色彩の世界を

作者:崎田航輝

 淑やかな冬の花が咲き、寒空の下に彩りを加える季節。
 仄かな晴れ間に心地良い温度となった日に、和やかな賑わいに満ちる街角の建物があった。
 それは芳しい香りを軒先に漂わす、フラワーショップ。
 冬だけでなく種々の季節の花も仕入れて、鮮やかな色に溢れたその店は――美しい生花ばかりでなく、幻想的な色合いのハーバリウムも人気の品。日常に色彩を取り入れようと、惹かれた人々が眺めては手にとっている。
 同時に店内で開かれるハーバリウムの制作体験もまた、人気の催し。
 定期的に訪れる開催日の一日でもあるこの日を目当てに、訪れる人も多く。その皆が無二の色を作り上げようと楽しんでいた。
 と――そんな花香る店の建物と、その別の建物の狭間。
 細いその物陰に、転がっている一つの機械があった。
 それは小さなプロペラをを四方に付けた、飛行機械――ドローン。
 町中を飛ばしている最中に墜落したまま、放って置かれたのだろうか。部品は損壊しており、既に風化し始めてもいる。
 人目につきにくい場所でもある。このままであれば、誰に見つかるでもなく捨て置かれたままになっていただろう――けれど。
 そこに這い寄ってくる、小さな影がある。
 コギトエルゴスムに機械の脚が付いた小型ダモクレス。そのドローンへと辿り着くと、取り付いて一体化していた。
 するとそれは、俄に動き出す。始めはゆっくりと、しかしすぐに高速で――プロペラを回転させて宙へと飛び上がっていた。
 巨大化したプロペラからは、庭木が軋む程の風が吹く。
 そのまま、漂う花の香りも、それ以外のあらゆるものも吹き飛ばさんばかりの速度で――ダモクレスと化したドローンは滑空していった。

「集まって頂いてありがとうございます」
 冬の晴れ間のヘリポート。イマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)はケルベロス達へ説明を始めていた。
 曰く、花々の並ぶフラワーショップの近くで、ダモクレスの出現が予知されたという。
「建物の間にドローンが放置されていたらしく──そこに小型ダモクレスが取り付いて変化してしまうようですね」
 このダモクレスは、人々を襲おうとするだろう。そうなる前に撃破をお願いします、と言った。
「戦場は市街の道になります」
 ダモクレスが飛行してやってくるところを、こちらは迎え討つ形となるだろう。
「一般の人々については事前に避難がされますので心配はいりません」
 戦いに集中できる環境でしょうと言った。
 周囲も荒れずに終わらせることが出来るはずですから、とイマジネイターは続ける。
「無事勝利出来たら、皆さんもフラワーショップなど、寄っていってみてはいかがでしょうか」
 誰かに贈る花や、自分のための花を買ってみたり……ハーバリウムのワークショップも開かれるので自分だけの一品を作ってみてもいいだろう。
「そんな時間の為にも――是非、撃破を成功させてきてくださいね」


参加者
ノチユ・エテルニタ(宙に咲けべば・e22615)
エトヴァ・ヒンメルブラウエ(フェーラーノイズ・e39731)
七宝・琉音(黒魔術の唄・e46059)
ローゼス・シャンパーニュ(赤きモノマキア・e85434)
ティフ・スピュメイダー(セントールの零式忍者・e86764)
シャルル・ロジェ(明の星・e86873)
ルイーズ・ロジェ(宵の星・e86874)

■リプレイ

●彩風
 吹く風に、花が香る。
 空より降り立った七宝・琉音(黒魔術の唄・e46059)は、その薫りを辿るように、傍の建物へと視線を向けていた。
「フラワーショップかぁ」
「未だ寒さの気配が漂いますが――花の彩りが和ませてくれますね」
 ローゼス・シャンパーニュ(赤きモノマキア・e85434)も温かな心で目をやっている。
 するとディスプレイされているのは、花だけでなく。
「ハーバリウム、わたしも作ってみたいな」
 ルイーズ・ロジェ(宵の星・e86874)はその色合いにも目を奪われていた。それから期待感と共に隣へ向いて。
「可愛くできたらシャルにもあげるね」
「ああ、ありがとう」
 シャルル・ロジェ(明の星・e86873)は応えつつ、戦いの準備もしかと整えていた。
 はしゃぐ双子の妹の世話もしないとだし今回は大変だな、と。思うけれど――そのルイーズもまた、拳をぐっと握って空を仰いで。
「ちゃんとやる事はやるの、わたしだって忘れてないのよ!」
 その視線の先。風音と共に宙から飛来する機械を捉えていた。
 それは巨大化したプロペラで空を飛ぶダモクレス。
 シャルルはへえ、と興味交じりに瞳を細める。
「ドローンもダモクレスになるんだね。古い機械なら何でもいいのかな――?」
「……取り付けるものには、取り付くんだろうな」
 そっと呟くのはノチユ・エテルニタ(宙に咲けべば・e22615)。暴れる風に星彩煌めく漆黒の髪を揺らしながら――仄かに息をついた。
 ドローンも一般に流通しだした分、ああいう放棄のされ方も多いのかも知れない。
「市民に不法投棄の指導とかすればいいだろうに。……ま、今更やっても意味ないか」
「こうなれば、戦うより他にはないからね」
 アンゼリカ・アーベントロート(黄金騎使・e09974)も一歩出て、凛然たる瞳を向ける。
 そうして迷いなく地を蹴って。昇る陽光のように空へ舞い上がると一息にダモクレスへと接近して――。
「――さぁ、黄金騎使がお相手しよう」
 刹那一撃、鮮烈な蹴撃を叩き込んだ。
 その間にローゼスが剣を舞わせて星座の陣を描き、護りを構築する。ダモクレスも敵意を見せていた、けれどそこへノチユ。
「飛べるのはお前だけじゃない」
 これから暫くはダモクレスが相手となるのだろう。だが心に揺らぎはない。
「翼は全部、僕らが墜とす」
 夜色のジェットパックから、星屑を眩く刷きながら――蹴撃でプロペラの一端を砕く。
 ダモクレスは反撃の意思を見せるが――。
「――お相手ハ、此方デス」
 澄んだ声音を紡ぐエトヴァ・ヒンメルブラウエ(フェーラーノイズ・e39731)が、そっと手を翳していた。
 刹那、蒼空に生まれた幻影が機械の心をも蝕むように、深い執着を植え付ける。
 ダモクレスは導かれるままに風を吹かすが、予見された攻撃ならば、盾役が防御するのに苦労はない。
 衝撃を浅く抑えれば――直後にルイーズが鎖で守護の紋様を描いていた。
「シャル、このまま癒やしきるの!」
「了解」
 シャルルも光の柱を眩く昇らせ、護りの加護を与えゆく。同時、琉音も傍らの箱竜に視線を向けていた。
「黒影、サポートは任せたからね!」
 応えた黒影が紫紺の光を注いで護りを盤石とすると――琉音自身も掌を大地へ。
「死霊たちよ、仲間を癒す力を与えよ!」
 刹那、立ち昇る濃密な陽炎が渦巻いて、皆を纏うことで体力を万全にした。
 ダモクレスも中から連撃を狙う。が、そこへ高速で駆けるのがティフ・スピュメイダー(セントールの零式忍者・e86764)。
「ぶんぶんドローンには……こうするの!」
 瞬間、靭やかに跳び上がると、建物の壁を足場に更に跳躍。一瞬で至近に迫ると、幻影の魔力を伴った一撃でダモクレスを叩き落とした。
 そこへシャルルのライドキャリバー、ガイナが突撃を見舞うと、ダモクレスもよろけながら遣り返そうとするが――。
「これより先を征かんとするならば、我が矢の餌食となると知れ」
 ローゼスが稲妻を纏った矢弾を発射。空に光の直線を描くように、突き抜ける衝撃で機械の躰を貫いてゆく。

●決着
 一瞬の静寂を、吹き下ろす風がかき消してゆく。
 ダモクレスは空中をよろめきながらも、墜ちずに高空へ戻っていた。
 寧ろ生む風は一層強く、全てを吹き飛ばさんばかりで。憂うように、そして――背を守るようにエトヴァは立っていた。
 ――花は憩いを齎し、心を癒してくれるから。
「花を求める人々のためにモ……護りたいですネ」
「そうだね」
 アンゼリカも頷く。
 花を愛でる心なければ、真の騎士とは言えまい。ならば――ダモクレスの齎す悲劇等打ち砕き、色彩の世界を楽しむとしよう、と。
「元より、ダモクレス本軍が迫っているとの話もある」
 ここで躓くわけにはいかないと、アンゼリカが気合いを新たにすれば――エトヴァもまたそっと頷いて、翔けるように跳躍。ダモクレスへと鮮やかな槍撃を加えた。
 ダモクレスは間合いを取ろうとする、が。
「将を得んとするならば脚を獲れ。如何に自在に跳ぼうとその羽は脆かろう」
 無為に捨て置かれたとて容赦はなく、苛烈に穿ち、撃ち堕とすのみ。
 汝の為すべき事は既にないのだと――ローゼスは『Nike velos』。フレシェット弾を違わず命中させ爆轟を生む。
「さあ、今のうちに」
 その声に応え、高空へ舞うのがノチユ。『冥府に消ゆ』――眩い空から深い影に落とすような一閃で、ダモクレスを地に墜とした。
 ダモクレスは上がれずとも風圧を返すが、エトヴァが受け止めれば――。
「我が魂よ、神秘の炎となりて、傷を癒す力となれ」
 琉音が妖力を焔へと顕現。『魂の狐火』――妖しくも暖かく、眩くも優しく。撫ぜるように触れた温度で痛みを和らげる。
 シャルルも己が拳に耀く魔力を凝集。
 煌々と瞬く治癒の力へと昇華したそれを、拳圧で撃ち出してエトヴァを治癒していた。
「これで、あと少し」
「ん、わたしがやっておくの」
 応えたルイーズも魔力から生命を保護する煌めきを顕現。体に同化させてエトヴァを癒しきっていくと――そのまま内に秘めた鋭い戦意も垣間見せて。
「これで、燃えちゃえ」
 連続で放つ苛烈な焔で敵を包んでゆく。
 ダモクレスは藻掻くが、ティフも蹄を鳴らして肉迫。
「させないの!」
 軽やかに宙へ踊ってみせると、ダモクレスの頭上から幾重もの斬撃を奔らせて瀕死に追い込んでいた。
 そこへアンゼリカは手を翳す。
「君を圧倒したのは個の力ではなく、絆の力だ」
 その最後を、と。
「さぁ、決めるとしよう!」
 刹那、眩く収束される光は『約束の魔法』。真っ直ぐに突き抜ける衝撃が、ダモクレスの命を違わず破壊した。

●色彩
「……良い景色を映せたでショウカ」
 ――お役目お疲れさまでシタ。
 エトヴァはドローンの残骸へそっと語りかけ、それが消えゆくのを見守っていた。
 それから静けさが戻ると、皆と共に周囲を修復。人々へ無事を伝え、暫しの後に平和が戻ると――自身もまたフラワーショップへ。
 ゆっくりと歩みながら……家族へ贈る花を探す。
 ふわりと香りが広がり、色彩に満ちる。
 何がいいかな、と、そんな花々へ笑みかけて。
「……鮮やかですネ」
 目を惹いたのは冬らしい美しさの赤と、元気いっぱいのオレンジの薔薇。
 それを一輪ずつ、大切に選んで。二色を中心にしながら、白い薔薇とカーネーションでふわふわにして。
「次ハ……」
 そっと手に取ったカスミソウと、ブルースターの小花を添えた。
 出来たそれは、雪原のような純粋な白に、爽やかな青空が映える色合い。そしてその中で薔薇が華やかに笑む――可憐な花束。
 ――華やかな笑顔が咲きますように。
 微笑んで、空色のリボンを結ぶと――。
(「ふふ、喜んでくれるといいな――」)
 ありがとうございました、と響く声にも会釈を返したエトヴァは――嬉しそうに花束を抱えて帰路へついていった。

「花言葉、なるものがあるようですね」
 ローゼスは、花と共に置かれたポップを見つつ店内を巡っていた。
 そうすると名だけでなくその謂れや逸話、今まで知らなかった知識が得られる。
 冬も色々な花がある。そんな実感と共に、一つ一つを見て回っていると――ふと目についたのがスノードロップ。
 純な白色と、可憐な形。
 そして花言葉は――。
「冬の終わりと春の始まり、それゆえの“希望”と“慰め”ですか」
 少しだけ見つめてから、ローゼスはごく小さなその花の鉢を買った。
 そうして外へ出て、あのドローンのあった場所へと鉢を置く。
「手向け、というには些か感傷が過ぎるでしょうが」
 あの機械が消えた事を、自分達以外に記憶に留めるものはいないだろう。
 だからというわけではないけれど、何もないのも寂しいものだから。
 ――せめて終わりの区切りくらいは。
 その心持ちと共に、ローゼスは暫し見下ろしてから背を向ける。小さな花が、風に揺れていつまでも優しく揺れていた。

「どれも美しいね」
 一色一色を愛でながら、アンゼリカは花を選んでゆく。
「我が愛する姫のためには――」
 と、手にとってゆくのはとびきり美しい数輪。
 薔薇を始めに幾つかを束にしてもらうと……更にハーバリウムのワークショップにも寄っていくことにした。
 澄んだボトルに入れるのは――。
「サクラの花、これにしようか」
 綺麗なピンク色が可愛らしいそれを手にして、丁寧につまんでは入れてゆく。
 そうして大小の花弁を使ってばらつきを作り、満遍なく色を浮かべて春が満ちるような色彩を作った。
 春は待ち遠しく、あたたかいもの。
 厳しい冬も春が来ることが分かれば越えられる――そんな思いを込めて。
「デウスエクスの侵略も、いずれ終わる……」
 いいや、終わらせよう。
「――もう間もなくだとも」
 出来上がったハーバリウムにそっと額を寄せ、アンゼリカは確かな誓いを抱いていた。

 薫りに誘われて、色彩を瞳に映す。
 店内に入った琉音は、その中に広がる景色に笑顔を華やがせていた。
「わぁ、とっても綺麗だね!」
 冬だけでなく、春も夏も秋も、全ての時期の花を楽しめる。それはまるで移ろう四季の中を散歩しているような心地で。
 その中で琉音が足を止めるのは――。
「赤い薔薇の花束が欲しいな」
 淡い色や優しい色、幾つもの花の中で一際鮮烈な印象を与えるその一角。
 美しい織物のように、幾重にも重なった花弁の芸術を楽しみながら。そこから一輪、また一輪と気に入ったものを選んで束にした。
「これでいいかな」
 可愛らしいラッピングにしてもらって受け取ると、帰りしなにふとハーバリウムにも目を留めて。
「こっちも、長く楽しめて良さそうだね」
 手元の薔薇とのコントラストが可愛らしい、薄紅の花で彩られたそれを購入。
「うん」
 手に入れた色と薫りを楽しみながら――琉音は爽やかな風の下を歩み出す。

 何かを作ったりすることは滅多にない。
 だからハーバリウムもまた初めてで。少し物珍しい気持ちと共に――ノチユは巫山・幽子と隣り合って卓についていた。
「自然で咲いてる花もいいけど、こういう愛で方もあるんだね」
「はい……エテルニタさんは、どんなものを作りますか……?」
 幽子がそっと覗き込むと、ノチユはアマリリスや桃といった、ピンクや赤の花を示す。
「春めいてるのがいいと思って」
 とは言いつつも、カスミソウを始め繊細な花も選ぶのは――それが彼女と似ていると思ったから。
 それを硝子瓶にひとつずつ、丁寧に重ねてバランスも見つつ。薄いピンクのカラーオイルで透明と二層にして。
「……でき、てる?」
「とても、可愛いと思います……」
 幽子は仄かに声音に花を咲かす。
 その表情にノチユもまたやわく笑み返して。
「幽子さんはどんな感じ?」
「私もあまり経験は、ありませんが……」
 幽子の瓶には、四季折々の清廉な花。色彩豊かだけれど素朴でもあって。
「ああ、うん――バランスもいいし、すごく綺麗だ」
 センスあるね、と。
 じぃっと見つめるノチユの視線に、少し照れながらも。幽子もまた、楽しげな微笑みを見せていた。

「それじゃあ早速、行こう?」
 ルイーズが踊る足取りで歩めば、それに頷きシャルルも同道。一緒にフラワーショップへと入っていた。
 すると淡い甘さが鼻先を擽って――。
「香りに癒されるね」
「うん、とっても素敵」
 ルイーズもくるりと見回す。
 皆が手に取る花々の鮮やかさや、美しさ。それを眺めながら――ふと目に留まったのはティフの姿だった。
「ティフちゃん、お疲れさま。何見てるの?」
「ハーバリウム。とっても綺麗だから」
 と、ティフが手にとって見ているのは花々でグラデーションを描く瓶の数々。すぐ傍でワークショップを開かれているからと、ティフは笑みかけて。
「一緒に作らない?」
「いいの?」
「勿論なの!」
 ティフが応えるから、ルイーズは嬉しくなって。振り返ると、シャルルも微笑んで頷くから――共にそこへ歩んで卓についた。
 周りを見ると、皆が色とりどりの世界を作り上げている。ティフは興味深げにそんな様子を眺めていた。
「わぁ……面白そうなの」
「わたし達も早速、お花を選ぶのよ」
 ルイーズは言って、ティフと共に花材の並ぶ一角へ。
 色と種別に分けられた花々は、どれも手にとりたくなるほど魅力的。色付けされたものの中には、虹色の綺麗なものもあったけれど。
「初心者には難しそうかな……? なら、わたしはこれと、これと――」
 と、ティフが調達してゆくのはラベンダーに勿忘草。幾つか元々の色味が違うものを集めて――全体で七色となるようにする。
 ルイーズは瞳を燦めかせていた。
「すごく可愛くなりそう」
「ありがとー! ルイーズちゃんはどんなのにするの?」
「わたしは――」
 ルイーズは完成品を親戚のおねえさんに贈る予定だ。
 だからその事も意識しつつ――上品で、且つ華やかなものとなるように。淡い色合いで優美なものや、小振りでも鮮やかなものを選択。
 ティフは白いカスミソウも添えて、早春のイメージで。ルイーズと一緒に、選んだ花をそれぞれの瓶に詰めていく。
 きゃっきゃと和やかな、そんな二人の姿を……シャルルは一歩引いた位置から見守りつつ、自分も作業をしていた。
「花は、と……」
 こちらも出来たものはプレゼントするつもりだ。
 だから数ある花材からしっかり吟味しつつ、華美になりすぎないよう、けれど種々の色合いを含んだ美しい逸品を作り上げた。
 これでよし、と頷いて。
「ルー達の方は……」
 と、視線をやるとそちらも丁度オイルを注いで完成させた所。
 ティフのものは季節を感じさせる七彩。ルイーズのものは清楚な魅力が無二のハーバリウムとなった。
「どちらも綺麗だね」
「ん、楽しかったのよ!」
 ルイーズが言えば、ティフもまた頷いて。
「とっても、いい思い出になったの」
 わくわくとした気持ちも一緒に詰めたそのハーバリウムを、大切に握っていた。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2021年2月5日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 4/キャラが大事にされていた 1
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