女に完全服従する事こそ、男の生きがいである！

■リプレイ

●都内某所
「……随分と趣味の悪い建物ね」
　キリクライシャ・セサンゴート（林檎割人形・e20513）は仲間達と共に、ビルシャナが拠点にしている廃墟と化したＳＭ倶楽部にやってきた。
　ＳＭ倶楽部からは、濃厚なオスのニオイが漂っており、色々な意味で近寄り難い感じであった。
「う～ん、確かに今時『亭主関白』とか『黙って俺についてこい！！』は流行らないですけど……こういうのも、どうかと思うんですけど」
　そんな中、若生・めぐみ（めぐみんカワイイ・e04506）が、気まずい様子で汗を流した。
　ある意味、時代に逆行している気もするが、こういった者達が少なからず存在しているのも事実であった。
「我々も妖精八種族としてある意味アスガルドの強者に服従していたわけだが、同族内でこのようなヒエラルキーが発生するのはなかなか理解が難しいね。ただ……やはり相手を使い潰してしまっては、未来はないと思うけど……」
　ディミック・イルヴァ（グランドロンのブラックウィザード・e85736）が、自分なりの考えを述べた。
　何やらツッコミどころが満載ではあるものの、相手がビルシャナという時点で、問題解決。
　そういうモノだという認識で片付いてしまうため、色々な意味でアレな気持ちになった。
　もちろん、それで片づけていいほど、容易な問題では無い。
　そういった意味でも、ビルシャナの洗脳下にある信者達を、少しでも早く救い出す必要があった。
「まあ、上手く乗せればいいだけかな？」
　その間に、めぐみが自分なりに納得し、仲間達と共に廃墟と化したＳＭ倶楽部に入っていった。
　ＳＭ倶楽部の中には、様々な道具が置かれており、何に使うか分からない道具が、壁にギッシリと飾られていた。
「……えっ！？　何、何、ここー？　めっちゃ初めて見る道具とか、いっぱいあるんだけど！　ひょっとして、これで修行とかすんの？」
　それを目の当たりにした山科・ことほ（幸を祈りし寿ぎの・e85678）が、瞳をランランと輝かせた。
「ようこそ、俺達の楽園へ！　俺達はお前達を……いや、あなた達を歓迎する……！」
　次の瞬間、ビルシャナ達がボンテージルックに身を包み、尻に挿入した怪しげな器具を尻尾の如く振りながら、ケルベロス達の前に現れた。
　その姿は、まさに歩く猥褻物。
　モザイクなしでは直視する事が出来ないほど酷い光景に、ケルベロス達の顔が引きつった。
「あ、そのなの……」
　そのため、ことほも本能的に身の危険を感じて、反射的に視線を逸らすのだった。

●施設内
「どうした？　顔色が悪いぞ？」
　そんな空気を察したビルシャナが、不思議そうに首を傾げた。
　おそらく、ビルシャナは気づいていないのだろう。
　その姿がどんなに異常で、まわりをドン引きさせているのかを……。
　故に、何の恥じらいもなく、むしろ局部を強調している可能性が高かった。
「……えーっと、ほら、何と言うか、アレよ、アレ。言葉に出来ないほど凄いって言うか……そんな感じ！」
　ことほが必死に愛想笑いを浮かべたものの、ドン引きしているせいか、その笑顔は不自然でぎこちなかった。
「まあ、確かに……。凄いですね」
　ディミックも、それ以外の言葉が浮かばず、乾いた笑いを響かせた。
　一応、男性信者達はビルシャナに洗脳されている影響で、こんな事になっているようだが、我に返ったのと同時にトラウマになる事は間違いないだろう。
「そうだろ、そうだろ！　これが俺達にとっての正装だ！」
　ビルシャナが自信満々な様子で、ドヤ顔を浮かべてポーズを決めた。
　その姿は、誰がどう見てもドン引きするレベルであったが、ビルシャナ達は見られる事で興奮しており、『もっと見て！』と言わんばかりの勢いだった。
「……そんな見苦しいものを見せつけたいなら、こんなところに隠れていないで堂々と外を歩きなさい。むしろ出ていきなさい！　……出て行かないなら、こうよ」
　キリクライシャがフロストレーザーを放ち、ビルシャナ達を叱りつけた。
「イヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォ！」
　だが、ビルシャナ達は、大興奮ッ！
　むしろ、歓迎、大歓迎と言わんばかりに、瞳をランランと輝かせ、御褒美を待っているワンコの如く勢いで、激しく尻尾（？）を振っていた。
「……どうやら、ここに集まっているのは、揃いも揃って、ド変態のようね。だったら、いいわ。泣き言を言って、帰りたくなるまで相手をしてあげる！　まあ、あなた達のような軟弱者は５秒も持たないでしょうけど……」
　キリクライシャがビルシャナ達を見下し、大袈裟にフンと鼻を鳴らした。
「ヒャッハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ！」
　しかし、ビルシャナ達は、大歓喜ッ！
　新たな女王様の爆誕に胸を躍らせ、ウキウキムードの様子であった。
「あの……申し訳ないんですが、今から信者さんとお話するので、何もせず少し黙っていてもらえませんか？」
　めぐみが真剣な表情を浮かべ、ビルシャナに釘を刺した。
「ああ、もちろん！　お安い御用だ。おっと、黙っていろって話だったな。それなら、お口にチャックだ！」
　ビルシャナが無駄にイイ笑顔を浮かべ、即座に口を噤んだ。
　だが、ビルシャナの尻は、お喋り。
　言葉には出さないものの、尻がすべてを物語っていると言わんばかりに、お喋りだった。
「何だかトラウマになりそうな光景なんだけど……。正直、誰にも触れたくないし……。迂闊に触れたら、病気になりそうだよね、これ……」
　ことほがドン引きした様子で、ビルシャナと必要以上に距離を取った。
　みんな不思議な尻尾（？）を生やしているせいか、存在自体が汚物そのもの。
　出来る事なら、触れたくないと思ってしまう程、本能が警告音を発していた。
「めぐみのお願い聞いてくれる人は近くに来てくださいね」
　その間に、めぐみがラブフェロモンを使い、男性信者達に語り掛けた。
「お、おう！」
　その途端、男性信者達が瞳にハートマークを浮かべ、めぐみのまわりにワラワラと集まってきた。
「その代わり、条件があります。その鳥と縁を切ってください。もし聞いてくれるなら、外に出ててください。あとでお礼しますから」
　めぐみがビルシャナをチラっと見た後、物凄くイイ笑顔で男性信者達に語り掛けた。
「ああ、もちろん！」
　男性信者達がイイ笑顔を浮かべ、ウキウキ気分で、ＳＭ倶楽部から出ていった。
　そのドサクサに紛れて、ビルシャナもゴキゲンな様子で、ＳＭ倶楽部から出て行こうとした。
「……というか、君は駄目だよね？　それが分かっていながら、ここから出て行こうとしていたよね？　それが何を意味しているのか分かるかい？　ここから逃げようとしたんだよ、君は。私達から……そして、自分の教義から……」
　その行く手を阻むようにして、ディミックがビルシャナに迫っていった。
「うぐぐ……、うるさい！　黙れ、黙れ！　黙れぇぇえぇぇぇぇぇえ！　こうなったら、お前ら、みんな纏めてぶっ殺してやる！」
　これにはビルシャナもブチ切れ、ケルベロス達に対して敵意を剥き出しにするのであった。

●ビルシャナ
「どうやら、教義を守るつもりはないようですね」
　それを目の当たりにしためぐみが、思いっきり残念そうにしながら、深い溜息を漏らした。
　ある程度、予想をしていた事だが、それでも残念。
　そもそも、ビルシャナの存在自体が残念ではあるのだが、それに輪をかけて残念な気持ちになった。
「うるさい！　黙れ！　納得が出来ないのなら、俺を痛めつけて、大人しくさせればいいだろ！　ほら、やってみろ！　来い、来い！　来いよ！」
　ビルシャナが興奮した様子で、ケルベロス達を挑発した。
　しかし、その姿は無防備そのもの。
　あえて挑発する事で、狙ってくださいと言わんばかりに、無防備だった。
　そういった意味で、ビルシャナは策士。
　ヤル気満々な態度を見せつつ、実際にはドＭ回路全開で、迎え撃つつもりのようである。
「……よほど痛い目に遭いたいようね。だったら、いいわ。……掛かってきなさい。二度と、そんな口が叩けないように、身も心もズタボロにして上げるから……」
　そんな空気を察したキリクライシャが、口汚い言葉でビルシャナを罵った。
　それとは対照的に、テレビウムのバーミリオンが、本能的に身の危険を感じ、物陰に隠れて様子を窺っていた。
「クククククッ！　やれるものなら、やってみろ！　だが、お前達には不可能だ！　絶対に無理、無理、無理ィィィィィィィィィィィ！」
　ビルシャナが必要以上に股間を強調しながら、カモーンと言わんばかりに大声を上げた。
　その時点で濃厚なオスのニオイが漂っているせいか、まるで見えないオーラを纏っているような感じで、ビルシャナが禍々しい雰囲気に包まれていた。
「これも教祖が望んでいた結果なのかね……？　だとしたら、少し面倒な事になりそうだけど……」
　そんな空気を察したディミックが、警戒した様子で間合いを取った。
　ここでビルシャナを攻撃する事は、どう考えても、御褒美。
　最悪、その一撃で達してしまうため、出来る事なら近づくはない。
　だからと言って、このまま何もしなければ、無駄に勝負が長引くばかり。
　その上、ビルシャナが自らを昂らせ、いつでも達する準備を整えているため、結果的に自爆するのも時間の問題であった。
「う……、何だか余計に攻撃するのが嫌になったかも……」
　ことほに至っては、全身に鳥肌を立たせたまま、身動きが取れなくなった。
　この様子では、本能的にビルシャナがヤバイ存在である事を実感してしまったせいだろう。
　先程から危険センサーが敏感に反応している影響もあり、ビルシャナを見ただけで震えが止まらなくなった。
　ライドキャリバーの藍も、迂闊に攻撃を仕掛ける事で、ビルシャナの誤爆を招き、ボディが色々な意味で汚れてしまう事を悟ったのか、必要以上に距離を取っていた。
　その間も、ビルシャナは自らを窮地に追い込む事で、極限までテンションを高め、ＭＡＸで果てる準備を進めていた。
「……でしたら、このまま放っておきましょうか。触れるのも汚らわしい状態ですし、既に我慢の限界でしょうから……」
　めぐみがゴミを見るような目で、ビルシャナをチラっと見た後、冷酷なまでにクルリと背を向け、外に出て行こうとした。
「……！？」
　そのため、ナノナノのらぶりんが、めぐみを二度見したものの、途中で立ち止まる事はなかった。
「おいおいおい、ふざけるんじゃねーよ！　こっちは派手にヤラれるため、準備をしていたんだろうが！　それなのに、放置プレイってなんだよ！　こっちは少し触れただけでも、果てるくらいテンションを上げているんだぞ！　それなのに、放置って！　絶対に有り得ねーから！　おいおいおい！」
　その事に腹を立てたビルシャナが、めぐみにズンズンと勢いよく迫っていった。
「まったく、しつこい鳥ですね。それでは、御仕置きしてあげましょう。だから早く逝ってください。……目障りです」
　次の瞬間、めぐみが女王様乃御仕置（ジョウオウサマノオシオキ）を発動させ、攻性植物を一時召喚して弦形態で装備すると、何度もビルシャナを鞭打ちした。
「おうおう、これだ、これぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ！」
　それと同時にビルシャナが盛大に果て、色々な意味で真っ白になりながら、崩れ落ちるようにして息絶えた。
「それでは、めぐみはこのまま帰りますね。信者の皆さんと、お買い物をしてきますので……」
　そう言って、めぐみがイイ笑顔を浮かべながら、男性信者達が待つ外に出ていくのであった。

作者：ゆうきつかさ	重傷：なし 死亡：なし 暴走：なし
種類： 公開：2020年4月2日 難度：普通 参加：4人 結果：成功！
得票：格好よかった 0／感動した 0／素敵だった 0／キャラが大事にされていた 0
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