水泳するなら裸が一番!

作者:ゆうきつかさ

●神奈川県某所
「俺は常々思うんだ。水泳するなら裸が一番である、と! だって、そうだろ。海に来たら、生まれたままの姿になる。それが常識なんだ! その証拠にヌーディストビーチだってあるじゃないか。それなのに、みんな水着を着やがって! 恥ずかしがり屋さんの集まりか! そんなの絶対に間違っている! だから、俺はこの場所で革命を起こす!」
 ビルシャナが信者達を海に集め、自らの教義を語っていた。
 信者達は老若男女関係なく、全員……全裸!
 いまにも追放されそうな勢いで、危険な雰囲気が漂っていた。

●セリカからの依頼
「若生・めぐみ(めぐみんカワイイ・e04506)さんが危惧していた通り、ビルシャナ大菩薩から飛び去った光の影響で、悟りを開きビルシャナになってしまう人間が出ているようです」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が、教室ほどの大きさがある部屋にケルベロス達を集め、今回の依頼を説明し始めた。
 ビルシャナが確認されたのは、神奈川県某所にある海。
 この場所にビルシャナが信者達を集め、手当たり次第に一般人達を襲って、水着を剥ぎ取っているようである。
「今回の目的は、悟りを開いてビルシャナ化した人間とその配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破する事です。ただし、ビルシャナ化した人間は、周囲の人間に自分の考えを布教して、信者を増やしています。ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、放っておくと一般人は信者になってしまうため、注意をしておきましょう。ここでビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が信者になる事を防ぐことができるかもしれません。ビルシャナの信者となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば、元に戻るので、救出は可能ですが、信者が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」
 セリカがケルベロス達に対して、今回の資料を配っていく。
 信者達は洗脳状態に陥っているため、裸であっても恥ずかしくないようだが、服を着せられることを極端に嫌っており、最悪の場合は意識を失ってしまうようである。
「また信者達を説得する事さえ出来れば、ビルシャナの戦力を大幅に削る事が出来るでしょう。とにかく、ビルシャナを倒せば問題が無いので、皆さんよろしくお願いします」
 そう言ってセリカがケルベロス達に対して、ビルシャナの退治を依頼するのであった。


参加者
アリア・ハーティレイヴ(武と術を学ぶ竜人・e01659)
ミスラ・レンブラント(シャヘルの申し子・e03773)
若生・めぐみ(めぐみんカワイイ・e04506)
クローディア・グラナート(ヴァルキュリアの巫術士・e39935)

■リプレイ

●神奈川県某所
「うわっ……、あれは目立つね」
 アリア・ハーティレイヴ(武と術を学ぶ竜人・e01659)は仲間達と共に、神奈川県某所にある海にやってきた。
 そこにはビルシャナ達がおり、老若男女関係なく、一糸纏わぬ姿で誇らしげに胸を張っていた。
 そのため、まわりからは異常な感じで見られているらしく、信者達以外の姿はなかった。
「そう言えば、ヌーディストビーチでは『全裸なのに、水着を着ている時と同じような振舞いをする』のが絶対のマナーらしいですけど、こいつらにそんなことは出来ないでしょうね。……いや、するつもりすらなさそうですが……」
 若生・めぐみ(めぐみんカワイイ・e04506)が事前に配られた資料に目を通し、呆れた様子で溜息を洩らした。
 ナノナノのらぶりんも、これにはゲンナリ。
 海ではビルシャナ達がキャッキャウフフと戯れ、とても楽しそうにしているが、らぶりんの心はどんよりであった。
「まあ、信者は……放っておいていいかな」
 そんな中、クローディア・グラナート(ヴァルキュリアの巫術士・e39935)が、ボソリと呟いた。
 おそらく、信者達はビルシャナによって、洗脳されているだけ。
 自らの意志で全裸になっている訳では無いため、手加減攻撃で意識を奪って大人しくさせておけばいいだろう。
「とにかく、ビルシャナ達の話を聞いてみましょうか」
 そう言ってミスラ・レンブラント(シャヘルの申し子・e03773)が、エッチなハイレグレオタード水着姿でエッチなハイレグレオタード水着で、ビルシャナ達に近づいていった。

●海
「おおっ! これは美男美女揃い……。だが、服が不要だ。これでは、せっかくの美が台無しだ。そんなモノは脱いで、生まれたままの姿になれ。そうすれば、色々なモノから解放されて、幸せな気持ちになる事が出来るぞ!」
 ビルシャナがケルベロス達の姿に気づき、無駄にイイ笑顔を浮かべた。
 まわりにいた信者達も、ケルベロス達を歓迎し、全裸のまま迫ってきた。
 みんな悪意はないようだが、だからと言ってスケベ心が無いと言ったら、嘘だった。
「まあ、裸でいるのが気持ちいいのは分からなくもないけど……。コンプレックスを持ってる人や見られたくない傷とかある人も無理やり脱がすわけ? それに盗撮とかされて変な事に使われたり変態呼ばわりされると思うよ? 全世界に報道されて、そういう風に認識されたりとかね」
 アリアがビルシャナ達を見つめ、呆れた様子で溜息を漏らした。
「だから、どうした! 何も恥じる事はない! 堂々としていれば、誰にも馬鹿にされる事はない。それでも、文句を言うような奴がいるなら、相手にするな! そいつらは俺に嫉妬しているだけだ!」
 ビルシャナがまったく臆する事無く、堂々とした態度で答えを返した。
 まわりにいた信者達も、自信満々ッ!
 みんな恥じらう事なく胸を張っていた。
「それでも、裸でいたら、警察とかのお世話になったりとか社会的にも影響あると思うけど……。それに、泳いでる時はいいだろうけど、泳ぎ終えてから帰るまで裸だった事を思い出して、恥ずかしがったりしない?」
 クローディアがビルシャナをガン無視して、まわりにいた信者達に問いかけた。
「そ、それは……その……」
 スキンヘッドの男性信者が、気まずい様子で視線を逸らした。
「……」
 他の信者達も答える事を躊躇っているのか、激しく目が泳いでいた。
「……と言うか、ただ単に、そこの鳥が裸を見たいだけでしょ」
 アリアがビルシャナをジロリと睨みつけ、キッパリと言い放った。
「そ、そんな訳がないだろ! 俺は別に……裸なんて……興味が無いし……。なんつーか、ほら……股間だって反応していないし! ほら、見ろ! 見ろ! 見ろ!」
 ビルシャナが逆ギレした様子で、粗末なモノを強調した。
 だが、醜い芋虫がぶら下がっているのではないかと錯覚する程、実に粗末……。
 見ている方が『た、確かに……』と言って、思わず同情してしまう程、粗末であった。
「分かったから、その粗末なモノをしまってくれる……?」
 クローディアが嫌悪感をあらわにしながら、ビルシャナを睨みつけた。
「あ、そうだな。……って、ちょっと待て! これは……その……ご、誤解だ! なんつーか、あれだ。ほら、生理現象……つーか、何と言うか……」
 その一言でビルシャナの股間が、反応ッ!
 先程まで粗末だったモノが、驚くほどの勢いで反り立った。
「……知ってますか? ヌーディストビーチは『全裸なのに水着を着ているときと同じようなふるまい』がマナーです……いやルールと言ってもいいでしょう。それに加えて、ヌーディストビーチでは体毛を処理するのがルールなのに、それをしない鳥についていくのですか?」
 そんな中、めぐみが信者達の前に立ち、ビルシャナの問題点を指摘した。
「確かに……言われてみれば……」
 信者達が納得した様子で、ビルシャナを一斉にガン見した。
「お、お前ら騙されるなっ! これは体毛ではなく、ほら……これは羽毛だ。だから体毛じゃない!」
 その視線に気づいたビルシャナが必死になって、言い訳をし始めた。
 だが、信者達の反応は、冷ややか。
 みんな『言い訳なんて聞きたくない』と言わんばかりに覚めていた。
「ところで、裸になるだけで満足なのですか? 本当に水泳をするだけで……」
 その間にミスラが水着を脱ぎ捨て、信者達の前に立った。
「……」
 それだけで信者達は、生唾ゴックン!
 先程まで静まり返っていたモノが、一斉に元気になった。
「……答えは決まっていたようですね」
 ミスラが何やら察した様子で、ナカが良く見えるように、指でくぱぁと開いて、ヒクつき部分を男性信者達に見せつけた。
 それに誘われるようにして、男性信者達がワラワラと群がり、ネットリと絡みつくようにしてミスラと絡み合った。
「私のナカに濃ゆいのいっぱい出して下さいね……あんっ、妊娠しちゃう……っ♪」
 その気持ちに応えるため、ミスラが穴と言う穴に男性信者のモノを迎え入れた。
「私達も……もう! 早くっ! ください!」
 一方、女性信者達はアリアに迫り、規格外のモノを舐め回した。
「だったら、相手をしてあげるよ。ただし、腰を抜かしても知らないからね」
 アリアが含みのある笑みを浮かべ、女性信者達の相手をした。
 女性信者達は甘えるように胸を擦りつけ、アリアのモノに舌を這わせた。
「どうやら、これを着せる必要はなさそうですね」
 それを目の当たりにしためぐみが、複雑な気持ちになりつつ、持参したデカTシャツを見た。
 これさえ着せれば、信者達は一網打尽……であったが、こうなった以上、その必要はなかった。
「それじゃ、俺はこの辺で……」
 そのドサクサに紛れて、ビルシャナが逃げ出そうとした。
「とりあえず、鳥の羽毛を処理しましょうか?」
 その事に気づいためぐみが脱毛テープを構え、ビルシャナに迫っていった。
「いや、そんな事をしなくていい。これは体毛じゃなくて、羽も……!」
 ビルシャナがハッとした表情を浮かべ、ジリジリと後ろに下がっていった。
 だが、どこにも逃げ道はない。
 唯一の逃亡手段は、海に飛び込み、土左衛門。
 それだけは、避けたい。
 何としても……!
 しかし、その気持ちに反して、ビルシャナの羽毛は、ガムテープと一緒に宙を舞った。

●ビルシャナ
「畜生っ! こうなったら、みんな纏めて裸にしてやる!」
 ビルシャナが逆ギレした様子で、超強力なビームを放ってきた。
 それは当たった相手の服を剥ぎ取る危険なビーム。
 だが、それだけ。
 どんなに頑張っても、それ以上の力はなかった。
「……と言うか、既に裸だから意味がないね。お返しに、これは……どう?」
 すぐさま、アリアが魔法弾・雷(マホウダン・イカヅチ)を発動させ、弾丸を魔法で形成し、リボルバー銃に込めて、ビルシャナに撃ち込んだ。
「ちょ、ちょっと待て! 話せば……ぐわあああ!」
 次の瞬間、ビルシャナが雷を纏った弾丸で貫かれ、全身が痺れて動けなくなった。
「汚いから、消毒しないと……」
 クローディアがドラゴニックミラージュを発動させ、掌からドラゴンの幻影を放って、ビルシャナの体を炎に包んだ。
「ぐぎゃああああああ! 俺は汚くなぁぁぁぁぁぁぁああい!」
 その途端、ビルシャナが悲鳴を響かせ、熱さから逃れるようにして、海の中に飛び込んだ。
「美味しくはないと思うけど……」
 クローディアがレゾナンスグリードを発動させ、ブラックスライムを捕食モードに変形させ、ビルシャナを丸呑みさせようとした。
「ま、待て! 俺は美味くない! 絶対に美味くない! だから止めろ! 止めてくれ!」
 ビルシャナがブラックスライムに半分ほど飲み込まれ、涙目になって這うように逃げ出した。
 それでも、ブラックスライムはビルシャナに迫り、少しずつドロドロと溶かし始めた。
「せっかくだから、捌いてあげるよ。あの世に出荷されやすいようにね」
 アリアがチェーンソー剣を握り締め、ビルシャナにズタズタラッシュを仕掛け、ザクザクと肉を斬り裂いた。
「なんだよ、出荷って! 断る! 絶対に嫌だ! 死にたくない!」
 ビルシャナが涙になりつつ、アリアから逃げ出した。
「……そろそろ逝きましょうか」
 めぐみが赤き一閃(ルージュフラッシュ)を放ち、超高速の手刀で回転攻撃を仕掛け、斬撃と共に摩擦熱を発生させ、ビルシャナの体を炎に包んだ。
 それは羽毛だけでなく、ビルシャナの肉体を消し炭と化すほどの破壊力。
「どうやら、あの世に逝ったようだね。それじゃ、さっきの続きをしようか」
 アリアがホッとした様子で、女性信者達と口づけをかわした。
「折角、海に来た事ですし、このまま泳ぐのも良いですね。それとも、海でしますか?」
 そう言ってミスラが含みのある笑みを浮かべ、男性信者達と再び抱き合うのであった。

作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年6月13日
難度:普通
参加:4人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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