大人の日

作者:芦原クロ

『黄金週間は終わり、今月はもう祝日が無い。しかも絶望的なことに、来月も祝日が無いのだ。泣けてくるだろう?』
 カレンダーを掴んで見せ、一般人たちに問いかけているのは異形の者、ビルシャナ。
 彼の主張に納得している者は信者となり、全く納得出来ない人は逃げ去っている為、信者以外に一般人の姿は無い。
 歩道の隅ではあるが一歩踏み出れば、昼時の、混雑した飲食店が立ち並ぶ場所。
『納得がゆかないのは、こどもの日、というものが有ることだ。こどもの日が祝日になるとは、どういうことだ? なぜ、大人の日が無いんだ? 我々、大人たちは休まず仕事に専念しろと言っているようなものではないか?』
 嘆息する、ビルシャナ。
『そこで俺は考えた。こどもの日、が有るのなら、大人の日、も有るべき……いや、作るべきなんだと。少々過激になるが、これから飲食店を一軒一軒潰して、強制的に休みにしてしまえば、我々の手で休日を作ることが出来る! さあ、行こうではないか!』
 無茶苦茶過ぎる教義に、反論する者は居なかった。
 10名の信者たちは今にも暴れ出しそうな雰囲気で、破壊活動を早くしよう、と。ビルシャナの教義に大賛成の様子だった。

「こどもの日があるなら、おとなの日も作るべき! な鳥さんです!」
 片手を大きくあげ、元気良く説明する、仁江・かりん(リトルネクロマンサー・e44079)。
 上手く説明出来たことを褒めたたえるかのように、霧山・シロウ(ウェアライダーのヘリオライダー・en0315)が獣の手で拍手をした。
「と、いう事で。仁江・かりんさんの推理のお陰で、予知が出来た。悟りを開いたビルシャナが、信者を率いて、複数の飲食店を破壊する事件を、起こそうとしている。それを阻止し、一般人の救出とビルシャナの討伐を頼みたい」
 ケルベロスたちに頭を一度下げてから、説明を始める。

 ビルシャナが配下を増やそうと、信者10名と共に動きだした所を、迎撃する形となる手はずだ。
 ビルシャナの言葉には強い説得力がある為、放っておけば一般人は配下になる。
 信者たちも、ビルシャナの言葉によって破壊衝動を色濃くされ、捕えられたに過ぎない。
 倒すと死んでしまうほど、配下は絶望的に弱い為、攻撃しにくい面倒な敵になる。
 配下はビルシャナを倒せば元に戻るが、死なせる危険性が有る以上は……。
 ビルシャナの主張を覆すような、インパクトのある主張を行ない、信者を正気に戻して配下化を阻止するのが一番良い方法かもしれない。

「大人の日か。仮に有ったとしたら、各々どんな過ごし方をするんだろうな。俺は焼き肉店で肉を食いまくって、酒を飲むぐらいだ。ああ、美味い焼き肉店の予約をしておいた。討伐後に、行ってみたらどうだろうか」
 討伐後の休息に、ということらしい。
「あんたさん達だけが頼りだ。討伐の成功を願っているぜ」
 放っておけば被害は拡大し、一般人の死傷者も出かねないだろう。
 強い信頼の言葉で、そう締めくくった。


参加者
ヴィ・セルリアンブルー(青嵐の甲冑騎士・e02187)
イリス・フルーリア(銀天の剣・e09423)
ヴァルカン・ソル(緋陽の防人・e22558)
オリヴン・ベリル(双葉のカンラン石・e27322)
一之瀬・白(龍醒掌・e31651)
中条・竜矢(蒼き悠久の幻影竜・e32186)
朧・遊鬼(火車・e36891)
仁江・かりん(リトルネクロマンサー・e44079)

■リプレイ


 飲食店には近づかせまい、と。
 急行したケルベロスたちは、ビルシャナと信者たちの行く手をさえぎる。
「休みを訴えるビルシャナか……休みは必要だが、その行動が見過ごせぬな」
「遊鬼殿の言う通り。休日を求める気持ちは分からぬでもないが、飲食店を潰すという行為は容認できぬな。店で働く方々に要らぬ苦労を負わせるわけにはいかぬ」
 朧・遊鬼(火車・e36891)の言葉に、同意を示すヴァルカン・ソル(緋陽の防人・e22558)。
「ビルシャナらしい教義と言えばそれまでですけどね」
 イリス・フルーリア(銀天の剣・e09423)がやや苦笑まじりに、言葉を紡ぐ。
「飲食店をつぶすなんていけないよ、いけないよ」
 首を横に振る、ヴィ・セルリアンブルー(青嵐の甲冑騎士・e02187)。
「お金が稼げなくなったらエンジョイ出来るものも出来なくなっちゃう! お金がないのは首がないのと一緒だよ!」
 ヴィが、びしっと指を差すと、1人の信者がはっと我に返った。
 メンバーの手を借り、ビルシャナから逃げてゆく、元信者。
「大人の日って言うけどさ、それって“勤労感謝の日”とか“敬老の日”がそうなんじゃないの?」
『感謝されたいんじゃないし我々はまだ爺さん婆さんではない!』
 一之瀬・白(龍醒掌・e31651)が投げかけた疑問を、敵は一蹴。
 つまり、子どもと高齢者の間が欲しい、と。
「なるほど、こどもの日と平等に大人の日も欲しいと……」
 思案する素振りの、イリス。
「お休みが欲しい気持ちは分かりますけど……ねぇ? 破壊活動はダメですよ」
 溜め息と共に注意する、中条・竜矢(蒼き悠久の幻影竜・e32186)。
「竜矢に賛成です! 休日が増えたら嬉しいとは思いますが、力尽くでお休みさせてしまうのはだめですよ!」
 仁江・かりん(リトルネクロマンサー・e44079)は半ば興奮状態で、怒りに近い声を上げている。
「お店をつぶしちゃだめ。店員さんお休み所じゃなくなっちゃうよ」
 オリヴン・ベリル(双葉のカンラン石・e27322)は飲食店を一瞥し、静かな口調で続けた。
「お休みの日は気持ちよく過ごしたいでしょう?」
 言われてみればその通りだと、2人目の信者が我に返った。


「ちょっとした憩いの場である飲食店を狙うとか、どう考えてもマイナス要素しか無いと思うんだよね……いや、どこを狙ってもマイナスにしかならないんだけどさ?」
 白が敵を見る目は、呆れまなこだ。
「そも、こどもの日は国民の休日なのだから、大人にとっても休日であろう」
 なにが不満なのかと正論を突きつける、ヴァルカン。
「そうだよ。それに、ただお休みが欲しいだけなら“有給休暇”っていうのは大人にはあるんでしょ?」
 パワーワードを叩きつけた、白。
「そうですよ、有給があるじゃないですか。カレンダーが休みじゃなくても堂々と休めるのって大人ならではの特権ですよ」
 竜矢が言葉を重ねると、有給というパワーワードで正気を取り戻した男性2人が、急ぎ足で逃げてゆく。
 敵も、黙ってはいない。
『多くの者が休めると決まっている祝日とでは、大きく違うのだ! 見たところ、まだ子どもの貴様には大人のこの感情、分かるまい!?』
 白に向けられた、敵の主張に信者たちも、そうだそうだ、と声を上げた。
 思わず眉根を寄せ、白はどう返すべきか思案し、すぐに悲しげに眉を下げる。
「僕達ケルベロスには、そういうの無いんだよ……貴方達みたいな人がいる限り、365日24時間休み無しでお相手しなきゃいけないんだよなぁ」
 少年の悲しすぎる事情に、信者たちの声はぴたりと止む。
「あー、辛いなー。お休み欲しいなー?」
『休める時に休んでください』
 空を仰ぎ見る白の肩へ、優しく手を置いて同情の涙を浮かべた元信者は、そう言い残し、駆け出して去って行った。
「大人だって割と子どもの日をエンジョイしてたりしない?」
 ヴィがにこやかな笑顔を浮かべながら、問う。
「祝日だから休める人は休むし、何ならちまきも食べるし柏餅も食べるよね。あ、休めない人は後で各自代休とってね!」
「勤労感謝の日も敬老の日もあるのに大人の日まで増やすだなんて、大人はお休みばかりでずるいですよ! 不公平です!」
 笑顔で爽やかに告げるヴィとは逆に、かりんは不満げに言葉を挟む。
 愛らしい子どもから、唐突にずるいと言われては信者たちも、たじろいでしまう。
 子どもから見れば不公平なのか、と。
 1人の信者が前に出て、かりんに謝り、信仰を捨てた。
「いつもお仕事お疲れさまです」
 竜矢は終始、正気に戻った信者たちにそう声を掛け、送り出していた。
「大人のひとたち、いつもおしごとお疲れ様、です」
 と、オリヴンもやや眠たげな口調で、労いの言葉を掛ける。
 それを皮切りに、オリヴンは仲良しの地デジを抱きかかえながら、説得を始めた。
「あのね、昔は子供たちが無事に育つの、すごく大変だったんだって。だから“子供の日”っていうのを作って、また一年生きられましたねーってお祝いする日なの」
 知らなかった信者たちは驚きの表情を浮かべ、オリヴンに注目。
「子供も命がけだけど、きっとそれを見守るお父さんお母さんも、大変だよね。だから“子供の日”って言うけど、結局は……」
 一度言葉を区切り、息を吐く、マイペースのオリヴン。
「お父さんお母さんお疲れ様、頑張りましたねーって労わる日でもあると思う、です。だってそうじゃなきゃ、大人もお休みの日にならないもん、ね?」
『感動した!』
 涙を流し、正気を取り戻した男性が、我が子の為にと帰路を急ぐ。
「今年は終わっちゃったけど、毎年来るから楽しみにしてればいいんだよ」
 ヴィは笑顔のまま、男性を見送った。
 残る信者は、3人。
「では、逆にこどもの日を無くしましょう!」
 イリスの突拍子も無い提案に、ぎょっとする敵と信者。
 それに構わず、イリスは続ける。
「祝日が減る分生産性が上がりますから、こちらのほうが良いですよね? こどもの日だって皆さんはお休みですけど、平等が良いんですもんね」
『確かに平等だ』
 感心深げに呻る、信者たち。
 だがそれに異を唱える者が出た。
「だめなのですよ、イリス! 子どもの日がなくなったら、ぼくは……かなしいです!」
 かりんが涙目になりながら、必死でイリスにしがみつく。
 演技では無い、本心からの言葉の為、かりんの姿はさぞ胸を打つことだろう。
 今にも泣きだしそうなかりんの頭をそっと優しく撫でながら、イリスは信者たちに眼差しを向ける。
「たくさんのこどもが泣いてしまうでしょうけど、本当に……、それで良いんですよね?」
 にこやかな笑顔で、とてつもないプレッシャーを与えて来る、イリス。
 子どもたちが泣くのは望んでいない、と。
 1人の信者が慌てて信仰を捨て、イリスとかりんに謝ってから、立ち去った。


「子供たちとてただ遊んでいるばかりではない、習い事だの学校の課題だの、しなければならぬことは多いのだぞ? 子供も案外忙しいものだ」
 イリスと竜矢が、泣きだしそうなかりんをなだめている間に、ヴァルカンが説得を引き受ける。
「それに、飲食店を潰した所で新たに休日が設けられるわけがあるまい。店を破壊しても従業員でもないお主等の休みには繋がらぬのでは?」
 敵の教義の矛盾を突く、ヴァルカンに論破され、敵は言葉を返せずに呻っている。
 ぐうの音も出ない様子の教祖に不信感を抱き、9人目の信者が、信仰を捨てて逃亡。
「世間がお休みでも、仕事してる人がいるから休みの日に遊んだり料理を食べに行ったりできるんですよー!?」
「休日が欲しいのは分かるが、破壊しては娯楽が減るのではないか?」
 竜矢は大きな声で言葉を重ね、遊鬼も続く。
「お休みが欲しい気持ちはわからないでもないんですけど……何より、休日の憩いであるお店を壊しちゃダメです!」
「お店を潰して強制的に休みを作ってしまったら、お休みの日なのに遊ぶ場所が無くなってしまって困りませんか?」
 イリスの説得に、かりんも続いて疑問をぶつける。
「お仕事してる分、お金もあってやれることも多いじゃないですか。でも皆さんのやり方だと、もしお休みができてもどこもやってませんよ……? その場合、何をするんです?」
 竜矢が的確な部分を突き、残った信者がはっと息を飲む。
 そこへ畳みかけるのは、遊鬼だった。
「想像してみろ。物資の補給も出来ない、何もすることがない休みなど得ても、何もせずに夕方になってしまった……と、絶望するのではないか?」
 遊鬼の言葉で目がさめたのか、最後の信者はビルシャナから急いで離れる。
 そんな休日は望んでない、と。正気に戻った元信者を、竜矢が労いながら安全な方向へ送り出した。
『おのれよくも、折角集めた信者……』
「終わったら肉だよー!」
 ヴィが敵の言葉を最後まで聞かず、嬉々として仲間に声を掛け、敵を攻撃。
「お肉! 楽しみです!」
 ぴょんぴょんっと跳ねながら、かりんは前衛陣の守りを固める為、骨の盾を展開。いっぽは指示通り、味方を援護。
「焼肉、行きます……!」
 大地を断ち割りそうな強烈な一撃で地デジと共に、敵にダメージを与えるオリヴン。
「焼肉が原動力となっておるな……」
 そう言う自分も楽しみにしている為、遊鬼の口角は上がっていた。
 ルーナがナノナノばりあを掛けている間に遊鬼は跳躍し、煌めく軌跡を描きながら、敵に飛び蹴りを叩き込む。
「ビルシャナは許されないから……此処で死んでいってね☆」
「疾く失せろ、デウスエクス」
 白の攻撃に合わせ、業火の奔流でヴァルカンは敵を焼き尽くす。
 敵がダメージを与えてくれば、かりんとルーナが素早く回復を担当。
 竜矢の声掛けにより、攻防も連携もしっかりとれている。
 プラズマの青き炎で敵を焼いた竜矢は、敵の様子を観察し、仲間に伝える。
「あと一撃です、お願いします!」
「光よ、彼の敵を縛り断ち斬る刃と為せ!」
 竜矢の言葉にイリスが応え、凛々しく声を張り、輝く刀で敵を一閃。
 敵は崩れ落ち、完全に消滅した。


「皆と一緒に肉を食べるよー!」
 戦場の片づけやヒール作業をメンバーが終えた後、晴れやかな声で、ヴィが誘う。
「わあい、焼肉、やきにく!」
「ふふ、私は焼肉に関しては少々うるさいぞ?」
 喜ぶオリヴンと、楽しげなヴァルカン。
 一行は、予約済みの焼肉店へ入り、案内されて席につく。
「焼き肉、いいですよねー! 私、いろんな部位食べたいです。タンもカルビも……あっ豚肉とかもいいですね」
「カルビもハラミもだいすきですよ! ホルモンもたのみましょう……!」
 竜矢とオリヴンが楽しそうにメニューを見て、早々と注文する。
「肉はしっかり焼かねばならぬが、焼き過ぎても旨味を損なう……こらそこ、まだ手を出してはいかぬぞ!」
 焼肉奉行モードになったヴァルカンが、肉を次々と焼いてゆき、いい焼き加減のものをトングで皿に移してゆく。
「しっかり焼いて……あ、それ、もう食べられますよ。ご飯にワンバンドしてから頂きます、ね」
 オリヴンも肉の焼き加減を見定め、白米と一緒にジューシーな焼き肉を味わう。
「焼肉は、たれより塩派かな。素材の味が、より引き締まって好みなんだ」
 白の語りに頷き返すのは、白米と一緒に焼き肉をいっぱい食べまくっている竜矢だ。
「タレも塩も美味しいですね。鶏肉も食べます。サラダもいいですねー」
 次々と注文してゆき、仲間たちとシェアする、竜矢。
「独り占めよりみんなで食べるのがいいですからね!」
 賑やかさが好きな竜矢は、仲間たちと共に美味しいものを味わえる時間を、楽しそうに過ごしている。
 かりんはサラダを避け避けし、香りも歯ざわりもいい焼き肉を、頬張った。
 噛めば噛むほど旨みが増し、ジューシーな肉汁が、口の中いっぱいに溢れる。
「たくさん食べて、早く強くてカッコイイ大人になるですよ!」
 塩系を、ご飯と一緒に沢山食べている遊鬼を見ながら、かりんも次々と焼き肉を食す。
「やはり肉には米だな。ルーナは色んな肉をもりもり食べておるな……そんながっつかんでも肉は逃げぬぞ、ルーナ」
 そう言い、ルーナの口元を拭いてあげる、遊鬼。
 食欲旺盛なイリスはそう感じさせないほど淑やかな仕草で、けれど大好物の焼き肉をがっつり食べている。
 仲間の分が減らないようにと、イリス的には控えめにしているつもりだが、かなりの量だ。
「肉も良いが野菜も食っておるか?」
 遊鬼はルーナと仲間たちに向け、問う。
「お肉もお野菜も、魚介も良いですね! もちろんご飯もです!」
 仲良しの遊鬼に微笑みながら、感想を伝えるイリス。
「じっくり焼いたお野菜、ふんわりしてて、おいしいですよ、ね……! 玉ねぎなんて、特に……」
 野菜も食べているオリヴンは、玉ねぎの焼き加減を真剣に見守っている。
「お師様の言う通り野菜もしっかり食べなきゃだめだよ? 特にかりんさん!」
 ピーマンには絶対に手を付けないかりんに気づき、白が名指しする。
「お野菜は食べなくても良いと思うのですよぅ……どうしても食べないとだめですか?」
「お野菜が苦手ですか? 火を通すと甘くなってとっても美味しいんですよ!」
 ぷるぷる震えているかりんに、イリスが優しく声を掛け、オリヴンと竜矢も頷いている。
「野菜が苦手なら、こんなものは如何かな? よくタレを絡めた肉をサンチュで巻いて……そら、これで肉も野菜も一緒に食べられるぞ」
 ヴァルカンがサンチュを、かりんの皿に置く。
 オリヴンは、甘さが引き立った玉ねぎを。
 イリスは、ふっくらと焼けたキャベツとアスパラガスを。
「うぅ、ちょっとだけなら……。……む? 美味しいです!」
 それぞれ置かれた野菜を、恐る恐る食べては、美味しさに驚く、かりん。
「うーん、労働の後の食事はおいしいものだねぇ。たんぱく質がしみるよ」
 噛むほどにあふれる、肉のうまみを堪能しまくった後、ヴィがふと口を開く。
「そういや俺、子ども時代っていうのがなかったんだよね。だから子どもの日みたいな、子どもの成長を祝う風習があるなんて、素晴らしいなって思うのと、ちょっと羨ましいなって思うんだよね」
 水を飲んで一休みし、過去の記憶が無いヴィは、満面の笑みを浮かべた。
「子どもの日は、子どもにも大人にも嬉しい日だね」
 ヴィの言葉に真っ先に頷いたのは、かりんだ。
(「もし大人の日ができたら、いったいどんなことをする日になるのでしょう? ぼくなら、好きな駄菓子を箱買いしたりとか、夜更かししてゲームをしたりとか、すごく大人なことをしちゃいますよ!」)
 かりんは肉を食べつつ、可愛らしい過ごし方を思い浮かべるのだった。

作者:芦原クロ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年5月24日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 1
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