まれた円陣内の雰囲気が少しだけ和む。
 戦い慣れたケルベロスであっても、今回のような戦いはそうそうあるパターンじゃない。どうやら全員が、いつもと違う緊張を大なり小なり強いられていたらしい。
 エイス・レヴィ(ワールドイズユアーズ・e35321)が、そんなみんなの気持ちを代弁する。
「ゼノさんのオーダー、難しいです」
 だよね~、と響花が茶々を入れると、また笑い声が広がった。
「つまり、あれは……戦いながら、ライブを聞きに来たファンのみなさんの心のケアもしてください、ってことですよね?」
 ヒナミ自らダモクレスであることを暴露しても、熱狂的なファンは事実を受け入れずに否定する可能性がある。戦いの最中にヒナミを庇い、ケルベロスたちを攻撃しようとする者も出てくるだろう。
 エイスの考察に、英世は重々しく頷いた。
「なによりも怖いのは、ファンたちのアンチケルベロス化だな。あり得ないとは言い切れない。我々ケルベロスが後願の憂いなく全力で戦えるのは、人々の絶大なる信頼と支援を受けているからだ。その信頼がごくわずかでも揺らげば、大げさなことではなく地球が滅びかねない」
「それは絶対にダメ! 難しいけど、僕、頑張ります!」
 デリックは、俄然張りきりだした元ダモクレスの少年に向けて親指を立てた。
「おう、頑張ろうぜ。要するに、やっぱり俺たち『ケルベロスが一番』って気持ちにさせればいいだけの話さ。歌って殴って、踊って殴ってしながら、な」
「……とまあ御託は置いといて、楽しませてもらいますよ! なんたって私たち自身がワクワクしなきゃ、お客さんたちを喜ばせることなんてできないですからね」
「その通りデス! 楽しむデスよ!」
 麻代の言葉を来栖が力強く引き継いで締めくり、解散となった。


 ドアを開いたとたん、夜の街のざわめきと冷たい風が一緒に流れ込んできた。
 響花は微かに体を震わせた。勝手にドアを開けるな、と男に叱られて笑顔で振り返る。
「弥生ヒナミにデウスエクスの疑いがありと通報があったので、避難誘導のために少しの時間だけここを開けておきます」
「ヒナミちゃんがデウスエクスぅ? そんな話、聞いてないぞ。だいたい、誰なんだ君?」
 首から下げたパスケースを持ち上げて男に見せる。事前に手に入れておいたスタッフ証だ。
 男がパスケースに顔を近づけてきた途端、響花はパスケースを裏返し、中に入れておいたケルベロスカードを見せた。
「……ということで、ご協力願います」
 男がコクコクと頷いたところで、床が振動した。コンサートライヴが始まったようだ。
 簡単に明かり点けの指示を出すと、自身もホールに急いだ。
 その少し前――。
 涼子とバジルは壁際を移動し、巨大スピーカーの横に居場所を確保した。ここからではステージが見えないためか、誰からも文句は出なかった。キープアウトテープを取りだして背の後ろに隠し持つ。
 フロアのざわめきが割れたで目を向けると、エイスが来栖の手を引いてステージに向かって来るのが見えた。
「まだ小さいので、後ろにいるとヒナミさんが見えないのです。邪魔にはならないので入れてください」
 気持ちよく通してくれる人、無視する人、逆に前を塞ぐ人。ヒナミのファンにもいろいろいる。小さな体で大きな体の間に懸命に割りこみ、強引に進んで、ふたりは最前列に出た。
 麻代の場合はファンたちの激しい抵抗にあった。とくにヒナミの女性ファンからは、何度も脇腹に肘鉄を撃ち込まれた。一般人からの攻撃でケルベロスがダメージを受けることはないが、度重なるとちょっと辛い。
 とりあえず、麻代は最前列から数えて四列目で妥協したようだ。
 ステージ脇では、英世がヒナミのマネージャーに声をかけていた。ちょうど、ヒナミがステージへ元気よく飛び出していった直後のことだ。
「さて……すまないが、危ないから逃げておいてくれたまえ」
 え、と驚いているマネージャーの横を、マイクを握りしめたデリックが駆け抜けていく。
「キミがいままでマネージメントして来た彼女、いや、彼は地球に潜伏していたダモクレスだったんだ。今夜、彼は自ら正体を明かして凶行に及ぶ。キミには気の毒な話だが、我々ケルベロスは弥生ヒナミを討たなくてはならない」
 マネージャーが泣き笑いの顔を向けたまま、後ずさりしていく。背を向けて階段を駆け下りだすと、英世は黒いマントを優雅に翻して、歓声が爆発したステージへ向かった。

● 
 ぎっしりと詰めかけたフアンが見守る中、「ヒナミのライブにようこそ!」という声とともにダモクレスがステージに飛び出してきた。
 ホールいっぱいに膨れ上がっていたオーディエンスの期待が一気に爆発する。ペンライトの光が嵐の海のようにうねり、四方からステージに向けて野太いかけ声が飛ぶ。中にはキャー、という黄色い声も混じっていた。
「みんな、来てくれてありがとう。いきなりですが、今夜はヒナミから重大なお知らせがありまーす!」
「知ってるよー」
 まるで事前に打ち合わせていたかのようなタイミングと声の揃えかたで返しがあった。ヒナミのメジャーデビューは、予め一部のファンたちに知らされていたらしい。
 ヒナミはマイクを両手で持ち構えると、最高の笑顔をフロアに向けた。
「さっきね、ヒナミの司令官から帰って来いって命令があったの。命令は絶対だからデビューは諦めなきゃならないんだけど――」
 事情をよく飲み込めていないのか、フロアからは「えー」という残念がる声が上がった。
 このタイミングで、キープアウトテープを持った涼子とバジルがステージの前を走るが、客はまだ、いや、ヒナミすら演出の一部だと思ったようだ。
 ステージの前にキープアウトテープが張られると、同時に1曲目『悪魔でアイドル☆』の演奏がスタートする。
「最後に一生懸命歌うから、聞きながら気持ちよく死んでね。みんなのグラビティ・チェインをヒナミに頂戴!」
 客は大、大、大歓声! 曲にあわせて跳ね、踊りはじめた。
「おめーら、バカか!」
 ヒナミが口を大きく開いたまま固まった。演奏が止まり、静まり返ったフロアに残響が響く。ヒナミは観客席に向かって伸ばした腕を、体ごと回してステージに乱入して来たレプリカントに向けた。
「さっさと目を覚まして逃げろ! こいつはダモクレスだ!!」
「ちょっと。なに勝手にステージに上がってぶち壊してくれてんのよ!」
 ファンたちが戸惑っている間に、麻代はステージに向けて走り出した。その背を追うようにして、様々な色のペンライトが次々とステージ上のデリックに向けて投げられる。
 怒声が上がった。
 暴徒化寸前のファンたちがステージに押し寄せる。
「早く、キープアウトテープを!」
 開け放ったドアから、一部の冷静な客を逃がしつつ、響花は怒声に負けない大声で叫んだ。
「わかってるって!」
 二重、三重に張られたキープアウトテープによって、ステージの前の空間がなんとか確保された。
 通路の非常灯がつけられたことで、さらに二割ほどのファンが正気づいたようだ。それでもまだ七割ホールが埋まっている。
「な……今夜はヒナミのさよならライブコンサートなんだよ。ファンなら死んでも残って聞いてよね!」
 ヒナミの背から赤いハートの可愛らしいバルーン爆弾が飛び出した。フロアに向かって飛んでゆく。
「ちょっと待つデスよ! さよならライブに乱入するファンの為のアイドル……そう! 私デス!!」
 仲間たちの手をかりて、来栖が大きくジャンプ。キープアウトテープを飛び越え、星の道を後に残しながら、ヒナミを蹴り飛ばしてステージに降臨した。
 倒れたヒナミのスカートがあられもなくめくれ上がり、シマシマパンティーが露わになった。
「あれー? 貴方、男子デスね? 男の娘デス?」
 ヒナミは上半身を起こすと、慌ててめくれ上がったスカートの裾を降ろした。
「そんな最近の流行りに乗っかった程度のイロモノアイドルに負けるわけには行かないんデスよねー」
「ヒナミは色物じゃない、本物のアイドルだよ! ただ、ダモクレスなだけ。そう悪魔でアイドル☆なの♪」
 涼子はステージに飛び上がると、一気にヒナミとの距離を詰めた。突きだされた拳のあまりの速さに、周りの空気も凍りつく。
 ヒナミはカウンターを放っていた。腹に凍てつく正拳を受けながらも、肘から先をドリルのように回転させて涼子の右胸をえぐった。
「涼子さん? お久しぶりですね~。これは、あの命令をついでに終わらせるチャンス。大人しく捕まってくれると、ヒナミ、嬉しいな。抵抗するなら死ぬほど痛めつけて連れて帰りますけどネ」
「へえ、ボクのこと覚えていてくれたんだ。だが、断る!」
 バジルは手に魔力を集めると、回復のハーブを育てた。紫の瞳がサスペンション・ライトを受けて強い光をはじき返す。足でリズムを取りながらハーブを伸ばし、傷ついた仲間の肩を強引に縫い合わせた。
「人に夢を与えるのがアイドルというもの。その夢を裏切る以上、ヒナミくん、キミに楽器など不要だろう?」
 いつの間にかステージに出てきていた英世が、指先をパチンと鳴らす。
『さあ、真っ二つだ……!』
 真空刃がステージを深く切り裂きながら飛んで行く。ヒナミが肩から下げていたバイオレンスギターに当たって弦を切り、一拍おいてギターのボディーを真っ二つにした。
「ひどーい!」
「はいはい。そこでちょっと大人しくしていてね。準備できたらすぐ、倒してあげるから」
 響花は光るマインドリングを指先でくるりと回すと、仲間たちの体を光輪で包み、キラキラと光るステージ衣装に着替えさせた。
 ヒナミのピンク基調の衣装に対抗して、ケルベロスは純白にラメで輝くライトブルーがアクセントのスーツだ。
 バジルが壊れたステージにヒールをかけて、大きな葉と花のステップを作る。
「女同士で観客を沸かせるものといえばキャットファイト! さあさあばっちこい! 来ないならこっちから行きますよ?」
 地獄の炎を掌に集め、麻代がヒナミに迫った。相手にガードする隙を与えず、後ろに引いた腕を振る。
『根性!』
 小気味いい頬打ちの音に合わせてヒナミの顔が左右に揺れる。赤く腫れあがる顔。アイドル形無しだ。
 デリックは両手で包み込むようにしてマイク持った。
「よし、行くぜ、みんな!!」
 マイクを喰らう勢いで、ヒナミの魂を砕く降魔の咆哮を放つ。それを合図にホールを揺るがすほどの大音響で流れ出した曲は――。
 エイスはマインドリングから光の剣、否、光のマイクを具現化して取りだすと、歌声とともに大きく振り回した。
「運命を――」
 内に宿したグラビティ・チェインの熱を地球の青い光に変えて、機械の猫耳がキラキラと輝く。
「変えるんだ♪」
 熱気が膨れ上がり、弾け、満ちあふれた。ケルベロスたちが歌いながらフロアに向けて手を振る。大歓声が巻き起こった。
「お客さんたち、情熱的ですてきでーす!!」
 女性陣の優しい歌声の上を、エイスの爽やかな声が弾む。
「歌を力に。力を歌に。皆を幸せにする歌を届けるデス!」
 男性陣の深く温かい歌声にくるまれて、来栖の甘い声が踊る。
「みんな、一緒に歌って!」
 涼子の掛け声とともに、大合唱が始まった。
 地団駄踏んで悔しがるヒナミに、元ダモクレスの拳士は呼びかける。
「悔しいか? どうせならレプリカントになって、本当にアイドルでもやってみたらどうだ。お前だったら、地球侵略を続けるより性に合っているかもしれないぜ?」
 誰が、と言って憎しみに顔を歪めたヒナミが背中を開く。
 その瞬間、光を越えた涼子の拳がヒナミを打ちぬいた。

作者:そうすけ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年3月1日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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