●
「水着を普段着にするべきであるっ!」
廃校舎の真ん中でビルシャナが叫んでいる。暑い季節に全身暑苦しい羽毛の男なのだが、特徴は、暑すぎるせいか昼間から海パン一丁でほぼ裸ということだ。
「惜しみなくさらけ出される肌の健康美! 日焼けの美しさ! 日焼けのメラニン色素は冬の風邪を撃退する効果があるのだ! さらに素肌を見せる事によって自信がつき、見せ合う事によって連帯感と信頼の絆が生まれる! それに動きやすくスタイリッシュで美しい! そして何よりエロイ!!」
ビルシャナの前には10人ほどの信者が座って説教を聞き入っている。
「水着は泳ぐ時だけの衣服にしておくべきではないっ! 今こそ水着を普段着に! 春も秋も冬も水着を普段着に! 老いも若きも男も女も水着! 通勤中も仕事中も家事の最中も学校でも水着! 水着!」
ビルシャナが拳を振り上げて叫ぶと、信者の方も、水着! 水着! と繰り返し始めた。
●
「老若男女がいかなる時も水着を普段着にするべきというビルシャナが発生しました。至急、倒してください」
セリカ・リュミエールが説明を開始する。
癒伽・ゆゆこ(湯治杜の人形巫女・e00730)を始めとするケルベロス達はざわめきながらも、セリカの説明を待つ事にした。水着を普段着にする社会。どいつもこいつも変態ぞろいに見えてしまうのではなかろうか。
「犯人は鎌倉奪還戦の際にビルシャナ大菩薩から飛び去った光の影響で、悟りを開きビルシャナになってしまった人間です。悟りを開いてビルシャナ化した人間とその配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破する事が、今回の目的です。このビルシャナ化した人間が、周囲の人間に自分の考えを布教して、配下を増やそうとしている所に乗り込む事になります。ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、ほうっておくと一般人は配下になってしまいます。ここで、ビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が配下になる事を防ぐことができるかもしれません。ビルシャナの配下となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば元に戻るので、救出は可能ですが、配下が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」
水着を普段着にと言う悟りは新しすぎるし、それを布教して信者を増やされるのは、確かに問題である。
●
セリカは説明を続けた。
「今回、ビルシャナが発生したのは静岡県の田舎町の廃校舎です。使われなくなってから何年も経ったところにビルシャナが入り込み、そこを布教活動の場所として勝手に使用しているようです。廃校舎の周りには整備されていませんが校庭もあります」
そこでゆゆこが聞いた。
「ビルシャナの能力は?」
セリカは頷いて資料を広げて見せた。
ビルシャナ閃光……敵を退ける、破壊の光を放ちます。
八寒氷輪……氷の輪を飛ばし、敵を凍りつけさせます。
清めの光……光を放ち、傷を癒します。
セリカは次に配下の説明に取りかかった。
「配下たちは、十代から二十代の男女が中心で、水着を普段着にという教義に洗脳され、さらに教えを広めようと思っています。大変危険な状態なので、出来るだけインパクトのある説得を行って早く目を覚まさせてあげてください」
●
最後にセリカはこう締めくくった。
「教義を聞いている一般人は、ビルシャナの影響を受けているため、理屈だけでは説得することは出来ないでしょう。重要なのは、インパクトになるので、そのための演出を考えてみるのが良いかもしれませんね」
参加者 | |
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フィオリナ・ブレイブハート(インフェルノガーディアン・e00077) |
癒伽・ゆゆこ(湯治杜の人形巫女・e00730) |
愛柳・ミライ(宇宙救済係・e02784) |
草壁・渚(地球人の巫術士・e05553) |
高坂・綾音(トランジスターグラマー・e10792) |
浅葱・ミク(クルーズナビゲーター・e16834) |
スノー・ヴァーミリオン(深窓の令嬢・e24305) |
春夏秋・雹(冬の精霊は旅に出て・e29692) |
●
「水着を普段着に! 水着を普段着に!」
オンボロの廃校舎の中では異様な光景が繰り広げられている。
全身羽毛の鳥お化けが海パン一丁で拳を振り上げ、「水着! 水着!」
その前には十人ほどの老若男女が水着姿で「水着! 水着!」
これはこの世の出来事なのだろうか、と、突入してきたケルベロス達はお互いに顔を見合わせる。エアコンも効いていない埃臭い校舎の中で、水着着て叫んで、こいつら猛暑で頭がおかしくなったんじゃないだろうか。
「日焼けした肌の健康美! 素肌を見せ合う事で高まる信頼感! メラニン色素の風邪予防! それになんといってもエロイ! 水着こそ至高のユニフォーム! 水着を普段着に!」
信者達を前に一心不乱に説教をしているビルシャナ。
それを見て、ついに、春夏秋・雹(冬の精霊は旅に出て・e29692)は教室の戸口付近から突っ込んでしまった。
「……ただの変態集団にしか見えないぜ……」
実際、その漲る異次元感は普通じゃない。
「何者だっ!」
そこでビルシャナと信者達が一斉にケルベロス達を振り返った。
ケルベロス達は教室の中に突入した。
「この真夏に暑苦しい格好をしおってお前ら……何故、水着を着ないっ! 水着こそ、普段着にするべきなのだ!」
ビルシャナが早速説教をしてくる。
そこで、癒伽・ゆゆこ(湯治杜の人形巫女・e00730)が顔を赤くしながら前に進み出た。
(「ずっと水着生活は恥ずかしい上にあぶなさいっぱいだと思いますので、阻止しないと危ない未来がやってきそうなのですっ」)
そういう心意気である。
ゆゆこは雄々しくもビルシャナを真っ直ぐに見据えて発言した。
「水着もいい所はあるかもですけど、『あの人ああいうお仕事の人なんだ!』とか、『あの人はあそこの学校の生徒さんなんだ!』って分かるのは、その為の服を着てるからなのです!」
ゆゆこは制服やその職業においての衣装について力説している。
「例えば、私が水着でしたら、説明なしで巫女だ、って分かりますですか?」
そう言って小首を傾げた後に、おもむろに巫女衣装を脱いで水着姿になった。
(うーん……。ただの水着の女の子を、巫女さんだって理解するのは難しいな)
雹は、ゆゆこの恥ずかしそうな水着姿を見ながら素直にそう思う。
「それに、消防士さんが水着で火事に対応するのはあぶな過ぎますですし、みんながお仕事を確実に成功させるためにも、それぞれの服が必要なのです!」
確かに、消防士や自衛隊員の服が水着になってしまったら、有事の際に危ないどころの話ではない。ゆゆこの言っている事は正論中の正論である。
「強化水着を提案する!」
すると、ビルシャナはぬんっと踏ん張ったような顔でそう言った。
「きょ、強化水着……!?」
ゆゆこは目を白黒させる。
「消防士には消防士用の! 自衛隊員には自衛隊員の! 警察官には警察官の! 現場でも通用するような強化水着を開発すればよいっ! 国は政策として強化水着のための予算を組むべきであるっ! 私はそれを提案するぞ!!」
「え、ええ……一体どんな水着なんですかっ!?」
ゆゆこは激しく動揺しながらビルシャナにそう聞いた。
「戦車でも打ち返せる水着だ」
ぬんっと踏ん張るような顔でビルシャナは断言する。
ゆゆこには、いや、ゆゆこどころかケルベロス全員が、それが一体どんな水着であるのか想像もつかなかった。
一方、10名の信者達はおおーおおーと感動の声を上げながらビルシャナに拍手している。どうやら通じているらしい。
(「最近暑いから脳が溶けちゃったのかな。本来の用途として使わない水着を普段着にしたらそれは水着じゃなくて普段着になるんじゃないかな?」)
草壁・渚(地球人の巫術士・e05553)は眉間に皺を寄せながらそう思った。
渚の言いたい事は、水着が普段着になってしまったら、それはもう水着と呼ばれなくなるのでは? ということである。
「そもそも水着を普段着にしたら水着の存在理由が無くなるんじゃないかな。水着の存在理由を蔑ろにして喜んでるのは好きとは違うと思うよ」
渚が発言すると、雹も頷いた。
「普段着や他の制服があるから、水着は水着だと認識されるんだ。水着が普段着になったら、それはもう水着とは呼ばれなくなる。存在理由がなくなる。お前らのやっていること、おかしいぜ?」
しかしビルシャナはうろたえなかった。
「水着はそこにあるだけで水着であり、水着が存在し続ける限り、水着の存在理由などなくならない。水着とはすなわちイデアであり、その至高の現象の力によって水着は常に水着と認識されるのである。水着とは何か、それすなわちエロスとイデアの融合であり……」
「ちょっと待って、あなた何言ってるの!?」
渚が咄嗟に止めようとするがビルシャナは読んで字の如く嘴を挟ませない。
「水着とはなんぞや? イデア界における水着とは、人間の本能に従い、原初の姿に尤も近く、チャクラのクンダリニーがパシュパティナート……」
「て、哲学……?」
渚はそう呟いた。
「水着で哲学……してるのか……?」
雹もすっかりどん引きしてしまって、突っ込む事すら出来なかった。
一方、水着の上に分厚い上着を羽織って登場したスノー・ヴァーミリオン(深窓の令嬢・e24305)は、ビルシャナに負けてやる気などさらさらなかった。
「冬でも普段着なら勿論、水着一枚よね?私が今きてる上着なども邪道っていうのよね……?」
ビルシャナの水着哲学に勢いを飲まれている渚達の前に立ち、言い放つ。
「その通り」
ぬううんっと言う気合いを見せるビルシャナ。
途端に、スノーはアイスエイジを教室全体に撃ち放った。
酷暑からたちまち極寒になってしまう教室内。ゆゆこは慌てて水着から巫女服に着替える。
鳥肌を立てて両腕を両手で覆う水着の信者達。
「もちろんこれから更に温度下がっていくわよ? これでもまだ水着のみなの? あなた達が信仰してるそこの鳥さんは毛皮つけてるから一人だけ暖かそうだけどね?」
サディスティックな笑みを信者に向けて断言するスノー。
信者達はがくがくぶるぶると震えながらも、服を着ようとはしなかった。
「心頭滅却すれば氷もまた暑し!」
「水着が普段着という考えがメジャーになるまで、我らの信念を見せるのみ!」
スノーの言う通り、周囲はどんどん寒くなっていって、既に我慢大会の域である。しかし信者達は震えながらも耐え抜いている。
一方、羽毛のビルシャナの方はケロリとした顔で涼しげに……実際、涼しいんだろうが……その場に海パン一丁で堂々と立っている。
「なあ、お前、今年の夏は滅茶苦茶暑かったから、水着姿で世間を闊歩したくて、だけどそれじゃ変態扱いされるから、布教してメジャーにしてしまえと思っただけじゃないのか?」
全身ふかふかもふもふ羽毛の鳥人間を見ながら雹が静かに聞いて見る。
「なんのことかな?」
ビルシャナはばかでかい耳の隣に掌をひらひらさせて聞こえないふりをしつつそう言った。かなりむかつく。
「皆さん夏だから平気な感じがしますが、目をつぶって真冬の北海道を想像してみてください。海パンや水着だと普通に凍死すると思いますよ?」
そこで浅葱・ミク(クルーズナビゲーター・e16834)が信者を見回し、冷静にそう言った。
信者達は唇を紫色にしながらも、ミクの話に首を左右に振っている。
「それに水着だと着回しも出来なければ重ね着もほとんどできません。いつもTシャツ着ているようなもので、オシャレじゃないですよね。つまりファッションセンスゼロの発想なんです。分かりやすく言うと「ダサい」です♪」
笑顔でバッサリ切り捨てるミク。
彼女のテレビウムのぷろでゅーさーが、画面に「そんな装備で大丈夫か?」と文字を浮かばせ、信者達にダメ押しをする。
ぎくううっと体を竦ませる信者達。
しかし、そこでビルシャナがぬうううんっと前に出る。
「痴れ者!!!」
ばかでかい声でミクを怒鳴りつけた。
「し、しれ……?」
いきなりそんな単語で叱られて、ミクは目をぱちくりさせる。
「水着にはどれだけ種類があると思っている! ビキニからパレオ、競泳用からスク水、KC、タンキニ、モノキニ、サロペット、まだまだあるんだぞ! それに色や柄のバリエーションを加えれば、水着の可能性は無限大! 毎日、ファッションを探求しながらそれを着こなせばよいっ! 水着の事を何も知らないくせに適当な事を言うなっ!!!」
物凄い勢いでまくし立てられて、ミクは思わず後ずさりをしてしまう。
「でもさあ、ビルシャナ」
そこで雹は訊ねたのだった。
「女子の水着はそういうバリエーションが沢山あるけれど、男性用水着は、ビキニかボックスかサーフパンツかとか、丈が違うぐらいで、無限の可能性とか言えるほどじゃないんじゃないか? 女子はいいけど、男子はどうするんだ? そりゃ、フィットネスタイプとかもあるけど、あれは脱ぎ着が面倒じゃないか」
実際、男子の身である雹がそう言うと、ビルシャナはまた大きな耳の前で掌をひらひらさせながら
「なんのことかな?」
ビキっと雹のこめかみに青筋が走る。
「でも、女の子は、水着に限らず色々なファッションを楽しみたいんですよ」
そこでミクと連携しながら動いたのが高坂・綾音(トランジスターグラマー・e10792)だった。
綾音は水着KCの上に水着の上にチアリーダーのコスチュームを着用。
ベストのジッパーを止めて水着を見せないようにして登場した。
「水着にどきどきしちゃう、というのもわかるんです。でも、面白みがありません。水着の上に服を着る、ということで、無限の可能性が発揮できると思うのです。服を着ているときと脱ぎかけ、水着になったときと3度おいしいのです」
そう言うと、綾音はぱっとベストのジッパーを下ろし、スカートをたくし上げて中の水着を見せつけた。
おおっと息を飲む信者達。
その反応に微笑みながら、綾音は言い切る。
「服を着ているときに、どんな水着を着ているのか想像するのが楽しいのですよ」
なかなかのお色気攻撃に、これならビルシャナも参っただろうと雹は彼を振り返る。
「もっと脱げ」
ぬん! っと踏ん張る顔でビルシャナは断言。
「え、あの……」
引いてしまう綾音。
「遠慮することはない。もっと脱げ。中途半端にたくし上げている場合ではない。いいから脱げ」
「いえ、あの、このあと、抜こうかなって……」
「今脱げ! 水着姿になれ! あられもない水着姿になれ! もっとあられもなくなってもいいんだ!」
綾音にどんどん迫っていきながらぬうううううんっと言う顔で脱げ脱げ叫ぶビルシャナ。
「何を迫ってるんだお前は!!」
さすがに雹がゲシュタルトグレイブでビルシャナの後頭部をどついた。
「変態も大概にしろ!」
ビルシャナは頭から血を流しながらその場にうずくまって、ちょっと黙った。
ここまで来たら、理屈による説得は無理だ。そう、愛柳・ミライ(宇宙救済係・e02784)とフィオリナ・ブレイブハート(インフェルノガーディアン・e00077)は視線を見交わした。
まずはミライが、水着の上からボディペイントをしてビルシャナの前に立った。
「!」
ビルシャナがかっと瞳を見開く。
「ふ……主張は聞かせてもらったのです。露出された肌の素晴らしさを語るのならば、この姿は欠かせないと思うのです!」
本来ならば水着を着ないでボディペイントしたいところだが、今は公序良俗のために水着を着ている。
「水着のさらに上をいくこの露出! それでいて、服を着ているのに匹敵するこの自由度! そして! 馬鹿みたいに高い衣装とか水着を買わなくても、一工夫でまるでそれらを着てるような気分になれる素晴らしさ!」
ミライは凄い勢いで素肌にボディペイントをビルシャナに対して押していく。
続いてフィオリナが叫ぶ。
「動きやすくスタイリッシュで肌をさらすのが良いのだな? それなら蒸れる水着を着るまでもない」
フィオリナは、氷の上で震えている男性信者達に激しく迫った。
水着姿でカラーペンを持って。
「描くから脱ごう、それ」
指差したのは、唯一の着衣、海パン。だから氷の上だと言うのに。
「ボディーペイントで十分だろう」
信者の男性は紫の唇をぶるぶるさせながら、必死に首を振って抵抗している。
「ウォータープルーフタイプだから汗かいても大丈夫」
汗も何も、相手は凍死寸前だ。海パン脱いだら社会的にも死ぬだろうが、物理的にも死ぬ。
そこでビルシャナが叫んだ。
ボディペイントにしろと迫るミライに向かって。
「よい!」
「……え?」
「水着もよし、素肌にボディペイント、それもよし。何なら今すぐ、水着を脱いでくれても構わんぞ」
ぬううんっという迫力で言い切るビルシャナ。
それを聞いた凍死寸前の信者達は、物も言わずに氷漬けの教室から逃げ出した。脱兎もびっくりの勢いで。
「このままでは死んでしまううううっ!」
切実な叫びであった。
「さあ! 残るはお前だけだ、ビルシャナ! 覚悟しろ!!」
雹がゲシュタルトグレイブを構えて叫んだ。戦闘開始である。
●
ビルシャナが八寒氷輪を撃ち放ち、極寒の教室を更に寒くする。
ゆゆこがライトニングウォールで仲間を強化。
雹が掌からドラゴンの幻影を放出し、ビルシャナに向かって炎を撃つ。それにより寒すぎる教室がいくらか暖まる。
「やっと動きやすくなったわ」
水着姿だったフィオリナとミライの動きが格段によくなる。グラビティを使いこなし、ビルシャナを追い詰めていく。
綾音がリボルバー銃で制圧射撃。ビルシャナの動きを止める。
そこにミライが「divine kiss!」(ディバインキッス)、渚が討魔之太刀(トウマノタチ)でビルシャナの体力を一気に削る。
ミクが「夏色セーラー服」(ナツイロセーラーフク)を歌い上げる。
『妾の一撃受けてみなさい。気持ち良いわよ』
スノーが弱ったビルシャナを跪かせた。
そこに、雹がアイススカルプチャー・ドラゴン……ドラゴンを葬った氷像を呼び出しブレスを撃ち放つ。砕け散る氷像。極寒を越える極寒となる教室。
「さ、寒いっ……」
ついに、ビルシャナは、それを認めて、氷の中に撃沈したのだった。
●
「信者さんたち、水着のまま逃げ出しちゃったけれど、今頃大丈夫かな……?」
ヒールを終えて教室を出た後、綾音がそう言った。
「いじめられていないといいけれど」
ミライが顔を曇らせる。
「水着で往来歩いて、変なものに目覚めてなきゃいいよな」
雹も信者達を気遣う。ケルベロス達は口々に飛び出ていった信者達を心配した。
(「ビルシャナを跪かせるのはいいモノだわ。これから多用しよう」)
そんな中一人だけ、スノーはそんなことを考えて顔に笑みを浮かべていた。……末恐ろしい笑みであった。
作者:柊暮葉 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2016年9月1日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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