イチゴ農園の事件

作者:baron

 そのイチゴ農園は幾つかのエリアに分かれていた。
 近くに小さな温泉があり、湧いている温泉は足湯レベルが精々で凄い薬効などないのだが、臭いもないので収穫できる時期をズラすのに利用できるのだという。
 事件が起きたのは水路に暖かなお湯が流れ込み、早い季節に収穫できるエリアだ。
 ビニールハウスにしなくても良いので、屋外のイチゴ摘みを愉しむことができる。
「何? 誰かいるの?」
 ガサリという音に農園の管理をしている職員が振り向くと、そこには何も居ないように見えた。
 だがそれは勘違いだった。イチゴの蔓の中に紛れた、怪しげなナニカが静かに忍び寄っていたのだ!
「なにも居るはずないわよね。おどかさないで……っ!? キャア!」
 足元に忍び寄った蔓が、彼女を強引に引っ張りナニカの居る本体にまで引っ張っていく。
 ヒィィ……と驚く間に、次々に蔓が絡みつき、ゆっくりとグラビティを吸い上げながら赤い実を付けて行った。


「温泉地のはずれにあるイチゴ農園で攻性植物の発生が確認されました」
 ユエ・シャンティエが巻物と地図を手に説明を始める。
「この農園では端っこにある緩やかな温水を引き入れて、ビニールハウス抜きのイチゴ狩りが愉しめたんですわ。それが今回は悪い方向に回って、攻性植物が出てしもうて皆さんに救助してもらいたいゆう訳ですえ」
 イチゴは新春、旧暦でいえば年を明けて旬を迎える。
 事件が起きたのは、本来は二月以降が旬になる品種のイチゴを温水で温めていた場所らしい。普通のイチゴ農園だとビニールハウスが必須なので、外でイチゴ摘みができるとか足湯を愉しめるというのがウリだったそうだ。
「敵は一体のみで倒おそゆうだけなら、みなさんならば簡単に倒せます。問題は職員さんが取り込まれとる事やね。せやけ攻撃の合間にヒールを掛けて、徐々に引きはがす準備をして欲しいんですわ」
 過剰な攻撃をすると掴まっている人が危険なので、攻性植物にヒールをしながら救出を狙って欲しいとの事だ。 最初は太い蔓で覆われ絡みつかれているが、攻撃するたびに細くなっていったり、あるいは絡んでいる部分が攻撃などに使われていく。ヒールをしても回復しきれない傷がある様に、攻性植物の体力も徐々に減っていくという訳である。
「攻撃は蔓で攻撃したり、赤い実で公書きしたり……ああ地面やイチゴの蔓の中に隠れ採ったんで地面に侵食する力もありそうですな。せやけ一応は遠近ともに使えて単体攻撃も範囲攻撃も使えるでしょお。気をつけ立ってください」
 ユエは予知で判っている情報を伝え、ケルベロス達が後で参照し易いようにメモを残した。
「みなさんはほんに強うなられました。せやけど攻性植物に寄生されてしまった人を救うのは非常に難し思われます。可能でしたらぜひ救出してあげてくださいな。苦労する思いますけど、そしたら帰りにイチゴ狩りや足湯を愉しんで行ける思いますえ」
 ユエはそういうと出発の準備に向かうのであった。


参加者
ディルティーノ・ラヴィヴィス(ブリキの王冠・e00046)
立花・恵(翠の流星・e01060)
君乃・眸(ブリキノ心臓・e22801)
尾方・広喜(量産型イロハ式ヲ型・e36130)
那磁霧・摩琴(医女神の万能箱・e42383)
ステラ・フォーサイス(嵐を呼ぶ風雲ガール・e63834)
シャムロック・ラン(風の走者・e85456)
ティフ・スピュメイダー(セントールの零式忍者・e86764)

■リプレイ


 寒い季節だがその畑はポカポカと暖かい。
 遠目に湯気が揺れて長閑である。
「いちごに温泉ってムムム? ってなったんだけど……」
 それというのも引き込まれた温水のおかげだ。
 ティフ・スピュメイダー(セントールの零式忍者・e86764)は手を叩きながら呟いた。
 もしゲーム好きや絵が好きな仲間が居れば、電球が点灯する絵を描いたかもしれない。
「なるほど。お湯であったかくして寒い時期の需要にこたえるのね。ひとの発明って、すごいなー」
「だからハウスの中も温泉の匂いがするんだね」
 ティフの言葉にステラ・フォーサイス(嵐を呼ぶ風雲ガール・e63834)は近くのビニールハウスに顔を近づけ、クンクンと匂いを嗅いでみた。
 子供っぽい仕草だが、驚きを求めてステラは故郷を出てきたのだ。
 面白いと思った事には首を突っ込んでみたくてたまらない。
「けどこれって、ドロドロになりそうな予感……まいっか。とりあえず職員さんだけ気を付けてね」
 足元に流れる温水に靴先をチャプチャプと漬けながら、ステラはキャリバーのシルバーブリットに指示を出した。
 捕まってる職員さんごと燃やさない様にだけ気を付けておく。
「汚れなら自分が何とかできるっすよ」
 そんな彼女にシャムロック・ラン(風の走者・e85456)はニコっと笑った。
「美味しい苺を育ててくれている職員さんを見捨てるわけにはいかないっすしね!」
 シャムロックには気負った所が無い。
 自分達が必ず助けるっす! と緩さの中にも決意を秘めており気を使ってくれたのだろう。
「温泉育ちのイチゴ、すっごい気になるもんねー」
 一方でディルティーノ・ラヴィヴィス(ブリキの王冠・e00046)はウットリと畑を眺めて通り過ぎる。
「それも育てる人が居てこそだから。助けてあげなきゃね!」
 食事が大好きで女の子に甘いディルティーノとしては、職員さんをぜひ無事に助けなきゃと思うのであった。

 畑に踏み入れたケルベロス達は奥側を警戒し始めた。
 なぜならば、そこに攻性植物が待っていたからである。
「居やがったな」
「攻性植物の事件は相変わらずだね。早く助けてあげなくちゃ!」
 尾方・広喜(量産型イロハ式ヲ型・e36130)が掌に拳を打ち付けながら進み出ると、那磁霧・摩琴(医女神の万能箱・e42383)はその後ろから様子を伺った。
 蔦に絡まる様に職員の女性が捕まっており、このままでは助けることができない。
 皆で連携して助ける必要があるだろう。
「……職員救助ヲ第一に行動すル。注目重要」
「うん! 敵の様子はボクらの方で専門的に見ておくから! みんなは安心しててね!」
 無表情な君乃・眸(ブリキノ心臓・e22801)が冷静に監査圧する中、面倒見の良い摩琴は元気よく宣言した。
 ケルベロス達は強くなったが、攻性植物に捕まる場合は迂闊に過剰なダメージを与えると捕まって人を殺しかねない。
 そこで歴戦のケルベロスたちは、相手の様子を観察しながら治療することで補っていたのだ。
「了解! 待っててくれよ、これから引きはがしてやるからな」
 立花・恵(翠の流星・e01060)は拳を握り締めて戦場を見据え、仲間たちが展開するのを待った。
 態勢が整い次第に仕掛けて、一気に包囲する予定だ。
「いい加減この事件も長いけど……死なせはしない今までだって出来たんだ。今回もやれるはずだ!」
「その意気だ! ヒトもイチゴも、守ってやるぜ」
 恵の気合に広喜が答える。
 ケルベロス達は盾役である広喜らを前衛に、恵たちが後衛として字形を描いた。

 ここから先は我慢比べだ。もちろん彼らは音を上げるつもりなどない!
「行くぜ相棒! フォローは頼むぜ」
「問題ナい。タイミングを見定メル」
 広喜の隣に眸が肩を並べ、その隣にビハインドのキリノが並ぶ。
 戦いを望む強い笑顔と無表情の差はあるが、彼らが相棒であることは疑いようがない。
 どんなに苦境であろうと精神的に披露しようと、仲間が居れば立ち上がれるのがケルベロスである。
「おっと、先に行かせてもらう!」
 僅かな差で恵が前に出た。
 そのまま勢いを付けて飛び蹴りを掛けた。あまり大きなダメージは与えてないようだが、重要なのはそこではない。
「動きを鈍らせやがったな。おら! こっちを向きやがれ!」
 広喜が腕を叩きつける際に、やや相手の回避が遅い気がした。
 どうやら幸運にも、恵の攻撃は負荷を発揮したらしい。ならばと腕部の機構が唸りを上げる。
 解放された力は周囲を圧倒し、この男こそ先に排除せねばと思い抱かせるためだ。
 こういった攻撃は当たっても100%成功するわけでもないので、残念ながら彼の攻撃は無理だったようだが……。
「……こっちダ。少し痛いゾ」
 眸の下方より緑の閃光が上昇し、虹色に輝くハイキックが叩きこまれた。
 そう、盾役たちは自分に攻撃を引き付けることで仲間を守ろうとし、そして二人が似た性質の技を掛けることで技の不確実性を補っていたのだ。
「ダメージはまだまだってとこだけど……一応の作戦は上手く行ってるのかな? じゃあ苺をおいしく頂いて足湯も入って、ここはいいとこって保証してあげよ!」
 摩琴はパズルを押し込むと、軽く腕を上げて天へと掲げた。
 すると龍雷が周囲に不利理削ぎ、前方へとかざせば敵へと生き物の様に稲妻が襲い掛かる。
 だがその稲妻を蔦が跳ねのけて、そのまま襲い掛かって来たのだ!
『……!』
「そうはいかナい」
 そこへ眸がビハインドのキリノと共に飛び込み、危なげなく受け止めた。
 腕に絡んだ蔦からは、甘酸っぱい香りが辿って来るのが特徴である。
「ひとまず防御優先で間に合いそうっすかね?」
「そうなんじゃない? 火力型でもないしね~」
 シャムロックがどの程度の回復すべきか悩んでいると、ステラは慣れた様子で適当に答えた。
 今回の敵は妨害型で火力が高いという訳でもない。
 身動きできなくなる前にキュアする必要はあるだろうが、今はまだ防御態勢を先に築いて構わないだろう。
「それじゃあ行くっすよー!」
 シャムロックは両手いっぱいに紙片を掴んだ。
 前衛陣の元に投げると、紙で構成されたソックリさんが現れるではないか。
 それらは仲間たちの受ける筈だった攻撃を代わりに受ける役である。
「お、いいじゃんいいじゃん。お祭り騒ぎの始まり始まり―ってね♪」
 ステラは拳銃形態のガジェットを構えると、重力素子を弾丸として形成した。
 それは直撃すると蔦を固まらせて形状を固定しようとする。
 自由自在にうねる植物は邪魔なので、身動きさせなければ楽になるだろう。
「今度は僕の番だね。先に張ってたかったような、後からの方が回復を兼ねて無駄にならなかったような。どっちが面白かったかな?」
 ディルティーノは悪戯っ子ぽく微笑んだ後、星の魔力を前衛陣の周囲に落とした。
 それは魔力の柱となって加護を与え、紙の兵士たちと並んで仲間たちを守るだろう。
「わたしの番? 番だよね! ぱんぱかぱーん!」
 ようやく自分の番が訪れたとばかりに、ティフは思いっきり走り出した。
 爆走して土煙を上げながら飛び蹴りを放つ。
 職員さんを踏まないように気を付けながら四本足で着地して、そのまま元の位置に戻ったという事です。

 何度目かの攻防を繰り返して追い込むと、ケルベロス達は敵をヒールし始めた。
 敵を回復したくはないが、捕まっている職員を殺さないためには仕方ない。
「見えて来たよ! そろそろ回復タイミングに注意してね!」
 摩琴は周囲の畑から苺たちの力を借り、敵である攻性植物を癒し始めた。
 蔦が千切れて職員の女性が垂れさがり始めているのだが、あまり露出し過ぎると巻き込んでしまう。
 一気に引っぱり出せるまで、治癒不能ダメージが溜まって蔦が細くなるまでの時間稼ぎである。
『……』
「効かねえっつってんだろ!」
 足元がグラグラと揺れて蔦が後ろの仲間を地面に引き吊り込もうとするが、広喜は手で払いながら地面を蹴り飛ばして仲間を庇う。
 周囲は温泉で既にビチャビチャであり、引き込まれそうになる仲間を助けるのは難しくなかった。
「わーい」
「まあ子供は元気なのが一番さ」
 カバーに回った前衛以外は誰も巻き込まれなかったが、温水が混ざっているだけに盛大に泥が跳ねる。
 ティフは楽しそうにしているのでディルティーノは笑いながら、自分も泥を愉しむかと割り切ることにした。
「うひゃぁ、ドロドロだ……後で着替えないと」
「攻撃は防げても、汚ればかりはどうしようもないっすからねえ。後で何とかするっすよ」
 恵も盛大に泥を被ったが攻撃は当たって居ないのを見て、シャムロックはカバーした盾役たちの治療に入る。
 紙の兵士たちで汚れも引き受けてあげられれば良いのにと思った。
「えーと今回は剥がさなくて良いかな。じゃあ職員さんに当たりませんようにっと」
 ステラは先ほどのヒールで敵に強化が掛かってないことを確認する。
 過去の戦訓からヒールと攻撃を繰り返せば助けられるとは知っていたが、味方にも使う事を考えて強化能力のあるヒールを使うと敵が強くなってしまうからだ。
 幸いにもそんな様子はないので、狙い澄ませて闘気を弾丸の弾丸を解き放った。
「営業妨害? 緊急だから許してよ! って訳で、みんなーしっかり耳塞ぎな!」
 ディルティーノは皆に忠告を掛けてから巨大なスピーカーを召喚した。
 ノイズを起こすほどの叫びをあげて周囲に強烈な高音が走る!
「あーアーAー! 聞こえないよー!」
 ティフは音に負けないように声を張り上げた。
 耳がキーンとなるが、見た目を確認するのには問題ない。
「えっとお。今回はくもる昨日も、雨ふる今日も、明日の晴れ空見上げたら。こころの虹を空に架け、はるかふもとへ疾くと駆け」
 明日天気になぁれとティフは祈りました。
 職員さんの明日が、とても楽しくなりますようにと祈ったのです。
 するとどうでしょう、小さな魔法の雲が雨を降らせて日の光が虹の輝きで攻性植物を癒すではありませんか。
「泥のお返しだよ。月は何度でも満ちて欠けるんだ!」
 恵は銃弾に闘気を込め、流れるように銃を連射した。
 再び放たれた銃弾たちは月の満ち欠けのように配列を変化させ続けて、位置やタイミングをずらしながら着弾する。
「引きはがすぞ! 駄目だったらあいつに回復たのまあ」
「了解。その時はキリノが攻撃に回ル」
 蔦があちこち千切れたことで、広喜は眸に援護を任せて職員を救助に向かった。
「おおお!!」
「やったか!?」
「やったか禁止!!」
 広喜が強引に引き千切ると、養分を取り戻さんと蔦がうねり始める。
 その動きを邪魔し、脱出を援護しようと他のケルベロス達は最後の突入を開始した。
「ここからは全力ダ」
 眸は銃を構えると即座に闘気の弾丸を放った。
 狙うはもちろん相棒を狙わんとする蔦だ!
「ボクも忘れないでよね! もう我慢しなくていいのは助かるな~!」
 摩琴も刃を引き抜いて飛び込み、これまでの体力測定の鬱憤を晴らすべく切り掛かった。
 死角から死角へと渡って迫り、種族が影のエルフであるという片鱗を見せつける。
「追いつかれる? うおおお! やらせるか!」
 追いすがる蔦を広喜は肉厚な背中で受け止め、胸に抱いた職員を何とか守る。
「職員さんは無事救出されたようだね。シルバーブリット、とっておきの一撃で倍返しだよ!」
 ステラがそこへガジェットを向け、キャリバーのシルバーブリットを砲撃態勢に緊急変形させた。
「シルバーブリット、行くよ……ターゲット・ロック! グラビトン・ランチャー、発射!!」
 シルバーブリット内で増幅された白銀に輝く重力素子が銀の弾丸となって敵を貫き、圧縮によって葬ったのである。

 そして一同は苺畑の修復と傷ついた体を癒し終えた。
「修復はこんなもんかなー? 見落としなきゃ洗車してこよーっと」
 修復を終えたステラは一足先にシルバーブリットの汚れを落としに行った。
「そうダな。ひとまずお疲れさマ」
「おつかれ! あんがとよ」
 眸は広喜の逞しい背中に着いた傷が無くなっていることを何度も確認する。
「こっちも搬送終わったよー。食べていいってさ」
「クリーニング割ったと思うっすけど、まだ残ってたら教えてくださいっす」
 摩琴は職員さんが救急車に乗り込むまで付き添い、別の職員に苺狩りの許可を取った。
 そしてシャムロックが皆の服を綺麗にすれば準備OKである。
「容器持った? 練乳持った? それじゃあ苺狩りを始めちゃおう!」
「いっちごーにれっつごー」
 恵がみんなに器と練乳のチューブを渡すと、ティフは我慢しきれなくなってその場でギャロップ。
「僕が本気出したらここのイチゴ全部消えちゃうよ」
 ディルティーノに至っては早速近くのイチゴをパクリと食べる辺り、ちっとも冗談には聞こえない。
「すげえいろんなイチゴがあったなあっ」
 そして広喜たちはその場でつまみながら移動していたが、一通り巡った所でテーブル席に戻って来る。
 テーブルは石で造られているから、足元に温泉が引かれていても腐ったりはしない。
「ん~、自然に冷えた苺の甘さ酸っぱさと、足湯のぽかぽかさで夢心地~♪」
「甘ぁ~いっ♪ 苦労した甲斐あったぜ」
 摩琴と恵はさっそく足をジャプンと温泉に漬けて、イチゴは練乳に付けて口の中に放り込んだ。
「練乳以外もチョコとか……あぁ、ジュースもいいかも!」
「ああ~いいっすねえ」
 ディルティーノがむしゃむしゃ食べてる間に、シャムロックは作業を変わってあげた。
「わははは二刀流だあ」
「にとーりゅー」
 ステラが両手に違う苺を構えて食べ比べると、ティフが真似してモグモグやってる。
 二人とも楽しいことが大好きなので仲良くなったのだろう。
「眸、これ美味そうだぜっ」
「どれも味が違って面白イな」
 一方で広喜と眸は味わって食べていた。
 イチゴもであるが、仲良く食べるという時間こそを堪能している。
「へへ、美味いなっ」
「うん。広喜からもらウと、もっと美味しイ」
 広喜は少し寒そうな眸の肩をそっと抱き寄せると新しいイチゴを食べさせてあげる。
 体重を預けると足元も心も温かくなって無表情な顔も自然とほころんでいった。
「戦闘の疲れが一気に飛んでい……ご、御馳走様」
「え? まだまだいけるでしょ」
「そーそー。こんなの序の口だって」
 食べ過ぎ注意かそれとも熱気に当てられたのか摩琴が節制する中、恵とディルティーノはニヤリと笑って競争だ!
「ひづめもポカポカでよかったね」
「そうっすねえ」
 そんな中でティフとシャムロックは四本の足を交互に付けてゆったりしていた。
 テーブルから離れれば四本同時も行けるのだが、イチゴを食べたいのでそうもいかない。
「気に入ったら個人的に来るのも良いかもね」
 ステラも足を延ばしながら次はどんな食べ方が面白いかなと楽しい未来を夢見るのであった。

作者:baron 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2021年1月27日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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