華灯の宵に

作者:崎田航輝

 宵の帳が降りる頃、道に光が灯ってゆく。
 暖かな橙、眩い黄色、鮮やかな紅に優しい青。満開に咲くような花型の照明が──美しい標となるように夜を照らし始めていた。
 その中を、人々は浴衣の裾を揺らし、下駄を鳴らして歩んでゆく。並ぶ屋台には闊達な声が響き渡り、俄に賑やかな様相を作り出していた。
 仲夏を目前にした涼やかな夜、催されているのは光の祭り。
 華灯祭と銘打たれたそれは、道に何処までも花を象った灯りを置いて、ぼうと燿く世界を演出する。
 人々はその幻想的な光を眺め、屋台に寄っては食に遊戯にと楽しんでいた。
 ──と。
 明るく灯ったその夜の中。
 道から僅かに外れた草むらの中に、人知れず転がっているものがある。
 それは道に使われている照明にも似た、花の形のライト。
 数年前の祭りで使用されていたものだろうか、シェードは欠けていて、電源部分も壊れてしまっていた。
 おそらく過去、何らかの原因でこの場所に転がって、そのまま見つからず放置されたのだろう。今尚、誰の目にも留まることなく横たわるばかりだった──が。
 そこへかさりかさりと這い寄る影がある。
 コギトエルゴスムに機械の足が付いた、小型ダモクレス。暗がりの中のそのライトへ辿り着くと、内部に侵入して一体化していた。
 俄に動き出したそれは、手足を生やして植え込みから歩み出て。どの灯りよりも眩い光を放って──人々へと襲いかかってゆく。

「集まって頂きありがとうございます」
 イマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)はケルベロス達へそんな言葉をかけていた。
「本日は、ダモクレスの出現が予知されました」
 とある街では祭りが催され、人々が多く行き交っているのだという。
 そんな中、片隅に放置されていた旧い照明具があったようで──そこに小型ダモクレスが取り付いて変化してしまうのだという。
「このダモクレスは、人々を襲おうとすることでしょう」
 それを防ぐために現場に向かい、撃破をお願いします、と言った。
「戦場となる場所は道の傍の草むらとなります」
 敵が道へと向かおうとするところを、こちらは迎え討つ形となるだろう。
「人々については警察が事前に避難をさせてくれます。こちらが到着するころには皆が逃げ終わっていることでしょう」
 こちらは現場に着いたあと、戦闘に集中すればいいと言った。
「周囲の被害も抑えられるでしょうから──無事勝利出来た暁には、皆さんもお祭りを見ていっては如何でしょうか」
 花の形の照明に飾られた道が長く続いている。
 一つ一つ違う、その灯りを眺めながら散歩してもいいし……食べ物の屋台や、射的などの遊戯の屋台もあるのでそちらを楽しんでもいい。夏本番を前に、涼やかな夜を過ごせるだろう。
「そのためにも、是非撃破を成功させてきてくださいね」
 イマジネイターはそう言葉を結んだ。


参加者
緋色・結衣(運命に背きし虚無の牙・e12652)
アウレリア・ノーチェ(夜の指先・e12921)
カシス・フィオライト(龍の息吹・e21716)
妖山・椛(護るものは心の帰るところ・e25364)
伊礼・慧子(花無き臺・e41144)
アクア・スフィア(ヴァルキュリアのブラックウィザード・e49743)
リュシエンヌ・ウルヴェーラ(陽だまり・e61400)
肥後守・鬼灯(度徳量力・e66615)

■リプレイ

●灯道
 ぼうと灯る幽玄な光が、藍色の空間を照らしてゆく。
 花を象る色彩が夜に中に道を敷く──その美しい眺めに、空より降り立ったカシス・フィオライト(龍の息吹・e21716)は惹かれるように視線を巡らせていた。
「華灯祭か、とても幻想的で楽しそうな祭りだね」
 今は人影は見えねど、ここに笑顔が行き交うと想像すれば心も踊る。
 だからこそと、カシスは暗がりへと瞳を移し。
「是非とも楽しんでみたいから、人々を脅かすダモクレスはちゃんと倒しておこうね」
 見据える草むらの中、そこから這い出てくる一つの光があった。
「花の形のライトですか」
 アクア・スフィア(ヴァルキュリアのブラックウィザード・e49743)は道の前に降りながら、その姿を捉えている。
 それは祭りの灯りと同系の形で──旧くくすんだダモクレス。
「今まで誰にも見つからなかったらしいですけど、元の持ち主は数の確認もしてなかったんですかね」
 ふと、妖山・椛(護るものは心の帰るところ・e25364)は声を零した。古くなれば壊れるのは機械の運命だけれど。
「それならそれでちゃんと面倒見てあげなきゃダメですよ」
「そうですね。それで寂しくなって、仲間を求めてふらふら立ち寄ってしまったのでしょうか……」
 同じ型というものはきっと、特別なものなのだと思うから。伊礼・慧子(花無き臺・e41144)は呟いていた。
 椛は頷きながら、それでも戦いの構えを取る。
「だとしても、被害を出すなら看過出来ません。関係ない人に八つ当たりするのも勿論、持ち主に仕返しするのだとしてもです」
「ええ。ダモクレスとなったからには、倒してしまいましょう」
 言葉にアクアも槌を構えて。水龍の加護を力に変えながら──蒼色の砲撃。
「竜砲弾よ、敵の動きを止めなさい!」
 波のように弾けたそれがダモクレスを押し留めた。
 慧子も魔力に耀く弓で射撃。『瞬息の一矢』──夜闇へ線を描くよう、水気の棚引く細い矢を突き抜けさせて足元を凍結させる。
「今です……!」
「了解。この飛び蹴りを、見切れるかな?」
 応えるカシスも羽撃いて加速し一撃。夜風を裂く蹴撃を叩き込んでいった。
 軋みを上げながらも、ダモクレスは敵意を以て踏み込むが──。
「行かせないさ」
 静謐の声と共に、夜影に紅蓮が灯る。
 光より鮮烈に、熱く。緋色・結衣(運命に背きし虚無の牙・e12652)が魔剣に紅々と焔を纏わせていた。
 そのまま地を蹴ると一閃、闇を斬り開くように剣撃を煌めかせ、外殻の一端を灰にする。
 ダモクレスはよろめきながらも反撃の光を放った、けれど。
「──通しはしないわ」
 夜が形を取ったように、ふわりと漆黒の影が舞い降りる。
 柔らかな髪を靡かせて、盾となるアウレリア・ノーチェ(夜の指先・e12921)。自身の身を以て苦痛を受け止めた。
「すぐに治しますっ……! ムスターシュ!」
 直後にはリュシエンヌ・ウルヴェーラ(陽だまり・e61400)が翼猫を宙に踊らせ、癒やしの風で光を押し流す。
 リュシエンヌ自身も優美なピルエットを舞うように。廻りながら鎖で魔法円を描き、光の軌跡で前衛に残る傷も取り払っていた。
 アウレリアもまた夜色のオーラを身に纏うことで己を癒やして体力を保つと──。
「僕は皆さんの守りをしっかりと整えておきます」
 握る剣に魔力を込めるのは肥後守・鬼灯(度徳量力・e66615)。
 漆黒の刃を淡く明滅させ、天より星の加護を降ろして。無数の光粒で星座を成して、皆へ守りを齎していく。
 ダモクレスは再度の攻撃を狙っていたが、アウレリアの傍らからビハインドのアルベルトが飛翔。金縛りで阻害してみせた。
 その隙に椛が白妙の霊気で防護を広げれば──鬼灯も冥色の粒子を舞わせて、前線の攻めの態勢を万全とする。
「これで狙いやすくなったはずです」
「ええ」
 応える椛は、流体を繰りながら結衣へ視線を向けて。
「結衣さん、行きましょう」
「──ああ」
 結衣が奔り出せば自身も颯爽と続く。
 こうして戦場に出る仕事は久し振りであるが故に、心も張り切って──流動させたスライムで鋭くダモクレスを穿つ。
 そうして椛が飛び退けば、結衣も連撃。孤月の斬撃で機械の躰を抉り裂いた。

●夜光
 倒れ込みながら、ダモクレスは光だけは弱めない。
 まるで全てを照らそうとするその輝きを──結衣は見据えていた。
「こういった催しは無暗に輝かないからこそ映えるものだろうに。その風情を思い出す事もできなくなったか」
 それとも自分を忘れられまいと訴えるだけで手一杯か、と。
 言葉に、リュシエンヌは瞳を伏せる。
 こんなふうに捨て置かれ、命を植えられた機械とどれだけ対峙したろうかと。そしてこの頃一層増えている気がするのは。
(「それだけ世の中が荒れている証拠?」)
 灯りの姿が、その写し鏡のように見える気がした。
 それでも。
「生まれてしまったからには倒さなくちゃなの。人々のちいさな幸せを守るために……お祭りを何事もなく楽しんでもらう為にも」
「そうですね」
 アクアも言って敵へ踏み寄る。
 元の灯りは、きっと幻想的な光を放っていたことだろう。けれど倒すべき相手ならば。
「スライムよ、敵を貫きなさい!」
 水流の如き蒼色でダモクレスを貫いていく。
 舞い散る飛沫の中、大空へ翔けるのはカシス。
「そのライトよりも眩しい炎を、食らえ!」
 太陽の如く赫く炎を足へ纏いながら。剛速で風を滑り降りて灼熱の蹴りを打ち込んだ。
 ふらつく灯りが、あくまで前進しようとするなら──アウレリアが前に立つ。
「……最後の輝きを魅せたいのであれば此処で私達相手に存分に。祭りの場と人々の心に残る貴方の灯は──」
 幻想的に燿く、優しき光のままに在ればいいからと。
 ダモクレスは応えるように輝きを放つ。
 だがアウレリアはそれを受けながらも、指先で触れて『デプレダドル・デ・ラ・デード』。エネルギーを奪って踏みとどまる。
 その頃にはリュシエンヌも手のひらにオーラを灯らせていた。
 淡く、清らかな白色を抱くその光は──溶けるようにアウレリアに同化して苦しみを和らげていく。
「もう少しです……!」
「では僕に、任せてくださいね──」
 言って治癒の秘術を行使するのは鬼灯。
 風にように、泉のように。緑の彩の清浄なオーラを張り巡らせて──『騎士は浄い手にて穢れず』。
 触れることで活力を沸き起こさせて、体力を癒やしながら前線の力も引き上げた。
「あとはお願いしますね」
「ああ」
 頷く結衣は剣先から炎を立ち昇らせて龍と成す。
 あの敵は、目立ち過ぎたせいで二度と光を放つことが叶わなくなる。けれど。
「代りに今度は忘れないでいてやるよ」
 紡ぎながら、放つ業火は暴星<焔龍の狂宴>──機械の表皮も内部も、魂さえも貪るように灼け焦がしてゆく。
「椛」
「はい、行きます」
 視線を合わせた椛も、突進と共に大太刀へ纏わせた暴風を解放。『爪牙裂空閃』──竜巻に斬撃による真空の刃を重ねて斬り刻んだ。
 光が弱まり、消えていく。
 その灯りへ慧子は真っ直ぐ駆けていた。
「終わらせてもらいます」
 ダモクレスは未だ灯ろうとしていたけれど、慧子は譲らない。
 熱量を持つ光の残り香を、全て凍てつかせるように。冴えた刃で影色の斬撃を奔らせて、ダモクレスの命を散らせていった。

●華灯
 光の道に賑やかさが帰ってくる。
 番犬達は戦いの後、人々を呼び戻していた。景観に被害はなく、祭りも早々に再開の運びとなっている。
 アウレリアはそんな花の灯りの傍らに、主催者の許可をとって小さな部品を置いていた。敵だったあの照明が、唯一残した欠片だ。
「……長き迷子から、お帰りなさい」
 ──貴方の帰るべき場所へ。
 灯りとしてはもう壊れている。
 けれどそれは他の華灯から零れる光を受けて、ぼんやりと、優しく灯っているようにも見えた。
 それからアウレリアは、黒地に艷やかな花柄が美しい浴衣を召して。同じく浴衣姿と換装した夫と並んで進み始める。
 光が花開く夜は、昏くも眩くもなくて美しく。
 夜の闇に浮かぶ光で死者を送り、あるいは霊を招く風習は多いけれど。
「こうして光の中を歩いていると……確かに魂が引き寄せられる様な感じがするわね」
 幻想の如き景色は、彼岸と此岸の境のようで。
(「生と死の垣根も超えて、こうして貴方と二人──」)
 何処までも歩いていけたら、と。
 願いの中に揺蕩うよう、アウレリアは隣と寄り添って夜を歩いていく。

 淡い光の色が溶け合って、グラデーションに彩られる道。結衣はその中を椛と共に歩み出したところだった。
「そういや結衣さん、こういう賑やかなとこ嫌いじゃありませんでした?」
 連れてきてくれたのは嬉しいですけど、と。
 振り向いた椛に、結衣は思い返して応える。
「いつも留守番させてばかりだからな」
 一応、椛は屋敷の管理を任されている立場。故に制限はされてなくとも、平素から余り外出していないと結衣は知っていた。
 椛は身内では珍しく、目を離していても特に心配のいらない相手。けれどそのせいで放っておき過ぎでもあったから。
「今日は何をするにも付き合ってやるから、好きなだけ楽しむといい」
「本当ですか? お祭りの空気が好きなだけなので、ざっと回れれば十分ですけど……」
 椛は言いながら、それでも笑みには嬉しさが宿る。
 実はお祭り大好きっ子で、張り切っていたのもこの祭りがあるからでもあったのだ。だから早速歩を進めると。
「あ、綿あめありますよ」
 すぐに買って、あむり。
 ほわほわ食感を楽しみつつ、焼きとうもろこしがあれば結衣へ振り向いて。
「一緒にどうですか?」
「じゃあ、食べるか」
 応えに微笑んで購入。結衣に一つ渡して、自分のものをしゃくっと齧って味わっていた。
 結衣も食べつつついていくと……その後も椛はりんご飴に焼きそばと美味を買いつつ、射的も楽しんで。
 端まで歩んで来れば、来た道を見回す。
「灯りも一つ一つ違って、面白かったですね」
「ああ」
 応える結衣は、その表情にまだまだ元気を感じ取って。
「もう少し、回っていくか」
 踵を返すと、椛ははいと愉しげに頷いて──また共に歩み出していった。

 人通りが増えてくると、徐々に盛り上がりにも拍車がかかる。そんな人々を眺めながら、カシスはアクアと共に散策を始めていた。
「祭りらしくなってきたね」
 かろりと下駄を鳴らす人、和装を涼しげに靡かせる人。特有の眺めと熱気に、カシスの声音も仄かに愉しげだ。
 アクアも頷き周囲を見渡す。
 何より目に映るのは、美しい照明の数々で。瞳に似た紅や、髪に似た水色と、親近感のある彩を見つけるのも楽しかった。
「華灯祭、いい名前の祭りですね」
「うん。灯りはとても綺麗だし、凄く賑やかで素敵だね」
 この賑わいを、この景観を。護ることが出来て良かったと、カシスは胸に実感を抱きながら──良い香りに気づいて視線を留める。
 丁度、屋台が並ぶ一帯に来たのだ。
 アクアは手をぽんと合わせて柔らかく笑んだ。
「何か食べていきましょうよ」
「良いね。丁度お腹も空いていたし」
 ということで二人で屋台巡り。
 まずはベリー風味とブルーハワイのかき氷を一つずつ買って、戦いの熱を冷ます。それを食べ終えたら──。
「次は温かいもの食べようか?」
「良いですね」
 頷き合ってじゃがバターを購入。はふはふと、蕩けるバターと芋の風味を堪能した。
 その後もアクアがベビーカステラで甘味を楽しみ、カシスも甘酸っぱいあんず飴を買って食べ歩き。ゆっくりと祭りの美味を味わってゆく。
「賑やかな季節になりそうだね」
「ええ」
 時節は夏本番、祭りもこれから増えていくだろう。
 二人はその期待と共に、まずは目の前の祭りを存分に楽しんでいった。

「どれも、綺麗ですね……」
 本物の花が咲くかのように、灯りが道の左右を彩る。そんな仄明るい景色を、慧子は見つめながら歩いていた。
「この花は、なんでしょうか──」
 造形が興味を惹く灯りを見つけると、アプリを開いて調べてみつつ。
 星型の紅に咲くルコウソウに、ユニークな緑のフウセンカズラ。可憐なピンクの千日紅と──美しさと同時に灯りの再現度にも驚く。
「一つ一つ手作りなんですよね、きっと……」
 数え切れぬ程に並んでいるそれを、芸術品を眺める気持ちで慧子は見渡していた。
 そうして暫し歩むと、自分も光が欲しくなって──屋台で丁度花型のケミカルライトを見つける。
「色々種類があるんですね」
 並ぶそれに少々迷いつつも、幾つか買ってみて──。
「こうすれば、良いんでしょうか」
 説明の通りに灯してみると、ハイビスカスが手の先に咲いたようだった。
 ゆらりと揺らすと、刷いた光が夜に溶けるようで。ぼんやりしたその灯りを楽しみながら、慧子はまた道を進んでゆく。

 リュシエンヌはムスターシュと一緒に屋台へやって来ていた。
 灯る華灯は美しいけれど……大好きな旦那様へのお土産を探したかったから。
「フランクフルトはますとでしょ?」
 と、見つけたそれを早速買うと──さらに別の屋台にも目を向けてぱたぱたと移動。
「たこ焼きに、んん……イカ焼きもっ」
 右に左に見回しながら、愛する人が好みそうだと思えば迷わず戦利品としていく。
 一通り買い揃えると、自分にと艶めくりんご飴と可愛らしい人形焼を選んで購入。と、ふと見るとムスターシュがふよふよと隣の屋台に飛んでいて。
「ん? ムスターシュはアメリカンドッグにするの?」
 鳴き声が返るので、リュシエンヌは勿論それも買ってあげるのだった。
 気づけばお土産が両手いっぱいで。
「うりるさん、びっくりするわね♪」
 半分持ってくれるムスターシュに笑いかけると、すぐに帰路へ。
「さあ! お家に帰るわよ!」
 待ってくれているその人の元へと──急いで向かっていった。

 光が無数の色を輝かす道。
 鬼灯はその中を静かに歩み出していた。
「近くで見ると、一層綺麗ですね……」
 ふと華灯を見ると、どれも違った見目で。皆の目を引く華美な造形や、その逆のものまで。鬼灯は眺めながら、屋台へと寄ることにした。
 まず買うのはたこ焼き。
「頂きます──」
 受け取ると早速一口。濃厚なソースに香ばしい鰹節、まろやかなマヨネーズの風味と香りを楽しみながら味わう。
「お祭りの味は、美味しいですね」
 呟きつつ、次はりんご飴。塩気の後の甘味は格別で、それを食べつつ散歩して。次はヨーヨー釣りに挑戦した。
「……結構、難しいです」
 と、苦戦しつつも二つほどをものにして、その足で射的へ。
「どれにしましょうか──」
 的に迷いつつも、お菓子セットに狙いを定めて一発、二発。しっかりと撃ち当てて落とし、景品をゲットしたのだった。
 そうしてベンチで一息つくと、行き交う人を見ながら。
「賑やか、ですね」
 少しだけ自身の孤独を思って。立ち上がるとまた祭りを過ごそうと、歩き出していく。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年7月3日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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