魔導神殿追撃戦~双児宮の企み

作者:質種剰


 ヘリポート。
「皆さん、アスガルド・ウォーの勝利、おめでとうございます~! そしてお疲れ様でした♪」
 まずはケルベロスたちを労ってから、小檻・かけら(麺ヘリオライダー・en0031)が説明を始める。
「ですが、エインヘリアルの残存兵力が、魔導神殿群ヴァルハラの宮殿と共に地上へ浮上してしまったであります」
 第三王子モーゼスが護っていた、双児宮『ギンヌンガガプ』もそのひとつである。
「双児宮『ギンヌンガガプ』は、ユミルの子のような巨大エインヘリアルを造り出す装置があるらしくて、巨大エインヘリアルの軍勢が周囲を固めてるであります」
 出現した双児宮は載霊機ドレッドノート付近で停止しているが、宇宙空間へ向けて謎の電波を送っているため、なんらかの策略が進行している危険性もある。
「双児宮の周囲は巨大エインヘリアルの防衛網が構築されていますから、この巨大エインヘリアルを撃破して双児宮へ突入する必要があるでしょう」
 幸い、双児宮はすぐに動き出す気配も無く、最悪でも情報を持ち返ることができれば、その情報を元に再突入が可能になるかもしれないという。
「さて、双児宮の周囲を警戒している巨大エインヘリアルとは、ユミルの子、獣型巨人、光の巨人の3種が確認されてるであります」
 巨大エインヘリアルたちは数が少なく、それぞれ単独で哨戒活動をしているため、外縁部で1体を狙って撃破すれば、その間隙を縫って双児宮に近づくことができる。
「ただ、外縁部以外にも巨大エインヘリアルが歩き回っていますので、そちらの敵の警戒をかわす行動も重要になるでしょう」
 かけらは続ける。
「巨大エインヘリアルの1種めはユミルの子……ご存じの方も多いでありましょう。佐賀県唐津市に出現した、巨大なデウスエクスであります。通常のエインヘリアルを遥かに上回る巨大な体躯を有し、 病魔を纏ったかのような不浄な肉体や、千切れた肉片同士が融合して蘇る異常な再生能力を持つであります」
 一応エインヘリアルに分類されているが、未だ謎の多い個体である。
「2種めは、獣型巨人。以前は北海道苫小牧市に巣食っていた10m級の超巨大エインヘリアルで、地球のあらゆるものを暴食するであります」
 そして新たな兵を産み落とすというのだから迷惑極まりない個体である。
「3種めは、光の巨人。アスガルドの神々の最終兵器とも謳われる、光り輝く星霊甲冑を纏った強大な力を持つエインヘリアルであります。こちらも体長は10m級でありますね」
 その巨躯から毒の光を放って攻撃してくるそうな。
「内部へ突入するためにもどの種類を狙って倒すか、よくご相談になって決めてくださいね」
 双児宮の所在地は、載霊機ドレッドノートの近辺である。
「双児宮は移動していない分、時間的余裕があるように思えますが、宇宙に向けて電波を発している不安要素がありますし……もしも、竜業合体のドラゴンやダモクレスなどと交信を目論んでいるのならば、急いで対処しなければ間に合わないかもしれませんね」
 かけらはそう説明を締めくくってから、皆を彼女なりに激励する。
「とにかく、可能な限り多くの情報を持ち帰り、後の作戦に活かせるよう、よろしくお願いします!」


参加者
日柳・蒼眞(落ちる男・e00793)
ピジョン・ブラッド(銀糸の鹵獲術士・e02542)
氷霄・かぐら(地球人の鎧装騎兵・e05716)
スノードロップ・シングージ(抜けば魂散る絶死の魔刃・e23453)
マヒナ・マオリ(カミサマガタリ・e26402)
岡崎・真幸(花想鳥・e30330)
ザラ・ガルガンチュア(旧き妖精譚・e83769)
 

■リプレイ


 双児宮『ギンヌンガガプ』への突入を目標に、一行はヘリオンから降り立つ?
「相手がたの拠点へ潜入する以上、巨人撃破後も戦闘の可能性は覚悟しておくべきだと思うな」
 日柳・蒼眞(落ちる男・e00793)は、相変わらずヘリオンから蹴落とされる形で落下したものの、涼しい顔で立ち上がった。
「宇宙へ送信している謎の電波とやらがもし地球の座標を示すものだとすれば、後々面倒な事になりそうだな……」
 とてもさっきまで巨乳を揉みしだいていた男の発言とは思えぬ深刻さだが、それだけ双児宮の行動があまりに突飛で、色々と嫌な想像を掻き立てられるからだ。
「……今更ながら、デウスエクス達は必要な労力さえ気にしなければ、ゲートが無くても地球に来れるんだよな……」
 そんな可能性にも気づいてしまえば、ますます今回の潜入任務の重要性を実感する蒼眞。
 機内では良い乳初めになっただの戯言を吐いていた男だが、やる時はやる男なのだ。
「気落ちはしちゃったけど、切り替えていかないとね……」
 氷霄・かぐら(地球人の鎧装騎兵・e05716)は、沈みがちな気分を奮い立たせんと、早速装着したマインドウィスパー・デバイスへ意識をやる。
 ワイヤレスイヤホン型のそれは装着してしまえばかぐらの黒髪も相まって、殆ど目立たない。
 そしてかぐらの気分の落ち込みは、なにあろう、死翼騎士団——特に勇将を撃破したことに他ならない。
 元よりいつか敵対するとわかってはいても、自身の目で最期を見届けたかったのかもしれない。
「後片付けが多くなるのは仕方ないのかもね。ゲートの破壊は結構ギリギリのラインでできてるのだし」
 自分に言い聞かせるように呟いたとて、周回の警戒を怠らないかぐらだ。
 一方。
「今年の汚れは今年のうちにー。年末の大掃除@双児宮のお時間デース」
 と、明るく宣言するのは、スノードロップ・シングージ(抜けば魂散る絶死の魔刃・e23453)。
「さっぱりしてから新年迎えたいデスからねー。ばっちり綺麗綺麗にしちゃいマショー」
 流石は自称パンクな堕天使、生来の金髪へ妙にぴったりな似非外国人風の口調と屈託のない笑顔が、仲間たちを元気づけている。
「デハデハー、イキマスカー。巨人を断捨離しちゃうデスヨー」
 また、スノードロップが引っ張っているのは、仲間の士気だけではない。
 ジェットパック・デバイスのビームで、いつでも飛び立てるように全員を牽引しているのだ。
 これでたとえ道が途切れていても、難なく突き進めるに違いない。
「ほぼ攻撃を完封できそうなのはありがたいけど、気を抜かず頑張ろう、ね」
 マヒナ・マオリ(カミサマガタリ・e26402)は、頭からアクアカーモをすっぽり被り、特製ブーツという出で立ちで、身に纏った特殊な気流をより効果的にすべく対策していた。
 もちろんアロアロも隠密気流の範囲内を、気を遣って懸命に足音を立てずに歩いている。
 本人は相変わらず臆病風を吹かせてふるふる震えているが、マヒナの着せた迷彩コートがよく似合っていて可愛らしい。
 そうして行軍中の懸念を極力無くせば、自然とマヒナの思案はこれから戦う相手へと移る。
 ユミルの子だ。
(「あの頃よりワタシ達はずっと強くなった、今ならきっと勝てる」)
 何せ、かつて佐賀県唐津市の強襲型魔空回廊に現れた個体は、何人ものケルベロスを暴走させたり重傷を負わせていた。
 それをよく覚えているマヒナだから、できるなら暴走する人はもう見たくないと願っているのだ。
 他方。
(「最後こそ勝てたが、それまでに暴走者と重傷者が出た……俺も一度目は一撃でやられた」)
 ユミルの子に拭い難いトラウマを植えつけられたのは岡崎・真幸(花想鳥・e30330)も同じで、彼は己に腹を立てていた。
(「そのせいで、作戦会議の時、防御策に偏る癖がついたのが腹立つ」)
 だそうな。今回も防御策によった——と唸る真幸の眉間の皺は深い。
「俺個人の目的はユミルの子に誰もKOされず勝つ事……他も手は抜かんが」
 ともあれ、彼のゴッドサイト・デバイスで敵味方の位置を大体把握したおかげで、他の班と近づき過ぎて敵に察知されるという事態は避けられそうだ。
「巨大エインヘリアルの作成に宇宙と交信ねぇ」
 ピジョン・ブラッド(銀糸の鹵獲術士・e02542)は相変わらず穏やかな物腰だが、
(「巨大エインヘリアルを造り出す装置……人体実験のようなものかな? 正直言って気味悪いなぁ」)
 内心ではそんな想像を巡らせていた。なかなか斬新な発想だが、ユミルの子の再生能力を知っていればかような発想になるのも無理はない。
「そりゃあ突入して情報収集だ!」
 一方で、宇宙との交信については、竜業合体のドラゴンと組まれるのが嫌だ……と至極冷静にそこから起こり得る事態を予測していた。
「マギーはなるべく敵の攻撃を引き受けて欲しい。もちろん自己回復優先でいいからね」
 久しぶりに婚約者と共闘できる主の声は自ずと弾んでいて、頷くマギーの気分をも浮き立たせた。
「エインヘリアルは妾にとっては宿敵と言っても過言ではない……」
 ザラ・ガルガンチュア(旧き妖精譚・e83769)は、エインヘリアル全体への鬱憤を覇気に変えて、並々ならぬやる気をみせていた。
「もっとも、今回の相手は初見であるがな」
 そう血気盛んに言い放つ彼女は、若干9歳のタイタニア。
 とはいえ、定命化した元デウスエクスなれば、年齢など肉体の成熟さを表すに過ぎない。
 だからザラも、基本的には時代がかった口調で歳より大人びた振る舞いをする、自信に満ち溢れた少女である。
「そういうわけで、妾達で双児宮の企みを暴こうぞ!」
 反面、味方だけに聞こえる声量でファイティングポーズをとる様は子どもっぽく、その両面が彼女の魅力だろう。


 一行は当初の予定通り、ユミルの子へ再接近した。
 ユミルの子は遠くからでもその禍々しい威容を振り撒きながら、双児宮の周りを哨戒している。
「俺の道はおっぱいダイブ、そして落下と共にある!」
 蒼眞が最初にとった戦略は、自分含めた皆の攻撃の命中精度の向上。
 残霊のヘリオン内で同じく残霊の小檻へおっぱいダイブをかまして蹴落とされ、ユミルの子の背中へ衝突してみせた。
「日柳さん……何度見ても脱力してしまうけど、何せ相手は強敵だものね」
 かぐらは思わず苦笑しつつも、ユミルの子相手ならばやはり動きを鈍らせるのが肝心、と轟竜砲を撃つ。
 砲撃形態のドラゴニックハンマーをぶん回して、竜砲弾をユミルの子の脇腹へぶち当てた。
「大舞台の始まりである!」
 ザラも皆の強化や敵の弱体化というサポートを頑張ると公言した通り、オウガメタルから粒子を放出させる。
 煌めく光のシャワーが前衛陣を優しく包み込んで、彼らの超感覚を覚醒させた。
「…………」
 ユミルの子は、低く何事か唸ったようだが、言葉としては聞き取れなかった。
 痛がったのか煩がったのかもわからない。もしかしたら寝息か産声かもしれない。
 ——ブォッ!!
 そんな神造の巨人が長く黒い腕を振り下ろす動作は、その巨躯からやけに緩慢に見えたが、実際は凄まじく速かった。
 当然、その威力も嫌というほどわかっているケルベロスたちだから、ジェットパック・デバイスのビーム牽引能力を活かして、全員で飛んでいた。
 飛行中と変わらぬ距離を保てば、少なくとも相手も飛行中でない限り、近接攻撃は届かないはずだからだ。
 最初に殴られたのはアロアロ、その次はチビだった。
「生まれたばかりなのかもしれないし、みんなでチカラを合わせれば、きっと勝てるよ」
 マヒナは仲間や己を励ましつつ、Hoku loaを胸の前で握りしめる。
 自分とアロアロ、そして大自然をすぐさま霊的に結びつけて、傷を大きく癒やした。
 アロアロは痛みが波のように退いたのへホッとした風情で、
 ——ザリッ!
 ユミルの子の魂へ直に、非物資と化した爪を立てている。
「今度は一撃じゃ倒れなかったな」
 真幸は、あのユミルの子の攻撃へチビが耐えられたことで、密かに胸を撫で下ろしていた。
 その安堵からか連射した竜砲弾の軌道も殊の外正確、ユミルの子の腰を真っ直ぐに撃ち貫いた。
 チビはチビで少し誇らしげな顔をして、自分に属性を注入する。
「ここは記憶の楽園、空想を貪る部屋。あらゆる虚構の刃と果実。さあ満ちたカップを傍らに語らおうか!」
 ピジョンは高らかな宣言通りに、己が記憶を元にした結界を展開。
 化石や蝶の標本、天球儀にアジアの織物、欧州の革製品などの幻影が目を楽しませる中、亡霊のような執事がユミルの子へ音もなく接近。強烈な一撃をお見舞いした。
 マギーも主の意思に忠実に、応援動画を流している。
 ユミルの子は変わらず強敵だったが、今回ばかりは戦略を練ってきたケルベロスたちに分がある。
 自分たちは飛ぶ傍ら、サーヴァントたちを全員ディフェンダーに置き、互いに互いを守らせて回復の手間を減らしたのが良かった。
 万が一ユミルの子が飛行中だったとしても、防衛線がしっかりしているので戦線崩壊には至るまいと思われた。
「ヒャッハー! 叩き斬りマス」
 魔刀「血染めの白雪」を閃かせて、躍りかかるのはスノードロップ。
 呪われし日本刀自身の呪詛を載せた刃が、美しい軌跡を描いてユミルの子の肉を斬り裂いた。
「……!!」
 ユミルの子は引き攣った声を上げて、その場に倒れ伏した。
 ケルベロスたちはその巨大な遺骸を隠れ蓑にして、双児宮へ近づいていった。


 双児宮に到着すると、既に門番の『魔獣巨人キメラディオス』と何班かのケルベロスたちが戦っていた。
 相手は巨大エインヘリアルである。下手に乱戦に持ち込めば悪戯にこちらの被害を増やすだけと考えて、一行は距離を保った支援砲撃による加勢を決めた。
 規模は違うが、螺旋業竜スパイラスを総攻撃したあの要領である。
「よぅし、皆、聞けぇい!」
 そうと決まれば、早速ザラが『碧落の冒険者』高らかに歌い始めた。
 メリュジーヌハープの奏でる音も弾んでノリノリである。後衛陣の攻撃によるダメージの底上げが狙いだった。
「当てるだけで変に欲張らなければ、良い的かもしれないな」
 強敵を倒せた開放感からか、蒼眞はそんなことを言った。
 事実、彼の『御業』の放った熾炎業炎砲は悠々を空を切り、他班のケルベロスの頭を飛び越えてキメラディオスに命中した。
 自分たちと二回り、三回りも体格の違う巨大エインヘリアル相手だとこういう時に都合が良い。
「門番は周辺警備よりさらに数が少なそうだし、この戦力差ならささっと倒せるわね」
 かぐらも明るい表情になって、素早く精神を極限まで集中。
 ドーーン……!
 キメラディオスの首から肩にかけてを手を触れずに爆破してみせた。
「こっちには攻撃してこないから大丈夫だよ。アロアロ」
 ユミルの子戦と同じぐらい緊張しているアロアロを元気づけるのはマヒナ。
 Kapa o ka mahinaから精製された『物質の時間を凍結する弾丸』が、キメラディオスの後頭部へ確かな打撃と凍てつく冷気を与えた。
 アロアロも一所懸命に原初の炎を飛ばして、キメラディオスの体力を削っている。
「飛ぶ必要は無いかね」
 真幸はドラゴニックハンマーを振り回して轟竜砲を仕掛ける。
 それに合わせて、チビがボクスブレスをキメラディオスへ向かって吐き続けた。
「なかなかしぶといね」
 ピジョンはEternal moonを器用に弄り回して、竜の絵柄を出す。
 同時に竜を象った稲妻が解き放たれて、キメラディオスの胸を吸い込まれるように焼き尽くした。
 マギーは顔から眩い閃光を放って、少しでもキメラディオスの怒りを煽ろうと必死である。
 直接戦っている4班の猛攻、そして一同を含めた3班からの援護射撃を受けて、魔獣巨人キメラディオスは倒れた。


 無事に双児宮へ突入したケルベロスたちは、自然と二手に分かれた。
 一行は宇宙へ発信している電波の正体を突き止めたかったので、宮殿の西側へ向かった。
 何故なら、宮殿の東側は西側よりも内部が広く高く造られていて、巨大エインヘリアル製造装置に関連した区画とわかりやすいからだ。
 そして、西側は5m級のエインヘリアルではつっかえてしまいそうなこじんまりとした機械宮殿である。東側の巨大揺り籠のような生物的な見た目とは対照的だ。
 中では、機械を装備したエインヘリアル兵が徘徊していた。
 当然戦いになったが、奴らは機械に操られているかのごとき挙動で、いくら負傷しても眉ひとつ動かさず、悲鳴もあげない。
 不気味ではあるものの、その分弱点が機械だとわかりやすく、何度か機械を狙い撃ちすれば動かなくなった。
 戦闘と調査を続けていると、妙な大広間に出た。
 東の生物的な要素と西の機械的な要素が無理やり結びついていて、酷く不安定な趣である。
 壁と床に長く奔った亀裂のような繋ぎ目を見れば、ここが東西の宮殿の結合部だとわかる。
 ゴゴゴ……!
 突如、自分たちの立っている機械床——否、広間の西側半分が動き出し、上昇を始めた。
「危ない!」
 慌てて繋ぎ目の向こう側へ飛び降りるケルベロスだが、連動して天井の高い東側も上昇しかねない。
「繋ぎ目に向かって攻撃すれば、分断できるかもしれん」
 蒼眞がそう呟くのと、斬霊刀を引き抜いて卓越した剣戟をぶつけたのは、ほぼ同時だった。
「やってみましょう! とにかく威力の大きい技で!」
 かぐらも頷いて、雷の霊力帯びしゾディアックソードで神速の突きを繰り出した。
「ああ、急ごう」
 と、すかさずブルーアゲート・ナイフを抜いて、ジグザグに変形した刀身で斬りつけるのはピジョン。
「魔剣一閃デス! サアガンガン削りマショ」
 スノードロップは、自ら鹵獲魔術で創り出した魔剣を召喚。
 一度鞘から抜いてしまうと生き血を浴びて完全に吸うまで鞘に納まらない——そんな逸話に似せただけあって、絶死の魔刃の破壊力は恐ろしいものだ。
「土よ、木よ、風よ、我がルーンに応じよ。壊式ゴーレム、起動!!」
 と、皆で破壊した瓦礫を組み上げて、即席の魔道人形を作るのはザラ。
 ザラを肩に乗せた魔道人形は、力いっぱい床を殴りつけ、繋ぎ目の金属をブチブチと切り離した。
「飛ばないで……お願い、せめてこっちだけでも……!」
 Hoku loaに肉食獣の霊気を宿して、床の境目を殴りつけているのはマヒナ。
 アロアロもそれに倣って、ワイルドファイアを勢いよくぶち当てていた。
「鬱陶しいな」
 真幸は魔力で作られた剣を床へ向かって突き立てる。
 チビも封印箱に入ると、全体重をかけて床を踏み鳴らした。
 ——バリバリバリバリ!
 幸い、一行の総攻撃が功を奏して、双児宮は完全に2つに分離。
 地響きを上げて地に落ちた東側を残し、小さい機械宮殿だけが空へ吸い込まれるように飛び去った。

作者:質種剰 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2021年1月4日
難度:やや難
参加:7人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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