ミッション破壊作戦~野がねむりにつくとき

作者:ほむらもやし

●霜月
 落葉樹が鮮やかな暖色に色づき始めた。
 大地を埋めつくさんばかりに繁栄していた夏の草も萎れて変色し朝露に濡れている。
 ケンジ・サルヴァトーレ(シャドウエルフのヘリオライダー・en0076)は軽く頭を下げると、今月もミッション破壊作戦の実施を告げる。もう11月霜が降りるには少し早いが吐く息は微かに白くなる。
「今月も目指すのはエインヘリアルのミッション地域だ。攻撃可能地域は2箇所だから、どちらか一箇所、参加メンバーで相談して決めて欲しい」
 回廊攻撃は通常の方法ではたどり着けないミッション地域の中枢にあるため、高空からの降下作戦を実施する。
 ヘリオンが通常飛ぶよりも高い高度からの降下だ。
 グラディウスによる攻撃を行ったケルベロスは、自力でミッション地域中枢部から撤退しなければならない。
「撤退を阻む敵に関しては、公開されているミッションのデータが参考になる」
 ミッション破壊作戦の戦術はある程度確立されており、危険と言われたのは過去の記憶になりつつある。
 新たに得たヘリオンデバイスもリスクの低減に役立っている。
「グラディウスは降下攻撃の時に魔空回廊上部に浮遊する防護バリアに刃を触れさせるだけで良い。手放しさえしなければ、叩き付けても突いても、切りつけても、自己流の使い方でも差し障りない」
 グラディウスは一度使用すると蓄えたグラビティ・チェインを放出して主要な機能を失うが、1ヶ月程度グラビティ・チェインを吸収させれば再使用できる。
 そのため使用済みのグラディウスを持ち帰るのも任務のうちである。
「限られた数のグラディウスをやりくりしながら、多くの魔空回廊を破壊できたのは、長い間、皆がグラディウスを大切に扱ったおかげだ。ありがとう」
 市街、城址、島嶼、山岳地帯……地形や状況は、選択したミッション地域によって異なる。
 山中を素早く移動するのに適切な作戦が、掘割のある城址で同様に役立つとは限らない。
 地形に応じた行動を心がけるだけでも、メリットは重なるだろう。
 忘れてはならないのは、ミッション破壊作戦の危険性。
 皆の能力向上や、ヘリオンデバイスの獲得などによって可能性は低くなっているけれど、撤退時の戦闘や撤退自体に時間をかけ過ぎれば、孤立無援のまま全滅することもある。
「上空から叫びながらグラディウスを叩きつける――という攻撃は目立つということは予めご承知下さい」
 この叫びは『魂の叫び』と俗称され、攻撃の破壊力向上に役立つとされる。
 グラディウス行使の余波である爆炎や雷光は、強力なダメージをばらまいて敵を大混乱に陥れる。
 発生する爆煙(スモーク)によって、敵は視界を阻まれ、組織的行動が出来ない状況である。
「スモークが有効に働いている時間が撤退時間の目安だ。攻撃を終えてからスモークが効果を発揮する時間は、多少のばらつきはあるけれど、数十分程度と言われる」
 敵中枢に大胆な攻撃を掛けて、一度も戦わずに逃走できるほど甘くはない。
 ミッション破壊作戦では地域に設置された強襲型魔空回廊の破壊を目指し、魔空回廊の破壊はその後のミッション地域の開放という結果に繋がって行く。
「ケルベロスの快進撃が続いている。それでもまだ救いの手が届かずに苦しんでいる人はたくさんいる。そんな人たちも一日も早く日常に戻れるように、僕らは自分にできることを頑張って行こう!」
 続けて行くことで少しずつ変えて行く戦いもある。
 言い終えるとケンジは身を翻して出発の準備にかかる。
 ふと、辞書に書かれていた、役目と役割の意味の違いが脳裏をよぎった。


参加者
伏見・勇名(鯨鯢の滓・e00099)
シルディ・ガード(平和への祈り・e05020)
バラフィール・アルシク(闇を照らす光の翼・e32965)
煉獄寺・カナ(地球人の巫術士・e40151)
帰天・翔(地球人のワイルドブリンガー・e45004)
副島・二郎(不屈の破片・e56537)

■リプレイ

●姫路市上空
 ヘリオンは夜明けの時間に合わせて姫路上空に入った。
 強襲型魔空回廊の設置された姫路城は海岸線から10kmほど内陸側にある。現在、姫路城を支配しているのは黄金の鎧を纏ったエインヘリアルの軍勢である。
 扉を開け広げて、遙か下方に魔空回廊の存在を認めた、副島・二郎(不屈の破片・e56537)は微かに眉をしかめると、朝焼けの空に飛び出した。
 降下を開始すると、落下速度が急激に増して行く。
 はじめはほんの小さくしか認められなかった魔空回廊が、時間と共に存在感を増す。
「城を獲って武将気取りか? 他のところにもそんな奴がいたな。騎士を名乗っているそうだし、城が欲しくなるものなのか?」
 エインへリアル勢力が各地の城を占領し、強襲型魔空回廊を設置したことを知っている。
「だが、ここは「人」のものだ。かつて人が造り、人を守り、今は人を癒す場所――」
 元から其処に居た人々が苦しんでいる。見過ごすことはできなかった。
 今や朝焼けの空を映す防護バリアは、グラディウスを構えた二郎の前に、行く手を阻む壁面の如くに広がっている。
「好き勝手はさせん、返してもらうぞ」
 衝突。
 そして閃光と共に生み出された火球が空気を圧し退ける咆吼の如き爆発音が響き渡った。
 膨張する火球の熱が激烈な上昇気流を生み出す。
 髪の毛の先が焦げるような気配がする。
 グラディウスを握り絞め降下を続ける、帰天・翔(地球人のワイルドブリンガー・e45004)の目の前で、膨張を続ける火球が門のように左右に裂け、広がって行く。
「姫路城は、日本だけでなく、世界中の人達から宝だと認められた歴史ある城なんです!」
 1945年7月3日の空爆にも炎上せずに奇跡的に現存する天守閣。
 平成の大修理を経て修復され、皆が歓喜し、『これから』姫路を盛り上げて行こうという時期にだ。
「それを奪うなんて……世界中の人間の宝を奪いやがったのも同然だ!」
 翔の心の中で、言い様のない憤りが怒りという形で膨れ上がり、気を同じくして間近に迫るバリア。
「今日、この場で取り返す!」
 グラディウスの重みを確かめるように構え、翔はそれを突き出す。
 甲高い音が響き渡り、一瞬の間を置いて、蜘蛛の巣状の模様がバリアの上面に広がった。
「亀裂――でしょうか?」
 見た目の異変にも惑わされることなく、煉獄寺・カナ(地球人の巫術士・e40151)はバリアの膨らみの上部に狙いを定める。
「美しい姫路城…多くの人達を感動させたこの城が、今は他者から搾取することを当然と宣う者達に踏み躙られている」
 頬を打つ上昇気流からの強い熱を感じながらグラディウスに力を込める。
 瞬きの間にも重力により降下速度がどんどん増して行く。
「……そんなこと許せません!」
 間近に迫るバリアの表面に自身の姿が映る。燃えさかる炎の色に照らされた白髪が橙に輝いて見えた。
「これ以上、あなた方のような粗暴な存在にこの城は穢させません! 直ちにこの場から消えなさい!」
 爆発。数百メートルもなる二枚の翼の如き雷光が立ち上がる。
 ウイングキャット『カッツェ』と共に降下する、バラフィール・アルシク(闇を照らす光の翼・e32965)の眼下に、輝く翼が砕け、無数の雷のシャワーとなって地表に降り注ぐ様子がスローモーションのように見える。
「日本の誇り、白鷺城……」
 崩壊を始めたバリアの向こう側に魔空回廊の渦に歪められた、天守閣が一瞬見えた。
 驚くべきことに未だ天守閣は健在だった。
「この歴史ある美しい城はお前たちの物ではありません!」
 侵攻の拠点としての価値しか見いださない敵への憤りが膨れ上がる。
「お前たちに使役されていたという同胞たち……」
 野心の為に、人生を狂わされ、或いは命を散らした者たちの顔がひとりひとり浮かぶ。
「そして愛する土地を奪われている人々の怒りを思い知りなさい!」
 もう終わりにしたい。バラフィールは破壊への強い意志を込めてグラディウスを突き付けた。
 この日4度目の爆発が姫路の地と空を揺さぶった。
「ここは戦いの起きた事がない不戦の城――らしいね」
 姫路城の周囲は灰色の煙に覆われて、シルディ・ガード(平和への祈り・e05020)の目にはダメージを負った防護バリアの球面が浮いているように見えた。
「デウスエクスが来てもここがあればきっと大丈夫って心に支えにしている人もいたんだ」
 変わり果てた景色、平時であれば街は目覚め、今は動き始めている時間のはずだった。
「それがずっと守られてきて来たのに破られてしまった」
 空中に巻き上げられた影が矢のような雷光に貫かれ、次々と塵となって消える。
「でも、それは一時――ボクたちが、ケルベロスがいるからね」
 後、数秒でバリアに激突する。
 立ち昇って来る炎と煙の裂け目の先、急速に存在感を増す防護バリアの一点にシルディは狙いを定める。
「今こそその支えを取り戻そう!」
 叫びと共にグラディウスを振り下ろした瞬間、眩い光が明滅を始める。
「――やったのかな?」
 溶岩の如き粘着質の奔流が魔空回廊から噴き上がり、鱗状の破片を散らし始めていたバリアと混じり始める。
「……ううん、まだ、おわってない。でもそれはさせない」
 上空から見た、伏見・勇名(鯨鯢の滓・e00099)には、それは魔空回廊が割れたバリアの破片を繋げ合わせて、溶かして、くっつけようとしているように見えた。
「……おひさま、みたいなひとを、しってる」
 灰色のスモークの上に橙色に光る半球、真上からは日の丸の如き円に見えた。
 それはあらゆる物を焼き尽くすプラズマみたいで、触れるだけでグラディウスもろとも自分の身体まで燃え尽きてしまいそうに見えた。
「おひさまはぴかぴかだけど、もっとあったかだ」
 勇名は叫ぶ。そして亀裂が融け繋がって、なだらかな球面を取り戻したバリアを目掛けて、グラディウスを繰り十字の軌跡を描く。
「ひとをしょんぼりにするなら、おひさまのなまえはあげられない」
 猛烈な熱がグラディウスから伝わってきて、焼きごてを握っているような激痛が来る。
 しかしグラディウスを手放すことは無い。
 何十万とも言える姫路の人たちの笑顔を取り戻したいから。
「おしろも、なまえも、かえしてもらう」
 蓄えたグラビティ・チェインを最後の一滴まで放出した瞬間、電気のスイッチを切ったように、激しく輝いていたバリアと魔空回廊が消滅する。
 かくして姫路城に設置された強襲型魔空回廊の破壊は成功した。
 あまりに呆気ない幕切れに、先に地上に降り立った5人は言葉を失うが、無事に合流を果たした勇名を皆、歓声で迎えた。

●撤退戦
「敵のど真ん中というのは本当だな」
 二郎はゴッドサイト・デバイスで見えた状況を告げる。1回の戦いだけで脱出できる方がむしろ幸運と言えた。
「南に向かいましょう、姫路城見学コースパンフレットによると『は』の門、『ろ』の門、『い』の門、菱の門を経て出口に向かうのが一番早いそうです」
 翔はそう告げるとパンフレットをしまう。他にも西の丸の丸櫓群を回るコースや百間廊下を通るコースの記載もあったが、観光で来たわけではないのでそこまでは説明しない。
「それに入城口のあたりまで行けば、ミッション攻略中のケルベロスもいるかも知れません」
「承知しました。行きましょう」
 出発を促す、バラフィールの声に、同じようにパンフレットの確認をしていたカナも頷く。
 濃密なスモークに包まれた風景は、一寸先も見えない濃霧のようだったが、不思議と方向を見誤ることはなかった。
(「これもグラディウスの加護でしょうか?」)
 敵の気配を間近に感じながら、コートの内側のグラディウスの重みを意識しながら、バラフィールは門を通過する度に仲間の位置にも気を配る。
 できれば戦わずに通り抜けたいが、敵が気づけば戦闘は避けられない。
 迂回したり、乗り越えたり、様々に手を尽くして撤退を続けたが、出口まであと少しと言うところで――。
「におうぞ。薄汚い番犬のにおいだ」
 我こそは菱の門を護る、陽光の騎士だ。ここは通さぬ!
 自分の存在を誇示するように言い放つ。
「失礼だね。出発前に風呂にはいったばかりだよ」
 シルディは色々気持ちを切り替えると、まずヒーリングパピヨンを発動、ガネーシャパズルから光の蝶を解き放った。
 柔らかな光の蝶で包まれた翔は、力を呼び醒ますような輝きに目を細めながら、バスターライフルを構える。
 あと少しで城の外に出られるのに、こんな所で足止めされてたまるか。
「――最早、逃れられんと知れ」
 二郎の放った深海を映したような青黒い混沌水が、陽光の騎士を直撃する。
 一瞬早く命中した攻撃に揺らぐ巨体。それを好機として、翔はバスターライフルの引き金を引く。
 射出されたエネルギー光弾は飛翔し、吸い込まれるようにして命中した。
 時間が限られる中では効果が定かなものを優先する。言葉が無くても伝わる意志はある。
 障害物の破壊より迂回したほうが早ければ、迂回するしその逆も然りだ。
「今です」
 カナのはらりと解けた白髪と共に、構えたドラゴニックハンマーが砲撃形態と変わる。膝を下げ最少の動きで狙いを定めて、発砲動作に入れば、轟音と共に竜砲弾が放たれる。砲弾は緩やかな曲線を描いて飛翔して、一拍の間を置いて炸裂した。
 爆煙と爆風が無数の礫と共に吹き抜けて行く。
 だが敵は仁王立ちのまま、引き下がろうとしない。
「雷よ、絡めとれ」
 バラフィールにとってミッション破壊作戦は初めてだったが、過去に道を切り開いた者たちに報いようという気持ちで、緑網状の雷撃を放ち、騎士の巨体を縛る。
「ケルベロスは小賢しい技を使う。だがその雷は我が光に耐えられるかな?」
 装甲の表面を雷光が伝い、バチバチとスパークして煙をあげ、パラライズのバッドステータスが刻みつけられる。此処までの攻撃だけで相当のダメージを受けている筈だが、太陽の騎士は精一杯の強がりを見せる。
「ゴールデンヴィクトリィーシャイニングスマイトゥ!!」
 パチンコの大当たりを告げるが如き咆吼と共に、騎士は輝く盾を掲げ、バラフィールの方を目掛けて突っ込んで来る。ぶつかるかに見えた瞬間、両者の間に横から割り入ったのは勇名。
 そして勇名の身体よりも遙かに大きな盾が激突する。
 ひとたまりも無い。
 ――ように見えた。
「なにっ?!」
 石畳に叩き付けた筈の盾が、下からの力でじわりじわりと持ち上がってくる。
「ただひかっていれば、おひさまって、わけじゃない!」
 鋭く言い放つと同時、傷だらけの身体で勇名は盾を退ける。
「ほう、ではお前にとってのおひさまとは何なのだ?」
「それは、もっとあったかで、やさしくて、ぴかぴかして……」
 勇名は敵の言葉に惑わされる。未だ心が何であるかを確信できないのと同様、天文学の定義される以外の意味で、他人に分かるように、おひさまを言い表すことは困難だった。
「ははは、ぜんぜん分からないぞ」
 してやったりという顔をして、笑う騎士。そこに二郎が撃ち放った竜砲弾が炸裂する。
「大人げない騎士だな。子ども相手に恥ずかしくないのか?」
「くそう、くそう、くそったれがあぁ!!」
 自身が置かれた状況が芳しくないことはを、敵は理解している。
 そこに、一気に畳みかけようと、回避を許さぬ攻撃を繰り出すのは翔だった。
「てめぇがくたばるまで、この攻撃は止まねーよ!」
 翔の猛烈な連続攻撃に揺らぐ騎士。だが幾ら殴りつけても倒れない。
 続けてカナのフォーチュンスターが唸る。
 理力を孕んだ光る五芒星がゴールを狙うロングシュートの如くに飛翔して、金色の装甲を弾き飛ばした。
「火力が足りません。――お願いします」
「承知しました。装甲の破壊を狙います」
 そう応じて、バラフィールはSchutz、オウガメタルで全身を覆い鋼の鬼と化すと、黒銀に輝く拳の一撃を放った。装甲が砕けて、続けざまに破片が飛び散る。
 追い詰めてはいるが、まだ敵は倒れない。
「母なる大地よ、その 中心より溢れる力のひとかけを、子たる常命なる者へ貸し与えたまえ」
 シルディの祈りと共に放たれたオーラが勇名を包み込み、莫大な癒しと壊アップの恩恵をもたらす。
 少しの攻撃力の向上でも、敵を早く倒すチャンスが増える。
「がりがりーの、ぎゃりぎゃりー」
 勇名は手元で高速回転させた丸鋸刃を次々と投げ放つ。その刃は破壊された装甲の隙間から入り込んで肉を抉り、治療が困難な傷を刻みつけて行く。
 並の敵ならとっくに倒れていなければいけない頃合いだった。
 スモークはじわじわと薄くなってきており、菱の門の輪郭がだいぶ見えるようになった。
 翔はひたすらに目の前の敵を倒すべく、攻撃を続ける。
「どうして落ちないのですか?」
 バラフィールは空高く跳び上がると、真上からの飛び蹴りを叩き込む。
 使っているうちに、すっかり手に馴染んだドラゴニックハンマーを担ぐように構え、素早い足捌きと腰の動きでヘッドをコントロールしながら、ドラゴニック・パワー噴射のタイミングをとる。上手くやれば残像すら生じる超高速の質量弾が敵の巨体を捉える。
「私とあなた方の大きな違いは、力を行使する目的です」
 瞬間、グラビティの力を孕んだ大質量の一撃に耐えきれずに、終に陽光の騎士は粉々に砕け散った。
「……もうじかん、ない。はやく、にげよう」
 門を越えて、あと少しだけ駆け抜ければ、逃げ切れる。
 全員が抜けると、菱の門を遮るようにレスキュードローン・デバイスを放置してから、シルディも駆け出す。
 スモークの残りはもう僅かだった。
 間もなく、出口を駆け抜けて、一行は三の丸の広場に到達する。
 振り返ると、晴れて行くスモークの中から、少々傷んではいるものの原型を留めた姫路城の天守閣が見えた。
「こんな奇跡もあるのですね」
「不戦の城というより、これはもう、不滅の城だよね」
 翔の驚きの声にシルディも驚きをもって応える。
 そんなタイミングで焦げ臭さを含んだ風が吹き、雨の気配を運んでくる。
 戦いは終わった。もう追撃の心配もない。
 でも、傷つけてしまってごめんね。いつか修復しに来るからね。
 大切な場所を取り戻せたことに満足しつつも、エインへリアルに傷つけられた姫路の復興はまだこれから。秋が終わり冬が来て、春になり――四季それぞれの自然な美しさを取り戻すには時間が掛かるだろう。
 それでも、皆、一刻も早く回廊破壊の吉報を届ける為、帰路を急ぐのだった。

作者:ほむらもやし 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年11月18日
難度:普通
参加:6人
結果:成功!
得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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