剣鬼

作者:紫村雪乃


 寒風吹き荒ぶ森の中。
 彼は横たわっていた。
 二十歳をわずかに過ぎた年頃に見える。端正な顔立ちの美青年であった。病んでいるかのように肌は青白い。
 とーー。
 青年のそばに黒々とした影が浮かび上がった。黒衣に身を包んだ女の姿をした死神である。死神は青年の身に球根のような『死神の因子』を植えつけた。
「さあ、お行きなさい。そしてグラビティ・チェインを蓄え、ケルベロスに殺されるのです」
 死神は命じた。すると青年は目を開いた。ゆらりと立ち上がる。
 その姿は現代日本においては異様であった。袴、そして浅葱色の羽織りをまとっている。
 青年はちらりと死神を見やった。すると死神はすうと姿を消した。
「逃げ足が速いなあ」
 苦笑すると、青年は歩き出した。そして独語した。
「命じられなくても人を斬るよ。私は人を斬るのが大好きなんだ」


「死神によって『死神の因子』を埋め込まれたデウスエクスが暴走してしまう事件が起きることが分かりました」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)はいった。
「『死神の因子』を埋め込まれたのはダモクレス一体。死神が選んだだけあって、強力な個体のようです」
 機体名は沖田総司。幕末の剣客である沖田総司を解析、その力を現実のものとしたダモクレスであった。人間を畏怖させることを目的に生まれた、神や伝説の英雄豪傑を模したシリーズの一体である。
「死神の因子を埋め込まれたデウスエクスは、大量のグラビティ・チェインを得るために、人間を虐殺しようとします。殺戮が行われるより早く、デウスエクスを撃破してください」
 セリカはいった。今から行けばケルベロスの到着は森の出口付近となるだろう。
「ダモクレスの武器は日本刀です。威力は絶大。注意が必要です」
 それと、とセリカはケルベロス達を見た。
「この戦い、普通に戦うだけでは死神の思惑に乗ることとなります」
 このデウスエクスを倒すと、デウスエクスの死体から彼岸花のような花が咲き、どこかへ消えてしまうのだ。死神に回収されてしまうのだった。
「ですが、デウスエクスの残り体力に対して過剰なダメージを与えて死亡させた場合は、死体は死神に回収されません」
 セリカはいった。それは体内の死神の因子が一緒に破壊されるからである。
「殺戮を許すわけにはいきません。ダモクレスの殲滅を」
 セリカはいった。


参加者
叢雲・蓮(無常迅速・e00144)
皇・絶華(影月・e04491)
円城・キアリ(傷だらけの仔猫・e09214)
巽・清士朗(町長・e22683)
劉・沙門(激情の拳・e29501)
ノルン・ホルダー(若枝の戦士・e42445)
氷織・雪音(氷塞・e79385)
リサ・フローディア(メリュジーヌのブラックウィザード・e86488)

■リプレイ


「はわ…!」
 ヘリオンから下方に目をむけた少年が思わず歓声をあげた。
 地に一人の男の姿がある。浅葱色の羽織をまとった美しい若者だ。腰には一刀をおとしている。名刀、菊一文字則宗であった。
「新撰組の沖田総司だ…! カッコいいけど…負けないのだよ!」
 少年は美麗な顔を輝かせた。彼の名は叢雲・蓮(無常迅速・e00144)というのであるが、新撰組が大好きな男の子であった。
「悪いが行かせるわけにはいかんぞ、一番隊組長」
 巽・清士朗(町長・e22683)が空に身を躍らせた。
 百メートルの高空。へリボーン装備無しの自由落下である。
 立木を蹴り飛ばし、着地。信じられぬことに傷一つ負ってはいなかった。
「幕末にその名を轟かせた剣豪、沖田総司――。その名を、汚さぬためにも」
 清士朗は抜刀した。きらりと光をはねた刀こそ大磨上無銘玄一文字宗則である。
 その時、若者ーー沖田総司が振り返った。ちらりと上空を見上げる。すでにヘリオンは距離をとっていた。
「ははは。あれも逃げ足が速い」
 苦笑すると、総司は八人のケルベロスたちに目を転じた。対峙するケルベロスたちの背が粟立つ。凍てつくような殺気が吹きつけてきたからだ。
「幕末の天才剣士か。…弟ならば挑みたがっただろうな」
 端正な顔立ちの若者が喘鳴まじりの声でつぶやいた。皇・絶華(影月・e04491)である。彼のいう弟は霊剣である【Durandal Argentum】に封印されていた。
「共に戦おう銀静…やるぞ、叢雲」
 いうと絶華はジェットパック・デバイスを起動。蓮とともに仲間を牽引して空に舞い上がった。
 見上げる総司は苦笑した。
「なんだ。どいつもこいつも逃げ足が速いなあ」
「逃げたんじゃないわ!」
 猫を思わせる金色の瞳で見下ろし、円城・キアリ(傷だらけの仔猫・e09214)が叫んだ。
「ふうん。私の天然理心流を封じるつもりのようだね」
 総司はいった。
 その通りだ。が、キアリにとっては懸念がないわけではなかった。近接戦闘を行おうとした場合、それは同時に沖田総司の間合いに飛び込むということでもある。
 と、妖美な美しさをもった少女が小首を傾げた。人間ではない。下半身が蛇体だ。メリュジーヌなのであった。
「沖田総司を名乗るダモクレスね……いくら姿を真似ても人々に危害を加える悪者は、本物に届く事は無いと思うけどね」
 少女ーーリサ・フローディア(メリュジーヌのブラックウィザード・e86488)は指摘した。


「ねえ」
 ノルン・ホルダー(若枝の戦士・e42445)が声をかけた。顔をむけた総司の目には黒猫の耳をもつ少女の姿が映っている。
「ふうん。ウェアライダーか」
「ノルン・ホルダー(若枝の戦士・e42445)だよ。剣豪様は、小娘相手にビッビッて背中向けたりしないよね?」
「それは私を挑発しているのかな?」
 ニヤリとすると、総司は菊一文字を抜いた。光のしぶきが空に散る。
 瞬間、ノルンの口から呪文が流れ出た。次いで、その繊手から光がほとばしり出る。
「魔法か」
 総司が菊一文字で横薙ぎした。はじかれた魔法光が近くの樹木を撃ち、石と化さしめる。が、それはノルンの計算のうちであった。牽制すれば目的は達せられる。
「ほう、歴史上の剣客を模したダモクレスか。うむ、相手にとって不足はない! 我が奥義とどちらが強いか力比べと行こうではないか!」
 精悍な風貌の男が身を躍らせた。開いた翼は竜種のものである。
 男の名は劉・沙門(激情の拳・e29501)。八方天拳なる一子相伝の拳法を受け継ぐ拳士であった。
 凄まじい速さで接近。自由落下の加速度を加えた蹴りを沙門は放った。
 岩すら砕く一撃。が、沖田総司にとってはさしたるダメージではない。ニィと総司は嗤った。
「そっちの間合いは私の間合いでもあるんだよ」
 痺れを振り払い、電光の速さで総司は突きを放った。慌てて沙門が離脱を試みるが、遅い。速さは総司の方が上であった。
 菊一文字が深々と貫いた。沙門ーーではない。沙門を庇ったミミックーーオウギを。
「はっ、健気だね」
 オウギをあっさりと切り捨てた総司が足に力を込めた。跳び、さらなる突きを放つために。がーー。
 総司が跳ぶことはなかった。足が氷の剣で貫かれている。剣の天才である総司ですら感知できない攻撃であった。
 が、それでも氷の剣の放ち手である氷織・雪音(氷塞・e79385)に驕りはなかった。冷静、というより冷淡につぶやく。
「剣豪を元にしたダモクレス、ね。伝説にどれぐらい寄せたのか分からないけど、油断は出来ないわね」
 先ほど見せたダモクレスの刺突。あれをかわすことのできるケルベロスはおそらくはいないだろう。


「沖田総司、推参なりなのだ!」
 蓮がジェットパック・デバイスをふかせた。落下速度に推進速度をのせて加速。一気に間合いに飛び込んだ。
「居合いか」
 蓮の剣流を総司は見抜いた。蓮の手は刀ーー玉環国盛の柄にかかったままであるからだ。
「天然理心流平晴眼、みせてやろう」
 死は音もなく。烈風すら、閃光すら、抜き去った剣が空を裂く。
 逆風。カウンターが蓮の狙いだ。が、沖田総司の剣はあまりに鋭く速い。
 蓮が煌めく剣光を見とめた次の瞬間、彼の胸のど真ん中に剣が突き抜けていた。死は音もなく命を染め上げる。
 そんな予感めいた直感が恐怖となって蓮の喉を締めつけた。が、腕だけは動いて、玉環国盛を抜刀している。
 刃が総司を切り裂いた。が、刺突により勢いを殺された一撃は浅い。
 鮮血を撒き散らして蓮は地に叩きつけられた。とどめを刺すべく駆け寄ろうとした総司であるが、衝撃に足をとめた。流星の直撃を受けたかのように機体が軋んでいる。
「誰か、叢雲を!」
 蹴りを放ち終えた絶華が叫んだ。こたえたのはリサだ。
「忌まわしき血の力だけど、今はこの力を借りるわね」
 リサが人差し指を噛んだ。溢れる血をピンと飛ばす。
 彼女の血には呪いが込められていた。忌まわしき血脈の呪いが。血を浴びた蓮の傷が完全ではないが治癒されていく。
 空に舞い上がる蓮を総司が見上げた。
 攻撃するつもり。そう読んだオルトロスーーアロンが口にくわえた神器で斬りつけた。総司が無造作に菊一文字ではじく。
 その総司の眼前、一人の男が舞い降りた。清士朗だ。
「戦場に浄不浄の区別なく。とはいえ――」
 敵は剣の天才たる沖田総司。その使う剣は名にし負う天然理心流だ。自身も古流を学ぶ武術家として、尋常に勝負したうというのが清士朗の本音であった。
「逃げられるわけにはいかんからな、うむ、仕方ない」
 清士朗は大磨上無銘玄一文字宗則をかまえた。八双に。総司は平晴眼である。
「鞍御守神道流、巽・清士朗だ」
「天然理心流、沖田総司」
 刹那、総司が刺突を繰り出した。反射的に清士が動いた。刃の峰側へ。がーー。
 総司の刺突は清士朗の想定の範囲を遥かに超えていた。回避することはかなわず、菊一文字が清士朗を貫く。わずかに遅れて清士朗の刃もまた総司を薙いでいた。
 次の瞬間、二人は跳んで離れた。無論、清士朗の傷の方が深い。
「さすがにそう甘くはないか。壬生狼」
「やるな」
 総司がニンマリした。その眼前、清士朗が空に引き上げられていく。
「治療するわ」
 キアリから月光に似た光が放たれた。不死の象徴たる光を浴びた清士朗の傷が癒える。これもまた完治とはいえないが。


 蓮は詰めた息を吐き、震える指先を握った。覚えているのが恐怖なのか喜びなのか良くわからない。
「やっぱり沖田総司は強いのだ。けどダモクレスは模倣しているだけだし、ホントはもっと強いハズ……」
 唇を噛み締め、蓮は己を奮い立たせた。元々後ろを振り向く性ではない。蓮は剣を引き絞った、その瞬間ーー。
 斬撃が放たれ、跳ねた。凄まじい衝撃が沙門を襲う。
 激痛が沙門を支配した。視界が明滅する。喉が引き裂かれる。だとしても、脚を止めるつもりはなかった。
「――ッ!」
 激痛に歯を食いしばり、その衝動を気力へ。一気に放つ。その剣が再び振るわれる前に。疾る気弾が沖田総司に食らいついた。
 一瞬生まれた間隙。それを見逃す蓮ではない。
 霊をまとわせた蓮の一閃。誰が想像しえただろうか。その一閃がかわされようとは。
 が、さしもの沖田総司も続いて放たれた清士朗の重すぎる蹴撃をかわすことはかなわなかった。衝撃に総司が地をけずりながら後退する。
 その時、銀光が迸った。キアリの放つ光が沙門を癒やす。
 が、それでも傷が痛んだ。幾らかは治癒に消えた傷が疼く。大丈夫、かというキアリの問いに沙門はニヤリと笑ってみせた。
 同じ時、絶華は攻撃している。炎をまとわせた蹴撃であるが、これは総司がかわした。
 一閃。態勢を崩しながらの総司の斬撃だ。絶華の身から鮮血がしぶくが、これはさすがに浅い。とはいえ、体力の三分の一ほどがもっていかれた。
「模倣とはいえ、やはり沖田総司。恐るべき使い手だ。しかし」
 絶華は憐れむような目をむけた。
「沖田総司を模倣しているということは、本当の沖田総司もそのような人物であったのだろう。哀れなるかな、剣の天才。ただの人斬りであったとは」
「馬鹿な」
 総司は嘲笑った。
「剣は人を斬る道具であり、剣士は人を斬ることを生業とするもの。人を斬ってこそ本望というものだ」
「違うわ!」
 リサは高らかに叫んだ。絶華を癒やしながら続ける。
「いったはずよ。いくら姿を真似ても、人々に危害を加える悪者は本物に届く事は無いってね。沖田総司は無辜の民を斬りはしなかった。それは、彼がただの人斬りではなく、崩れる幕府を支えるという真の侍であったからよ」
「何っ!」
 それきり総司には声もない。煩悶の表情が彼の美麗な顔にうかんだ。
 その時だ。空の霊力をまとわせた雪音の剣が総司を切り裂いた。


 痛い。
 ああ、痛い。けれど、面白い。
 我知らず笑みをもらした蓮が見やると、清士朗と絶華がうなずいた。最終的な攻撃を行う合図である。
「作られし者へ寿ぎの刃を!」
 清士朗が叫んだ。鎖を解かれた猟犬のように、一斉にケルベロスたちが襲いかかる。いやーー。
 アロンがキアリを押しのけた。その空間を斬撃が駆け抜けて、アロンの体を穿つ。
 アロンとキアリは一心同体だ。破滅的な激痛が彼女の身体を駆け抜けた。
 痛い。けれどーー。
「沖田総司と言えば、日本の幕末の最強剣士の一角。だけど、これからわたしが見せるのは、日本どころか世界も飛び越えて、恐らくは宇宙最強だった剣士の刃。わたしではまだ、再現し切れないけど……その身に、心に、刻み付けなさい。剣士の名は、英雄王シグムンド! 剣の名は、バルムンク!」
 キアリが間合いに飛び込んだ。彼女の手刀はバルムンクを模倣・再現している。
 戛然!
 鋼と鋼の相搏つ音を響かせ、キアリの手刀はとまった。総司の菊一文字に受けとめられて。受け止め得たのは沖田総司なればこそだ。
「面白い業だ。が、惜しむらくは未熟」
 キアリの手刀をはじき、総司はキアリを斬り捨てた。
「ぬっ」
 はじかれたように総司は振り向いた。彼の知覚をくぐり抜けて接近した者がいる。清士朗だ。
「ただ覚る。これぞ鞍御守神道流が極意也」
 無念無想でふるわれる清士朗の一撃は、さしもの沖田総司をもってしてもかわせなかった。急所を穿つことのみに特化した一撃が総司の胸を切り裂く。
 衝撃を利用して総司は跳び退った。追ってノルンが飛びかかる。
 剣神解放。剣の英霊をその身に降ろし、潜在能力を解放したノルンの髪が伸び、金色に輝いている。
 対する剣の英霊と剣の天才。瞬きの間に数合の剣戟が繰り広げられた。幾つもの火花が空に煌めく。
「沖田!」
 叫ぶ声に総司は振り向いた。その目は迫り来る沙門の姿をとらえている。
「貴様に俺の動きが見切れるか? しかしてこれは決闘にあらず。俺一人を抑えれば勝てるものでもないぞ!」
「群れの戦い方か」
 総司はつぶやいた。嘲るつもりはない。そもそも新撰組の戦い方は三人一組である。それは赤穂義士の戦法にならっていた。
「けれど、私は別だ」
 沖田の菊一文字がたばしり、沙門の胴を薙いだ。が、沙門はとまらない。鮮血と臓腑をばらまきつつ肉薄、のばした腕を総司に叩きつける。
 これは総司にとっては意想外のことであったようだ。沖田総司ほどの剣客がまともにくらい、空に舞った。
「八方天拳、六の奥義! 毘沙門天!」
 声は沖田の上方で響いた。その響きとほぼ同時、沙門の踵が総司めがけて薙ぎおろされた。
 衝撃に総司が地に叩きつけられた。沙門もまた。
 血まみれの沙門から視線を引き剥がし、リサは沖田総司を見た。一斉攻撃。それは仲間との約束だ。
 よろめきつつ総司を見つつ、リサは禁呪を唱えた。本能的に総司が横に跳ぶ。が、遅い。総司の脇腹が不可視の獣に喰われたように消失した。
 虚無魔法。リサの放った虚無球体が消滅させたのである。沖田総司の内部構造が露出する。
「やってくれる」
 総司は苦く笑った。人間と違ってダモクレスは痛みを感じない。
 その総司の眼前、雪音が降り立った。蕾のような唇がきゅっと尖りーー。
 雪音の背から刃が突き出た。菊一文字の切っ先である。
「遅い」
「でも、この距離ならあなたも逃げられない」
 冷笑すると、雪音は凍てつく息を吹きかけた。総司の顔が青白く凍りつく。


 蓮が駆けた。風の悲鳴が彼の耳をうつ。
「沖田総司、勝負なのだ!」
 二振りの刀の柄に両手をそえ、蓮は間合いに踏み込んだ。衝撃に、蓮の足下の地が粉砕される。
 刹那、三つの光流が疾った。蓮の二刀が総司を胴薙ぎ、総司の一刀は蓮の首を切り裂いている。
「相討ちなのだ」
 子供のように笑いながら、蓮は倒れた。剣の天才との相討ちは大金星といっていい。
「くっ」
 総司が黒血を吐いた。それはオイルであるのだが、まるで血のようであった。
「やはり、その姿で逝くか。哀れなるかな、沖田総司。ーーシル…少しばかり力を借りるぞ」
 魔法少女の衣装へと転身。蒼の髪の魔法少女の砲撃魔法の支援を受け、絶華は接近した。
「我が武技と精霊魔導の競演…特と味わい散るがいい!」
 絶華が放つ迅雷の一撃。それを防ぐ余力は、もう沖田総司にはなかった。
 寂しそうな微笑み。それが絶華の見た最後の沖田総司の顔であった。

 戦いは終わった。辺りはめちゃくちゃになっているが、ノルンが修復している。沖田総司の墓を作っているのは蓮と絶華であった。
「安らかに」
 祈りを捧げると、蓮は京都に思いを馳せた。
「何か、京都行きたくなって来たのだ! 新撰組巡りしたいなぁ…うん。お姉ちゃん誘ってみようっと」
 蓮が駆け出した。その背を一瞥してから、絶華は問うた。
「本当の沖田総司は最後まで戦い抜く事は出来なかった。お前はどうだ…満足か?」
 最後に見せた沖田総司の笑み。それが答えだといいと絶華は願った。

作者:紫村雪乃 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2021年2月9日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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