五月雨

作者:崎田航輝

 晴れ間はまだ遠く、天には灰色の雲が垂れ込めていた。
 地面を叩く雨音は強くなるばかりで、風は季節を揺り戻したように冷たい。暗い空は、夏への道がまだ遠い事を告げているかのようだ。
 人々も雨滴の中を走り、帰路へ急いでいる――そんな街の中に、轟音が響き渡ったのは突然の事だった。
 悲鳴が劈き、瓦礫が煙を上げる。
 呆然とする人々が仰ぐ、その視線の先――崩れたビルの間から巨大な影が現れていた。
『命を――、エネルギーを――』
 機械の声を響かせて、人々を睥睨するそれは金属の人型――ダモクレス。
 我らが未来のために、と。目の前にあるグラビティ・チェインを我がものとするよう、建物を砕き、人々の命を蹂躙し、虐殺の限りを尽くしていく。
 そうして数分。
 その巨影が魔空回廊へと消えてゆく頃には――静寂の中、僅かばかり生き残った人々の、絶望の噎び声がこだましていた。

「梅雨……旧暦の五月頃に降る雨を、五月雨とも言うそうですね」
 小さな雨粒が降り始めたヘリポート。
 イマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)はケルベロス達に説明を始めていた。
「この雨も、その一つでしょうか」
 そんな雨に濡れたとある街で――ダモクレスの出現が予知されたと言った。
 現れるのは巨大ロボ型の個体。大戦末期に封印されたもので、仲間のダモクレスによって復活させられるようだ。
「魔空回廊を通じて、その仲間達に回収される予定なのでしょう」
 放置すれば街は破壊され、多数の死者が出ることだろう。
 ダモクレスや、それに対するケルベロスの未来がどうなるかはまだ、言い切れない。それでも今はただ無辜の人々を救うために、と。
「このダモクレスの撃破をお願いします」
 出現地点は市街地の中心。
 敵は出現から7分後に魔空回廊によって撤退する。こうなると追うのは困難になるため、撃破はその時間までに済ませる必要があると言った。
「尚、人々は事前に警察によって避難させられます。皆さんは撃破に集中できるでしょう」
 ダモクレスの全長は7メートル。
 二振りの巨大な剣を使った攻撃が特徴だ。
「体躯に比して、動きは機敏と言えます。回復手段も持っているようなので、確実に攻撃を当て続けていく事が必要でしょう」
 周囲はビル街。高所を利用しつつ効果的な攻撃を狙っていっても良いかも知れません、と言った。
「尚、敵は戦闘中、一度だけフルパワーの攻撃を行ってくるようです」
 敵自身も反動で傷を負うようだが、その分威力は高いだろう。
「広範囲の攻撃でしょう。警戒を欠かさないようにしてください」
 強力な敵ではありますが、とイマジネイターは声音に力を込める。
「守るべきもののために。健闘を、お祈りしていますね」


参加者
アウレリア・ノーチェ(夜の指先・e12921)
マイヤ・マルヴァレフ(オラトリオのブレイズキャリバー・e18289)
マーク・ナイン(取り残された戦闘マシン・e21176)
塩谷・翔子(放浪ドクター・e25598)
伊礼・慧子(花無き臺・e41144)
鹿目・きらり(医師見習い・e45161)
七宝・琉音(黒魔術の唄・e46059)

■リプレイ

●雨空
 垂れ込めた雲が、景色を青灰色に染めている。
 仰げば今も大粒の雫が注いでいて――街に降り立った鹿目・きらり(医師見習い・e45161)は、その冷たさに天を見つめていた。
「雨の多い季節になりましたね」
「うん」
 と、隣で七宝・琉音(黒魔術の唄・e46059)もまた雨空を見上げる。
 琉音にとってその眺めは決して嫌なものではなかった。風も冷えているけれど、今ならそれは涼やかにも感じられるし――。
「こんな雨の街を、傘をさして歩くのって風情があって好きだなぁ」
「そうですね」
 きらりも同じ心で応える。響く雨音は綺麗で、自分もまたこんな天気は好きだった。
 だから塩谷・翔子(放浪ドクター・e25598)もそっと頷くけれど。
「――折角の雨なのにな」
 皆と共に囲うビルを見据える。
 そこから生まれる地鳴りが、先刻から僅かに反響を強めていた。
 もう、戦いが始まる時まで間もない。
 心構えはしながら、マイヤ・マルヴァレフ(オラトリオのブレイズキャリバー・e18289)は傍らの箱竜へ視線をやっていた。
「ね、ラーシュ……世界はどんどん変化してるね」
 いつかこういう事件もなくなって、静かな日々を送るようになるのかな、と。
 その言葉にラーシュが小さく鳴くと、マイヤはうん、と頷く。そんな未来を知る為に、今目の前にある戦いには負ける訳にいかないから。
「行こう」
「ああ」
 アンゼリカ・アーベントロート(黄金騎使・e09974)も、真っ直ぐな戦意に澄んだ瞳で戦いの構えを取る。
 ダモクレスとの戦いも終わりが見えてきた、故にこそ。
「守るべき人々のため、ケルベロスとしての務めを果たそうか」
 瞬間、地面の震動が増大し、眼前のビルに亀裂が入って崩れ去る。そして轟音と共に散ってゆく瓦礫の中、その中央に一体の巨影が佇んでいた。
 それは鎧に身を包み、剣を握る――ダモクレス。
 まずはアスファルトの欠片を振り払い、一歩前に出てこようとしていた、が。
「敵影確認。カウント――状況開始」
 夜のように静かな声が雨音の間に響く。直後、ビルの高所から音もなく跳び――虚空に踊る影があった。
 それはアウレリア・ノーチェ(夜の指先・e12921)。
 ワイヤーフックの先端を屋上の縁に咬ませ、重力加速度と遠心力を利用しダモクレスの横合いへと迫っていた。
 その速度に、ダモクレスも反応が及ばない。
 一瞬後、鮮やかに躰を翻したアウレリアは――艷めくブーツで風を裂いて一撃。鋭い蹴撃を肩口へ叩き込んでいた。
 ダモクレスは僅かに傾ぎながら、こちらを認識して敵意を向ける。
 だがその頃には、高層ビルの天頂に身を隠すマーク・ナイン(取り残された戦闘マシン・e21176)がブースターで跳び出していた。
「……攻撃開始。SYSTEM COMBAT MODE」
 加速したまま宙へ出たマークは、計算された落下軌道と寸分違わずダモクレスの頭の直上へ辿り着いてゆく。
 全くの視界外からの奇襲に、ダモクレスは気づく事も出来ない。
 マークとて、蹴りは本来苦手。
 だがやや強引に足を引き絞り、速度も威力に転化するように――脚装に装着した衝角をぶつけて強烈なインパクトを生み出した。
 鈍い金属音が鳴って、弾かれたようにダモクレスが体勢を崩す。
 その一瞬を逃さず、アウレリアがビハインドのアルベルトに銃撃を敢行させると――ふらつくダモクレスの正面へ跳ぶのがアンゼリカ。
 しかと敵の瞳を見据えるように。
「さぁ、黄金騎使がお相手しようか」
 堂々と、凛然と。
 戦いの終わりへと、自らの足で一歩一歩進んで見せるように。瞬間、眩い光を棚引かせながらの跳び蹴りを見舞っていった。
 胸部を穿たれたダモクレスは数歩後退する。それでも倒れず、二振りの剣を縦横に振り回してきた、が。
 低いビルに着地していたマークが、盾となるよう前面に跳び出せば――きらりもまた壁となるように奔り出て。
「サターン、援護は任せましたからね!」
 そのまま斬撃を庇い受けて見せると……声に応えた翼猫のサターンが、美しき白翼を靡かせて癒やしの風を送っていた。
 それでも傷は癒えきらないが――翔子が既に白衣の内から鎖を取り出している。
「ちょっとだけ待ってな」
 雨粒を弾くように、それをひゅるりと振るえば――伝う魔力が淡く煌めき、空中に軌跡を残し始めていた。
 その光は雄大な魔法円へと拡がって、護りの加護を成す。触れた前衛の面々に、暖かな感覚を与えると共に――その傷を薄らがせていった。
「シロも頼むよ」
 と、腕に巻き付いていた白竜が翔子に応じて治癒の光を重ねると――きらりもまた煌くエクトプラズムを生み出して、自分達の体力を保ってゆく。
 同時、ラーシュも色彩の揺らめく属性を注いでいた。それで仲間が万全になったと見れば、マイヤがすかさず攻勢へ。
 連撃を目論むダモクレスへと翔び上がり――。
「させないよ!」
 くるりと旋転しながら蹴り。痛打を加えてダモクレスの腕を弾き返す。
 ダモクレスはもう片方の刃を振り下ろそうともしてくるが――そこへ伊礼・慧子(花無き臺・e41144)が既に直走っていた。
(「……」)
 速く走る程、頬に当たる雨粒を感じる。
 慧子はその感覚が得意ではなかった。雨にはあまり、良い思い出がないから。
 晴れてくれれば、気持ちも憂くはない。ただ、そう思ってしまうたびに、雨を喜べるぐらい心の広い人間になりたいとも感じる。
(「雨はこの後……上がるでしょうか」)
 それは判らない。
 少なくとも、ここで勝つ事が出来なければ。
 だからこそ慧子は雨を浴びながらも止まらない。
 ダモクレスの斬撃が降り掛かってくるよりも先に――高々と跳躍して連撃。陽炎を生むほどの濃密な霊力を靡かせて、苛烈な二刀で傷を刻み込んでいた。
「次の攻撃を」
「うん。黒影、サポートは任せたからね!」
 言った琉音に呼応して、箱竜の黒影も羽ばたいて飛翔。暗色のブレスを浴びせかけて巨体の傷を抉ってゆくと――琉音も拳を握って一撃。
「これで、あなたを緊縛してあげるよ!」
 命中と共に霊力を拡散させ、ダモクレスを縛り上げるように拘束する。
「これで、いけるよ!」
「ええ」
 そこへ慧子が返す刀で追い打ち。足元を烈しく斬り裂いて、巨体に膝をつかせていた。

●反撃
 二分を過ぎた境に、一瞬の静寂が訪れる。
 再び雨音だけが響く中、慧子は間合いを計りながら呼吸を整えていた。
「まだ、倒れる様子はないですね」
 見れば敵もすぐに立ち上がり、刃を握り直している。頑強に見える印象に違わず、耐久力もあるのだろう。
「巨大ロボ型個体……このような封印された隠し玉がまだあったと考えると、やはりダモクレスは恐ろしい勢力でもありますね」
「……うん」
 マイヤはそっと頷いてその巨影を、そして空を仰ぐ。
 雨は未だ止まず、その勢いは衰えも見えない、けれど。
 ――大丈夫。
「頑張るよ」
 相棒――ラーシュの視線に応えるように頷いて、マイヤはそのまま前進。再び戦いの中へと飛び込んでゆく。
「この世界を、この瞬間を大事にしたいの。だから――」
 ダモクレスが刃を振り抜いてくる、それより一瞬疾く、マイヤは金色の斧に焔を煌めかせ――想いを乗せて斬打を加えた。
「……負けられないんだよ!」
「うん。もうすぐ、この地球は真の楽園となる」
 故にそれまでただの一度もケルベロスに敗北は許されないから、と。
 アンゼリカも下がるダモクレスへ距離を離さず走り込む。そして地を蹴り、翼で舞い上がり、眼前へと迫りながら。
「だから、今日も勝つさ」
 その思いを、意志を実現させるように。素早く廻って刃のような蹴りを打ち込んでいた。
 横へ距離をとるダモクレス、だがマークはその進路上へ先んじて弾丸を放つ偏差射撃。一発も外さずに全弾を巨大の足元へ撃ち込んでゆく。
 同時、不安定となったダモクレスへ琉音が宝珠を翳していた。
「水晶の炎をその身に刻んであげるよ!」
 瞬間、内部に揺らめいていた狐火が凍りついたように艶を増し、煌めきながら放出されて――ダモクレスの全身を幾重にも斬り裂いてゆく。
 大きく下がったダモクレスが、しかし即座に反撃に移ってこないと見ると――アウレリアは瞳を細める。
「挙動に注意。……様子が変わったわ」
「フルパワー攻撃ってやつかね」
 翔子の言葉に、きらりも頷いて離れた仲間にもハンドサイン。即時に情報を共有し、定めておいた建物の影に皆と共に隠れてゆく。
 そして一瞬後、ダモクレスは双方の剣にエネルギーを湛えて――薙ぐように巨大な衝撃波を撃ち出してきた。
 建物では抑えきれず、ビルが爆散するように塵と化してゆく。
 あまりに強力な攻撃。だが静寂が戻った頃、雨に土煙が晴れてゆくと――その中にいる番犬達は誰も倒れていなかった。
 マークやきらり、盾役の面々が壁となって衝撃を抑え込んでいたのだ。
 尤も、そのダメージは浅いものではなかったけれど――。
「今、治すよ」
 直後には翔子がそっと手を翳していた。
 すると、ぽつり、ぽつり。空からの雨に交じって、まるで花を開かせるような――澄み切った雫が零れてくる。
 それは『催花雨』。触れたマークの感覚を研ぎ澄ませながら、その破損を確かに修復させていった。
 きらりも雨空に太陽を覗かせたような、眩いオーラを顕現。自身を柔らかな温度で包み込む事で傷も不調も拭い去っている。
「これで、こちらは問題ありません」
「皆さんのおかげで、助かりました」
 代わりに攻め手は自身が担おう、と。真っ直ぐに飛び出してゆくのは慧子だ。
 視線の先、ダモクレスはフルパワーの負荷に耐えきれず火花を零している。それでも二刀を握り、応戦しようとしてくるが――。
「私とて双剣使いです。負けるわけにはいきませんよ……!」
 精彩を欠いた相手の斬撃を避けた慧子は、そのまま懐へ入って連閃。
 縦に、横に、袈裟懸けに。跳びながら無数の剣撃を繰り出して、ダモクレスの体を深々と抉り裂いてゆく。
 均衡を崩したダモクレスは、一度後方へ距離を取ろうとする、が。
「……無駄よ」
 高所からふわりと跳んだアウレリアが――そのまま壁を奔り降りながら加速。
 途中で壁を蹴って空中へ躍り出ると、途中にあるビルの非常階段へワイヤーのフックを引っ掛けて――円周軌道を描いてダモクレスへ。
 そのまま視界に捉えた足元へ狙いを定め、ライフル型ハンマーで一撃。振り抜く殴打で関節部を破砕し、巨体を転倒させていった。

●未来
「――残り二分。最終局面到達」
 着地しながら、アウレリアはアラームが鳴った事を皆へ通達していた。
 猶予は長くない。
 だが、ダモクレスもまた破損が進み、立つ事も困難となっている。その機械の相貌には何処か、苦悶の色も垣間見えるけれど。
「あなた達が生きるのに必死なのは知っている。……ケド、こっちも殺されたくなくて必死なんだよ」
 見据える翔子は、それ故に戦いの手を止めはしない。
「すまんね」
 言いながら金槌を握り締めて。大きく振るいながら放った射撃で、ダモクレスを巨大な爆煙に包んでいった。
 体をひしゃげさせながらも、ダモクレスは再び前進をしようとするが――そこへリボンとポニーテールを棚引かせて琉音が疾駆。
「そこで、止まってて貰うから!」
 速度のまま、軽やかに雨空へ跳躍すると――霊力を凝集した拳で打突。内部までもを蝕んで挙動を停止させていた。
 その頃にはマークが二機のガトリングガンを構えている。
「FIRE」
 瞬間、雨音を間断のない銃声のシャワーがかき消した。
 曇天を更に暗ませる程のフラッシュを明滅させ、じゃらじゃらと薬莢の山を築く。嵐の如く飛来したその弾丸がダモクレスを穿ち、貫き、無数の風穴を開けていた。
 煙を上げて倒れ込む巨体は、それでも起き上がろうとするが――。
「思い通りにはさせませんよ」
 ダモクレスが見下ろす視界に、既に慧子。
 機械の体を支えている腕へ狙いを定め、回転しながらの斬撃を加える事で――その腕先を寸断してみせる。
 支えを失ったダモクレスの上体へ、銃身を向けるのがアウレリア。
「損傷部位分析……破損深度測定……完了」
 瞬間の内に演算を終えると、正確無比な射撃。『バラ・アーンクラ』――その一直線の弾道で胸部を貫通していた。
 転げるダモクレスは、それでも残る腕で這うように動く。
 そこに目指すべき方向があるのだろう、が、きらりが天からの力を自らの身体に宿し、煌々とした光を纏っていた。
「聖なる力よ、天啓よ――私の力となり敵を貫きなさい!」
 瞬間、放つビームは『ホーリースナイプ』。深い衝撃と共に光に包まれたダモクレスは、そのまま身動きを止められる。
「今のうちに攻撃を!」
「うん! ――逃がしたりはしないよ!」
 応えるマイヤも雨空へ昇り、『Hexagram』。雲が消え去ったように、その瞬間だけ無数の流星を空に満たし――美しき輝きでダモクレスの命を蝕んでゆく。
 同時、アンゼリカも光状のグラビティを両手へと収束させていた。
 それは勝利を告げる『終の光』。
「この光の中――消え去るといい!」
 翼に輝きを帯びながら、アンゼリカが放ったその閃光が――機械の巨体を呑み込んで、その命を千々に散らせていった。

「COMBAT OVER」
 戦闘モードから回帰したマークが、武器を下ろす。
「終わったな」
「ええ。皆さん、お怪我は残っていませんか?」
 頷くきらりが見回すと、皆はそれぞれに健常な返事。琉音もまた元気ながら――周囲に視線を巡らせていた。
「景色は少し荒れちゃったね」
 見るとビルは数棟が崩れ、道路も大きく抉れている。
 そこへ琉音がヒールをかけていくと――翔子も手伝って町を修復。さらさらと癒やしの雫を注いで美観を直していった。
「ま、こんなもんかな」
「そうですね」
 と、同じく助力していた慧子も眺めるそこは、もう戦いの跡もなく……美しい町の姿へ戻っていた。
 アウレリアは公的機関への連絡も終えている。
「……これで、すべき事は出来たわね」
「折角だし、皆でおやつでも食べに行かないかい」
 人々も戻り始める町の中、アンゼリカは提案。
 愛する恋人にもお土産を買って行きたかったから……見つけておいた商店街のお菓子屋へと皆を誘った。
 皆がそれぞれに頷いてついて行くと――。
「わたしも後でいくね」
 マイヤは言って、暫しラーシュと共に空を見上げる。
 雨はまだ止む気配はないけれど。
「この雨もいつか降り止むんだよね」
 そしてキラキラ輝く空が見られるはずだから――色んな事の終わりが近づいてる、そんな気がして。
「ラーシュはずっと側に居てくれるでしょ?」
 優しく触れると、ラーシュも応えて傍らに寄ってくれる。だからマイヤは微笑んで、そっとラーシュを撫でてから……ゆっくりと歩み出した。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2021年6月6日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 1
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