夏の涼菓

作者:崎田航輝

 煌めく太陽が季節の旺盛を告げる日。
 燦々と注ぐ光が家並みを眩く縁取って、並木の影を色濃くして。景色を夏のコントラストに彩る──そんな街並みに、ふと賑わう一角がある。
 それは氷菓の店が軒を連ねる商店街。
 かき氷の店では練乳と果実たっぷりの苺味に、黄色が眩しいマンゴー味、はちみつとレモンや宇治金時、紅茶風味と色も味も多彩。
 フローズンドリンクにアイスや果実をトッピングしたフラッペも人気で、ソフトクリームの店にもまた訪れる人々が途切れなく。からりと晴れ渡る夏日の中、皆が甘味と涼を求めて憩いの時間を送っていた。
 だがそんな道へ、ゆらり。
 陽炎が漂って、歩む人々は違和に視線を動かす。するとその道の先、硬質な足音を鳴らして踏み入ってくる影があった。
 それは仰ぐほどの巨躯。鋭い剣を握り締めながら──獲物を求めて眼光を赫かす罪人、エインヘリアル。
「眩しくて暑い、いい日じゃねぇか」
 命を焼き尽くすには最高だ、と。
 笑みを見せると刃に灼熱を纏わせて、人々を容赦なく切り捨てる。
 悲鳴と絶望の声が入り交じる中、罪人は火の粉に照らされた貌に笑みを浮かべ──殺戮を続けていった。

「夏本番、といった気候ですわね」
 爽やかな夏風の吹くヘリポート。
 彩咲・紫(ラベンダーの妖精術士・e13306)は青空に輝く陽光に瞳を細めながら、そんな言葉を零していた。
 ええ、とイマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)も頷いて視線を下ろす。
「こんな日は冷たい食べ物など楽しみたいところですね。丁度、そんなお店の並ぶ商店街があって、人々で賑わっているようですが……」
 そこへエインヘリアルの出現が予知されてしまったのだと、皆へ伝えた。
 現れるのはアスガルドで重罪を犯した犯罪者。コギトエルゴスム化の刑罰から解き放たれて送り込まれる、その新たな一人だろう。
「人々と街の危機……ならば対処しなければなりませんわね」
「是非、皆さんの力を貸してもらえればと思います」
 イマジネイターはそう告げると説明を続ける。
 現場は店の並ぶ道の一角。
 道は真っ直ぐに伸びていて広く……そこにやってくるエインヘリアルを、こちらは迎え討つ形となるだろう。
「一般の人々は警察により事前に避難させられますので、その点は心配は要りません」
「私達は戦いに集中すればいいのですわね」
 イマジネイターはええ、と頷く。
「周囲を壊さずに終えることも出来るでしょうから……無事勝利出来ましたら、皆さんも冷たい甘味など、楽しんでいってはいかがでしょうか?」
 種々のかき氷にフラッペと、存分に涼やかな味を楽しんでいけることだろう。
 紫は頷く。
「そのためにも、しっかりと敵を撃破したいところですわね」
「皆さんならば勝利をつかめるはずですから。健闘をお祈りしていますね」
 イマジネイターはそう言葉を結んだ。


参加者
ウォーレン・ホリィウッド(ホーリーロック・e00813)
彩咲・紫(ラベンダーの妖精術士・e13306)
鞘柄・奏過(曜変天目の光翼・e29532)
雪城・バニラ(氷絶華・e33425)
サイレン・ミラージュ(静かなる竜・e37421)
長田・鏡花(アームドメイデン・e56547)
ローゼス・シャンパーニュ(赤きモノマキア・e85434)
佐竹・レイ(ばきゅーん・e85969)

■リプレイ

●夏陽
「ふう、暑いわね──」
 蒼空から降りる光が、木々と町並みを夏色に輝かせる。
 そよぐ風も暖かで──空より降りた雪城・バニラ(氷絶華・e33425)は手で陽を遮りながらアンニュイに吐息していた。
「こうも暑いと気が滅入ってしまうわ」
「肉が焼けそうな暑さとは、まさにこの事ですね」
 ローゼス・シャンパーニュ(赤きモノマキア・e85434)も紅髪を揺らがせ空を仰ぐ。
 暑さ対策に、鎧を循環する水に熱を集めて水蒸気として排熱しているが──永続は出来ないものなので夏の暑さは十分に感じていた。
 サイレン・ミラージュ(静かなる竜・e37421)も頷きながら──見回して色とりどりの店々を眺める。
「こうも暑いと、アイスクリームとかかき氷とか食べたくなりますね」
「ええ。宇治金時餡多めトッピング白玉マシマシで……、っと」
 想像して呟きながらも、鞘柄・奏過(曜変天目の光翼・e29532)は声を止めていた。
 無論、それを楽しむ前に遣るべきことがあるから。
 オウガメタルを左腕から胴体に纏わせた、戦闘の態勢を既に取りながら──道の先へと視線を向けて。
「……先に乱入者を倒してしまわないとですね」
 言って見据える先。
 陽光に濃い影を落としながら──道を歩んでくる巨躯の罪人を見つけている。
「予感した敵が現実に現れたことは驚きですけれど」
 と、見据えて零すのは彩咲・紫(ラベンダーの妖精術士・e13306)。嫋やかに言いながらも、既にその足は前へと踏み出していて。
「まぁ、どんな相手であれ、全力で挑むのみですわ」
 言うと同時、花香る魔力を揺蕩わせていた。
「自然の中に眠る精霊たちよ、我が声に応じ、敵を貫きなさい!」
 刹那、地から飛び出すのは魔法の樹木。『魔導樹の蔦』──奔るその翠が巨躯へと刺突を打ち込んでいた。
 蹈鞴を踏みながら、罪人が此方へ目を向けると──正面に佇むローゼスが、日差しの照りを受けつつ槍を向けていた。
「灼熱の戦士か」
 巨躯の刃を見据えながら、一寸の怯みも見せずに。
「だが無防備の者しか焼けぬのではあるまいな? 否というならばその炎刃、この鎧に通して見せよ!」
「……はっ、挑発してくれるじゃねぇか」
 面白え、と。
 罪人は踏み出して刃を掲げる、が。
「好きにはさせないわよ。竜砲弾よ、敵の動きを止めなさい」
 バニラがそれを許さず、済んだ氷塊の槌から砲撃。雪片の舞い散る冷気と共に巨体の足元を穿っている。
 よろめく巨躯へ、高々と跳ぶのがサイレン。
「暑い夏を、更に熱くしてあげますよ!」
 日輪の赫きに焔を重ね、灼熱の弧を描くように蹴撃を叩き下ろしていた。
 数歩下がりながらも罪人は炎を撃ち出してくる、が。それを受け止めながら、ウォーレン・ホリィウッド(ホーリーロック・e00813)は斃れない。
「これくらい何ともないよ。火もまた涼しってね」
 前半は忘れたけど、と。
 柔い声音を聞かせながらも──淡色と翠のグラデーションを描く髪を靡かせて、くるりと回って鎖で光の軌跡を描く。
 その輝きが加護と癒やしを齎せば──。
「次、お願いできるかなー」
「了解しました」
 応える奏過も仕込み杖から雷壁を形成。護りを厚く、体力も保っていた。
 サイレンの翼猫、アンセムも爽風を送れば皆は万全。罪人が連撃を目論もうとも、その眼前へ奔る影がある。
 黒髪を揺らしながら風を縫う、長田・鏡花(アームドメイデン・e56547)。
「灼熱の刃。バーベキューの役には立ちそうですが──」
 敵の剣を仰ぎながらも──ひらり。
 斜め方向へと翻りながら先んじて一撃。機械兵装を変形させた銃身から雷撃を放って動きを阻害した。
「──氷を扱う店の前で振り回すのは頂けません」
「そうね。それに熱いばっかりじゃ嫌になるでしょ?」
 言って跳ぶのは佐竹・レイ(ばきゅーん・e85969)。そのまま巨躯へ飛び蹴りを与えながら──相手がよろけた隙に二丁拳銃を握っていた。
 くるりと銃を手元で回す所作は覚束なくて、ちょっと慌てるけれど──直後には狙いを真っ直ぐに向けて。
「だから……冷たいのをお見舞いしてあげるわ!」
 煌めく光を発射。弾ける氷気で腕元を凍てつかせる。
「ふっふーん、銃は剣よりもつよーし!」
「ちっ……!」
 罪人は間合いを取ろうとする、が。
 その横合いへ奔るのがローゼス。
 背面のラジエーターから熱と水蒸気を棚引かせながら──その白霧の中から『Nike velos』。飛翔するフレシェット弾で巨躯の体を穿ち貫いた。

●決着
 眩い陽射しの中、罪人はふらついて苦渋を浮かべる。
 それでも戦意を収めぬその姿を、鏡花は見つめて呟いた。
「まだ諦めませんか」
「……当然だろ」
 返った嗤いに、鏡花はそうですかと目を伏せる。
「あくまで人々の命を奪うつもり──ならば、ご自身が討たれる覚悟もあると判断します」
 さもなければ、と視線を向けて。
「命の使い道を誤ったこと、悔いて滅んで行くが良いのです」
「……俺は、死なねぇ」
 罪人はあくまで言うと、奔りながら剣を振り上げた。
「こんな眩しくて暑い、良い日によ──!」
「ならば、その眩さを、どうか目に焼き付けて行ってね──これを最後に」
 と、紡ぐのはウォーレン。
 何も奪わせはしないから、それがせめてもの手向けだよ、と。
 美しい雫──『酒涙雨』を注がせて。透明のヴェールに紛れるよう、敵の視線を惑わせながら肉迫していく。
 ザイフリートや他のアスガルド種族は仲間になった。故に、ウォーレンにとってエインヘリアルは話し合いが出来ないかと考えることもある種だ。
 この罪人にしても、処刑を肩代わりさせられているようで複雑な気持ちを抱く。
 それでも。
 ──今は剣を振るう時だから。
 躊躇わず一閃、痛烈な斬撃を見舞った。
 下がる巨躯の、背後へ跳躍した鏡花は──着地と同時に『重圧拳打』。ベルトと連動させて拳打形態にしたガジェットを拳に嵌め、強烈な打突を加える。
 吹き飛ぶ罪人へ、紫は艶めく蜂蜜を輝かせ。
「ラベンダーハニーよ、敵を貫き、汚染しなさい」
 鋭利にしたその流体で巨体を刺し貫いた。
 罪人は、振り払おうとして焔を撒く。が、直後には奏過が空へ魔力を昇らせて。
「こういう時は打ち水……ですよね」
 爽やかな雫を降らせて焔も痛みも濯い流す。
 その頃にはバニラがサイレンと視線を合わせて連撃態勢。まずはバニラが氷晶の舞う戦輪を宙へ浮かべ──。
「幻想的な氷の技を見せてあげるわ」
 それを蹴り出して。ダイアモンドダストで軌跡を描きながら零下の斬撃を叩き込んだ。
 血しぶきを上げる巨躯へ、サイレンもひらりと跳躍して。
「この飛び蹴りを、見切れますか?」
 戻っていたバニラの戦輪を飛び石にして加速。手元から靡かす植物でバランスを取りながら、回転して蹴撃を打つ。
 傾ぐ巨体へローゼスも疾駆。ラジエーターは熱暴走で軋みを上げるが──壊れる前に。否、壊れた所で首級を上げればいいと。
「止まりはしない」
 迷わず加速し一撃、稲妻の如き刺突を繰り出した。
 罪人は血を吐きながらも反撃の横薙ぎ。だが奏過は何処までも冷静に、仲間の状況を把握して──赤光のメスを顕現する。
 逆式「左右創傷の鬼」。
 撫ぜるように仲間をすり抜けたそれは、傷を消失させるように癒やしきった。
「後は任せます」
「ええ。さぁ、丸呑みにしてしまいますわよ」
 頷く紫は蜜を解き放ち、巨体の全身を捕らえていた。
 そこへウォーレンが斬撃を加えて瀕死へ追い込めば──高く跳ぶのがレイ。
「頭は冷えた? じゃぁ、そろそろアスガルドにおくり返してあげるわ!」
 見下ろしながら、デリンジャーを握ると。
 瞬間、それを振り被って力いっぱいに投擲する。
「スーパー神風デリンジャーアタック!」
 くるくると廻って飛来した銃は、巨躯の頭部へ直撃。それが致命の一撃となり、罪人は斃れて霧散していった。

●涼菓
 夏の道に賑わいが満ちる。
 番犬達の事後処理によって、街は早々に平和を取り戻していた。故に番犬達が解散してゆく中、ウォーレンも──。
「お疲れ様でしたー」
 皆へ言葉をかけてから散策を始めている。
「何がいいかなー」
 色味豊かな氷菓に視線を誘われてきょろきょろ。
 かき氷にアイスにと瞳を柔く煌めかせながら──。
「……チョコミントのフラッペ、ベリー乗せスペシャル」
 これがいいかも、と。目に入ったそれは綺麗な碧色とチョコ色、それにたっぷりのベリーが目を惹く一品だった。
 早速購入し、ひと掬い食べると……。
「……ん」
 仄かに瞳を細める。
 爽やかなミントと、甘いチョコが溶け合って。チョコチップとぷちぷち弾けるベリーの歯ごたえも楽しくて。
「ひんやりして美味しい」
 何よりこの暑さの中、冷たさが快く。
 ゆっくり歩みながら、その温度を楽しんでいった。

 陽光の眩さが増すと共に、人々の笑顔もまた明るくなってゆく。
 帰ってきた夏らしい景色を見回しながら、サイレンは一息ついていた。
「お疲れ様ですね」
 と、隣に視線をやれば──清楚に頷くのは紫。同じくこくりと応えて、眩しげに目を細めるのはバニラだ。
「やっぱり、暑いわね」
「先程よりも気温が上がったかもしれませんわね」
 紫は言いながら、それでも声は楽しげ。というのも視線を巡らせれば右にも左にも涼し気な店があるから。
「では、何か冷たいお菓子とか買いましょうか」
 サイレンが頷いて歩み出すと、二人も続いて。三人で進みながらカラフルな看板を次々に眺めていく。
「お二人は何にしますか?」
「私は……やっぱりバニラのアイスが欲しいわね」
 サイレンに応えたバニラが見つめるのは、アイスクリームの文字。
 好きなフレーバーを組み合わせられるタイプの店で──立ち寄ったバニラは一つ、二つ、三つ。バニラと特濃バニラ、チョコチップバニラをワッフルコーンに乗せてもらった。
 それを横目に、サイレンも紫と見合って……。
「私達はどうしましょう」
「私は苺のかき氷を頂きますわ」
 お持ち帰り出来る店を見つけ、紫はふわふわの氷に苺と苺ソース、練乳のたっぷりかかったものを購入。
 ならばとサイレンも隣のお店で桃のフラッペを買って──木陰の涼しいベンチで三人、並んで座って食べることにする。
 サイレンは早速、フラッペを大きめのストローで一口。桃の香りの広がる、柔らかなジェラートの爽やかさと……しゃりしゃりとした氷の粒の食感が快く。
 上に乗った桃の果実も美味だ。
「果実を加えたフラッペ、美味しいですね!」
「ん、こちらもとても」
 と、紫もかき氷を掬って口に運んでいる。
 白雪のようにさっと溶ける氷と、濃いめの果実ソースが相性良く。まろやかな練乳の甘みが疲れを癒やしてくれるようだ。
 バニラもはむ、はむ、とアイスを実食。
 プレーンなバニラ味で慣らしてから、濃厚さを増した二段目を楽しみ……チョコチップ入りもまた味が変わって飽きなくて。
「ふぅ、冷たくて美味しいわ」
「やっぱり暑い日には冷たいお菓子が一番ですわね」
 紫がにこりと花の笑みを見せると、サイレンも大きな瞳を和ませて。
 バニラも淡い表情の中に寛ぎを見せて──三者三様、冷たい美味を楽しんでいった。

 オウガメタルを銀色の饅頭型へと戻しながら……奏過も道を歩み出していた。
 目指す所は、穏やかな佇まいの和スイーツ店。その涼し気な店内に入ると、注文する。
 メニューは勿論、戦う前から食べたかった宇治金時。餡は多め、トッピングの白玉はマシマシで。
「では、頂くとしましょうか」
 器に盛られた綺麗な翠色がやってくると──さっそく掬ってあむり。
「……美味ですね」
 優しい苦味と、それを包んでくれる餡の甘みが良く合って。もちもち食感の白玉もアクセントにぴったりだ。
 それを堪能した後は……お酒も少々、ということで果実酒を一杯。フルーティな香りと、深みのある味わいで一息つく。
「平穏ですね」
 外を見れば、行き交う人々もまた涼の味を楽しんでいる。
 夏を存分に味わっている、そんな人達を見やりながら──奏過もまた杯を傾けて、暫し季節の時間を過ごしていった。

 冷風に、体が適正な温度に冷えていくのを感じながら……鏡花はかき氷店の席についているところだった。
「品数は、豊富ですね……」
 メニューを広げてみると、何とも彩り豊かで。
 少々迷いつつも、おすすめされていたマンゴー味を注文してみると──鮮やかな黄色が目を惹く一品がやってくる。
 それを口に運ぶと、ひんやりとした冷たさと、果汁のたっぷり含まれた氷がしゃりっと溶けて甘みを齎した。
 生の果実も蕩ける美味しさで、食は進む。
「……」
 そうして味わいつつ、何とはなしに店を眺めた。
 最近こうした食べ歩きの機会が増えている気がして。勿論、様々な食を経験できることは良いことだけれど──。
「鍛錬のメニューを考えなくては、なりませんね……」
 機体体重の増加を鑑みながら。ぼんやりとそんなことも考えているのだった。

 建物から流れる涼風に誘われながら──ローゼスはフラッペの店へ立ち寄っていた。
 熱い戦いの後なればと、素早く涼を取れるものを欲したため。メニューからメロン味を選んで購入すると──。
 ストローで一息に飲み干す。
「ううむ」
 清涼な甘み、丁度よい温度。滑らかな舌触り。
 その美味と冷たさに、ローゼスは思わず声を零していた。
「この喉越しは中々に溜まらない。流れた糖分と水分が染み入る……」
 言いつつも、さらにカラフルな氷菓を眺めては品定めして。苺とラズベリーがふんだんに乗った、紅色のかき氷を買った。
 そうして席について心地良い甘酸っぱさを楽しみつつ──木々を仰ぐ。
「そういえば今日も“木”が鳴いてますね」
 じーわ、じーわ、と。
 蝉の音と、それに慣れた人々を見て。これもまた風物詩なのだと改めて理解しつつ……また一口、涼を味わっていた。

 レイは商店街を端からぶらぶら。
「さて、いっぱい食べるわよー!」
 気合十分、食欲も充分に、言うとまずはソフトクリームを購入。はぐはぐ食べつつ、歩きながら店々を眺めていく。
 理想は全部を食べたいけれど、そこはお財布と相談して。
 ひとジャンル一品にしようと、フラッペの店で爽やかな梨風味を楽しむと──かき氷店で大人味な紅茶風味を試しつつ。
「んー、どっちも美味しかったわ……!」
 満足して歩みを再開すると、すぐ先にアイスクリームの店を見つけて、そこで涼し気なオレンジ味と香りまで美味しいチョコ味を買って、あむあむ。
 陽射しも気にならないくらい、冷たい美味で涼んだのだった。
 勿論、その間もきょろきょろと見回して。
「どこかにイケメンはいないかしら……」
 呟いては、見つけた人が女性連れだと気づいてがっかりしたり……その先でまた冷たい和菓子を発見したりして──夏のひと時を過ごしていくのだった。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年7月21日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
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