バニーな衣装じゃなきゃイヤイヤする者たち

作者:塩田多弾砲

『接客! それに一番重要な事は何か!』
 そこは、とあるビルの屋上。
 正確には、古いデパートの屋上。中規模でさほど有名でもなく、入っている店舗も品揃えも、やや古臭くパッとしないものばかり。
 しかしそれでも、地元のお客たちにとってはかけがえのない地元の店であり、それなりにリピーターが存在し、利用されている。
 だがその建物自体も、老朽化は免れず、建て替えを迫られていた。実際あちこちが経年劣化で傷み、修復されるべき点は表層的なリフォームと清掃でごまかされている。
 しかしそれでいて、まだ取り壊すには頑丈で価値がある建造物でもあった。
 その屋上で、頭上に青空の下、十数人の人間を前に演説している存在があった。
『接客! それに必要なのは『バニー』! エロいウサギの姿で行う接客以外認めん!そうだな?』
『『『そうです!』』』
 けたたましく演説するは、キツツキの出来損ないのような、派手だが薄汚れた羽毛の鳥怪人。
 そして、その鳥怪人の演説を聞き入るは、男女取り交ぜた集団。
『そうだ! ウサギとは古来より『豊穣』……すなわち『子沢山』を司るもの! すなわちいっぱい生殖行為していっぱい子作りして反映する事と同意! 人間の基本的欲求、すなわち生殖欲求にどストライクなコスチューム也!』
『『『そうです!』』』
『すなわち! バニーの姿こそが人類にとって根源的に必要で必然で必須な服飾なのである! 故に全ての接客には、バニー姿である事こそが正しいのである! そうでなきゃ嫌だ! そうだな同志!』
『『『そうです!』』』
『ならばバニーを推奨……いや、強制してもおかしくはない! そうだな同志諸君!』
 と、破綻した論理を破綻していると気付かないまま、喚き散らすビルシャナは、
『よし行け! 世界をバニー一色に塗りつぶすのだ! バニー最高! バニー至高! バニー最強! バニーグレート! バニー以外は全否定!』
 バニーバニーとしつこく連呼しつつ、何かキメてそうな、そういった感じの眼差しで信者たちに命令を下していた。

「少し前の事っスが……、新生児を食らおうとしたオークの事件を覚えてるッスか? 事件自体は、ステイン・カツオ(砕拳・e04948)さんたちにより解決したッスが……その現場からさほど離れていない場所に、古い百貨店があるッス。で、そこに変なビルシャナが現れたッス」
 ダンテが言うそいつら曰く、『接客業はバニーじゃなきゃイヤ』。
 要は『バニーガール姿のみを良しとし、それ以外を否定する』という、興味ない人間からしたら『そんなのどうでもいいだろうが』と突っ込まざるを得ない主張内容。
「まあ、いつも通りにアレな主張ッスよね。で、こいつらはバニーじゃない接客業の方々を、こっから襲い掛かって、いろいろ迷惑かけると思われるッス」
 なので当然ながら、この連中を説得し、ビルシャナもなんとかせねばならない。
 現場は、古い百貨店の屋上。
 百貨店自体は営業中の時間帯……時間的に正午……ではあるが、周囲に客や従業員の姿は見られない。どうもこの百貨店、立ち入り禁止ではあるが、屋上には簡単に上がれるらしい。
 屋上の階下、八階フロアは大食堂だが、現在は潰れて閉鎖。そして、警備員の数も少なく、屋上の方まではほとんど見回ってこない。
 ついでに言うと、一階から七階まで、店舗の半分近くは閉鎖、営業中の半分も従業員が少なく、客もほとんど無しの閑古鳥。
 ケルベロスの皆がエレベーターやエスカレーター、階段などで上がって行っても、人がすれ違う事はないだろう、との事。
「なので、人払いは大丈夫かと思われるッス。で、ビルシャナっスが……このビルシャナは、閃光と経文と浄罪の鐘を使うッス。それ以上に、まずは信者らを説得しなきゃあならないッスが……」
 信者らは、十数名ほど。男女比は若干女性が上で、年齢層は10代後半から30代前半程度。彼ら彼女らもまたバニーのコスチュームを好んでおり、それ以外での接客は許さない……、
「……っつーか、『ヤダヤダ!』と、ダダこねてるッス。信者連中も元からバニーのコスを好んでるっぽいスね」
 さらに言うと、バニーガールのみならず、バニー『ボーイ』も好んでいる様子。
 さらに更に付け加えると、男女ともバニー『ボーイ』と『ガール』とを、分け隔てなく好んでいる、らしい。
「……まあ、人の好みはそれぞれッスから、別に良いッスけどね。とはいえ、高校生くらいの男性信者が、バニーボーイ萌え~とか言ってるのを予見したら、ちょっと言葉を失ったッス」
 この信者たちを説得するには、どうするべきか。
 こちらもバニーの魅力を語りまくり、そこから誘導していくか。
 あるいは強引にバニー以外のコスの魅力をアピールするべきか、
 はたまた、正論をもって、もしくはこじつけを用いて、『バニーは接客に相応しくない』と説明するべきか。
「そのあたりは、百戦錬磨の皆さんにおまかせしますッス。つーか連中の根拠は、単に『自分が気に入らないからヤダ』でしかないッスからね」
 しかし、根拠が希薄でも、放置したことで生じるだろうトラブルは、想像に難くない。
「とにかく、困った連中って事は間違いないっスから、皆さんのお力でどうか解決してくださいッス。こんな連中を放置してたら、バニーの衣装着てる人たちにも迷惑ッスからね」
 よろしくッスというダンテに大いに同意しつつ、どう説得したものか、君たちは考え始めた。


参加者
日柳・蒼眞(うにうにマスター・e00793)
コクマ・シヴァルス(ドヴェルグの賢者・e04813)
ステイン・カツオ(砕拳・e04948)
シフカ・ヴェルランド(血濡れの白鳥・e11532)
弓月・永凛(サキュバスのウィッチドクター・e26019)
安尻・咲笑(跳惑ガーネット・e30371)
ティア・エルナローグ(サキュバスの螺旋忍者・e62481)
カフェ・アンナ(突風はそよ風に乗って・e76270)

■リプレイ

●アンホーリーグレイルでボーパルなラビット(バニーでなく)
『接客! それに必要なのは『バニー』!』
 ビルシャナが喚き散らす。それを見ていたコクマ・シヴァルス(ドヴェルグの賢者・e04813)は、
『おい貴様!』
 信者の一人に、声をかけられていた。
「な、何か……」
 コクマは現在、バニーボーイ姿。
(「まさか、潜入がバレた?」)
「……少年。お前、かわいいな。今度一緒にバニー巡りとかどうだ?」
 と、頑強な男性からそんな言葉が。
 自分は何をやってるんだと、何か見失いそうになりつつあったコクマは、
「おいお前ら!」
 仲間に対し、感謝を禁じ得なかった。

『むっ、何奴!』
「見ての通り、お前らの好きなバニーだよ!」
 日柳・蒼眞(うにうにマスター・e00793)が着ているのは、確かに『バニー』。
 ただし、バニースーツではなく、『ふわもこ』というオノマトペが付きそうな、バニーの着ぐるみ姿。
 しかし……、
 蒼眞は、息が荒くなっていくのを感じていた。汗も吹き出し、思考が働かない。……何かが、おかしい。
「……ねえ、蒼眞さん」
 後ろに居る、シフカ・ヴェルランド(血濡れの白鳥・e11532)と、
「ちょっと、まずいわよぉ?」
 ティア・エルナローグ(サキュバスの螺旋忍者・e62481)も、心配そうに見守る。
「……そ、そう、だな……バニーの信者ら、ちょっと待ってろ」
 と、蒼眞は、
「……っはー!! この着ぐるみ暑すぎる!」
 着ぐるみを半分脱いで、息を整えた。
『『『……なんだ、こいつら』』』
 と、ビルシャナおよび信者らは、彼らに(呆れつつ)注目。
「……さてと、『バニーは豊穣を司る?』 違うな……バニーは……」
 一息置いて、
「……地下迷宮に生息する、一撃で首を刎ねる『恐怖』の象徴だ!」
 刀を抜き、近くの女性信者の首に突き付けた。
 しかし彼女は、『はあーっ』とワザとらしく溜息し、
『……君。某ゲームのモンスターは、某不思議の国から引用した某映画キャラを元ネタにしたもんで、実際の神話とは無関係なのよ? ワタシはアップル時代からプレイしてるわ』
 そう、ウンチクを垂れた。
「え?」
 予想外の反応に、
「だ、だったら! バニー最高と言っても、ただしイケメンに……」
『限る』と言おうとした蒼眞は、
『あら、知らないの? 不細工でもバニースーツ着たら美男美女になるんだって』
『眼鏡取ったら美人になるとか、そんな感じだな!』
『つまり、バニーは全ての人間を美しくするって事ね常考』
『ちな、拙者着ぐるみバニーのフワモコも好きでござるデュフフ』
 などと、信者たちに遮られる。
「……えーと」
「蒼眞。気持ちは分かり過ぎる。とりあえず……休め」
 脇に寄ったコクマが、ぽんぽんっと肩を叩き慰めた。

●地下には、和風喫茶「辛兎庵」(甘くはなく)
「なら、私の出番、だな」
 代わりにシフカが進み出る。
「貴方たちは……接客に必要なのは何なのか、わかってないですね。接客に必要なのは……バニーでなく、メイドです。メイド服です!」
 以前に同じ主張を行った事を思い出しつつ、ビシ!と擬音が響きそうなほどに、指差し言い放つ。
「確かにメイドさんも……しっとりとした落ち着きと癒しを感じるのだ」
 コクマが彼女に同意し、バニーがメイドに陥落する様を見せつける。
「ええ。老若男女、誰が着ても似合うあのデザイン、最高じゃないですか……」
 と、そこまで語ったシフカに、
『そうよねー、メイド服わたしも好きよー』
『ワタシも着てるわよ。恋人が着てってねだってるし』
『というか、最近はフリル無くてもかわいいのあるわよー』
『拙者、メイド服を嗜む紳士ゆえデュフフ』
 と、食い付いてくる。
「そ、そうでしょう! ゆえにメイド服の方が……」
 と、続けようとしたシフカだったが、
『ならば、バニーとメイド服のいいとこどりをしましょう!』
『ワタシ思うに、メイド服とバニーを合体させたら、完璧な接客できると思うの』
『メイドも認める、 バニーも認める。両方嗜む度量こそが肝要でござるよデュフフ』
『まさかどちらか片方だけ認めないのはないわよねー?』
「……えーと」
 いつの間にか、『なんでそうなった』的に言いくるめられ、シフカは言葉が続かなかった。
「……気持ちはわかり過ぎる」
「……とりあえず、シフカも休め」
 蒼眞とコクマにそう言われ、彼女も下がるのであった。
『んん~、随分骨のない連中じゃのぉ?』
 と、イラっとする顔と声でそんな事を言うビルシャナ。
 ならば今度はと、ティアが進み出そうになったが、
「……これまたド直球なビルシャナでございますね」
 と、ステイン・カツオ(砕拳・e04948)が、階下から階段を上り、やってきた。
 小柄な体躯に、低い背を、バニーガールの衣装で固め、頭にはウサミミのカチューシャ。
『おおーっ! グッドバニー!』と、その場にいた者たち全員がどよめいた。
「……なにがグッドバニーだ、なぁにが子沢山だボケェ!!てめぇらのもんなんざ豚にも食わせとけアホぉ!!触ろうとすんなハゲぇ!!」
 どよめき、近づいた信者らを、一喝するステイン。
「……どれほど理想的な恰好であっても、態度と心意気が伴わなければ接客などは務まりません。不埒なお客様を実力行使で黙らせるのもまた接客なのでございます。お客様がスタッフの衣装に文句をつけるのは、無意味でございます」
 と、一旦落ち着きを見せた感でまくしたて、
「……とはいえやりすぎれば接客業として論外なのでございますわかってんのか鳥野郎てめぇこの野郎!!」
 再び怒号とともに、己が怒りをビルシャナに叩き付けた。
 叩き付けられたビルシャナは、
『…………す』
「す?」
『……素晴らしい! そうとも! 接客に必要なのは、態度と心意気! つまりは、『バニーを認めぬ不埒なお客はブン殴って黙らせて当然』! それこそが接客! お客が神? 否! バニーこそが神なのだ!』
「な……なんでそうなる……え?」
 ステインは、まくしたてるビルシャナが、信者ともども……全員が自分へ土下座するのを見た。
『バニーご自身がそう言ってくださった! つまりは、我らが教義の正しさ、証明されたも同然! さあ皆、世に出てバニーの素晴らしさを知らしめようぞ!』
 もはや、接客どころではない。というか、当初の論理から離れ破綻してしまっている。
 そのまま、屋上の各所から階下に向かう信者たち。
「な、ちょっと待て!」
 こうなったら実力行使と、拳を握ったステインは、
「あらあら、それじゃあ……『接客』の実演、してみましょうか」
 色香の漂いを感じられる声を、背中に聞いた。

●二階には、喫茶「バニーハウス」(ラビットではなく)
「弓月・永凛(サキュバスのウィッチドクター・e26019)さん、遅いじゃないですかぁー!」
 ティアの言葉を受けつつ、
「ごめんなさいね、この逆バニー衣装、中々見つからなくて……ほら、麗奈ちゃんもご挨拶」
 永凛は着ていたコートを脱ぎ捨てた。そして、連れて来た麗奈のコートも脱がすと、耳に、ふうっと息を吹きかける。
 その下には……いわゆる『逆バニー』の姿。
「ふあっ! で、でもお姉様……この格好……」
 びくっとした麗奈は、胸と股間を隠し羞恥の表情を。
 そう、彼女らが着ているは『逆バニー』。胸から股間を覆う通常のバニースーツと異なり、腕や肩、脚のみを覆い、胸から股間は露出しているというもの。ウサミミは当然ながら付けている。
 しかも普通なら、胸の先端と股間は、ニプレス、およびCストリングや前張りなどで隠すものだが、彼女らはそれらを付けていない。つまり……大事な場所が丸見え。
「……ちょっと、恥ずかしい、かも……」
 安尻・咲笑(跳惑ガーネット・e30371)も、同様の姿で、羞恥を感じていた。
「……んっ……くっ……」
 彼女に続き出て来たカフェ・アンナ(突風はそよ風に乗って・e76270)は、トレンチコートを着ていた。
『ななな……なんじゃあそりゃあああああっ!』
 ビルシャナ、および信者らの頭には、『逆バニー』の存在が無かったのか。
 今までの『そんなの知ってるぜフフ~ン』的な態度が崩れ、狼狽えを見せている。
『こ、これは、また……』
『……いい、良いわこれ……』
『裸より、エロさがマシマシでござるデュフフ』
 あからさまに、信者たちはそちらへ心が傾きつつある様子。
「良い? これは逆バニー、『逆』なんですから……あなた方の主張の真反対です! まさか、逆バニーもバニーだなんて、訳の分からない事は言いませんよね?」
 咲笑が体臭を匂わせつつ、誘う様に逆バニー姿を見せつける。
『ぎくっ! ……そ、そんな事はないでござるデュフフ』
「デュフフ、じゃあありません! ほら、こちらが良いなら、ビルシャナではなく、私の方が正しいですよね……?」
『ぐ、ぐぬぬ』
 ぎりぎりで踏みとどまる信者らの目前では、
「ほーら、麗奈ちゃん。私が皆に接客を教えるから、お客様役、お願いね……?」
 永凛が、麗奈と絡んでいた。
「で、でも……皆さん、見てますよ? 見てますね……あひっ!」
「お客様……ここ、濡れてますよ? お拭きしますね?」
 椅子に座った裸の少女の股間を、タオルで拭く永凛。しかし……後から濡れていくため、きりが無い。
「あっあっ、ああああっ!」
「あらあら、おもらししちゃって。しょうがないわね……あらみなさん? この姿での接客、気になって説明が頭に入ってこないようですね? ……『接客』としては、本末転倒じゃなくて?」
『『『……はい♪』』』
 と、女性信者らの半数は、あっけなく陥落。
『ぐっ……し、しかし、バニーこそが我らが正義であり真理……』
『せ、拙者、そう簡単に篭絡されないデュフフ』
 それを見る、前かがみの男性信者ら。が、彼らの前で、
「でも、こういう格好だって良いものよぉ?」
 ティアは、自分の服を脱ぎだした。
 見られながら彼女は、百貨店の店から借りて来た衣装を身にまとう。
「ほら、チャイナ服♪ これって中国の馬賊の女性がもともとは着てたんだって。それから……軍服! これはコスプレショップからで……世界一ィィィィ! ……って感じ? それから……」
 誘惑たっぷりで、まるでストリップショーのごとく扇情的に脱いだティアは、
「にゃあん……甘えたくなっちゃうにゃあ」
 網タイツのネコミミ姿に。両手には肉球付きのネコ手袋まで。
 その姿で、デュフっていた男の胸にすりすりしたティアは、
『拙者……バニー以外にも目覚めたでござるデュフフッ!』
 押し倒され、その服を脱がされていた。
「ああんっ! 強引だにゃあっ……ふにゃっ!」
『ズルいぞ! 俺も!』
『こ、こっちにも!』
 と、前かがみの男どもがティアに群がっていく。
 それを見ていた女性信者には。
「な、なによ! ……そんな格好で、バニー捨てるなんてっ……って、ええ?」
 コートを脱ぎ捨てたカフェにより、押し倒されていた。彼女の下半身の前後の穴には、男のアレを模した道具を差し込んでいる。
「に、人間の生殖欲求にどストライクなコスチュームが、バニーのはずありませんっ! もっと、直接的な格好の方が……う、ウサギより、人間の方がスゴイこと、教えてあげますよっ……!」
 そのまま服を引きちぎり、無理やり手を付けていく。
『ちょっと……いやああっ!』
 叫ぶ女性へと、前から差し込み、尻からも差しいれ、繋がって激しく腰を振り乱れるカフェ。
 カフェにつづけとばかりに、咲笑も四つん這いでお尻を突き出し、寮に広げ、
「……お願い」
 と、嗜虐心をそそる視線を女性信者らに投げかける。
『こ、このぉっ! 逆バニーもバニーよ!』
 と、襲い掛かる女性信者ら。
 そして、彼女らからあぶれた女性信者数名は、
「バニーも、メイドも、接客のかたちは多くある。基本はニーズに応える事だ! 困っているのか、癒しを求めるのか……人の悩みは千差万別、だからこそ……それぞれに対応した在り方が必要なのだ!」
「おう、そうだそうだ! だいたいバニー姿が似合わない奴だって、一人や二人はいるんじゃないか? それを認めない悪い子ちゃんは、おしおきだ!」
 コクマと蒼眞によりお仕置きされていた。
「……おおっと、逃げるんじゃあねえでございますですよこの野郎」
 その場からこっそり逃げようとしていたビルシャナには、ステインとシフカが。
「……で? 何か言う事は?」
 シフカの問いに、
『……メイド服も良いと認めはしよう。あと、そちらのバニー』
 と、ステインに向かい、口を開く。
『……貴殿はとっても、ち』「ぶち抜けろあほんだらぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 最後まで言わせぬと、パイルバンカーを、ドス黒い悪意の右ストレートで、撃ち抜いた。
「あんたもか!?あんたも『ちんちくりん』っていうのか!? ていうか言おうとしたなおい!」
 叫ぶステインに対し、ブチ抜かれ倒れたビルシャナは、
『……ちいさくて、実に魅力的なバニーだと、言おうとしたのにっっっ……』
 末期の言葉を残しつつ、三途の川へとクルージングしてくのだった。

●ご注文はバニーですよね?(ラビットでもうさぎでもなく)
 こうしてビルシャナ退治完了後。
 ケルベロスたちは、たぎった生殖欲求を解消させていた。
「ひぎぃ! ら、らめえっ! ……あっ、で、でちゃう……でちゃうぅぅぅっ!」
 咲笑はいぢめられつつ、びくびくしつつ、文字通り犬のように……排泄をさせられる。
「はぁはぁ……ほら、どうしたんですか……お尻の穴、ひくひくしてますよ?」
 そしてカフェもまた、信者らの中で最も若い少女を、四つん這いにさせ……お尻の中心へ浣腸していた。
「にゃああん! イケないネコさんに、ミルクちょうだいっ!」
 ティアは、男性信者らのモノを何本も握り、身体全体で愛撫。逞しいそれで激しく貫かれていた。
 複数の女性たちと交わっているのは、蒼眞とコクマ。
「ほらほらどうした、上の口は兎も角、下の口は随分と素直じゃないか……くううっ!」
「はあ、はあ……さあ、兎のように快楽に飛ぶか? ……ああああっ!」
 前から、後ろから、腰を突き入れ動かす二人は。何人も果てさせ、自分も果てていた。
 永凛は、
「ふふっ、ほら麗奈ちゃん。青空の下、みんなに見られてるわよ?」
「いやっ、恥ずかしい……ああんっ!」
「かわいい喘ぎ声、もっと……聞かせて?」
 言葉と手と指で麗奈を責めつつ、その様子を周囲に見せつけていた。

 乱れた屋上から、いち早く離脱した二人。
「戦闘(=メイド語り)準備完了……では行きましょうか」
 その片方、シフカは。メイド服に目覚めた元信者らを引き連れ、別の場所でメイド語りせんと現場を後に。
 もう一人、ステインは、
「……この肉野菜炒めと酢豚、それに五目あんかけ焼きそば下さい」
 なんとなくやけ食いしたくなり、地下食料品売り場で総菜を購入するのだった。

作者:塩田多弾砲 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年6月18日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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