●
薄暗い室内。
「喜びなさい、我が娘」
冷えた空気を震わせる笑い声はどこか狂った響きで。
「お前にドラゴン因子を植えつけてやった。即ちドラグナーの力を授けた」
目を開けた女が驚くのも気にせず、仮面の男は続ける。
「だが、未だドラグナーとしては不完全な状態だ。これではいずれ死亡する」
死亡と聞いた女の顔が強張る。
「死なずに完全なドラグナーとなるには、与えてやったドラグナーの力を揮い、多くの人間を殺してグラビティ・チェインを奪うしかない」
仮面の男——竜技師アウルはそう女へ吹き込んで、ニタリと見る者が薄ら寒くなるような笑みを浮かべた。
女は考える。
「……もう人生に疲れたの。嫌いな人とも仲良くしなきゃいけない人生に」
SNSが浸透した昨今、女はそこで行われるやりとりに辟易していた。
表面上では仲良くしておきながら、裏で嫌いな相手の悪口を言う友人達。
ネットの繋がり故にその本音と建前両方を見せられて、深まった混乱は嫌悪に変わった。
かと言って、悪口を言われている相手に告げ口もできず、友人を諌める勇気もなく、自分がその辛さを吐き出しては友人と同じ事をしてしまう——女は独り苦悩を抱え込み、精神を蝕まれていった。
「良いわ。殺してやる。皆死んでしまえば良いのよ、そしたら本音も何も無くなるもの。私もあいつらも嫌いな相手にまで良い顔しなくて済むし」
立ち上がった女は昏い決意を胸に、実験室を後にした。
●
「…………」
暫しの沈黙の後。
「ドラグナー『竜技師アウル』によってドラゴン因子を移植され、新たなドラグナーとなった人が、事件を起こそうとしてるであります」
息を調えた小檻・かけら(藍宝石ヘリオライダー・en0031)が説明を始める。
この新たなドラグナーはまだ未完成の状態で、完全なドラグナーとなるのへ必要な大量のグラビティ・チェインを得ようと、更に、ドラグナー化する前に惨めな思いをさせられた復讐も遂げるつもりで、人々を無差別に殺戮するようだ。
「……皆さん、どうか急ぎ現場に赴いて、未完成のドラグナーを撃破してくださいませ……お願い致します」
そう切々と訴えるかけら。
「出現する未完成ドラグナーは1体のみであります。また、この個体は未完成なので、ドラゴンに変身する能力は持ってないであります」
未完成ドラグナーは、手にした簒奪者の鎌を用いて攻撃してくる。
「デスサイズシュートとレギオンファントムを交互に使ってきますが、他にも……竜語魔法らしき物を唱えてもきますので、お気をつけください」
その竜語魔法は頑健さに優れた魔法で、命中した相手の動きを鈍らせ時に足止めする。
「未完成ドラグナーが現れるのは山梨県の繁華街であります。恐らく一般人の避難誘導も必要となるでありましょうが、何卒皆さんご自身のお力で、一般人の方々を守って差し上げてくださいませ」
と、かけらは補足して、
「新たなドラグナーがグラビティ・チェインを蓄え、完全なドラグナーとなる前に、どうか事件を阻止してくださいませ。宜しくお願い致します」
説明を締め括るや、ケルベロス達へ深く頭を下げた。
参加者 | |
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日柳・蒼眞(落ちる男・e00793) |
ベルンハルト・オクト(鋼の金獅子・e00806) |
ドローテア・ゴールドスミス(黄金郷の魔女・e01306) |
エリシエル・モノファイユ(銀閃華・e03672) |
タクティ・ハーロット(重力喰水晶・e06699) |
ティ・ヌ(ウサギの狙撃手・e19467) |
レティシア・アークライト(月燈・e22396) |
ラグナシセロ・リズ(レストインピース・e28503) |
●
山梨県の繁華街。
ケルベロス達はそれぞれ一般人の振りをして街並みへ溶け込み、未完成ドラグナーの襲撃を待っていた。
「皆みんな殺してやる……本音を隠して上っ面だけで仲良くしてる人、だいっきらい!!」
30分も経たない内に、突然人混みの中へ飛び込み奇声を上げて暴れ始める女が。
簒奪者の鎌を振りかざすこの女こそ、竜技師アウルに改造された未完成ドラグナーである。
「死ねぇぇぇ!」
怯える一般人達の方へ、未完成ドラグナーはぶん回した鎌を躊躇いなく投げつける。
ズブッ——!
「例え人生に疲れ切ってしまう程思い悩んだ末の行動だとしても。今、この瞬間が全てです。惨劇を許すわけには参りません」
だが、鎌の刃が貫いたのは無力な一般人でなく、レティシア・アークライト(月燈・e22396)のLa vie est belleを纏った背中だった。
カツンとピンヒールを鳴らして一般人の前へ走り込んだ彼女が、身を呈して一般人を庇ったのである。
常に笑顔を絶やさないサキュバスで、とある会社の受付嬢をしているレティシア。
元々夜の世界で働いていただけあってか、艶のある黒髪や翠の瞳、メリハリのある肢体、どれもが異性を惹きつける魅力に溢れた美女だ。
「早々にお引き取りいただきましょう」
慎重なレティシアは即座に反撃へは移らず、攻性植物を『収穫形態』に変形。
黄金の果実の聖なる光で前衛陣の異常耐性を高めた。
駆けつけたウイングキャットのルーチェも、極彩色の翼を羽ばたかせて後衛陣を強化。
燈を思わせる暖かな瞳が印象的なルーチェ、レティシアが仲間とつかず離れずの距離を保っていた間、更に彼女から離れて物陰に隠れていたのだった。
「苦しんでいる人を救うこともできない。胸が痛む案件ね」
(「……それでも。せめて最後は、人として送りたい」)
ドローテア・ゴールドスミス(黄金郷の魔女・e01306)は、未完成ドラグナーを見つけるや否や奇襲攻撃を仕掛けるべく肉薄、
「貴女はずっと苦しんでいたんでしょう。だかラ、こんなことをするのよね」
意識を引こうと挑発めいた声を投げて、丁度レティシアへ鎌を投げたドラグナーの背後に回り込む。
『人生、余裕をもつこと』が座右の銘という、妖艶な鹵獲術士のドローテア。
龍髭街の片隅にて小さなバー『黄金郷』を営み、魔女を自称している。
いたずらとジョークを愛する性格故によく笑顔を見せるも、週末はプロポーション維持の為ジョギングを欠かさぬなど、他人から見えない所で努力を重ねているようだ。
「けド、それを他人に押し付けることは許さないワ」
高々と跳躍するドローテアは、光の尾が靡いた重い飛び蹴りを繰り出し、未完成ドラグナーの動きを阻害した。
「ドラグナーっていうのは本当にいらんことしかしないなぁ……早いとこアウルとかいうのを見つけたい所だぜ」
次いで、タクティ・ハーロット(重力喰水晶・e06699)が、相方のミミックと一緒に未完成ドラグナーの前へ躍り出る。
緑と橙のグラデーションが鮮やかなツノを持つ人派のドラゴニアンで、性格は非常に楽観的。
常に明るく笑っている朗らかさもあってか、本人さえ気づかぬ内にフォロー体質を発揮している模様。
独特の口調も印象に残るタクティ。居るだけで場を明るくさせる才能が、彼の持って生まれた徳なのかもしれない。
「いや、人生に見切りつけんの早すぎじゃねだぜ?」
そんなタクティは未完成ドラグナーを挑発しつつ、身に纏うゼノを『鋼の鬼』へと変化。
「つーか、別にSNSなくてもそういう二面性はあるよね。自分が知らないだけでだぜ」
結晶風に硬化された左拳をドラグナーの腹部へ勢いよく減り込ませて、厚い装甲を砕いた。
ミミックも赤い蓋を最大限に開いて未完成ドラグナーの足へ喰らいつき、痛みで奴の集中力を鈍らせた。
「……面倒くさい……本心から絶望した人間は自分が死ぬ事にすら怯えたりはしないだろうに……」
日柳・蒼眞(落ちる男・e00793)も、即座に半透明の『御業』を未完成ドラグナーへけしかけて頭を鷲掴みする。
そして、振り解かれるのを覚悟で奴を背後から羽交い絞め、一般人へ攻撃させまいと力一杯抑えつけた。
尤も、グラビティの力を使わず物理的にデウスエクスの攻撃を止めようとしても意味は無く、同じ事ならディフェンダーとして一般人の壁になる方が余程彼らを守れる可能性は高い。
「無関係な他人を殺して生き残る覚悟をする位なら、自分を追い込んだ友人達とやらか直接の死因を作った竜技師アウルを殺そうとする方がまだましだと思うぞ……」
それでも試さずにいられなかった程、蒼眞は未完成ドラグナーへ強い苛立ちと不快感を抱いている。
(「俺にもケルベロスとしての建前とは別の本音もあるけど、そういう意味ではヘリオライダーの小檻の方が余程口に出せない事は多いだろうな……」)
ヘリオン内ではそんな益体も無い事を考えてた蒼眞だが、何故かその小檻から蹴落とされていた。かのフレッド事件みたいに平静を装った結果かもしれない。
しかし降下してからの蒼眞は、目立たぬようケルベロスコートを脱ぎ、武器も適当に仕舞っていた為、違和感なく人混みに紛れていた。
「感情がある以上、相手によって見せる面が変わるのは当然。むしろ誰に対しても同じ面しか見せない人のほうが歪んでる」
エリシエル・モノファイユ(銀閃華・e03672)は、殺気を放って一般人を遠ざけながらきっぱりと言い切るも。
「……そういうふうに思ってしまうのは、やっぱり傲慢なのかなあ……その辺悩んだからこっちに吹っ切っちゃったわけだし」
ふと、青い瞳を揺らして密かに逡巡した。
綺麗に編み込んだ銀紫の長い髪が印象的な、シャドウエルフのエリシエル。
暗殺者の一族に生まれ、我流に剣術を昇華させた天才肌の刀剣士でもある。
出身は北海道、以前から兆候のあった食い道楽が最近とみに深まっているそうな。
「被害を出させるわけにはいかないからね。悪いけど一差し付き合ってもらうよ」
ともあれ、エリシエルは決意を固めた物言いで身軽に跳び上がる。
流星の煌めきを纏い重力も宿られた飛び蹴りを炸裂、未完成ドラグナーの機動力を奪った。
一方。
「彼女を、止めなくては。ヘル、大人しく隠れていてくださいね」
箱型の鞄に収まるボクスドラゴンへ真面目なな面持ちで語りかけるのは、ラグナシセロ・リズ(レストインピース・e28503)。
星月夜を想わせる星色の羽と髪を有し、翠玉の双眸はのんびり穏やかな内面を映して輝く、ヴァルキュリアの美少年。
性格はある種の突き抜けたポジティブさがあり、新しい事なら何にでも興味を示して、後先考えず動いてはよく失敗するらしい。
それでいて、日頃は相棒のヘルとよくぼんやり景色を眺めているラグナシセロ。
「落ちついてください、我々ケルベロスがお守りいたします!」
だが、割り込みヴォイスを駆使して一般人へ避難を促す様は真剣そのもの、人々を救いたい気持ちの強さが窺える。
「市民の保護を最優先! 急いで避難するのを手伝って。行くよ、プリンケプス!」
ティ・ヌ(ウサギの狙撃手・e19467)もトートバッグの中からボクスドラゴンの封印箱を取り出して、共に動けない人や逃げ遅れた人を助けようと戦場を駆け回っている。
ふわふわした大きな耳と、そこへ結んだ黒いシルクのリボンが可愛らしいウサギのウェアライダーの少女。
生来の銀髪や赤茶の瞳に加えて、ピンクのスリーピースのスイートコーデがティのファンシーな雰囲気を確固たるものにしている。
冷静沈着な性格で任務遂行時は至って真面目だが、それ以外だと自由気まま、豹変と言って良い程の落差に驚く人も多い。
「さて、ドラグナーか。ドラゴン信仰の者と聞くが、しかし……」
ベルンハルト・オクト(鋼の金獅子・e00806)は、到着直後こそドラグナーに悟られまいと一般人から距離を取って歩いていたが、戦闘が始まるやすぐに仲間達の避難誘導を手伝った。
ツヤツヤした金髪と考え深げな黒い瞳が特徴の、鎧装騎兵の少年。
「ドラゴンを解放せし者がいるならば、その逆の、ドラゴンを封じようと動く者もいそうなものだが。我々、ケルベロスのように……」
幼い実年齢に反して大人っぽくクールに装い、情に流されぬよう感情も抑える一方で、他人の意見を聞き入れて自分のものに昇華せんと努めるベルンハルト。
少し無愛想だが、それなりに茶目っ気もあり、もふもふした動物へはつい手を伸ばしてしまうぐらい好きなんだとか。
●
未完成ドラグナーの凶行に足が竦む人々へ懸命に声をかけ、ティやベルンハルト、ラグナシセロは、彼らをできる限り離れた場所へ送り届けた。
その後、足止め組と合流すれば、未完成ドラグナーは今しもレギオンファントムを放つところだった。
「何も聞きたくない! 痛い事をしてくるアンタ達の言葉だって綺麗事ばっかり!」
鎌に宿っていた怨念が未完成ドラグナーの意志によって解放され、亡霊の群れとなって襲いかかってくる。
前衛陣の体力が削られる中、ルーチェとミミックが体を張ってベルンハルトやエリシエルを守っていた。
「有難うルーチェ」
レティシアが安堵の息を吐く。
「キュアキュアしちゃおうねー」
ティはいち早くキュア☆キュア☆を繰り出して、前衛陣の傷を癒した。
ちなみに本人曰く、キュアキュアだからキュアキュアでキュアキュアなのです、との事。
プリンケプスも、ティが仲間の異常耐性を確かめた上でボクスブレスを吐かせ、未完成ドラグナーの動きを鈍らせる事に専念している。
「お待たせ。街の人はとりあえず大丈夫」
ベルンハルトは小型無人治療機を操って前衛陣の守りを固めてから、
「叩き潰す」
ドラゴニックハンマーを『砲撃形態』に変形させ、未完成ドラグナーを撃破せんと竜砲弾を撃ち出した。
「僕はSNSは詳しくありませんが……表と裏の顔、その差に辟易するお気持ちは少しは分かります」
と、慎重に言葉を選んで未完成ドラグナーの苦悩へ理解を示すのはラグナシセロ。
雷帝の爪を天に掲げて雷の壁を構築、後衛陣の異常耐性を高めた。
ヘルは属性インストールでルーチェの怪我を治療する。
戦いは続いた。
未完成ドラグナーは時が経つ程に正気を失い、攻撃の精度も鈍っているように見える。
ドローテアの足止めやミミックの捕縛、それらを強めるプリンケプスの追い討ちがじわじわ効いているからだろう。
「余所見をしている暇がおありで? あなたの相手はこちらですよ」
彼女らしい丁寧な口ぶりで未完成ドラグナーを挑発するのはレティシア。
そのままtictaclockの主砲を一斉発射して、何発もの砲弾を胴や四肢へ撃ち込んだ。
傍ら、ルーチェは低空を飛んで距離を詰め、思い切り爪を立て引っ掻いている。
「貴方はきっと一人で悩みを抱え込む、お優しい方だったのでしょう。せめて此処でお止めしなくては」
翠の瞳を切なげに揺らすラグナシセロは、雷帝の爪を高々と振りかざして雷を放射。
勢いよく迸った閃光が未完成ドラグナーへ吸い込まれるかの如く直撃、激痛に加えて大きな衝撃を与えた。
ヘルも金の身体を地面に滑らせ、渾身の体当たりをぶちかましている。
「いくら人生に絶望して同意したからといって、人間をドラグナーに改造するだなんてちょっと酷すぎます」
ティは竜技師アウルへの憤りを口にしながら、惨殺ナイフの禍々しい刃をぎらりと抜き払う。
「竜技師アウルの目論見を阻止するためにも、これ以上犠牲を出すわけにはいきません」
未完成ドラグナーの腹部を容赦なく斬り裂くと同時に、返り血を浴びて自らの体力の糧とした。
主と呼吸を合わせてボクスブレスを吐き、プリンケプスも連携に努めている。
「腐り落ちろ」
呪術的刻印の施された重金属をドラゴニックハンマーへコーティングするのはベルンハルト。
ガスッ!
未完成ドラグナーへ触れたと同時にコーティングは炸裂、物理と魔術両面の毒素を直接叩き込んだ。
「言いたいことはある? 吐き出したい憎しみは? ぶつけたい怒りは? 溜め込んだ苦悩は?」
ドローテアは未完成ドラグナーを挑発する反面、その中には、彼女の心を楽にしようとの意図——思いやりが滲んだ詰問も見受けられる。
「……テメェら不満や文句は相手に直接言いやがれ!! 傍観者の身にもなってみろや糞がぁあああああ!!!!」
絶叫する未完成ドラグナーの目は憎悪に血走っている。
「そうよ、ここで全部出し切りなさい。その苦しみ、アタシ達は受け止める!」
力強く断言するや、《蠍座の星剣》を引き抜いて幾重にも織り込まれた術式を起動するドローテア。
剣に組み込まれた幾多の魔術回路を辿った魔力が切っ先を鋭く研ぎ澄まして、赤い軌跡を描いた一閃を浴びせるや、未完成ドラグナーの心臓を貫いた。
「ランディの意志と力を今ここに! ……全てを斬れ……雷光烈斬牙……!」
一方、稲妻の闘気を篭めた斬霊刀を振るうランディに、未完成ドラグナーを同情する以上の気持ちは無い。
復讐と称して無関係な——未完成ドラグナー当人に無関係という正しい認識が出来ていないにしても——人間を殺害したり、自分がしない事を他人に求める相手へ好感を抱ける筈もない、と。
かの冒険者が得意とした電刃飛翔斬りの威力は高く、未完成ドラグナーの胸から血煙が上がる。
「……あんまりやりたくないけど彼女に引導を渡してやるかだぜ」
苦い表情のタクティは、ハンマーガントレットのリギュラからドラゴニック・パワーを噴射。
加速したハンマー部分を全力で振り下ろし、未完成ドラグナーを叩き潰した。
偽物の財宝をばら撒いて、彼女を惑わそうと奮闘するのはミミックだ。
「『智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ』……か」
未完成ドラグナーへ憐れむかのような視線を送り、ぽつりと呟くのはエリシエル。
「掛け値なしの本音で殴り合えるような相手がいれば、こうはならなかったのかなあ……」
沈んだ声音からは、彼女が未完成ドラグナーに己を重ねている事が窺えるも、
「山辺が神宮石上、神武の御代に給はりし、武御雷の下したる、甕布都神と発したり。万理断ち切れ、御霊布津主!」
最速の斬撃を以って未完成ドラグナーを斬り捨てた二代孫六兼元真打の太刀筋には、迷いなど感じられなかった。
「畜生……皆、表向きは嘘ばっかり……!」
未完成ドラグナーは、最後まで世を拗ねたまま事切れた。
消えゆく遺体へ、エリシエルが黙祷を捧げた。
「はぁ……、こういうのって、ちょっとしんどいですよね……」
やるせなさを感じて肩を落とすティへは、ベルンハルトがハンカチを差し出して。
「ティもだけど、プリンケプス、大丈夫か?」
プリンケプスの怪我の具合を確かめるように愛で始めた。
作者:質種剰 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年2月18日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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