紅に涼む

作者:崎田航輝

 蒼空から涼風が降りて、爽やかな夏を感じさせる日。
 眩い陽気に照らされる中、真っ直ぐに伸びるアーケードには多くの人々が行き交っていた。
 その賑わいは平素以上で──活気の中に笑顔が満ち満ちる。さもあろう、この日は商店街に紅の美味が並ぶ──スイカスイーツフェアが開催されていたのだ。
 フローズンシャーベットに、濃厚なピューレ入りのジェラート。ワインが香る大人味のグラニータに、夏の果物たっぷりのパフェ。
 スムージーにソーダにフラッペと、見回せばカフェにも百貨店にも、スイカを使った食べ物が枚挙に暇無く。
 お土産もゼリーに大福、くずきりとスイカを活かした品々が並び。人々は店々に立ち寄っては夏の味を楽しんでいた。
 ──が。
 平和の満ちるその賑わいの中へ、招かれざる罪人が顕れる。
「活きの良い獲物がこれほど沢山いるとはね」
 愉快なものじゃないか、と。愉しげに歩みながら、眼光に殺意を滲ますそれは鎧兜の巨躯──エインヘリアル。
「さあ、血の色を魅せてくれ」
 言葉と共に刃を振り上げると一閃、人々を容赦なく切り捨てる。
 血潮が弾けて人々が斃れゆくと、罪人は貌に笑みを浮かべ──剣を振り回し、殺戮を続けていった。

「今日も夏らしい天気だねー」
 陽光の差すヘリポート。
 山科・ことほ(幸を祈りし寿ぎの・e85678)は風に夏の旺盛を感じながら、そんな言葉を零していた。
 ええ、とイマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)も頷いて視線を下ろす。
「こんな季節はスイーツを食べて涼みたいところですね。丁度、とある街ではスイカスイーツのフェアも開かれていて賑わっているようですが──」
 ただ、そこへエインヘリアルの出現が予知されてしまったのだと、皆へ伝えた。
 現れるのはアスガルドで重罪を犯した犯罪者。コギトエルゴスム化の刑罰から解き放たれて送り込まれる、その新たな一人だろう。
「だったら、しっかりと対処しないとね」
「是非、皆さんの力を貸してもらえればと思います」
 イマジネイターはそう告げると説明を続ける。
 現場は店の並ぶ道の一角。
 道は真っ直ぐに伸びていて広く……そこにやってくるエインヘリアルを、こちらは迎え討つ形となるだろう。
「一般の人々は警察により事前に避難させられますので、その点は心配は要りません」
「こっちは戦いに集中すればいいんだね」
 イマジネイターはええ、と頷く。
「周囲を壊さずに終えることも出来るでしょうから……無事勝利出来ましたら、皆さんもフェアに寄ってみてはいかがでしょうか?」
 カフェにお土産にと、スイカを存分に満喫できるはずだといった。
 ことほは頷く。
「そのためにも、まずは敵を倒さないとね」
「皆さんならば勝利できるはずですから。是非、頑張ってくださいね」
 イマジネイターはそう言葉を結んだ。


参加者
アリシスフェイル・ヴェルフェイユ(彩壇メテオール・e03755)
ビーツー・タイト(火を灯す黒瑪瑙・e04339)
楪・熾月(想柩・e17223)
クラリス・レミントン(夜守の花時計・e35454)
山科・ことほ(幸を祈りし寿ぎの・e85678)
佐竹・レイ(ばきゅーん・e85969)

■リプレイ

●夏風
 燦爛たる太陽が、季節の恵みを光にして注いでいる。
 その眩さを翳らせるよう、闇色の鎧の巨躯は剣を振り抜こうとした。けれど横一閃の衝撃を、山科・ことほ(幸を祈りし寿ぎの・e85678)は鎖で受け止める。
「ああもう、こういう日ぐらいスイカ割りで我慢しなよー?」
 血を求める罪人へ言ってみせれば──魔力を湛えるアリシスフェイル・ヴェルフェイユ(彩壇メテオール・e03755)も嫋やかに頷いていた。
「そうね。私も眺めるなら血の赤よりも断然、スイカの赤の方がいいし、そちらを堪能したいわね」
「そーそー。それに、割れた果肉とかも結構リアルじゃない? スイカって」
 と、ことほが言葉を投げるも罪人はただ首を振る。
「生きた赤色だから意味があるんだよ」
 そうして再度刃を振り翳していた。
 人の去った商店街。
 そこに現れた罪人は“獲物”の少なさに一度は興が削がれた様子だったが──立ちはだかったのが番犬と見るや、滾るような戦意を見せていた。
 だがその二の太刀が振るわれるよりも早く、頭上に影。ビーツー・タイト(火を灯す黒瑪瑙・e04339)が風を掃いて蒼空に昇っている。
「──血であれば、貴殿の中に存在するだろうに」
「そうよ!」
 同時、声を継ぐ佐竹・レイ(ばきゅーん・e85969)もこがねの長髪を靡かせながら──巨躯の面前で戦斧を掲げていた。
「そんなに血が見たいなら、自分ので満足しなさいよね!」
 刹那一撃。叩き降ろす斬打で痛烈な衝撃を与える。
 巨躯が僅かに傾ぐと、そこへビーツーが翔び抜けながら熱量を放射。地面の礫に灼熱の炎を纏わせていた。
 『炎礫射撃』──弾けるように撃ち出されたその礫が巨体を穿ってゆく。
 罪人が後退すれば、その間隙にアリシスフェイルは魔力を広げて地を撫ぜて、灰と黄の光による六芒星を浮かべていた。
 ──天石から金に至り、潔癖たる境界は堅固であれ。
 立ち昇る輝きは『蒼界』。青と白のステンドグラスを思わす煌めきが美しき障壁と成る。
 その頃には巨躯が反撃の様相を見せていた、が。
「クラリス」
「──うん」
 任せてね、と。
 アリシスフェイルに答えるのはクラリス・レミントン(夜守の花時計・e35454)。
 カレイドスコープを彷彿させる流麗な銃を握る、その挙動は無駄なく狙いは精確に。
 雪のようなましろの髪だけを夏風に揺らしながら──引き金を引いて射撃。無限色の花が開くような、燦めく色彩の光線で巨躯の腕を払った。
「熾月、今のうち」
「ありがとう。皆のこと、しっかり守ってみせるからね」
 真っすぐな声音で澄んだロッドを翳すのは楪・熾月(想柩・e17223)。
 護りの意志を魔力へ具現するように、雪融け色の藍玉の耀かせると──招来するのは眩いほどの白雷。
 美しく、暖かく。弾ける火花すら優しく、皆へ手厚い加護を齎していく。
「ロティ」
 同時、熾月の声に応じた蒼のシャーマンズゴーストがふわりと飛翔。罪人へ肉迫し、先んじて鋭い爪撃を与えていた。
 精神を擽られた罪人は、本能的に凍て風を返す。だがそれが予見された攻撃であるならば此方の狙い通りに他ならず。
「ロティ、一緒に守ろうね」
 アリシスフェイルが躍り出るよう前へいでれば──ロティもやる気満々に頷いて、共に壁となり衝撃を受け止めてみせていた。
 直後にはことほがエクトプラズムを生成。風に光を溶かすよう、綺羅びやかな癒やしの力を盾役達に与えて傷を癒やしていく。
 敵が連撃を目論んでいると見れば──。
「藍ちゃん、お願いねー」
 ことほの声に応じてライドキャリバーが疾走。火の粉の軌跡を描きながら痛烈な突撃を見舞っていた。
 ビーツーも高度を下げ水平射撃。撹乱を続けて敵を足止めしながら──匣竜のボクスへ視線を送っている。
 それだけで意を汲むボクスは、白橙の光をロティへ施し治癒。そこへ熾月も光を重ねるように雷を喚び込み、皆の護りと体力を万全にしていた。
「これで大丈夫だよ」
「それなら、私は攻撃ね」
 言ったアリシスフェイルは既に攻勢。
 地を蹴り高らかに跳躍、衣を靡かせながら翻ると──七彩の光で虹を描きながら力強い蹴撃を打ち込んでゆく。
 同時、クラリスもぱちりと手元でパズルを嵌め、海と空の如き青き光で巨躯を縛った。
 動きを鈍らせながらも、罪人は刃を振り上げるが──レイのフロントサイトが既にその体を捉えている。
「悪いけれど、早撃ちならお手のものよ」
 閃くマズルフラッシュと、反響する銃声。
 至近から放たれた弾丸は空気抵抗で減速する間もなく、最高速度で巨体の腹部を貫通していった。

●夏空
 自身の血溜まりの上で、罪人は苦渋の息を吐いている。
「……参ったね。何も狩れないんじゃ、剣を振るう意味もない」
「どこまでいっても、あなた達はそんなことばかりなんだね」
 クラリスは仄かに瞳を伏せる。どうしてエインヘリアル達は壊して奪うことしか考えられないのだろうかと。
 レイもそうよ、とぴしりと指差した。
「戦うためにアスガルドに送られたんだから仕方ないかもしれないけど。せめて暴れる前に話くらい聞きなさいっての!」
「……獲物と交わす言葉はないさ」
 罪人はただ言って、剣を構え直す。
 だからクラリスも、そう、と呟いた。
 ならば此方が遣るべきことも変わらないのだと。
「どちらにしても、もうあなたは後戻りできない。私達の地球を、罪人の狩場にするわけにはいかないから──ここできっちり、倒させて貰うね」
「……やられるものか。鮮血の美しさも判らない人間に──!」
 罪人は声を低め、反抗の意志と共に踏み込んできた、が。
「どのような嗜好を持つのも勝手ではあるが」
 静かな声音のままに、ビーツーが風を縫って迫りゆく。
「人を傷つけるというなら、早急にお引き取り願おう」
 ただそれだけのことだと、そう言ってみせるように。
 己が臙脂色の焔と、ボクスの白橙の焔を斧に纏わせて。二彩の炎を燃え盛らせながら、豪熱の斬打で鎧を焼き斬った。
「さあ、ぴよ」
 と、そこへ熾月が喚ぶのは小さな雛のファミリア。ぴっ、と鳴いたぴよはぱたりと風に踊って、幾重もの斬撃を加えてゆく。
 唸りながらも罪人は刃を振り回した。が、加速する藍が身を以て防御してみせれば──。
「今回復するからねー」
 ことほが掌で器を作り、エクトプラズムを眩く湛えていた。
 折り重ねられるように丸く圧縮されたその光は『小さなつぼみ』──宙に浮かびながら花の如く開いて癒しの風を香らせる。
 それに癒やされた藍が、反撃のスピンを繰り出せば──ことほもまた攻勢に加わり鎖で巨体を打ち据えた。
 よろける罪人の隙を、レイが逃すはずもなく。
「ふっふーん、待ったなしだからね!」
 マガジンを排出し、新たに冷却弾の弾倉を挿し込んで。蒼い弾道を奔らせながら、弾けさせた冷気で巨躯の表皮を蝕んでゆく。
 罪人は苦渋を零しながらも前進して刃を振り下ろした。が、アリシスフェイルが巨大鋏の如き白銀剣でそれを弾き返していた。
「譲りはしないわ」
 そのまま銃砲を向け、極光の眩さで光線を撃ち込む。
 傾ぐ巨体に、クラリスもいとまを与えない。とん、とん、と、踊るように踏み込むと、フェッテを舞うように華麗に廻転。
 『氷華輪舞曲』──鮮やかに、鋭利に。冷たい火花を思わす氷晶を散らせながら、強烈な回し蹴りで巨躯を吹き飛ばした。
「後はお任せするね」
 うん、と。
 頷きを返した熾月は手を伸ばす。
 死の淵にありながらも血を求めて這う咎人を、見下ろしながら。
「君は自らの赫に沈めばいい。花ならあげる」
 酷薄に、冷たい言葉を落としてみせると、はらり、はらり。彼岸花を象る黄色の美しき『狐花』を降り注がせていた。
 それに触れた喉は枯れ果て、四肢は麻痺に自由を失って。痛覚すら蝕まれて──悲鳴を上げる暇もなく、罪人は静かに息絶えていった。

●夏味
 賑やかな街に甘い香りが薫る。
 番犬達の迅速な事後処理によって、一帯は平和を取り戻していた。
 店々の営業も再開されて、人々は再び甘い楽しみに興じている。番犬達もそれぞれに歩んでいくから──ビーツーもまた散策を始めていた。
「成程」
 呟きながら見回す。
 その名を冠したフェアだけあって、そこかしこにスイカの文字がある。その中でビーツーは、スムージーを買ってボクスとシェアすることにした。
 一口飲むと、爽やかな香りと甘味が口に広がって。小さな果肉も入っているのか、しゃりっとした口当たりも快い。
 何よりひんやりとした温度が暑さを払ってくれて。
「うむ、美味だな」
 声を零せば、ボクスもまた満足げに翼を揺らしていた。
 それから夏の味を楽しみつつ、散策を続けると──ボクスが何かに反応して止まる。
「かき氷か」
 見ると、それは赤みの強い一品だ。
 スイカとベリーのミックス風味らしく、人気でもあるようで──折角ならばとビーツーは購入。ボクスと共に頂くことにする。
 するとさっと溶ける氷と、濃厚なとろみのある甘酸っぱい果実ソースが相性抜群で。
「夏に冷菓は良く合うな」
 ビーツーはベンチに座りながら──かき氷を齧るボクスに目をやって、ゆったりと寛いでいった。

「それじゃあ、いざ──スイカスイーツの天国へ!」
 熾月が勇んで歩み出せば、隣に並ぶのがアリシスフェイルとクラリス。勿論ロティとぴよも一緒に、皆でカフェへと入ってゆくところだった。
 涼しく快い店内で席につくと、早速皆でメニューを開く。
 アリシスフェイルは瞳を迷わせつつも、綺麗な紅色に惹かれて。
「私はフローズンシャーベットにしようかしら」
「美味しそうだね。私、スイカジェラートが食べたい……!」
 アイスが大好きなクラリスはそれに決定。
 熾月は少々悩みつつも、まずは傍らに目を向ける。
「ロティとぴよは多分……夏の果物パフェだよね?」
 ぴよがぴっと鳴いて、ロティがこくこくと肯けば、熾月は微笑んでそれを注文。自身はちょっと気になっていたグラニータにした。
 程なく品々がやってくると──。
「まあ」
 アリシスフェイルは瞳を仄かに耀かす。
 澄んだシャーベットに鮮やかなジェラート、大盛りのパフェに上品なグラニータ。テーブルに沢山の彩が揃っているのを見るだけでも、テンションが上がった。
 勿論、一番楽しみなのはその味だ。
「頂きましょうか」
 言ってシャーベットを口に運ぶと──しゃりしゃりした食感と冷たさに、思わずきゅっと目を瞑ってしまう。
 それから広がる甘味が美味しくて、目を開けると満面の笑みを作っていた。
 クラリスもジェラートを一口。
 滑らかな口溶けと果汁の甘さが美味で、きぃんと冷たく爽やかなその夏の恵みに自然と笑顔が零れている。
「美味しいね……!」
「うん、本当に」
 頷く熾月もグラニータを堪能中。はらりと溶ける冷たさと、スイカとレモンの清涼な風味が心地良く、ワインの香りも芳醇で。
 見ればロティとぴよも、パフェの果実にクリームにと、はむはむとつまんで満足げ。そんな様子にも笑みを浮かべながら、熾月は皆へと向き直った。
「溶けないうちに、交換会しよっか~」
「うん、しよしよ」
「勿論。皆で楽しみましょう」
 クラリスとアリシスフェイルも笑み返すと、皆で器を差し出し合う。
 アリシスフェイルがシャーベットをロティとぴよへ一口ずつあげれば、クラリスもまたスプーンで自分の物を掬い、あーんしてあげる。
 するとぴよはぴっぴっ、と甘えて──ロティは不器用ながらも二人にお返し。パフェをはむりと食べたクラリスとアリシスフェイルは、その美味しさにも笑み合った。
 熾月もまた二人と交換し合って……ひんやり、しゃくしゃくと爽風の吹き抜けるような甘味を味わって。
「ん、どれも美味しくて……しあわせの味」
「そうね」
 アリシスフェイルもえへへと柔い笑みに幸せを表してみせれば──クラリスも頷く。
「こんなに美味しくて楽しいご褒美があるなら、いくらでも頑張れちゃう」
 だから尚更頑張って良かったと、心に実感を覚えた。
 食事が終われば皆でごちそうさまをして、退席。ただ、お土産コーナーが目に留まれば熾月は立ち止まって。
「何か買っていこうよ」
「そうね。折角だもの」
 と、アリシスフェイルも洋菓子に和菓子と、紅色の品々を選び始めると──クラリスも自然と足を止めている。
 大切な人のことを思い浮かべて──お土産を買って帰ろう、と。湧いた思いに、吸い寄せられたように綺麗なゼリーを手にとっていた。
「これに、しようかな」
「俺はこれとこれと……ふふ、いっぱい買っちゃおう」
「あら、それなら私はこっちに──」
 と、熾月が大福や葛切りを買えば、アリシスフェイルはジャムを選んで──わいわいと楽しく、夏の時間は続いていく。

 るんるんと、レイは上機嫌に街を歩み出す。
 イケメン探しもいいけれど、見回せば甘い香りが漂うから。
「今日は花より団子!」
 決めると早速スイカアイスを買って、食べつつ散策を始めた。
 と、そこで道の先に見つけたのは──ことほの姿。ことほもレイに気づくと、とことこ歩んで声をかける。
「レイちゃん、カフェ行かない?」
「良いわね。私も丁度寄ろうと思ってたところなの」
 ということで、二人で傍のカフェへ。
 快い温度の中、席について──早速メニューをじっと見つめた。
「んー、冷たいの尽くしだと冷えちゃうから、半々ぐらいがいいかなー……あ、やっぱスムージーはマストかな?」
 ことほは呟きつつ、パフェとジェラートもと選ぶ。するとレイもわくわくと愉しげに。
「パフェにジェラート! 私も頼もうかしら」
「うんうん、一緒に同じの食べよー」
 ことほも頷くから、レイはそれで注文。品が来るまでの間も、ことほは期待の表情を浮かべていた。
「スイカってそのまま食べちゃうことが多いから、めっちゃ楽しみ! ……あっ、きた」
 テーブルに置かれたそれは果実たっぷりのパフェに、清らかな淡紅のジェラート。スムージーも綺麗なスイカ色で美しくて。
「真っ赤に映えるのもいいよねー」
 言いつつスマホで写真を撮ってから、スムージーを一口。
「ん、美味しー」
「パフェも最高よ」
 レイがしゃくっと齧るのは果実。薄紅のクリームと共に食べると一層甘く美味だ。
 ジェラートは優しい口当たりで、けれどひんやりと快く。
「こっちも美味しいわ!」
「うん。本当だねー」
「それじゃあ次は……シャーベットね!」
 と、一通り味わうと、レイは更に気になっていたそれを追加注文。さくさくさりさりと、零下の美味を堪能していく。
「レイちゃん、結構いくねー」
「ええ。晩ご飯いらないくらい食べるつもりよ。しっかり糖分補給して次の戦いに備えなきゃだもん」
 言うと三品、四品と完食していたのだった。
 ことほも満足すると……ゼリーと葛切りもお土産に調達。自分用にとしっかりと確保して──またレイと共に次のお店へと向かうのだった。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年8月3日
難度:普通
参加:6人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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