天球のレグルス

作者:崎田航輝

 空を仰げば星が美しく輝くのに、その光がいつもより遠くに感じられる。
 夜の中を歩む北十字・銀河(星空の守り人・e04702)は、その不思議な感覚に視線を下ろしていた。
「……」
 呼吸を整えるように、深く息を吸って吐く。
 ひとけのない夜の景色。いつの間にこんなところまで来ていたのだろうか、気分転換のための散歩に出たというのに心は晴れぬままだった。
「やっぱりあの夢は……」
 いや、と首を振る。ただ悪夢を見てうなされた、その不調が残っているだけだ。それは凶兆でも何かの予感でもない──そう言い聞かせるように。
 けれど銀河は歩み出そうとして、息を呑むように足を止める。
 風が吹いて、木々がさざめいて。その中の闇が形を取ったように、歩み出てくる一人の人影が居た。
「久しく見た、と言えるな」
 それは艶めく髪を揺らす、戦士の男。
 研ぎ澄まされた気配と威容が、デウスエクスであると告げている──だが、何よりその声音と顔に、銀河は立ち尽くす。
「お前は……」
 そんなはずはないと、声にならぬ乾いた呼気が零れた。
 自分は今も夢の中にいるのか。混濁する心でたじろぐ銀河に、その男──エインヘリアルはただ冷静に踏み寄って、漆黒の剣を振り上げた。

「集まって頂き、ありがとうございます」
 イマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)はケルベロス達へ説明を始めていた。
「北十字・銀河さんがデウスエクスに襲撃されることが判りました。予知された未来はまだ訪れてはいませんが、時間の余裕はないでしょう」
 銀河は既に現場にいる状態。
 こちらからの連絡は繋がらず、敵出現を防ぐ事もできないため、一対一で戦闘が始まるところまでは覆しようがないだろう。
「それでも今から現場へ向かって──戦いに加勢することは可能です」
 時間の遅れは多少出てしまうけれど、充分に銀河の命を救うことはできる。だから皆さんの力を貸してください、と言った。
 現場は自然の景色が広がる野原の一角。
 辺りは無人状態で、一般人の流入に関しては心配する必要はないだろう。
「皆さんはヘリオンで現場に到着後、すぐに戦闘へ入って下さい」
 夜間ではあるが、周辺は静寂。銀河を発見することは難しくないはずだ。
「敵はエインヘリアルです」
 如何な理由で銀河を狙ったか等、不明な点は多い。だが高い戦闘力を有しており、放置しておけば銀河の命が危険であることだけは確かだ。
 故にこそ、猶予は残されていないからと──イマジネイターは皆を見つめた。
「さあ、行きましょう」


参加者
相馬・竜人(エッシャーの多爾袞・e01889)
北十字・銀河(星空の守り人・e04702)
エアーデ・サザンクロス(自然と南十字の加護を受けし者・e06724)
翡翠・風音(森と水を謳う者・e15525)
月岡・ユア(皓月・e33389)
宮口・双牙(軍服を着た金狼・e35290)
ラルバ・ライフェン(太陽のカケラ・e36610)
花津月・雨依(壊々癒々・e66142)

■リプレイ

●邂逅
 煌めく星辰が美しく瞬いて天を彩っている。
 けれど吹く風は冷たく、感じられる気配は棘のように鋭くて。
 夜の何処かで、既に争いが始まっているのだと判るから──花津月・雨依(壊々癒々・e66142)は戦場へと直走っていた。
「もうすぐのはずです……必ず、助けましょう!」
「ええ」
 夜風を縫って駆ける翡翠・風音(森と水を謳う者・e15525)も肯く。苦境に遭っている、その仲間を思い浮かべながら。
「彼には以前に助けていただきました」
 だから今度はこちらが助ける番なのだと。
 声音に力を込めれば──遠くの夜陰に明滅する光が垣間見えていた。
「……耐えてくれよ、銀」
 心を吐露するように、呼びかけるように、ラルバ・ライフェン(太陽のカケラ・e36610)は言葉を紡ぐ。
「絶対助けるからな。そして──みんなで生きて帰るんだ」
 だからその未来を、この手で掴むために。
 頷く皆と共に真っ直ぐに、その場所へと向かっていった。

 北十字・銀河(星空の守り人・e04702)は二振りの星剣を本能的に引き抜いて、刃を弾き返していた。
 そして素早く飛び退いて、構え直す。
「……」
 浅い呼吸が零れる、微かに手が震える。
 眼前にいるのは確かに敵だった。だが、それが自身にとってただの敵じゃないのだとも心が理解し始めていた。
 エインヘリアル──レニオス・ダーク。
 その顔を見た途端、記憶が蘇る。
 嘗ての戦いの景色。血塗れの師を抱いている自分の姿。
 悲しみと苦しみと、混濁する光景。
「何故だ、なぜお前がここにいる!」
「無意味な問いだ。目の前の現象を見ていれば判ることなのだから」
 漆黒の星剣を握り直したレニオスは、地を蹴ると鋭い斬撃を奔らせた。銀河は血潮を散らしながら、それでも一刀で連撃を阻止し一刀で反撃を繰り出す。
 掠められながら、しかしレニオスは顔色一つ変えなかった。その強さに、銀河は彼が彼以外の何者でもないと理解する。
(「ここにいるのがヤツなら、俺は……」)
 それでも、数日前から形見のソードが淡く光っていたことを思い出した。
「そうか、そういう事だったんだな。お前は死んでなどいなかった。俺が持っている記憶こそが……偽物だった」
 敵を睨みながら、銀河は柄を痛いほどに握りしめる。
 けれど、だからこそ冷静さを保つ。そうしなければ勝つことなど出来ない相手だから。
「行き着く先は同じだ」
 だがレニオスは光の波動を放ち、銀河を抑え込む。
 銀河も剣で受け止めてはいたが、それでも暴風の如き衝撃を殺しきれない。
(「このままでは此方が不利、か……」)
 それでもこの相手に銀河が諦めるという選択肢はなかった。
 或いは、その思いが繋がったのだろうか。
 敵が連撃を狙う、その瞬間。
「──ちょっと! 私の相棒をいたぶるのはそのくらいにしてもらえないかしら?」
 声と共にきらりと宙が煌めいた。
 それは夜空の如き瞳で見据える、エアーデ・サザンクロス(自然と南十字の加護を受けし者・e06724)。夜色のスライムを鋭く流動させ、レニオスの手元を穿ってみせていた。
 銀河がはっと顔を上げると、次いで降りるのは靭やかな黒翼。
「お待たせ~♪」
 黒薔薇を夜風に薫らせて、優美に飛翔する月岡・ユア(皓月・e33389)。翻って月なりの蹴撃を叩き込んで敵を後退させている。
 一瞬後には、駆けつける仲間達の姿。
 エアーデは振り返って、視線を合わせた。
「何でも一人で決着つけようと思わないでよ、銀。今のあんたには頼れる仲間がいるって言うこと忘れないで」
「……ああ」
 銀河は微かに目を見開きながらも、見回して言葉を伝える。
「──来てくれて感謝する、ありがとう」
「ふふっ、お礼はあとあと。ひとまずここは任せな──ユエ、後ろは頼んだぞ」
 降り立ちながらユアが言えば、双子妹のビハインドも頷いて。口遊む旋律で風を喚んで、敵を更に遠ざけた。
 レニオスはそれでも踏み込んで来ようとする、が。
 夜天に虹が架かるよう、眩き七彩が描かれた。それは夜陰を跳躍して一息に零距離に迫っていた宮口・双牙(軍服を着た金狼・e35290)。
「悪いが、俺の相手もして貰おう」
 容赦なく叩き伏せるよう、軍靴で痛烈な蹴り落としを見舞ってみせると──眼前に着地して、くいくいと手招き。
 それに敵が誘われ、前線で攻防が始まると──雨依が銀河へ駆け寄っていく。
「もう大丈夫ですからね……!」
 そっと祈りを昇らせて、大自然の力を借りるように。そよぐ翠と柔らかな風から癒やしの光を降ろして銀河を癒やしていた。
「皆さんも、お願いします……!」
「勿論だ!」
 応えるラルバも『降癒・不死鳥翼』。御業の力と己のグラビティチェインを練り上げ、翼の如く揺蕩う再生の力を与えてゆく。
「あと少しだ」
「お任せを」
 風音も手を伸ばし、翠の葉から落ちる清らかな露の如きオーラを注いで──残る苦痛を取り祓った。
 その間もエアーデは前線。敵へ立ちはだかりながら不敵な笑みを見せている。
「アンタね? 銀の心の奥に巣くってたって言うのは」
「巣食う、か。それも戦いの一つに過ぎない、戦士としてのな」
 レニオスは言って刃を振り上げる、が。
 一切の怯みなく、その面前へ飛び込むのが相馬・竜人(エッシャーの多爾袞・e01889)。
「テメエが何だろうと知ったこっちゃねえけどもよ」
 顔を覆った髑髏の仮面の奥から、乱暴な声を聞かせながら。雷の如く爆ぜ暴れる光の強弓をワイルドスペースより呼び出して。
「知り合いがぶん殴りたいっつってんだ。ついでにそのツラ殴っといてやるから──今から覚悟しとけよ」
 刹那、火花を散らせながら弾ける一矢を撃ち放つ。『ワイルド・雷貫影矢』──稲妻の如き一撃が苛烈に突き抜けて、レニオスを直撃した。

●星闇
 レニオスは後退しながらも、斃れず体勢を直していた。飽くまで焦らず、此方の出方を窺うように。
 銀河が静かにその姿を見据えているから──ラルバは小さく口を開く。
「……銀、オレと似た経験してるって言ったよな。大切な人を亡くしてるって」
「ああ」
「その仇が、あいつなのか」
 言葉に、銀河は短く瞳を閉じてから頷いた。
「ヤツは……、師であり相棒でもあった人の──レイアの仇なんだ」
 口にすれば、その顔が、声が思い起こされる。
 だからこそ銀河は強い感情を抑えて。同時に折れぬ意志を心に携える。
「ここで倒れる訳にはいかねぇんだ、彼女との約束があるからな!」
 ──『生きて多くの人を助ける』。
 その約束を全うするために。
「今度こそ、俺の手で……」
「獅子を名に持つ者──因縁の相手、か」
 双牙も視線を前に遣る。
 危機では在るが、双牙にとっては羨ましくもあった。過去に決着をつける、その時が来たのだから。
「ならば力を貸そう」
「ああ」
 ラルバも拳をがつりと打ち合わせる。
「銀、オレのお師匠様の仇を倒す時にも、オレを命がけで護ってくれたよな。なら、今度はオレが銀を護る番だ」
「私も、手伝わせてください」
 風音も小さく、けれど強い心で声を継いだ。
 弟を──弟の姿をした死神とのあの戦いで、銀河は助けてくれたから。過去に大切な人を亡くした銀河の、力に自分もなりたいと思った。
 彼の為に。彼の以前の、そして今の相棒の為に。仲間の為に。
「必ず勝ちますから。……シャティレも、力を貸してね」
 隣を見れば、匣竜のシャティレも鳴き声を返すから。
 前へと歩み出る銀河に、ユアは瞳を向ける。
「さ、君の思うように戦って」
「援護は任せて? 存分にやってくるといいわ」
 エアーデも微笑むから──銀河は皆へありがとうと声をかけて。奔り出しながら皆へ言葉を向けた。
「ヤツは俺の知っている時より力が増している。連携していこう」
「うん、行くよ」
 頷くユアは風を掃いて翔び抜けて。レニオスへ迫りながら、月に煌めく刃を抜いて一閃、清冽な斬撃を繰り出してゆく。
 レニオスは受け止めようと刃を振り上げた、が──そこへ銀河が風纏う斬撃。防御を阻害しながらダメージを重ねた。
 血を零しながら、レニオスも双牙へ闇色の斬撃を刻む。だが双牙が斃れず耐え抜けば──ラルバが太陽の如く燦々と耀くオーラを凝集した。
 銀河が生きて多くの人を助けるならば、自分も誰も倒れさせない。銀河や皆の笑顔の為にと──その思いを具現させるよう、眩く双牙を癒やした。
「次、頼む!」
「はい……!」
 声を返す風音もまた、翠薫る花風を吹かせて治癒。
 竜人のテレビウム、マンデリンが癒やしの光を注いでゆけば──雨依も手元で淡い魔力を燦めかせて。
 きら、きら、きら。風に光を流すように、その輝きを広げていた。
 暖かく揺蕩う光は双牙に触れて溶けゆくように。優しい心地を与えて傷を癒やしきり、護りをも齎していく。
「これで大丈夫です……!」
「済まない」
 雨依へ視線と声を返した双牙は、反撃へ。旋風の如き蹴りを敵へ加えていった。
 風音がシャティレのタックルに交えて光の剣撃を見舞えば、呻くレニオスも攻撃を目論み剣を振り上げてくるが──。
「させるかよ」
 真正面に竜人が滑り込んでいる。
 敵が構わず刃を振り下ろそうとするも、竜人は両刃の斧で咬ませて受け止めて。
「涼しい顔したそのツラが気に食わねえと思ってたんだ」
 だからぶっ殺す、と。
 有無を言わさぬ理屈と乱雑な声を投げながら、刃を逸らしてそのまま斬打。強烈な威力で肩口を抉ってみせた。
 苦悶を見せながらも、レニオスは刃を突き出す。だが銀河は双剣で横に逸らしながら、星の光を纏う剣閃を喰らわせた。
「……っ」
「まだ、終わりじゃないわ」
 唸って間合いを取ろうとするレニオスの、その視線の先。銀河が飛び退き射線を開けたところへエアーデが立っている。
 意志の通じた動きに、避ける暇もなく。瞬間、エアーデが放った竜座の輝きにレニオスは腹部を貫かれた。

●星辰
 膝をつくレニオスは、掠れた声を響かせる。
 馬鹿な、と。自身の苦境を認められぬ面持ちで。
 その姿を、エアーデは見下ろした。
「闇と光、どちらが強いかご存知? 光は闇を蹴散らし明るくも暖かくもできるのよ。それに──銀はね、もうアンタと始めてあった時の銀じゃないの」
 故にこそ、銀河が負けるはずはないのだと。
 レニオスは歯を噛んで立ち上がる。
「……糧に過ぎない定命の存在が、傲慢な口を」
「俺達は貴様達の糧ではない。一つの大切な命だ」
 銀河が言ってみせれば、頷く竜人も拳を握り込んでいた。
「勝手にエサだのとのたまってくれた分も、含めてだ。約束通り、ぶん殴ってやるよ」
 瞬間、腕を振りかぶって。自己治癒を試みていたレニオスの、頬へ拳を叩き込んでゆく。
 加護が破られたレニオスへ、双牙も接近。その体を担ぎ上げながら──灼熱の獄炎を焼きつけていた。
 獅子の宿命に決着をつけるのは狼ではない、故に。
「──この程度で、折れてくれるなよ?」
 速度を加えて地へ叩きつける。『刀鍛冶の鎚』──灼けつく熱と衝撃に、レニオスは苦渋を零しながら倒れ込む。
 それでも足掻くよう、起き上がりざまに黒風を放つが──直後には雨依が陣形から光を立ち昇らせていた。
 銀河を、その戦いを支えられるように。同化する煌めきが魔を砕く力を宿しながら苦しみを拭い去ってゆく。
「負けません、から……!」
 雨依はそのまま攻勢に移り『混沌解除・センコウ』。混沌の水を活性させ脳のリミッターを外し、高じた瞬発力で疾風の蹴撃を与えた。
「今です……!」
「ええ」
 体勢を崩す敵へ、風音も迫りながら刃を具現する。
 『音無きものの交唱』──風、水、自然界に在る無機物の波動から成る斬撃は、体ばかりか精神までもを深々と裂いていた。
 その中に響くのは、ユアの美しき歌聲──『Violate』。鋭くも艷やかな旋律が、逃れ得ぬ衝撃となって命を削りゆく。
 再びよろめくレニオスへ、エアーデも流星の如き光線を放って動きを押し留めた。
 次が最期だと見れば、ユアは銀河へ視線を送り。
「──いってらっしゃい。後悔のないように決着をつけてきてね」
「さぁ、銀」
 エアーデも頷いて、銀河を見つめる。
「見届けさせてもらうから。師匠の……初恋の相手の仇、しっかり打ちなさい」
「……、ありがとう」
 言って踏み出す銀河が握るのは、形見の星剣Justitia。
 七色に耀くその一振りを、レニオスの胸へ真っ直ぐに突き刺すと──自身の拳に眩しく輝く光を集めて。
「さぁ、師の無念とこの星の命の強さを、力を、その身で味わうがいい!」
 放つ一撃は『原初光(ビッグ・バン)』。
 明るい光が弾け、爆発するようにレニオスを飲み込んで──その命を打ち砕いた。

 静寂の中に星が瞬いている。
 穏やかさの戻った空の下、銀河は暫く──呆然としたように佇んでいた。
 ゆっくりと、師の名前を呟いて。それから微かに俯いて、静かに涙を零している。
「……」
 見つめる双牙は敢えて言葉はかけず、そっとしておくに留めていた。
 仇を討って得られる物は多くは無いかもしれない。だが同時に、それを果たして見える物もあるだろうと思ったから。
 元より、銀河は生き延びた命の使い道を知っているだろう。だから心配なかろうと……今は雨依に怪我が残っていないかと歩み寄っていった。
 銀河は、悲しみも空虚も、心から消えさりはしなかったけれど──。
 双牙の思いも外れてはいないだろう。どれだけ経った頃か、涙を拭いとっている。
 見守っていたユアは──数節、葬送の祈りを込めて歌を捧ぐ。
 戦いに終止符を打つだけでは心は切ないと思ったから。
 ──去り逝く魂の導と成りますように。
 歌葬曲で戦場に弔いをして、戦いの終わりを告げた。
 それも終わる頃、銀河は皆の元へ歩む。
「皆……ありがとう」
「お疲れ様」
 エアーデが微笑んで迎え入れると、雨依もそっと声をかけた。
「……もう大丈夫ですか?」
「……ああ」
 応える銀河へ、エアーデは柔らかに告げる。
「これで前に進めるわね。前相棒さんの遺志、しっかりと胸に大切にね?」
 師の言葉はいつも心を温かくしてくれる。銀河にとってもそういう思い出になるといいと、そう思いながら。
 風音も言葉を継いだ。
「銀河さんの大切な方……その意志は今も生きていると思いますから。きっと、銀河さんと共にこれからも」
「──そうだな」
 銀河が小さく言うと、竜人は歩み出している。
「それじゃ、行くか」
「うん」
 ユアも歩み出しながら──銀河やエアーデへ笑いかけていた。
「銀さんの誕生日祝うんだよね?」
「ああ」
 ラルバも言って、朗らかな表情を作ってみせる。
「楽しんでる笑顔だって生きてる証、だろ?」
「お誕生日、お祝いして……皆でゆっくり、しましょう」
 雨依の言葉に、皆もそれぞれに頷いていた。
 銀河もそんな皆と共に、歩き出しながら──導かれるように空を仰ぐ。変わらぬ星が、いつまでもそこにあるように眩しく輝いていた。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年7月18日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 1/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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