レブナント・エクスペリメント

作者:のずみりん

 盛夏の長い日暮れ前、人もまばらな幕張に忽然とそれは現れた。
「なんだぁ、こいつは……?」
「今日何かイベントあったっけ?」
 休日のビジネス街、通りすがったまばらな通行人が指差す陸橋上には不揃いな人影が四つ、五つ。
『通常空間への移行確認』
『地磁気座標算出……ガガッ……エラー……全天観測に移行……』
 降りてくる姿へ、不幸な人々は息を飲んだ。
 継ぎ接ぎの怪物……屍隷兵は見た目以上に素早く、うめき声一つ言葉なく、あらぬ背中から音を立てて迫ってくる。
「ゾ、ゾンビ……!」
「逃げろ!」
 誰が言ったか、それが恐怖の始まりだった。
『実験機材の移動を確認……ティキ……キキ……」
「ひぃっ!?」
 悲鳴を上げて逃げ惑う人々が角を曲がった先にも、また屍隷兵。
 先回りか、あるいは既に囲まれていたのか?
 逃げ惑う人々に鎖鋸と化した腕が振り回され、漏電めいたエネルギー放射が薙ぎ払う。
 殺戮の中、背に刺さる異様な装置だけが音と光を無機質に放ち続けていた。

「幕張新都心に屍隷兵の出現が予知された」
 リリエ・グレッツェンド(シャドウエルフのヘリオライダー・en0127)は集まったケルベロスたちに慌ただしく状況を説明し始める。
「何処かから送り込まれたかは不明だが、観測機材らしきものが確認できることから黒幕は恐らくダモクレス……ただ、何を企んでいるかは正直読めない」
 現場はビジネス街で人影はまばら、時間帯も休日の日暮れ前と人が多いとは言えず、屍隷兵の多くは損壊して全力とは程遠い。
 資材やグラビティ・チェインの略奪狙いにしては、およそ非効率もいいところだ。
「だが敵の目的はどうあれ、現場には一般市民がおり、放置すれば屍隷兵は本能的にグラビティ・チェインを略奪する。放置はできない」
 出現浜ではあまり時間もない。
「ただちにヘリオンを現場に向かわせる。屍隷兵を撃破し、市民の保護してほしい」

 現場に出現している屍隷兵は確認出来た限り十五体で、いずれも人間型。
 急増なのか個体は不揃いで、武装もチェーンソー剣を腕代わりに装備したもの、エレメンタルボルトのような放電装置を埋め込んだもの、また現地調達したらしい凶器を携えたものがそれぞれ五体ずつと安定しない。
「凶器は歩道の手すりや標識を引き抜いた感じだが、だいたいエクスカリバールのようなものだ。それとヒールグラビティや二刀グラビティを使える個体はないようだな」
 それ以外も性能もおしなべて低く、今のケルベロスなら複数を相手取っても遅れは取らないだろう。
 ただ厄介な点もある。地形だ。
「幕張新都心は陸橋や立体交差にビルまでが複雑に絡み合った地形で、屍隷兵はかなり広範囲に出現する。高低差は大きく、死角も多い……数が数だけに取りこぼしには注意してほしい」
 屍隷兵と救助対象の位置把握、陸橋や立体交差を素早く移動する手段など、状況は戦闘以外で様々な対策が必要だろう。
「敵の目的についてはさておき、まずは現場の救援が最優先だ。頼むぞ、ケルベロス」
 強敵とは言えないが厄介な状況、新たな力を生かす早速の機会かもしれない。


参加者
フラッタリー・フラッタラー(絶対平常フラフラさん・e00172)
マキナ・アルカディア(蒼銀の鋼乙女・e00701)
ピコ・ピコ(ナノマシン特化型疑似螺旋忍者・e05564)
ティーシャ・マグノリア(殲滅の末妹・e05827)
軋峰・双吉(黒液双翼・e21069)
マーク・ナイン(取り残された戦闘マシン・e21176)
リティ・ニクソン(沈黙の魔女・e29710)
薬袋・あすか(彩の魔法使い・e56663)

■リプレイ

●スタートアップ
『デバイスセット、スタートアップ』
 コマンドとともに照射される閃光がケルベロスたちへと『ヘリオンデバイス』を展開する。
「なーんか気になるなぁ。なんで今頃屍隷兵が、どうしてここに現れたのかとか」
 踏みしめるように装備された『チェイスアート・デバイス』の具合を確かめ、薬袋・あすか(彩の魔法使い・e56663)は降下した駅前ロータリーを見回す。
 降下中の景色では屍隷兵の姿を捕える事は出来なかったが、出現のタイミングと被ったか、たまたま視界を逃れていたのか?
「履き心地はなかなかかな……どう、リティさん」
「デバイスの方なら、問題ない」
 だが問題はない。
『電子戦・連携支援ユニット』に被せるよう接続され『増設レドーム・センサーユニット』からの情報を統合した『ゴッドサイト・デバイス』の表示を確認し、リティ・ニクソン(沈黙の魔女・e29710)は問いかけるあすかに振り向いた。
「展開が少々少面倒かな……南の国際大通りに広く七つ、それと北口方面にも複数……」
「そちらは確認した。北西のビジネス通り、北のハイテク通りに四体がひろがっている」
 リティの後を継ぎ、同じくデバイスを装着したティーシャ・マグノリア(殲滅の末妹・e05827)が報告する地名に、軋峰・双吉(黒液双翼・e21069)が手にした『繋ぎ目の無い地図』を検索。分担を手早く確認していく。
「国際大通りはすぐそこだが、かなり広いぜ。北口側はビルと通りが入り組んでる」
「予定通りいきましょう。北口は薬袋さん、お願いします。南は私たちが」
「速さが重要ですわねぇー。では再び飛び上がりましょうかぁ?」
 おっとりと告げるフラッタリー・フラッタラー(絶対平常フラフラさん・e00172)も既に『ジェットパック・デバイス』を動作に入っている。
 二手に分かれ、一行は再び空の人となった。

 駅から1キロほどに連なるメインストリートをマーク・ナイン(取り残された戦闘マシン・e21176)の『ジェットパック・デバイス』は一瞬にして駆け抜けた。
「目標地点に突入する。SYSTEM COMBAT MODE EGS AG」
「くるぞ!」
 最も早く反応したのは屍隷兵だった。
『キキ……キキッ』
 ティーシャ・マグノリア(殲滅の末妹・e05827)の警告と同時、国際展示場にほど近い立体交差場から飛んできたのは引き抜かれた街灯か?
「MANEUVER ACTIVE」
「上は頼んだ。降下する!」
 回避運動を行うマークにけん引される三人の身体が揺れる。
 戦闘状態で途切れたデバイスを『R.F.NVゴーグル』に切り替えて着陸するティーシャの長髪が風に流れた。
「屍隷兵、立体交差上に『バール』二体、反対方向エスカレーターに『チェーンソー』二体……通行人が三名、階段下!」
「私がいくわ、レスキュードローン!」
 ティーシャが斉射する『バスターライフルMark9』の火線のなか、降下するドローンデバイスがわずかに震えるのは操り手であるマキナ・アルカディア(蒼銀の鋼乙女・e00701)の緊張を感じ取ってか。
 だがしかし一瞬だ。
「ケルベロスからの救助です、ドローンに搭乗を」
「は、はいっ!」
 ドローンに発声機構はないため、一般人への指示は声に出して届けなければならない。しかし今はそれが決意をデバイスへと伝えてくれる。ドローンに捕まる親子らしき被害者にマキナは思う。
「護り通してみせるわ、必ず」
 揺るぎない確かさで人々を乗せて離陸するレスキュードローン。
『ピコです。残りの屍隷兵三体も確認、ビル街影から駅方面に移動中。遅滞をかけますので支援をお願いします』
「ROGGER.M158 OPEN FIRE」
 ピコ・ピコ(ナノマシン特化型疑似螺旋忍者・e05564)の『マインドウィスパー・デバイス』から入る通信へ電子音で答えつつ、マークの『M158』ガトリングガンが対地制圧射撃を開始する。
 長く広い戦いは始まったばかりだ。

●索敵、強襲
「ハッハ、こいつぁ翼いらずだァ」
「はい、そろそろハイテク通りですのー」
 牽引ビームに滑空する双吉が上機嫌に笑うなか、フラッタリーは有名ベンチャー企業が名を連ねるビル街へと『ジェットパック・デバイス』を降下させる。
「こちらも戦闘態勢に入るよ。屍隷兵の反応はビジネス街方面にも3、その周囲に通行人が五人」
「つまり足止めがいるわけだ……上等!」
「お前も駆け抜けてけ、『レスキュードローン・デバイス』ッ!」
 牽引ビームを切り離し、あすかの身がビルの谷間を降下する。
 大きく手足を開いて減速しつつ、ビルの外壁を蹴り飛ばして西へ。飛び駆ける少女パルクーラーを追いかけ、双吉のレスキュードローンは思念を受けて飛翔した。
「さぁ、追いかけっこだ」
 グレイブテンペストを振るい、屍隷兵のチェーンソーを斬り払いながらあすかは陸橋を飛び降りる。
 グリップする足の『チェイスアート・デバイス』の機動力で屍隷兵との絶妙な間合いを保ちつつ、逃避行から解放された人々に呼びかけていく。
「やっほー君達、無事かな?」
「うわっ!? あ、ありがとうございます!」
「あぁ失敬。今のうち、とりあえずここは危ないから離れときなね! それで君達にはコッチだ。いけ、“影の魚”……!」
 市民を狙う屍隷兵には『侵食する冥魚』を放ち、屍隷兵の振り上げられり凶器を腕もろともに飲み込ませていく。
 まずは一つ、ごくりと音を立てて魚型ブラックスライムが弾けた。

 屍隷兵一つを喰らい、あすかを追う屍隷の影が三つとなった頃、フラッタリーたちもまた逃げ惑う市民を発見した。
「……まずい。『ボルト』型が二つ、ビルの影に住民……っ」
「降りますわ。お気ヲつK∃!」
 リティの『強行偵察型アームドフォート』が捕えた影に、フラッタリーが前頭葉に地獄を燃やし降下する。
「衝撃に備えろ!」
「屍ノ傀儡ヲ塵芥ニ還sE!」
 リティの声が呼びかけるなか、屍隷兵がエレメンタルデトネイションを火花と散らす。
 着地の勢いのままフラッタリーの『野干吼』が『溢レヨ黄泉 Esh ve Gofrit』を呼ぶのは間一髪、刀から浸透した地獄が雷を迎え撃ち、轟音と共に押し返す。
『大丈夫ですか? 薬袋さんから爆発音がと』
「ギリギリな、『ボルト型』とぶちあたっちまった。そっちは……わかった、なるはやで片づけるぜ。ドローン、救助次第に離脱だ」
『了解しました、お伝えします……すいません、マグノリアさんから索敵連絡。私たちも掃討終了次第、合流します』
 ピコのマインドウィスパーを経由したあすかの連絡へ応答しつつ、双吉は『BS(ブラックスライム)リング』をつまんで引き延ばす。
 通信からはマキナのものと思われるドローンの駆動音。次いで響くはキャバリアランページのものか? どうやら南側も戦闘は激化しているようだ。
「……ティ、キ……キ……」
「盾は引き受ける、攻めんぞ!」
 弾き飛ばされた雫が宙に伸び、漆黒の盾を形成する。二発目のエレメンタルデトネイションを受け止めるや、それを撃ち抜く光の槍。
「まず一つ……いや、二つか」
 リティのフォートレスキャノンが屍隷兵の頭部を吹き飛ばす傍ら、横目に見たフラッタリーも額より吹き出す地獄を大刀へとまとわせブレイズクラッシュを叩きつけ砕いていく。
「ひぃっ!」
「Aぁ……御無事ですかぁ~? ささっと燃やして参りますゆえ、今のうちに退避くださいな~」
「は、はいっ!」
 その殲滅も刹那なら、妖しく揺れる艶姿に思わず後ずさる犠牲者に心を戻すも刹那。その『凛とした風』の空気に身を正して飛び退いていく。
 視界から消えるのを見送りつつ、振り向きざまにもう一撃。唐竹割に屍隷兵の姿が消える。
「おっかねぇなぁ……こっちもいそがねぇと」
「こちらは抑えておく、あすかを頼む」
 投げつけられる凶器を『特務支援機用旅装』に受けつつもリティの『リフレクタードローン』が包囲陣形をくみ上げるなか、双吉はビルから張り出した立体交差から飛び降りた。
 ガネーシャパズル羽ばたかせたより黒い蝶が向かう先は、見えてくるあすかのコンクリート・ジャングルを飛び駆ける健脚。
「デバイスは翼要らずだが……俺の翼は飛ぶだけじゃあなくて武器でもあるぜ!」
 ブラックスライムがタールの翼を模して白炎を燃え上がらせる。
「『徳』も『武勲』も、この中に……重ねてきたモンは自分(テメェ)の胸で燃えているッ!」
 防御もろともに焼き払う美しき『黒液模倣・乙女白炎』が、あすかを追いかけて現れた屍隷兵たちを、その突き立てられた機械もろとも薙ぎ払った。

●掃討殲滅戦
「Code A.I.M……start up.」
「狙撃素子にナノマシン同調……ありがとうございます、アルカディアさん」
 マキナの『CCP A.I.M』の支援を受け、ピコは回収したナノマシンよりナパームミサイルを生成。
 ビル脇のラウンジをさまよう屍隷兵へと叩き込む。一体を撃墜、残り二体が逃走。
 ディフェンダーがいないぶん消耗はあるが、屍隷兵との戦力差を考慮してもだいぶ余裕はある。ヘリオンデバイスの力はデバイス特性以外でもかなりの底上げになってくれているようだ。
「メッセ通り側に三体を発見、二体が公園中方面へ逃走しています。マグノリアさん、頼めますか?」
『こちらのデバイスからも確認できた。マークとメッセ大通りで機動包囲する』
 周辺の地図情報と共に呼びかけたマインドウィスパー・デバイスへ、ティーシャからの返信はすぐに来た。声と共に響く拍車の静かな滑走音が急行する二人の姿を告げる。
「ピコ、私たちも」
 マキナと二人が駆け付けるなかへ飛びこんでくる凶器たち。引き抜かれた道路標識とガードレールの洗礼を気咬弾で撃ち抜きつつ回避。
 フィルムスーツがわずかに避けるなかマキナはレスキュードローンを救助者の盾に配置する。
「できる限り離れて物陰へ、身を屈めて」
「は、はいっ。お気をつけて!」
 ドローンに退避させられていく救助者を見送り、マキナはコアブラスターを展開。既にマークたちも通りを挟み、屍隷兵を挟み打つ。
「目標補足、照準データリンクします」
『R/D-1 データリンク接続。ADM STANDBY』
「データリンク接続、ここで仕留めるぞ!」
 共有された目標情報に、『LU100-BARBAROI』クローラーのバンカーで急制動したマークの背部『XMAF-17A/9』バックパックが展開し大型ミサイルを起動する。
 ピコのマルチプルミサイル、ティーシャの『カアス・シャアガ重砲』の連射が退路を封鎖し、タイミングを合わせて叩き込まれる必殺の一撃。
「コアブラスター……シュート!」
「TARGET SHOOT DOWN」
『HELL HOUND MISSILE』着弾とタイミングを合わせたマキナのコアブラスターは爆発を連鎖させ、残る屍隷兵三体を一気に薙ぎ払った。

●シュートダウン
『ピコです、南側の屍隷兵は撃退しました。今、マグノリアさんが最終確認中』
「了解、こちらも後少しってところだ」
 双吉は意志により、ピコのマインドウィスパー・デバイスとの通話を切る。
 何とも奇妙な感覚だが、レプリカントたちのアイズフォンもこのような感覚なのだろうか?
「少々離れる、怪我は大丈夫だよな?」
「あ、あぁはい……ありがとうございます、ちょっとぶつけただけです」
 弱者への労りは『徳』ある行動だ。強面の姿に似合わぬ声に戸惑う怪我人を確認し、双吉は仲間たちへと状況を伝え走る。
「少々遅れてしまいましたのー……しK∀羅罵死……!」
「……残りは二つだ。一つずつ確実にいこう」
 厄介な凶器使いは優先して潰しており、残りはボルト型とチェーンソー型が一つずつ。
 額の大穴より地獄を再び迸らせたフラッタリーに一歩遅れつつも、リティはアームドフォートをボルト型の方へ照準する。
「ティキ……キキ……」
「焔TO千れィ!」
 フラッタリーの手の『十一焔』が吐き出すファイアーボールの連射が結界のように包囲し、背部機械を赤熱。そのまま神造デウスエクスの肉体までも焼き上げていく。
 なおもボルトの拳を振り上げる屍隷兵に突き刺さるフォートレスキャノン、残るチェーンソー型もあすかの放つペトリフィケイションの輝きに、その身を灰色の動かぬものへと変えていく。
『確認中……確認中……確認……』
「まだ動けるのか、こいつぁ」
 大半を石化されてなお背より響く無機質な音声。最後に残ったそれめがけ、双吉は関心と呆れも半々に『BS(ブラックスライム)リング』から引き延ばした漆黒の剣を打ち込んだ。

「TARGET ALL DOWN.SYSTEM REFORMATION」
「死者は犠牲者、事故死ともにゼロ。負傷者は五名ほど出てしまったけど……いずれも軽傷で、後遺症にはつながらないはずよ」
 おつかれさま、と労うマキナにマークが頷き、戦闘システムを終了する。
 慌ただしく面倒な相手では会ったが、幕張新都心への屍隷兵の侵攻は大過なく食い止められた。
 今も傷ついた建築物のヒールを行うマキナには、それだけでもとても大きな成果だ。
「基礎能力の向上、デバイスの固有特性、可能性は大きいものと感じられました」
「物のはじめとしては十分だな……残る問題は、これか」
 手ごたえを感じた様子のピコに同意しつつ、ティーシャが蹴り飛ばしたのは引き千切れた屍隷兵……正確には、屍隷兵に接続された一部。
「全天観測にティキって言葉……アンティキティラ島の機械ってオーパーツが、そういやぁあったなぁ」
「R/D-1、検索……古代ギリシャの天体運航の計算機か。素材には金属の歯車と木材を利用され……!?」
 過去に戦ったデータからもこの屍隷兵がダモクレス製なのは間違いないが、その目的の手掛かりはないものか。
 双吉の呟きをヒントに情報を検索するマークは拾い上げた部品に声を途切れさせた。
「……どう見る、これは」
「植物、ですのー……」
 覗き込むフラッタリーの、のんびりした声もこころなしか張り詰めていた。
 この観測機械は奇しくも、アンティキティラ島の機械の真逆だ。外張りは金属だが、中枢を構成するのは得体の知れぬ植物らしき物質。
 それが攻性植物に由来するものとしたら、この事件の背後にあるのは一つだ。
「ジュモー・エレクトリシアン」
「こいつはなかなか根が深そうだね、植物だけに」
 ピコの強張る顔に、あすかの混ぜ返す軽口もどこか固い。
「この件は事後、詳しく調べてみる必要があるかな」
 リティの締める言葉に、一行から異論の声はなかった。

作者:のずみりん 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年8月24日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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