春の和菓子

作者:芦原クロ

 和菓子フェスが開催されている、とある館内。
 店がいくつか並び、ショーケースの中は様々な和菓子が並んでいる。
 団子、大福、まんじゅう、どら焼き、たい焼き、せんべい、わらび餅、カステラ、ようかん、さくら餅……など、他にも多くの和菓子が揃っている。
 桜やバラを繊細にかたどった練り切りは目でも楽しめ、一般人たちは、あれもこれもと楽しそうに選んでいる。
 館内から出て、ひと気の無い一角に怪しい集団の姿があった。
『和菓子なんて年寄り向けじゃない? 洋菓子のほうがハズレは無いし、なにより、あの餡子が無いのよ! やっぱり時代は洋菓子よ』
 異形の者は10人の信者を前に、個人的な主張を教義として力説している。
 10人の信者は全員女性で、どうやら餡子が嫌いな様子。教義に反対する者はその場に居ない。
『あんな和菓子フェスなんてメチャクチャにしちゃいましょう! そうすれば良い教訓となって、今度からは洋菓子フェスになると思うわ』
 勝手過ぎる主張に、10人の信者は深く頷いた。

「ローレライ・ウィッシュスターさんの推理のお陰で、予知が出来た。悟りを開いたビルシャナが信者を率いて、事件を起こそうとしてる。阻止し、一般人の救出とビルシャナの討伐を頼みたい」
 頭を下げる、霧山・シロウ(ウェアライダーのヘリオライダー・en0315)。
「餡子を嫌っているだけで、洋菓子好きってことは甘党よね」
 ローレライ・ウィッシュスター(白羊の盾・e00352)の言葉に、頷く。
「餡子を使っていない和菓子も、有るだろう。説得に使えるんじゃないだろうか」

 配下を増やそうと、ビルシャナが信者と共に動きだした所を、迎え撃つ形となる。
 ビルシャナの言葉には強い説得力がある為、このまま放っておくと、一般人が配下になってしまう。
 一般人が配下になったとしても、ビルシャナさえ倒せば元に戻るので、救出は可能だ。
 ただし、配下は弱いので倒すと死んでしまう為、攻撃しにくい面倒な敵だ。配下が多くなれば、戦闘で不利になる。
 ビルシャナの主張を覆すような、インパクトのある主張や説得を行ない、信者が配下になるのを防ぐ事が最善の方法だ。
 正気に戻った信者を逃がすか、ひとかたまりに集めて保護するかは、自由だ。
 インパクトのある主張をしていれば、ビルシャナはケルベロスたちに意識を向け続けるだろう。
 インパクトや精神的ダメージのある説得をすれば、10人も正気に戻り、配下化の阻止が可能となる。

「餡子が苦手な人って、意外と多いらしいな。粒あんか、こしあんかに分かれたりもするしな。そうそう、このフェスでは購入した物を新鮮な内に、飲食スペースで食べられるし、持ち帰りも可能だ。それと、初心者でも可能な和菓子作り体験も有るようだぜ」
 そう説明してから、真剣な表情になる。
 放っておけば被害が拡大し、一般人の死傷者も出かねないからだ。
「あんたさん達だけが頼りだ。どうかビルシャナを撃退して、平和を守ってくれ」


参加者
琴宮・淡雪(淫蕩サキュバス・e02774)
オイナス・リンヌンラータ(歌姫の剣・e04033)
セレネテアル・アノン(綿毛のような柔らか拳士・e12642)
エマ・ブラン(白銀のヴァルキュリア・e40314)
朱桜院・梢子(葉桜・e56552)
リリエッタ・スノウ(小さな復讐鬼・e63102)
ルーシィド・マインドギア(眠り姫・e63107)

■リプレイ


「餡子屋さんの本格的で格別なおしるこを、準備してきましたよ~!」
 明るく主張するセレネテアル・アノン(綿毛のような柔らか拳士・e12642)に、信者たちがざわめきだす。
『あの子、餡子って言ったわよ』
『あんなに可愛いのに、年寄り向けの餡子が好きなの?』
 信じられない、というようにざわつき、餡子嫌いの姿勢を崩そうともしない、信者たち。
(「あんこが嫌い……? いやいやいや、考えられないんだけれど」)
 ローレライ・ウィッシュスター(白羊の盾・e00352)のほうが、まるで別次元のものを見るかのように、やや呆然としてしまう。
「ボクからは寒天菓子をお勧めするのです。まずは基本の羊羹」
 オイナス・リンヌンラータ(歌姫の剣・e04033)は、ローレライの頭を優しく撫でてから、信者たちに語り掛ける。
 羊羹はダサい、年寄り向けだ、などと、すかさず反論された。
「それなら琥珀糖です」
 好きな色に染められる結晶化させた砂糖菓子、琥珀糖が出されると、信者たちの表情は驚きのものに変わる。
『なにこれ超キレイ! みんなも見て!』
 ビルシャナが両翼をバサバサと動かし、興奮を露わにした。
 信者たちも興味津々と眺めたり、手のひらで転がしたり、ある者は口の中へおずおずと放り込む。
『食感がたまんないー! 外側はシャリってしてるのに、中は柔らかくてクセになりそう』
「見て楽しい、もちろん食べてもおいしい。和菓子の可能性は無限なのです!」
 和菓子の良さを語るオイナスの頭を撫で返している、ローレライ。
 説得でも活躍している恋人の姿が見れるのが嬉しい様子で、ローレライは微笑んでいる。
 オイナスの説得により、和菓子も良い、と。
 2名の信者が正気を取り戻す。
 その2人を、ビルシャナが制止する前に、エマ・ブラン(白銀のヴァルキュリア・e40314)が逃がした。


「多分皆さんの中には本当に美味しい餡子や、その食べ方を味わった事がないだけの人も居そうです~!」
 オイナスが説得している間に、セレネテアルは立入禁止テープを貼り終えていた。
 一般人が来る気配は無いものの、念を入れての行動だ。
「野菜や魚介類でよくある話ですが、過去に一度食べて嫌いになったものでも、本場のものを食べたら大好きになったという人もいますよ~!」
 瑞々しいトマトや、濃厚な雲丹を味わって苦手を克服した知り合いがいることを、告げるセレネテアル。
「まずはこれを見なさい!」
 朱桜院・梢子(葉桜・e56552)が出したのは、たい焼きの口に、溢れんばかりのクリームや果物が詰まった、パフェだ。
 たい焼きの中に、パフェを突っ込んだシロモノ、といっても良いだろう。
『それは今、流行りの!?』
「そう、人気らしいわね。衝撃的な見た目よね! たい焼きを器にしたパフェー、その名もたい焼きパフェーよ!」
 梢子は見せびらかすように、わざとゆっくりと、信者たちの眼前に、たい焼きパフェを持った手を通過させる。
「とある洋菓子職人は言っていたわ……たい焼きパフェーこそ、至高のすいーつだと!」
 過去に遭遇した敵を思い浮かべる、梢子。
「美味しそうです~! 少し貰えますか~?」
「アノン様が食べる分は有りませんわ、すべて私が平らげますのよ」
 嬉々として梢子に近づく、セレネテアル。
 セレネテアルを食のライバルとして見ている琴宮・淡雪(淫蕩サキュバス・e02774)は、すかさず乱入し、セレネテアルの分を奪おうと必死になっている。
 梢子は小さなスプーンを淡雪とセレネテアルに渡し、平等に少しシェアする。
「味はもちろん……ん~、冷たいパフェーに温かいたい焼き、合うわね~」
 信者たちに感想を伝えるのも忘れない、梢子。
「今の若い子はあれでしょ、こういうの……ええと、なんとか映え、とか言うんでしょう? 食べたい?」
『メッチャ映える!』
『やばい、美味しそうっ』
 自分たちにも分けて欲しいと、信者たちは頷いた。
「ああでも、和菓子はいらないって人にはあげられないわねぇ……たい焼きも和菓子だもの」
 信者たちの期待が満ちるのを待ってから、梢子はショックな言葉を放つ。
 そう、たい焼きは和菓子だ。
 生クリームやジェラートなどは、洋菓子の材料なのに、たい焼きだけが和菓子。
 ビルシャナも期待した分だけ、より一層強い精神的ダメージを負い、クチバシをぽかんと開けている。
「餡子が苦手なら、かすたあどくりぃむ味なんかもあるのだけどねぇ……」
 信者たちに目配せすると、2名の信者が、梢子の言葉で正気に戻る。
 和パフェ、と喜び、完全に去ってゆくまで、エマは2人を守っていた。
「お菓子は美味しいかどうかがすべて。食わず嫌いはダメですわ」
 和菓子作りのスペースを使っていたルーシィド・マインドギア(眠り姫・e63107)が、作り立てのフルーツ大福を持って、館内から出て来る。
「ルーちゃんお帰り。上手に出来た?」
 親友の帰還に、リリエッタ・スノウ(小さな復讐鬼・e63102)は無表情だが、嬉しげな雰囲気を漂わせる。
「ただいま戻りました。リリちゃん、紅茶も淹れたのでセットで食べてみてくださいね、紅茶に合うと思います。みなさまがたも、どうぞ。感想をもらって、より美味しくしたいです!」
 簡易テーブルの上に皿を並べ、大福を2つにカットし、中のフルーツが見えるようにして皿に乗せる。
 ルーシィドは白玉粉から薄皮を作り、それを薄く伸ばして、もちもちの生地を作った。
 イチゴやキウイやパイナップルを、バランスを崩さない程度に大きくカットして白あんで包み、ホイップクリームを塗ってから、生地で包んで完成。
 美味しそうな、フルーツ大福の出来上がりだ。
(「ホイップクリームとフルーツが目立って、モチの薄皮と白あんは控えめになるので、和菓子がニガテな信者さんでも手を伸ばしてくれるはず!」)
 真っ先に食べ始めたのは、親友のリリエッタ。
 表情は特に変わらないものの、もぐもぐと良い食べっぷりから、美味しそうな様子が伝わって来る。
 次に、奪い合うようにして淡雪とセレネテアルが続く。
「和菓子が苦手な人に多い、濃いアンコの味はなくて、薄皮モチとすっきり味の白あんが、しっかり和菓子の味を伝えてくれます」
 仲間たちが美味しそうに食べている中、数名の信者もルーシィドの言葉に背を押されて興味を持ち、一口、二口、と食べ始めた。
『餡子の渋い味がしない!』
『さらっとしてて、甘くて美味しい』
 こんなに美味しい和菓子も有るのかと、驚き合う、信者たち。
 リリエッタと二人でよくお茶会をしているルーシィドが作った、このフルーツ大福は、次のお茶会で出すつもりで作った、いわば試作品だ。
 貰った感想をしっかり記憶にとどめて、美味を更に高める気でいる。
「和菓子も洋菓子もどっちも美味しいよね。料理が苦手なリリでも、お団子焼くくらいはできるから洋菓子を作れない人にもおすすめだよ」
 リリエッタは館内でレンタルして来た、串団子焼き器を使い、串に刺さった団子を焼いている。
(「自分の手で焼く楽しみを教えちゃうよ」)
 リリエッタの狙い通り、自分で団子を焼くのを楽しむ、信者たち。
(「サーヴァントも、お団子食べるかな?」)
 焼きあがった団子を差し出すリリエッタの隣に、ルーシィドもちょこんっと座り込み、お互いに団子を分け合ったり、仲睦まじい光景を見せる。
「これなら、あんこが苦手な人がいても食べれるよね」
 リリエッタは餡子だけでは無く、きなこや、みたらし団子にして、餡子が苦手な者のこともちゃんと考えていた。
 ルーシィドとリリエッタのお陰で、数名の信者が教義を捨て、エマに連れられて逃げていった。
 信者が残り3名になると、ビルシャナも焦り、気を強く持とうと決意する。
 そこに迫る、ローレライ。
「あなたのおばあちゃんが、あなたが喜んでくれると思って作ってくれたあんこも嫌いかしら?」
 ローレライは、餡子を作るには手間が掛かるからこそ、美味しいのだと説く。
「和洋の食材って組み合わせ次第ですごく美味しくなるのご存知だったかしら?」
 問いつつ、ローレライは、生クリームとクリームチーズ、餡子の入ったどら焼きを、ビルシャナや信者たちに食べさせた。
『美味しいけど……まだ耐えられる!』
「みんな、よく聞いて。みんなシュークリーム好きだよね? じゃあ大福は?」
 必死に耐えている残りの者たちを見て、それまで元信者の避難を手伝っていたエマが、ようやく口を開いた。
 好き、には頷き。大福、には首を横に振る、者たち。
「その大好きなシュークリームにはなんと大福の約10倍もの脂質が含まれているんだよ!」
 衝撃の事実に、ビルシャナも信者たちも硬直した。


「やはり論より証拠なのです。今ではこんな……金箔と気泡で星空を作ったものもあるんですよ! さらに寒天は食物繊維豊富で低カロリー。ゼラチンとは違うのだよゼラチンとは! なのです!」
 オイナスが紹介する、寒天菓子。
 金粉と気泡で作られた星空は、溜め息が出そうなほどに、美しい。
「皆様ケーキは好きよね? 確かに洋菓子美味しいですわ。解りますね~、だけどね……?」
 淡雪が意味ありげに、言葉を区切る。
 エマのインパクト大の事実を聞いた後では、なんとなく、なにを言われるか分かってしまう信者たち。
「ケーキってカロリーやばいですし……ケーキばかり食べてると、取り返しのつかない体型になりますわよ?」
 ですよね、と。信者たちは複雑そうな表情を見せる。
「そんな皆様方に朗報ですわ。長々と説明しても頭に残らないものでしょうし、省略しますが……小豆は代謝を促して太りにくい体にしてくれたりして、ダイエット効果を期待できる栄養分が豊富なんですのよ」
 淡雪は、ひらりと手のひらを上向きにする。
「つまり小豆を食べれば……あちらのアノン様やローレ様のようなスラっとした体型になりますわ?」
 セレネテアルとローレライを笑顔で示す、淡雪。
「餡子アレルギーとかでないなら一度このおしるこを食べてみてください~!」
 ここぞとばかりに、セレネテアルがお汁粉を、信者たちに手渡した。
「老舗の餡子屋さんが長い間、試行錯誤して生み出されたこのおしるこは、その辺ですぐに手に入る様なものとは味が段違いですよっ。折角なので私も食べちゃいます~! ……ん~! 最高に美味しいです~♪」
 力説してから、ちゃっかり自分の分も、用意していた、セレネテアル。
 お汁粉をおそるおそる飲み、1名がその美味しさに目覚めた。
「そのまま洋菓子を食べ続けて夏を迎えるの? 食べ続けた後の水着姿を男の子に見せられるの? そのビルシャナについて行っちゃダメ、絶対!」
 エマがビルシャナを睨むと、信者たちも、どうしたものかと迷い始める。
『惑わされちゃダメ! 洋菓子のほうがいいわよ!』
(「くっ、なんて恐ろしいビルシャナなの。ここで美味しい美味しいと、洋菓子を食べ続けて夏が来ちゃったら……もう地獄。水着はおろか薄着すら躊躇うような、無残な姿にされちゃうよ?」)
 信者の迷いを払おうとするように、叫ぶビルシャナ。
 なんとしてでも、この悪逆非道な所業を止めなければ……と。強気の姿勢を崩さない、エマ。
「ティラミスは好き? じゃあおはぎは? よく聞いてね。ティラミスには恐ろしいことに、おはぎの約35倍もの脂質が含まれているんだよ!」
 エマはまたもや、衝撃の事実を突きつける。
「ほら! スラっとした体型の為にも……小豆、食べましょう……?」
 淡雪が畳みかけると、9人目と10人目の2人が、カロリーの話は耳が痛いとばかりに、とうとう信仰を捨てて逃げ出した。
 素早く応援動画を流す、シュテルネ。
 敵が精神的大ダメージから立ち直る隙も与えず、ケルベロスたちは攻撃に移った。
「あんこが苦手だからって、みんなが楽しんでるのを邪魔するのは許せないよ。ぼっこぼこにするね」
「全国の和菓子職人と和菓子好きにあの世で詫びるといいわ! ちええ!!」
 リリエッタに続き、梢子が敵を思いっきり蹴飛ばし、葉介、アップル、プロイネンも攻撃に加わる。
「やっぱりあんこは嫌い? 残念だわ、優しい甘さがおいしいのに!」
 ローレライが全力の一撃を食らわせると、怒涛の連携攻撃に敗北した敵は、完全に消滅した。


「全種類制覇を目指し、買いまくるわよ。春らしく桜風味の和菓子も色々あるわね……!」
 梢子は和菓子作り体験には目もくれず、ひたすら食べる方向だ。
 和菓子フェスを、食で思いっきり楽しむ、梢子の姿。
「和菓子! 和菓子! まずはどら焼き、そして練りきり……! 大福に、柏餅……!」
 ローレライは瞳をらんらんと輝かせ、和菓子に夢中だ。
「沢山食べまくってやるわ!」
 こしあん派のローレライは、餡子が選べるタイプのものは真っ先に、こしあんを選んで、幸せそうに食べている。
「寒天はダイエットにも向いているのです」
 オイナスは一緒に見て回っている仲間たちに、寒天和菓子を勧めていた。
 寒天菓子を取り扱っている店では、中に白あんと道明寺粉が入った、キレイな錦玉かん。
 爽やかな見た目の、フルーツ羊羹。
 ほろ苦い抹茶や、桜と道明寺かんなど、色々な寒天菓子が目を惹く。
「これ可愛すぎて食べにくいね」
 動物や花などをモチーフにした和菓子を、リリエッタは目で楽しむ。
「リリちゃん、あちらにも可愛らしいものが有ります。一緒に、見て回りましょう」
 ルーシィドはリリエッタと手を繋ぎ、和やかムードで和菓子を堪能中。
「住んでいる寮のみんなにもお土産、買って帰ろうかな?」
「名案ですわ! きっと喜んでくれますわ」
 リリエッタの言葉に、深く頷いて微笑み返す、ルーシィド。
「折角なので色々なものを食べていきたいです~!」
「アノン様には負けないです!」
 たくさん食べる気満々のセレネテアルに、意地でも食らいついて来る、淡雪。
「スイーツ全種制覇の勢いで存分に楽しみますよ~!」
「隙有り、ですわ! アノン様!」
 セレネテアルの食べ物を横から奪おうとする淡雪と、攻防を繰り返す、セレネテアル。
「これ美味しいわ、あーん」
「ロー、食べさせてくれるのです? あ、あーん! は、恥ずかしいのです……」
 飲食スペースで、ローレライが一口食べた物を、オイナスの口に嬉々として運ぶ。
 気恥ずかしそうに赤くなる、オイナス。
「せっかく和菓子屋さんに来てるんだから、美味しい和菓子を楽しまなきゃ損だよね」
 エマも片っ端から館内の店を回って、ありとあらゆる和菓子を堪能してから、飲食スペースで抹茶を味わう。
「こんなに美味しい和菓子フェスを襲うなんてとんでもない。やっぱりビルシャナは人類の敵なんだよ」
 呟きつつ頷くエマだが、いくらヘルシーでも大量に食べれば、体重の増加は防げないことを、想定していなかったのだった。

作者:芦原クロ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年4月17日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 1
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