女性の魅力は四十、五十から!

作者:ゆうきつかさ

●都内某所
「俺は常々思うんだ! 女性の魅力は四十、五十から! つまり、熟女こそ最高! これからの時代、熟女一択! それ以外の選択肢なんて、存在していねぇ! むしろ、考える必要なんてねぇだろ!」
 ビルシャナが廃墟と化した施設に信者達を集め、自らの教義を語っていた。
 信者達はビルシャナによって洗脳されており、頭の中は熟女で埋め尽くされていた。

●セリカからの依頼
「リフィルディード・ラクシュエル(刀乱剛呀・e25284)さんが危惧していた通り、ビルシャナ大菩薩から飛び去った光の影響で、悟りを開きビルシャナになってしまう人間が出ているようです」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が、教室ほどの大きさがある部屋にケルベロス達を集め、今回の依頼を説明し始めた。
 ビルシャナが確認されたのは、都内某所にある施設。
 この場所にビルシャナが信者達を集め、朝から晩まで熟女を妄想しながら、如何わしい事をしているようだ。
 そのため、施設の中は熟女の専門誌と、如何わしいビデオで溢れ、ケモノのようなニオイが充満しているようである。
「今回の目的は、悟りを開いてビルシャナ化した人間とその配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破する事です。ただし、ビルシャナ化した人間は、周囲の人間に自分の考えを布教して、信者を増やしています。ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、放っておくと一般人は信者になってしまうため、注意をしておきましょう。ここでビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が信者になる事を防ぐことができるかもしれません。ビルシャナの信者となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば、元に戻るので、救出は可能ですが、信者が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」
 セリカがケルベロス達に対して、今回の資料を配っていく。
 信者達は洗脳によって熟女が好きになっているものの、実際には上辺だけ。
 色仕掛けをすれば、簡単に寝返ってしまうようである。
「また信者達を説得する事さえ出来れば、ビルシャナの戦力を大幅に削る事が出来るでしょう。とにかく、ビルシャナを倒せば問題が無いので、皆さんよろしくお願いします」
 そう言ってセリカがケルベロス達に対して、ビルシャナの退治を依頼するのであった。


参加者
アルーシャ・ファリクルス(ドワーフのガジェッティア・e32409)
ノノ・サーメティア(オラトリオの巫術士・e67737)
佐竹・レイ(ばきゅーん・e85969)

■リプレイ

●都内某所
「まさか、熟女好きなヤツがいたとはね~。これってただ単に自分の性癖を声高に叫んでるだけなんだけど、その事をみんな分かってるのかな?」
 リフィルディード・ラクシュエル(刀乱剛呀・e25284)は仲間達と共に、廃墟と化した施設の前に立っていた。
 ビルシャナは廃墟と化した施設に信者達を集め、女性の魅力は四十、五十からと訴えているようだ。
 それは単なる性癖でしかないものの、ビシルャナの教義に賛同した者や、洗脳された者達が施設に集まっているため、色々な意味で厄介な事になっているらしい。
「……熟女好きねー。まぁ、別に何が好きーって叫ぶのは自由だと思うけど、洗脳までしちゃうのは可笑しい、というか行き過ぎだよね」
 アルーシャ・ファリクルス(ドワーフのガジェッティア・e32409)が、複雑な気持ちになった。
 おそらく、洗脳された者達の大半が、望まぬ性癖を植えつけられ、それが自分の感情ではない事に気づかぬまま、妄想を膨らませているはずである。
 だが、熟女をオカズにして、自らの欲望を満たす事で、熟女好きであると勘違いしてしまう可能性が高かった。
 そうなってしますと、ビルシャナの洗脳が解けた後も、熟女スキーのまま一生を過ごす事になってしまうため、何としても阻止する必要があった。
「それにしても、凄いニオイ……。どれだけ欲求不満だったんだろ?」
 そんな中、ノノ・サーメティア(オラトリオの巫術士・e67737)が施設に足を踏み入れ、ドン引きした様子で仰け反った。
 施設内に漂っていたのは、濃厚なケモノのニオイ。
 それがケルベロス達の身体を撫で回すようにして、ネットリと纏わりついてきた。
「何と言うか……色々と溜まっているんだろうなぁ」
 リフィルディードがしみじみとした表情を浮かべ、何処か遠くを見つめた。
 おそらく、施設の中であんな事や、こんな事。
 イケない妄想を膨らませ、何かに励んでいるのだろう。
 その姿が容易に思い浮かんでしまうため、苦笑いと共に溜息が漏れた。
「あー、もう帰りたい。こんなの地獄だし……。さっさと終わらせて帰りましょぉ」
 佐竹・レイ(ばきゅーん・e85969)がゲンナリとした表情を浮かべ、魂が抜けた様子で通路を進んでいくのであった。

●施設内
「いいか、お前ら! 重要なのは、想像力だ! さあ、考えろ! 頭の中に熟女を思い浮かべ、愛を語らい、混じり合え! そこに躊躇いは必要ない。欲望の赴くまま、感情に身を任せ! ただ本能に従えばいい!」
 広間ではビルシャナが信者達に対して、熱心に教義を語りながら、妄想を含まらせている最中だった。
 信者達は妄想の中で熟女と何度も愛し合っていたらしく、みんな下半身が大変な事になっていた。
「何だか、みんな凄い事になっているんだけど……」
 それを目の当たりにしたリフィルディードが、気まずい様子で汗を流した。
 ビルシャナ達は思春期の中学生並に性欲が旺盛になっており、まるで猿の如く一人遊びに励んでいた。
 しかも、ビルシャナに洗脳されている影響で、性欲が底なしになっているのか、何度果てても心が満たされる事が無いようだった。
 そのため、床がネバつくほど真っ白に染まっており、先程よりも濃厚なケモノのニオイが室内を支配していた。
「だ、誰だ! お前達は!」
 その途端、ビルシャナ達がビクッと体を震わせ、一斉にミルクを放出させた。
 それはまるでシャンパンシャワーのようであったが、ネットリ、どろどろ。
 頭がクラクラするほど濃厚なニオイが、一瞬にして鼻孔を駆け抜けた。
「こ、これは誤解だ! ……というか、誤爆だ! そもそも俺達は熟女にしか反応しない! だから、これは自己なんだ!」
 これにはビルシャナも激しく動揺した様子で、言い訳をツラツラと並べていった。
「まあ、別に気にしていないわよ。ここにあるのは本もビデオも、すべて熟女モノだし……」
 アルーシャが何やら察した様子で、足元に視線を落とした。
「だ、だろ!? だから、ほら……お前達のような子供で興奮する事はない!」
 ビルシャナが脂汗を流しながら、まったく悪気がない様子で、毒のある言葉を吐いた。
 それとは対照的に、まわりにいた信者達は、久しぶりに見たナマの女性に、酷く興奮している様子であった。
「確かに、見た目は子供に見えるかも知れないけれど、これでも10代後半よー。ま、若いことには変わりないから、どっちでもいいかも知れないけれど……」
 そんな空気を察したノノが、含みのある笑みを浮かべた。
 それだけで、信者達がドキンとしているようだったが、あえて気づかないフリをした。
「悪いが子供に興味はない! その証拠にピクリともしないしな!」
 ビルシャナが自信満々な様子で、ゲルベロス達に答えを返した。
 実際に、ビルシャナは無反応。
 それに対して、信者達はみんな前屈みになっていた。
 それでも、ビルシャナ達に気づかれまいとしているのか、腰を引いて誤魔化しているようだった。
「あんた達、まじ? 下手すると自分の母親くらいの年齢差あるでしょ……。本当の好みだって言うなら止められないかもしれないけど、胸に手を当ててよ――っく考えてみなさいよ! ……ほんとに熟女がいいの?」
 レイが信じられない様子で、ビルシャナ達に問いかけた。
「ああ、もちろん! そんな胸でムラッとくるほど、飢えていないしな」
 ビルシャナが妙に上から目線で、フンと鼻を鳴らした。
「……って、誰の胸が須佐ホルンフェルスなみの断崖絶壁ですって!? この魅力がわからないなんて、どーかしてるんじゃないの、あんたたち!」
 その途端、レイがムッとした様子で、ビルシャナ達を非難した。
「当たり前だ! 俺達を本気で誘惑したいのなら、せめて胸が垂れてからにするんだな!」
 ビルシャナが調子に乗って、ゲスな笑みを浮かべた。
 そのため、レイがイラっとした様子で、拳を激しく震わせた。
「何と言うか……単純に邪魔ね」
 リフィルディードがビルシャナに対して、生暖かい視線を送り、嫌悪感をあらわにした。
 一言で言えば、お喋りな汚物。
 まわりの空気を全く読まず、グイグイと自分の考えを口にするため、殺意が芽生える程のイライラレベル。
「ところでさ、本とビデオだけで満足してるの? 実際は、欲求不満なんじゃないの? だって、ほら……床までベットリだし……。こんなにネバつく糸を引いているのに、満足している訳がないよね? むしろ、欲望が満たされず、欲求が溜まっているんじゃないの?」
 そんな空気を一変させる勢いで、アルーシャがネバつくミルクを指ですくい、ネチョネチョヌットリと遊び始めた。
 それだけで信者達が達してしまいそうになっていたが、ギリギリのところで別の事を考え、最悪の事態を乗り越えた。
「そんなモノに興味がある訳ないだろ!」
 すぐさま、ビルシャナが信者達の前に立ち、ゴミを見るような目で見下ろした。
「鳥が煩いから、違う場所で、イイコトしない?」
 そんな空気を払い除ける勢いで、リフィルディードが信者達に対して流し目を送り、胸元をチラリと見せた。
「マ、マジか!」
 その言葉ですべてを察したのか、信者達が一斉に鼻息を荒くさせた。
「お、おい……。冗談だろ!」
 これにはビルシャナも、鳩が豆鉄砲を喰らったような表情を浮かべた。
「それじゃ、あっちの部屋で、本やビデオみたいなことをしようか」
 そう言ってアルーシャが信者達を引き連れ、隣の部屋に姿を消した。

●ビルシャナ
「な、何故だ! 何故、みんな分かってくれない! こんな事をすれば、後悔するのは自分達なのに……。畜生! すべて……お前が悪い! 責任を取れえええええええええ!」
 その途端、ビルシャナが半ばヤケになりつつ、レイに迫ってきた。
「ちょっ、ちょっと! 触んないでよ! なんかクサイし! ちょっと、その手、ちゃんと洗った? 消毒したの? こっちに来ないで、変態! これ以上、触れたら警察と軍隊と兄貴呼んでボッコボコにするわよ!?」
 レイがドン引きした様子で、全身に鳥肌を立たせた。
 しかも、クサイ。
 何かクサイ。
 例えるなら、ケモノのニオイ。
 故に、クサイ。とにかく、クサイ。
 瞳から涙が溢れるほどニオイが、ヴォールの如くレイを包み込んでいた。
「うるさい、黙れ! 被害者は俺だ!」
 それでも、ビルシャナがイラっとした様子で、レイの肩を乱暴に掴もうとした。
「もう、うるさいなぁ。せっかく、楽しくやっていたのにー」
 そんな中、リフィルディードが不機嫌な表情を浮かべ、隣の部屋から顔を出した。
 だが、その姿は全裸の上に、ミルクまみれ。
 隣の部屋で、何をしているのか、想像が出来るほどのイケない雰囲気。
 まるでビルシャナ達がいる部屋のニオイを塗り替えるようにして、濃厚なメスのニオイが漂っていた。
「お前等、隣の部屋で……何をしたァァァァァァァァァ!」
 ビルシャナが怒り狂った様子で、超強力なビームを放ってきた。
 そのビームは相手を熟女風にする超強力なビーム。
「そんな攻撃、喰らう訳がないでしょ! 私の華麗なる銃さばきでハチの巣にしてあげる!」
 それに気づいたレイが横に飛びながら、クイックドロウを発動させ、目にも止まらぬ速さで、ビルシャナに弾を撃ち込んだ。
「ば、馬鹿なっ! 俺の攻撃が……当たらないなんて……」
 ビルシャナが悔しそうな表情を浮かべ、ガックリと膝をついた。
「じゃあ、そろそろ逝ってもいいよね?」
 それに合わせて、アルーシャがゼログラビトンを放ち、ビルシャナのグラビティを中和し、弱体化するエネルギー光弾を射出した。
「な、なんだ、この攻撃は……。ビ、ビームが出ない!」
 その事実を知ったビルシャナが恐怖と絶望で、激しく目を泳がせた。
 だからと言って、此処で逃げれば、その先に待っているのは、死……であった。
「熟女、熟女と煩いから、少し大人しくしてね。じゃあ、サヨナラの時間だよ?」
 次の瞬間、ノノが熾炎業炎砲を仕掛け、ビルシャナの身体を炎に包んだ。
「ぐぎゃあああああああああ! 身体が焼ける!」
 それと同時にビルシャナが悲鳴を響かせ、消し炭と化して息絶えた。
「自分の好きを語ってるだけでよかったのにね~。鳥になってまで広めようとするから、こんな事になるんだよ。でも、これでゆっくりできるね」
 リフィルディードが肌をツヤツヤとさせながら、信者達に視線を送った。
 その気持ちに応えるようにして、信者達がヤル気満々な様子で、股間のモノを反り立てた。
「まだまだ元気のようね。まぁ、今まで好きでもないモノをオカズにして、無理やり欲求を発散させていたんだから、仕方がないのかも知れないけど……」
 アルーシャが複雑な気持ちになりつつ、深い溜息を洩らした。
「でも、ここまで原価になっている以上、男の人達のケアが必要だよね~」
 そんな空気を察したノノが、アルーシャに甘えるようにして、ゆっくりと肌を擦りつけた。
 それに応えるようにして、アルーシャがノノと肌を重ね、股間のぬくもりを感じ取った。
「今まで熟女物ばっかりだったでしょ? だから、もう少し相手をしてあげるね」
 そう言ってリフィルディードが何やら察した様子で、信者達が待つ隣の部屋に入っていった。

作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年5月8日
難度:普通
参加:4人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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