激闘7分間~トラ! トラ! 虎!

作者:秋津透

 茨城県日立市、深夜。
 中心街に並ぶビルの一つが、突然内側から爆発するように崩れ、全長7m程度の大型ロボット……巨大ロボ型ダモクレスが出現する。
 その姿は、巨大な虎。しかも、頭部が三つある。これが犬ならケルベロス型と称さざるを得ないが、どう見ても虎だ。
「ガアッ!」
 巨大な三頭虎型ダモクレスの左の頭が、まず口を開いて火炎を放つ。一瞬で市街を火の海に変えると、次に右の頭が口を開き、凍結光線を放つ。光線を浴びた場所の火災は消えるが、半焼けの建物は凍り付いて粉々に砕ける。
 そして巨大ダモクレスは、それ以上の破壊は行わず、月明かりのもと悠然と佇む。それから七分後、巨大三頭虎型ダモクレスは虚空に開いた魔空回廊に吸い込まれて消えていき、後には無残に破壊された市街が残された。

「理由はわからないけど、虎型の巨大ダモクレスが出現するような気がしたの。でも、まさか三つも頭があるとは思わなかったわ」
 リサ・フローディア(メリュジーヌのブラックウィザード・e86488)が複雑な表情で告げ、ヘリオライダーの高御倉・康が緊張した口調で続ける。
「はい。リサさんの予想通り、茨城県日立市にオラトリオに封印されていたと思われる巨大三頭虎ロボ型ダモクレスが出現して市街を破壊し、7分後に魔空回廊が出現して回収される、という予知が得られました」
 そう言うと、康はプロジェクターで画像を示す。
「出現時間は今夜深夜、出現場所はここ。既に住民の避難は進められており、出現時には近隣には誰もいなくなっています。こちらは出現30分前ぐらいに到着し、待ち構えることができますが、出現する建物の内部等を調べても何もありません」
 そう言うと、康は画像を切り替える。
「予知された巨大ロボ型ダモクレスの形状は、見ての通り。三つの頭を持った巨大な虎です。まあ、ダモクレスですからどんな形にでも作れるのでしょうが、なぜ三頭犬(ケルベロス)ではなく虎なのかはわかりません。グラビティ・チェインの枯渇により本来の戦闘力は発揮できないようですが、左の頭が口から火炎、右の頭が口から凍結光線を吐きます。いずれも、遠距離への列攻撃になるようです」
 そう言うと、康は一同を見回す。
「そして一度だけのフルパワー攻撃として、全身に雷を纏って突進してきます。まともに受けてしまったら、高いレベルのケルベロスでも一撃で戦闘不能にされる可能性が高いです。ただ、仕掛けた反動で、巨大三頭虎型ダモクレスも、そのあと2ターン動けなくなるようです」
 そして康は、もう一度画像に目をやった。
「今回の敵はグラビティ枯渇状態でも相当に強く、回収を許したら更に強敵になると思われます。7分間で確実に仕留めてください。『ヘリオンデバイス』での支援も可能な限り行いますので、どうかよろしくお願いいたします」
 ケルベロスに勝利を、と、ヘリオンデバイスのコマンドワードを口にして、康は頭を下げた。


参加者
日柳・蒼眞(落ちる男・e00793)
六星・蛍火(武装研究者・e36015)
天羽・蛍(突撃戦闘機・e39796)
ニケ・ブレジニィ(マリーゴールド略してマリ子・e87256)

■リプレイ

●戦闘準備!
「天羽は飛ぶか?」
 現場に向かうヘリオンの中で、日柳・蒼眞(落ちる男・e00793)に訊ねられ、天羽・蛍(突撃戦闘機・e39796)は目を瞬いた。
「ああ、飛ぶつもりだよ。それが私のスタイルだから」
「わかった。それじゃ俺は飛ばない」
 あっさり応じると、蒼眞は言葉を続ける。
「敵の攻撃は、全力は単体だが、通常は列だ。クラッシャー二人が同列にいると、一網打尽にされかねん。普通は、同じポジションにいる者が別列になる道理はないが、デバイスで飛んでいる者といない者なら、ポジションが同じでも別列になる可能性が高いからな」
「なるほど」
 納得した表情になり、蛍はうなずく。そして蒼眞は、同行する六星・蛍火(武装研究者・e36015)と彼女のサーヴァント、ボクスドラゴンの『月影』、ニケ・ブレジニィ(マリーゴールド略してマリ子・e87256)を見やって言葉を継ぐ。
「集まらなかったんだからやむを得ないが、今回、出撃可能なぎりぎりの人数で、巨大で手ごわいダモクレスに挑まにゃならん。専任のメディックもいないし、打てる手はすべて打って最善を尽くさないと勝ち目が薄い。何より避けなきゃならんのは、全力攻撃以外で戦闘不能者を出すことだ」
「全力攻撃なら、戦闘不能になってもいいわけ?」
 ニケが容赦なく突っ込むと、蒼眞は小さく肩をすくめる。
「そりゃ、ならないに越したことはないが、多分無理だろう。なんせ、巨大ダモクレスが全力で単体攻撃してくるんだ。ディフェンダーが完全な状態でダメージ半減しても、耐えられる可能性は小さいな。まあ、できる限りは武器封じかけてみるし、凌駕すれば復活できるが、さほどあてにできるものじゃない」
「……そうね」
 少々複雑な表情で、蛍火が呟く。先日の依頼で、彼女は巨大ダモクレスの全力列攻撃を受け戦闘不能となったが、魂が肉体を凌駕して戦闘復帰することができた。その依頼は参加人数が多かったので、もしも彼女が凌駕できなくても敵を撃破できただろうが、今度もうまくいくという保証はどこにもない。
 そして蒼眞は、比較的淡々とした調子で言葉を続ける。
「まあ、敵さんも全力攻撃を出せば、終盤間近の最悪のタイミングでも1ターンは確実に頓挫する。そして今度の敵の全力攻撃は単体だから、どんなに威力があろうと戦闘不能に陥るのは一人だ。身も蓋もない言い方だが、それほど不利一辺倒というわけじゃない。だが、全力攻撃以外で誰か一人でも戦闘不能にされようものなら、もはや致命的なまでに不利しかない」
「なるほど、よくわかった」
 うなずきながらも、蛍は少々渋い表情になる。
「わかったが、私は回復グラビティは持ってきていない。武器封じもないな。せいぜい、激しく飛び回って敵の攻撃を躱せれば幸い、というところか」
「それでいい。むしろ、回避より必中に意識を向けてくれ。経験則として、単独で飛んでいる天羽に列攻撃は来ない。攻撃が来るのは、おそらく地上前列……俺と六星と月影の組だ」
 他人事のような調子で言うと、蒼眞は蛍火に苦笑を向ける。
「悪いな。毎度毎度、あんたたちに負担を強いることになりそうだ」
「ディフェンダー選択してるんだから、負担は覚悟の上よ」
 さらりと応じると、蛍火はむしろ余裕ありげな表情になって続ける。
「今回の敵は、列攻撃でBSが炎と氷でしょ? 付けっぱなしにしといたら大変なことになるから、キュア付きのヒール用意してきたの。月影のヒールはBS耐性つくしね。今回は私たち、ディフェンダーとメディック兼任ぐらいのつもりよ」
「あ、私もBS耐性つく列ヒーリング用意したわ」
 ニケが慌てて告げ、蒼眞はにやりと笑う。
「二人とも、さすがの選択だな。おっと、もちろん月影は生来の能力が優秀だ。少なくとも、専任のメディックがいないことは、さほど問題なさそうだ」
「それにしても頭三つの虎って、私たちを地獄の番犬ケルベロスと知って喧嘩を売ってるのか、って感じね」
 憤慨気味に告げるニケに、蒼眞は苦笑混じりに応じる。
「いやいや、巨大ダモクレスを封印したのは、時の巻き戻しで能力を失う前のオラトリオだぜ。つまり奴、というか奴を作った奴は、神話の三頭犬のことは知ってるかもしれんが『俺たちのようなケルベロス』のことは知らんのさ」
「あ、そうか」
 てへっ、と小さく舌を出し、ニケは首をかしげる。
「ケルベロスになぞらえたんじゃないなら、何なんだろ? 頭三つの虎の話って、何かあった?」
「さあな。これが大阪か兵庫ならともかく、茨城ってことは球団とは関係ないだろうし……なんか、どっかの戦争で、そんな暗号があったような」
 蒼眞が唸ると、ニケが疑わし気に訊ねる。
「私、この世界の歴史って、よく知らないというか覚えてないんだけど、デウスエクスの侵略中も人間同士の戦争ってあったの?」
「国を挙げての大戦争するほどの力は誰にもなかったようだが、乏しい資源を奪い合っての凄惨な小競り合いはしょっちゅうだったらしい。今でこそ、表向きは世界が一致してケルベロスに協力してるけど、その頃の恨みつらみは残ってるらしいぜ」
 もしかして、デウスエクスが地球に来なくなったら、たちまち人間同士の揉め事が始まるのかもな、と蒼眞は吐息をつく。
「ま、そんなことは後のことだ。とにかく今は、デウスエクスのダモクレスを潰す。それだけだ」

●開戦!
 茨城県日立市、深夜。ヘリオライダーが予知した時刻に、予知した建物が内側から爆発するように崩れ、予知の通り、全長およそ七メートル、三つの頭を持った魁偉な虎型の巨大ダモクレスが出現する。周囲に布陣するケルベロスたちに気付いたのか、三頭虎の六つの目が、一斉に赤く光る。
「ガアッ!」
 中央の頭が咆哮し、左側の頭が火炎を吐く。攻撃されたのは予想通り、地上前衛の三人、蒼眞と蛍火と『月影』だ。今回はディフェンダーの庇いは発生せず、三人が均等に炎を浴びる。
「たいしたことはない……といったら嘘になるが、ディフェンダーじゃない俺でも、一撃二撃で生きるの死ぬのという威力じゃないな」
 敵のポジションはおそらくディフェンダーだ、と、身体のあちこちに炎をまとわりつかせながら蒼眞は呟く。攻撃が苛烈でないのはありがたいが、こちらの攻撃もダメージ半減になる。この人数で、七分間で潰せるか。
「……思い出したぜ。トラ・トラ・トラ、我奇襲に成功せり、だったな。今回はどっちかってーと、敵の奇襲を失敗させた気もするが」
 苦笑を浮かべて大きく跳躍すると、蒼眞はそのままジェットパック・デバイスを使い、飛翔しながら攻撃をかける。
「そんでもって、ニイタカヤマノボレ、だ!」
 思念を凝らし、蒼眞は念波爆発を起こす。さほど精密に狙ったわけではないが、中央の頭の眉間あたりで爆発が生じた。
「ガアッ!」
 猛る虎を尻目に、蒼眞は地上に降り立つ。そして入れ替わるように蛍火が跳ぶが、これは攻撃のためではない。
「大丈夫? すぐに回復するからね」
 蛍火はフェアリーブーツで舞うような動きで花びらのオーラを撒き、自分を含めた地上前衛の傷を癒し炎を消す。
「さぁ、月影。頼りにしているからね」
 指示を受けた『月影』は、倍のダメージを受けている蒼眞に高威力の単体治癒をかけ、BS耐性を付与する。
「目玉が六個もあるのに、いったいどこ見てる? その動きは見逃さないよ」
 地上の敵に気を取られている虎の真上から急降下してきた蛍が、オリジナルグラビティ『空の狙撃主(ソラノソゲキシュ)』を発動、愛用の『ガトリングガン+』をばりばりとぶっ放す。ぐわっと虎の頭が天を仰いだ瞬間、ニケが白い翼をデザインしたフェアリーブーツから星形のオーラを射出、虎の顎を下からがつんと突き上げる。
「ちゃんと攻撃、100%以上当たるもんね! もはや、伊達や酔狂の新米スナイパーじゃないわよ!」
 恐れ入ったか、とニケは胸を張るが、ダモクレスはぶるぶるっと三つの頭を振り、今度は右の頭が凍結光線を吐く。狙いは一撃目の炎と同じ、地上前衛だ。
「予想はしていたが、やっぱりこっちを狙ってくるか」
 そりゃまあ、列攻撃かけるなら一人の列より三人の列を狙うよな、と、蒼眞が唸る。今回はディフェンダーの庇いがなかなか発生せず、二撃目の光線も浴びる羽目になったが、BS耐性がついているので付着した氷はすぐ消える。
「お返しだ!」
 再び飛翔した蒼眞は、斬霊刀を振るって中央の頭の眉間を裂き、氷を付着させる。蛍火と『月影』は再び治癒に専念。蛍は右に左に飛翔しながら『ガトリングガン+』を乱射する。ちなみに、まったく同じようにガトリングガンを撃っているように見えても、一回目は敏捷、二回目は頑健の攻撃なので、見切られる心配はない。
 そしてニケは地上前衛に列ヒールを送り、BS耐性を付与する。これで、蛍火が毎回キュアで炎や氷を消さなくても良くなるはずだ。
「さて、炎、氷と来て、三ターン目は何で来る? 早々と雷か?」
 身構えながら蒼眞はダモクレスを見据えたが、三頭虎は再び左側の頭から炎を吐いた。狙いは相変らず地上前衛で、今度は蛍火が飛び出し蒼眞を庇う。庇われた蒼眞は無傷で済むが、庇った蛍火は通常のディフェンダーダメージの倍、つまり蒼眞が受けていたのと同等のダメージを負うことになる。
「すまん……」
「気にしないで。ディフェンダーは庇ってなんぼよ」
 蛍火は屈託なく告げるが、やっぱり女性を盾にするのはどうにも後ろめたいぜ、と、蒼眞は声には出さずに呟いた。

●決着!
「日柳さん、ゴッドグラフィティ、ホントに『生死不明上等』でいいの?」
 4ターン目最終、駆け寄ってきたニケに訊ねられ、蒼眞は当然のようにうなずく。
「ああ。好きこのんで暴走したいわけじゃないが、常にその覚悟は持っているってことだ。かといって『暴走上等』じゃ、暴走族と間違われそうだしな」
「『生死不明上等』でも、あんまり変わらないと思うけど」
 むしろ『暴走上等』より物騒な印象じゃないかな、とぼやきつつも、ニケは墨痕淋漓という形容がふさわしい字で、蒼眞の腕に『生死不明上等』と記載する。
「上手いもんだな」
「ありがと。でも、ゴッドペインターなら誰でもこのくらいは描くわ」
 むしろ天羽さんに描いた『緋色の斑鳩』が会心の出来なんだけどな、と肩をすくめたニケが、ぎょっとした表情になる。
「日柳さん、あれ……」
「そうらしいな。急いで離れろ」
 なんか、ブレジニィが俺にペイントすると全力攻撃が来るってのが、お約束になりつつあるな、と、声には出さずに唸りながら、蒼眞は表情を引き締め、傷だらけの全身に雷を帯び始めた三頭虎を見据える。
 するとダモクレスは、いきなり高々と宙に跳んだ。
「やっと、こちらに来るか!」
 警戒していた蛍が急加速と急旋回で身を躱そうとするが、全力攻撃に出たダモクレスの動きはそれ以上に速い。いかん、躱しきれない、と思った瞬間、とびこんできた『月影』が蛍を突き飛ばし、ダモクレスと激突する。
「ガアッ!」
 間一髪で蛍を捕捉し損ねたダモクレスは、代わりに『月影』を抱え込むようにして、そのまま全力で地面に叩きつける。凄まじい衝撃に、ボクスドラゴンの身体は文字通り雲散霧消するが、ダモクレスの方も地面にのめりこむような姿勢で機能停止する。
「今だ! 潰すぞ! うにうにっ!」
 簡潔に宣言すると、蒼眞は変なポーズを取り、謎の巨大存在『うにうに』が、頓挫した三頭虎の上から雪崩れ落ちる。見栄えもへったくれもない、とにかくひたすらダメージが大きいオリジナルグラビティ『巨大うにうに召喚(ギガントウニウニコーリング)』の質量攻撃を受け、巨大ダモクレスの全身各所が音をたててひしゃげ潰れる。しかし付与された炎や氷は消えておらず『うにうに』の方が焼かれ凍らされて消滅する。
「よくも、月影を!」
 サーヴァントは不滅とわかってはいるけど、可愛い相棒を無残に消し飛ばされて逆上するなという方が無理よ、と、蛍火がいきり立つ。
「逃がさないわ! これでも食らいなさい!」
 高速演算で弾き出した巨大ダモクレスの弱点、三つの頭を支える首の部分に、蛍火は痛烈な一撃を叩き込む。ばきばきと金属が割れる音が大きく響き、右側の冷凍光線を吐く頭がぐらりと揺れて首から外れそうになる。
「往生際が悪い!」
 蛍がエアシューズ『ジェットブーツ』に地獄の炎を纏わりつかせ、腕に描かれた『緋色の斑鳩』をひらめかせながら、急降下キックでダモクレスの右側の頭を蹴り落とす。既に不安定だった頭はひとたまりもなく砕け落ち、首の付け根から冷凍液だろうか、白い液体が噴き出す。
 そしてニケが、ブーツとお揃いの白い翼デザインのフェアリーレイピアをかざし、その傷口に向かって突撃する。かなり危なっかしい動きで、相手が健在なら躱された可能性が高いが、頓挫していれば問答無用で斬り放題だ。
「もう一丁いくぞ! うにうにっ!」
 残り二分のアラームと同時に蒼眞が叫び、ニケは慌てて飛び退く。間一髪で『うにうに』がどどどっと雪崩れ落ち、ダモクレスの胴をへし折る。
「……まだ潰れてないわね」
 今や二頭虎となった巨大ダモクレスの全身にまとわりつく炎と氷を見やって、蛍火が呟く。
「ならば潰れるまで、叩くだけ!」
 蛍火は再度ダモクレスの頸部を攻撃し、蛍とニケも追従する。しかし、残る二つの頭は装甲をずたずたにされながらも、砕け落ちるには至らない。そして、頓挫の2ターンが終わり、巨大ダモクレスは再び動き出す。
「ギ……ガ……」
 軋むような音を上げ、ダモクレスは左の頭から炎を吐く。炎は蒼眞と蛍火を舐めるが、もはやダメージがどうとか言っている段階ではない。
「くらえ、サイコフォース!」
 敢えて飛翔せず、蒼眞が『生死不明上等』と描かれた腕を伸ばしてダモクレスの頭を指さす。念波爆発が生じ、残っていた二つの頭がまとめて吹っ飛ぶ。蛍火が首なしになったダモクレスの胴に突進し、達人の一撃で縦に割る。蛍が『ガトリングガン+』で火炎弾を乱射しながら飛び込み、存分に撃ちまくる。ダモクレスの胴が粉々に砕け、破片に付着していた炎や氷が消える。
「やった……かな?」
 呟いて、ニケがゴッドサイト・デバイスのゴーグルを下ろす。戦闘が終わっていなければ、画像は出ないはずだが……。
「画像出ます。戦闘終了、敵マークの表示なし。もちろん一般人の表示もなし。ぎりぎりセーフね」
 ニケの報告に、一同は思わず吐息をつき、蛍火はへなへなと座り込む。その時、七分間が経過したが、魔空回廊は出現なかった。

作者:秋津透 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2021年5月8日
難度:普通
参加:4人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。