パンツを頭に被りたい者たち

作者:塩田多弾砲

「いーい!? 『Silky Knights』には負けるんじゃあないわよっ! この町では、私達『ピーチ・ジョリーン』が天下取るんだからねっ!」
 店長の言葉に、オーっ! ……と、女性スタッフたちが拳を突き上げる。
 女性下着店『ピーチ・ジョリーン』こと『PJ』。そこでは本日、バーゲンセール。
「あ、あったあった。ちょうどいいサイズのが」
「デザインとかは『Silky Knights』の方が良いんだけど、こっちのお店は種類が多いのよねー。女子大生のワタシに合うのは、PJの方にしかないし」
 と、女子大生らしき二人組が。その片方は小柄で、中学生または小学生高学年くらいの体格。
「……あ、あった……スーパーの下着売り場に無かったから……良かった……」
「あはは……発育良いのは喜ばしいけど、小学生の姪に負ける高校生の私って一体……」
 こちらは、小学生高学年と高校生の二人。しかし小学生の方が背が高く、発育も良さげ。彼女は小学生用の、サイズ大き目な下着を探していた。
「私もついでだし、パンツ買っとこうかなー……」
 と、高校生が手を伸ばしたその時、
『パンツ穿いてんじゃねえよ! 頭に被るもんだろがよぉ!』
 ミミズクまたはフクロウを、さらに醜くゆがめたような顔の、羽毛だらけの鳥怪人が……その場に現れた。
 そいつは頭に、帽子またはマスクのように……パンツを被っている。
『そうだ!被るもの!』
『あ、頭に被らなきゃ、無意味なんだな』
『拙者、パンツ被りを嗜む紳士ゆえデュフフw』
 と、鳥怪人に同意する者たちが。
「……何こいつら」
「つーかデュフフって何よ。キモっ」
「お、お姉さん。わたし、怖い……」
「大丈夫、空手部の私が守ってあげるわよ! ……私の方が小柄だけど」
 女子大生二人が呆れ、大柄小学生が怯え、高校生が身構える。
『ふん! パンツをはいてるくせに、パンツの真なる嗜みを知らんのかよぉ!』
 と、何がダメなのか分からぬままに、訳の分からん事を述べる鳥怪人……ビルシャナ。
『パンツとは! 柔らかな布で、心地良い感触だろぉ! だから頭部に被って愛でるのは当然だろぉ! 違うかよぉ?』
『『『違わぬ!』』』
『ならばそれを実行するんだよぉーっ!』
 と、信者たちとともに襲い掛かった。

「……あの、こないだ回転鋸を装備したダモクレスの事案があったッスよね」
 ダンテが言う事案は、ケル・カブラ(グレガリボ・e68623)たちが戦いを挑み、破壊に成功している。
「で、現場になった屋敷のある町……の商店街ッスが。そこにある下着店に、ビルシャナが現れたッス」
 その下着店の名は『ピーチ・ジョリーン』。頭文字を取って『PJ』とも呼ばれている。
 同業の店舗『Silky Knights』とは異なり、あまり凝ったデザインのものより、日常で普通に着用するような、そういった地味めで飾り気のない下着を多く取り扱っている。そして、その分種類が豊富。お洒落より実用、装飾は無くて良い、セクシーさよりも日常で付けられるようなものを求めている客には、重宝されていた。
 特に、小柄な大人や、大柄だったり発育が良い小中学生など、普通の下着店では見つからないような下着も、この店ならば多く取り揃えている。
 このような店に、今回のビルシャナは現れたのだ。そして連中はいつもの事ながら、またも訳の分からぬ理屈で、訳の分からん事を押し付けている。
 なので、今回もなんとかせねばならない。
「……それでッスね、今回のビルシャナは……『女性のパンツは、穿かずに頭に被るもんだ』とか言う連中ッス」
 この手の予見で『マジこいつら意味わかんねえ』と、ダンテが頭を抱える事は少なくはない。そして、今回もその例に漏れず頭を抱えていた。
「……理解できないッスが、連中の主張は……」
『パンツ』は、『頭に被るもの』。
 なぜか。
『布地が柔らかく心地良いから』。
 だったら帽子でいいだろうが……というツッコミは即座に却下。
 もっともらしい事を言ってはいても、要するに、某変態な仮面のごとく、頭にパンツを被るという性癖を認めろ……という事らしい。
「……はい、皆さんの言いたい事はわかるッス。正直、説得しねーで全員ブッ飛ばしたいんじゃないかと思うッスが……一応、信者たちを説得してほしいッス」
 ビルシャナは『パンツを穿くのでないなら、何穿けばいいのか』という問いには、
『女子なら穿かないままでいい。昔はそうだった』
『その『はいてない』ゆえの行動が女性らしさを醸し出すうんぬん』
 などと答えているらしい。
「ま、ツッコミどころ満載ッスから、信者らに対しては皆さんのインパクトある説得をヨロっス。正直、自分は付いて行けねーッスし」
 ちなみに、信者は多くが男、それもオタ系やコミュ障系のみならず、パリピ系などもいる。さらに女性も混じっているとのこと。彼女らも『女が美女や美少女のパンツを被って何が悪い』『同性だから問題無いわよね、はい論破』などと言っている様子。
 しかし、ツッコミどころ満載で非論理的ではあるが、それ故に『理屈にならない理屈で語り、話が通じない』事も考えられる(「つーか、実際ほとんどそうなってるッス」と、ダンテ)。
 なのでこちらも、理屈より無理やりかつ強引な勢いで説得する方がいいかもしれない……と、ダンテは付け加えた。
 ビルシャナ自身は、経文と浄罪の鐘と清めの光を用いている。
「……とにかく、とっととやっつけて下さいッス。あと、女性が参加されたら、恐らくは連中『お前らもパンツ脱いで頭に被れ、つーか被らせろ』みたいな事を言ってくると思われるッスから、その辺気を付けてくださいッスね」
 心底うんざりした顔で、ダンテはそう言った。


参加者
日柳・蒼眞(うにうにマスター・e00793)
ミスラ・レンブラント(シャヘルの申し子・e03773)
円城・キアリ(傷だらけの仔猫・e09214)
オルファリア・ゲシュペンスト(ウェアライダーの巫術士・e23492)
湯上・伊織(ゆがみちゃんは歪みない・e24969)
草薙・美珠(退魔巫女・e33570)
風陽射・錆次郎(戦うロボメディックさん・e34376)
カフェ・アンナ(突風はそよ風に乗って・e76270)

■リプレイ

●パンツだから恥ずかしいもんっ!
『ピーチ・ジョリーン』
 その店内。日柳・蒼眞(うにうにマスター・e00793)は、店員を装いカウンター内に立っていた。
「……当然ながら、パンツ、多いな……」
 店の中は、予想以上に客が多い。
 奥には、作業員のふりをした風陽射・錆次郎(戦うロボメディックさん・e34376)が居るはずだが。あと、男の娘も約一名。
 客を装っている、円城・キアリ(傷だらけの仔猫・e09214)も、
「うーん。やっぱ地味よねえ」
 この店の下着。商品としては悪くないけど、正直……『もの足りない』。
(「やっぱり、こういう実用性重視なのは、あまり趣味じゃあないのよね……」)
 予期せずして、下着が見えてしまった時。やっぱり、見られても女子として侮られないようなものを身に付けたい。
 近くの物陰に隠れているオルトロス『アロン』は。そんな主人の想いを知ってか知らずか、くあ……と大あくびし、のんびりした様子でうずくまっていた。
 その物陰の近くには、更衣室。
 個室が多く並んだその一つには、二人の美少女、もとい、美少女と美少女そっくりの男の娘の二人が。
「あ、あのっ……」恥じらっている草薙・美珠(退魔巫女・e33570)と、
「うふふっ、似合ってるじゃあない」
 男の娘、湯上・伊織(ゆがみちゃんは歪みない・e24969)。
「えっちなデザインのパンツもいいけど、ちょっと子供っぽいパンツも似合うのよね、美珠ちゃんは♪」
 さ、次はこっちを……と、パンツを差し出す伊織。
 別の場所、店の隅の方では、
「んっ……あっ……」
 なぜかびくびくと、小刻みに震えているミスラ・レンブラント(シャヘルの申し子・e03773)と、
「……はあっ、女の子が、いっぱい……」
 その隣には、パンツを手にしたカフェ・アンナ(突風はそよ風に乗って・e76270)。
「ん? 顔が赤いが? にゃにかあったのかの?」
 オルファリア・ゲシュペンスト(ウェアライダーの巫術士・e23492)が問いかける。
「い、いえ。なんでも……」
 とかなんとかありつつ、
「私もついでだし、パンツ買っとこうかなー……」
 と、高身長の小学生の姪を連れた高校生が、手を伸ばし、
『パンツ穿いてんじゃねえよ! 頭に被るもんだろがよぉ!』
 ビルシャナが、その場に現れた。
「出たの?」
 騒ぎが起こり、カウンターから顔を出す錆次郎。
「ああ。じゃ、事前に打ち合わせしておいたように……避難誘導するから、足止めの時間稼ぎ、よろしくな」
 と、蒼眞。
「うん。避難の方、よろしくね」
 と、錆次郎もカウンターから出ると、
 他のケルベロスらとともに、ビルシャナとその信者たちの前へ、立ちはだかった。
『ん? なんだお前らは』
 錆次郎とミスラ、オルファリアとカフェが、まず信者らの前に立つ。
「あの……みんな、大丈夫かな?」
 まずは、錆次郎が。
「このところ、暖かい日もあったし、花粉も飛んでるから……それでどこかやられてないかなと思って」
『ふん! 我々はそんなものでおかしくなるほどやわではない! 健全なる精神を持つ我々は、肉体も健全! そうだな我らが同志たち!』
『そうだ、その通り!』
『閉じこもって不健康な事ばかり考えてるから、歪んだ思考になるのよ』
 と、自分たちは健全だと思い込んでいる、歪んだ思考の連中。
「あー、それじゃあ『下着の本来の用途』に関しては、どう考えてるの?」
 問われ、『何のことだ?』とばかりに首をかしげるビルシャナおよび信者ズ。
 錆次郎は、
「下着は本来、排泄物や汗などを吸収して、身体を清潔に守るもの、なんだけど。もちろん、衣服として装飾の意味もあるけどね」
 それに……と、言葉を続ける。
「元来は、『隠していて見えない物』だからこそ、それが見えた時に興奮するのであって、常時見せっぱなしは、萌えるものも萌えないんじゃないかな。更に言うと……」
『うるさい! こまけぇ事はいいんだよ! 身体を清潔に守るものがパンツ? なら、頭を清潔に守るために被らねば! はい論破!』
 と、途中から錆次郎の言う事を理解できず、逆ギレぎみに、ビルシャナが中断した。
(「ありゃ、これはちょっと……」)
 錆次郎は困惑しつつ、
(「人の説明や意見を聞かず、『自分は正しい』と思い込む年配の人みたいだなあ」)
 と、実感してしまうのだった。

●女子パンツの無駄遣い
「はあ、おぬしら……」
 やーれやれと肩をすくめ、オルファリアが進み出る。
「おぬしらに聞きゅが……『ぱんちゅははくものではない』のじゃな?」
『そう言っているだろうが! 理解力が足りない莫迦どもめ!』
「という事は、『美女や美少女がはいたぱんちゅ』なぞ言語道断よの? なれば、美女がはいたぱんちゅなぞに、『反応』してはならにゅよの?」
『なっ……ど、どういう事か……っ?』
 と、理解力の無い莫迦たちはしどろもどろ。
「では、試してみよう。ミスラ殿、……ぱんちゅ貸して給う」
 しかし、オルファリアの頼みを、ミスラは聞き入れず。
「いえ、あの……私の服は、被るに適さないもの、なので……」
 そう言って、自身の服を脱ぎ、見せつけた。
 確かに、Tバックのハイレグのボディスーツで、下着は薄手のレース。……股間部には、何かが蠢いている。
「仕方ないのぅ」
 オルファリアはそう言いつつ、自身のスカートに手を入れ、脱いだ……、
 と見せかけ、買ってきた新品のパンツを取り出し、投げつけた。
「ほーれ、ぱんちゅじゃ! かぶりゅか?」
 さすがに、使用済み(に見せかけた)パンツを頭に被るほど莫迦ではなかろう……、
 と思っていたが。
『よこせ! 俺が被る!』
『いいやワシが!』
『残念、拙者がデュフフ』
 と、被られてしまった。
 ならばと、次の質問。
「ところで、『海水ぱんちゅ』も、ぱんちゅの一種じゃよな? ちゅまり……ぬしらは、海やプールに行くのに、ぱんちゅをはかじゅに、頭にかぶっていくのじゃよな?」
 さすがに、それほど莫迦では……、
『そうしてますが何か?』
『頭は海パンで隠して、身体は隠さず、なんだな』
『美女や美少女がやってくれたら最高でござるデュフフ』
 訂正、それほどの莫迦でしたパート2。
「…………何か……負けた気分なのじゃ……」
 どよーんと落ち込んだオルファリアに、よしよしと慰める錆次郎。
 信者らは、
『おいお前! さっき穿いてたの被らせろ!』
『そっちの眼鏡! お前もだ!』
 と、要求してきた。
「だ、だから……いわゆる矯正下着なので、被れる構造ではないと……」
 ミスラがそう言うも、『ぬーげ! よーこせ!』と、変なコールが。
 眼鏡こと、カフェの方は、
「えっと、私……下着は『ふんどし派』なんですけれど……あ、か、被るなら……男性はヤです。女性の方だけにしてくださ……」
 そこまで言って、
「……って、そうじゃなくて! あの、新品ならともかく……穿いていたのを被るのは、不衛生では!」
 と、反論。
 しかし、
『女性ならいいのよね! ならあたしたちに!』
『不衛生? 愛し合う時はそこもぺろぺろするもんでしょ!』
 と、女性信者らも聞く耳持たず。
『わっはっは、わが教義、確実に広まってるようだろぉ!』と、ビルシャナは自慢げ。
 しかし、カフェは、
「あの……その教義……頭にパンツを被っている人は、下着を履いていない人だと、周りに丸わかり……! ということになりますがっ」
 と、反論。
「危ないですよ! いいんですか! そんなことアピールすると、危険な……えっちな目に遭いますよ!」
 妙な熱意のその口調に、信者とビルシャナはもちろん、ケルベロスの仲間たちもやや圧倒。
「いいんですね、忠告はしましたからね……!」
『……な、ならば……『パンツを含めた下着全般』ならば良かろう! そうだな信者共!』
『『『然り!然り!然り!』』』
 と、そんな状況で、
「ほら、皆もう集まっちゃってます」
 オルトロス、アロンを連れたキアリと、
「お、遅くなりました……」
「ごめんなさい、遅れたわ!」
 美珠と伊織が駆け付けていた。

●可愛ければノーパンでも好きになってくれますか?
「皆さん、すみません……。鳥妖魔が現れた事に、気づきませんでした!」
 しかし、美珠は気付いていないのか。スカートを履いておらず……下半身はパンツ丸見え。
(「そういえば、さっきキアリちゃんに呼ばれた時、大慌てで出てきちゃったのよね……」)
 伊織はそのまま、美珠へ耳打ち。
(「神様の指示あるでしょ? 私の言う事に合わせてね?」)
(「は、はいっ」)
 そして、信者らへは、
「さて、皆さん……私が『パンツの、本当の使い方』を、教えてあげるわっ!」
 宣言した伊織に、
『本当の使い方?』
『更なる被り方があるとでも?』
 ケルベロスたちも『?』を浮かべ、仲間たちと見つめ合ってしまう。
 伊織はその中で、
「じゃ、美珠ちゃん。今はいてるパンツを脱いで、私にちょうだい?」
「はいっ! ……って、えええっ!?」
 当然、美珠は困惑。
「それが作戦、なんですかっ!?」
「そうよ、さ、早く。大丈夫、スカート履いてたらノーパンでもばれないわよ」
 伊織に促され、
「わ、わかりました……」
 スカート履いてない美珠は、そのままパンツを皆の前で脱ぐ。
(「ううっ、事前に神様に言われたとはいえ、恥ずかしいです……」)
 と、脱いだパンツを伊織に差し出した。
 伊織は、まだ暖かいそれを、
「……本当の使い方、それは……」
 自分の鼻に当て、息を吸い込み、その臭い……否、『匂い』を鼻孔に吸い込んだ。
「パンツは、『匂いを愉しむ嗜好品』よ!」
 ビシ! と言い放ち、
「……ちょっと『アンモニア臭』がするわね……来る前に『休憩』してた時、美珠ちゃんってばお漏らししてたから?」
 などと、バレてはならないっぽい恥ずい情報も、さらっと流してしまう。
「……って、伊織さん! 匂いなんて嗅いで、何を……というか、何を言ってるんですかっ!」
 しかし、カフェは、
「……ああ、美珠さん、素敵。丸見えで……」
 これまたハァハァと、興奮した口調と熱っぽい視線を向ける。
 そして、美珠が『臭いを嗅がれている』のを見て、
 カフェ自身も、ふんどしのひもを緩め、脱ぎ、
「……どうぞ」
 と、同じく興奮している信者女性らに差し出した。
『きゃーっ! 眼鏡っ子のふんどしよ! 私が被る!』
『いんや、私が!』
『私!』
 結果、全員でその匂いを吸う事に。
 しかし、
『くっ……』
「く?」
『『『臭いっ!』』』
 途端に、うげーとなる女性信者一同。
「そ、そのふんどし……ひと月履きっぱなしで、洗濯してないんです……」
 カフェの言葉に、
『なによこれ!火山の硫黄みたいな臭い!』
『は、鼻が死ぬ……人間、悪臭でも死ねるのね……(ぱたっ』
『うげー……だめ、もうだめ、最悪だわ……』
 女性信者らは全員が戻しまくり、そのまま昏倒。
「そ、そこまで言うなんて……」
 さすがにショックを受けたのか、俯くカフェ。
「き、気にすりゅ事はないぞ。あの者どもめ、いきゅら何でも言いしゅぎじゃ……」
「そ、そうよ。まったく……いくらなんでも……」
 と、慰めようとしたオルファリアにキアリだったが、
「……はあっ、もっと……もっと罵って、嘲って下さい……」
 喜悦にぞくぞくする表情のカフェを見て、逆にショックを受ける二人だった。
 そして、それを見た男の信者らは、
『……やはりパンツや下着を被っちゃだめだな』
『パンツははく物。ゆえに被るべきではない』
『拙者ら、紳士ゆえ瞬く間に反省したでござるデュフフ』
 ころっと宗旨替え。
 ビルシャナも。そそくさ逃げようとしたその時に、
「……客や店員たちの避難は終わったぞ! くそっ、あの空手少女に殴られたから時間かかっちまった。さて、俺も……」
「……蒼眞くん、もう説得も終ったよ。あとは……ビルシャナ退治だけ、だね」
 戻ってきた蒼眞は、神妙な表情の錆次郎に迎えられていた。

●ゆるパン・へやパン
「とりあえず、鳥妖魔! 逃がしません!」
 下半身に一糸まとわぬ美珠は、大きく足を開いて踏み出し、
「草薙流剣術、受けて下さいっ!」
 ビルシャナを、月光斬で袈裟切りに。
 その様子をガン見しつつ、
「はっ!」
 蒼眞も、斬霊刀で一閃。
「おおっと、逃がさにゅのじゃ!」
 逃走を試みるも、オルファリアの禁縄禁縛呪が捕らえ、
「アロン!」
 オルトロスのソードスラッシュが切り裂き、
「これで、とどめ!」
 キアリの轟竜砲が、ビルシャナを吹き飛ばした。

 というわけで、事件は終了。しかし、
「もうっ、伊織さんっ! 皆さんも! 気づいてたなら教えて下さいっ」
 股間を隠し、赤面している美珠の姿が。今になってようやく、自分がスカート履いておらず、下半身丸見えな事に気付いたのだった。
「ごめんねー。ほら、代わりにこのパンツ穿いて」
 と、伊織は美珠に、やや扇情的なパンツを差し出す。
「この後もまた、ホテル行って休憩、する?」
「……(こくっ」
 と、頷く美珠であった。

 しかし、店の裏側、従業員用の試着室では。
「へへっ、アンタが『コレ』を入れてたのをバラされたくなけりゃ……もっとご奉仕しろよ……」
「おうおう、積極的だな。おら、もっと奥まで咥えろ……腰も動かしな」
 ミスラは、バイブを自身の股間に入れていた。
 それを盗撮した者たちが、それをネタに脅迫し、無理やり交わっていたのだ。部屋の前には、行列を作った男どもの姿が。
「んっ……んっ……」
 肉体がぶつかる音と、淫らな粘音、そして、
「……ああっ!」
 ミスラの嬌声が響き、室内に淫臭を漂わせていた。

 男性信者たちは、既に退散したが。
 女性信者たちは、店内の空き室にて。蒼眞とカフェから『教育的指導』を受けていた。
「ほら、どうした。もう終わりか?」
 蒼眞は腰と指を動かす。それらの先端は三人の女性に埋まっていた。
「ご、誤解して、殴ったの、謝るから……あああっ!」
 そのうち一人は、空手を嗜む客の女子高生。
 避難時。彼女は蒼眞を犯罪者扱いし、殴りつけたのだ。
「反省したなら……ちゃんとご奉仕しろ!」
「「「ああああああっ!」」」
 三人を同時に絶頂させた蒼眞は、すぐに体勢を入れ替え、更なる交わりを。
 そして、ふんどしの臭いで気絶していた二人の女性は、下半身丸出し状態で、カフェの両手で同時に愛撫されていた。
「そ、そんな触り方……ひゃああ!」
「あ、あひいっ!」
 ねちっこい指使いに、悶えるしかできない。カフェは二人を、床にうつぶせにさせ、お尻を突き出させ……、
「「ひっ!」」
 その肛門に指を突っ込み、ほじり始めた。
「……下着が無いと……お漏らしした時、丸わかり、ですね? ここもほじると……」
 やがて、二人のお腹が刺激され……、
「やっ、やっ……出ちゃう……」
「やっ……やぁぁぁっ! 見ないでぇぇっ!」
 二人のお尻から噴き出す音と、絶叫が、室内に響き渡った。

作者:塩田多弾砲 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年3月8日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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