ミッション破壊作戦~夢を喰らう者たちを滅ぼせ!

作者:青葉桂都

●ミッション地域を解放せよ
 ドリームイーターの本星、ジュエルジグラットはケルベロスたちの手によって制圧された。
「ジグラット・ウォーに参加された皆さんはお疲れさまでした」
 集まったケルベロスたちに、石田・芹架(ドラゴニアンのヘリオライダー・en0117)はねぎらいの言葉をかけた。
「さて、この勝利によって、各地に存在するドリームイーターの強襲型魔空回廊が消滅しました」
 これまでドリームイーターによって支配されていたミッション地域を完全に解放することが可能になったのだ。
「ただ、戦力が補充されなくなったので全滅は時間の問題ですが、その土地にいたドリームイーターが消えてなくなったわけではありません」
 滅びると確定した敵が、自暴自棄になって暴れまわることがあれば大きな被害が発生することだろう。
「皆さんにはへリオンから降下作戦を行っていただきます。ただし、今回はグラディウスを使う作戦ではありません」
 ミッション地域の中枢付近、魔空回廊があったあたりにはドリームイーターの首魁とも言うべき個体が存在していると芹架は語る。
「降下からの強襲によってその個体を撃破してしまえば、もはやドリームイーターの混乱を収められる者はいなくなります」
 そうなれば、大がかりな作戦を行わなくてもドリームイーターの残党を殲滅することが可能になるはずだ。
 混乱しているとはいえ敵中に飛び込み、強敵を撃破する危険な作戦だが、どうか引き受けて欲しいと芹架は言った。
「繰り返しになりますが、今回の降下作戦はグラディウスによる攻撃ではありません。ですので、降下時に叫ぶ必要はありません」
 あくまでも目標は、各ミッション地域に存在するデウスエクスのうち、首魁と呼べる強力な1体を撃破することだ。
 もちろん、なにか想いがあるなら叫んでもかまわない。
「狙う場所については、ドリームイーターが支配するミッション地域のうちどこにするかを皆さんが話し合って決めてください」
 各地域ごとに、出現するドリームイーターには特色がある。どこにどのような敵が現れるかも含めて考えて欲しいと芹架は言った。
「それから、首魁は能力が高いものの、使用する技などについては同地域に出現するドリームイーターたちと同様であると考えられます」
 選んだ地域の敵について確認することは、戦術を立てる上でも重要だろう。
 本星を失ったことで敵は混乱しており、連携できる状況ではないため基本的には強敵1体との戦闘を想定すればいいはずだ。
 もちろん、戦闘にあまり時間をかけすぎたり、グラビティ使用以外の不必要に目立つ行動をとれば、どうなるかわからないが。
 また、すでに追い詰められている状況の敵は、死に物狂いで反撃してくることが予想されるので十分に注意した方がいいだろう。
 もしも撃破に失敗すれば、怒った敵が周辺地域へ侵攻してくる可能性があるため、確実に敵を撃破する必要がある。

「せっかくドリームイーターを滅亡させることができたのですから、勝利を確実なものとするためにも残党はしっかり皆殺しにしましょう」
 放置しておくと、他のデウスエクス種族が介入してくる可能性もある。それを防ぐ意味でもしっかり殲滅しておくべきだろう。
 芹架はそう言って、静かに頭を下げた。


参加者
幸・鳳琴(黄龍拳・e00039)
グーウィ・デュール(黄金の照らす運命・e01159)
イッパイアッテナ・ルドルフ(ドワーフの鎧装騎兵・e10770)
ユグゴト・ツァン(パンの大神・e23397)
田津原・マリア(ドクターよ真摯を抱け・e40514)
今・日和(形象拳猫之形皆伝者・e44484)
副島・二郎(不屈の破片・e56537)
フレデリ・アルフォンス(ウィッチ甲冑ドクター騎士・e69627)

■リプレイ

●混乱のテーマパーク
 ケルベロスたちがヘリオンから降り立った遊園地には多くの人影があった。
 だが、そこを埋め尽くしている中に人はいない。
 すべて制服を着た女性型のドリームイーターだ。
「人が来なくなった遊園地……かつては人々も楽しんだでしょうに」
 幸・鳳琴(黄龍拳・e00039)が寂しげな声を出す。
「この地を開放しなければですね。残党とはいえ、油断なく穿ちます」
 混乱する敵の中に立ち、彼女は油断なく身構える。
 狙うべき敵はただ1体。
 このテーマパークを、夢を喰らうものたちの拠点に変えた首魁。
「遊園地は好きだ。愉しく戯れる仔の皆々が、笑顔と絶叫に包まれる空間。私自身は酔い易いから写真係で願う。何。緩やかな遊具ならば楽しめるだと。確かに。その前に依頼を成すべきだ。貴様等は如何に母を知るのか」
 ありし日を思ってか、移動しながらユグゴト・ツァン(パンの大神・e23397)が淡々と呟く。
 輝きのない妖しげな瞳を向けている先には、この地を制圧していたドリームイーターの1体がいた。
「こいつが遊園地で人の夢と命を喰らってたクズのボスか。グラディウスなしで片付けられるのはありがたいな」
 フレデリ・アルフォンス(ウィッチ甲冑ドクター騎士・e69627)は風雷剣サンティアーグを敵に向けた。
「強敵とはわかってる上で、ちゃっちゃと駆逐するか!」
「ケルベロスっ!」
 向けられた敵意に気づいたか、テーマパークハンターもまた身構えた。
「今日は『楽しんでる?』って聞かないんだね」
 黙っていれば遊園地を楽しむ学生にしか見えないデウスエクスに声をかけたのは、最初にこの地でこの敵と対峙した少女だった。
「最初に会った頃は相手にならないくらいボクは弱かったけど、今は違う。今日決着を付けよう。覚悟しなさい!」
 小柄な体に力をこめて、気勢をあげる今・日和(形象拳猫之形皆伝者・e44484)を見て、テーマパークハンターは笑った。
「やってみたらいいじゃない。ジュエルジグラットを滅ぼした力は知ってるけど、だからってこの程度の数に負けるつもりはないから」
 笑顔で告げるドリームイーターに日和は一歩踏み出した。
「初めて会った時もキミは笑っていたね。そうやって遊んでる人達を殺してきたんだ。絶対に許さないぞ!」
 怒る日和に、なおもテーマパークハンターは笑顔のままだ。
「やっぱ聞くまでもないね。楽しんでるでしょ、私たちを追い詰めるのを」
「楽しんでいるか、か……さあな、俺にもわからん」
 無愛想な顔で言った副島・二郎(不屈の破片・e56537)が包帯の下から敵を見据える。
 ただの武力に過ぎない自分が楽しむはずがない。以前ならそう答えたかもしれない。だが、最近は胸の奥にたゆたう混沌の水ではないなにかに自分でも気づき始めていた。
 それが楽しいということなのかはわからないが、今は考えるべき時ではない。
「私はまだ楽しくないですね。ですからあなたが楽しませてください……その汚いハラワタぶちまけてな!」
 グーウィ・デュール(黄金の照らす運命・e01159)は愛用のオーブを手に不敵に笑う。
「夢喰い残党は漏れなく侵略者、この地球から排除する! 民衆が心から楽しめる憩いの場を遊園地を奪還する! はい、みんなで倒しましょう」
 イッパイアッテナ・ルドルフ(ドワーフの鎧装騎兵・e10770)が愛箱のザラキと並んで日和をかばうように進み出た。
「せや、もうドリームイーターの好きにはさせへんよ! 皆の楽しみ返しや!」
 普段はぼんやりしている田津原・マリア(ドクターよ真摯を抱け・e40514)が、力をこめて叫ぶ。
 そして、戦いは始まった。

●殺戮のテーマパーク
「そんなに焦らなくたって、すぐにこの場所はそっちの支配下に戻るよ。ジュエルジグラットが落とされちゃった以上ね」
 テーマパークハンターはなおも笑顔を浮かべていた。
「まあ、その前にせいぜいこのあたり一帯を、楽しいテーマパークに作り替えさせてもらうつもりだけどね……こんな風に!」
 ドリームイーターの背後にアトラクションの幻影が浮かび上がる。
「やっぱ、ここから離れてもまた誰かの楽しみを壊そうとするんやね。ここできっちり始末つけんと」
 マリアの言葉をかき消して攻撃は襲ってきた。
 コースターが、回転木馬が、ゴーカートが、幻想的な音楽を伴ってケルベロスたちへと襲いかかる。
 幻惑する攻撃に世界があやふやになる。
「でも、これは民衆が夢見た遊園地の姿ではありません! これが遊園地再開を願う……奪還の陣です!」
 救命扇を振りかざしてイッパイアッテナが宣言する。
「奪還の陣ですか。悪くありませんね」
 鳳琴が言った。
 言いながら、彼女はふと過去を思い出す。
(「テーマパーク……父様に連れてきてもらったっけ」)
 奪還、その言葉はこの戦いにふさわしく思えた。
「平和の象徴、人々の笑顔……必ずこの地域を取り戻します。さぁ、勝負だっ」
 エアシューズで地を蹴ると、紅翼の闘魂をまとった少女が宙を駆ける。
 重力を操ったその蹴りがテーマパークハンターを捕らえて、いくらかその足を鈍らせる。
 とはいえ敵はミッション地域の首魁だ。
 一撃だけでは十分ではない。
 しかけた攻撃の半分ほどは回避されてしまった。
「ねえ、楽しんでる?」
 そのうちの1人、鋭い蹴りを回避された日和にテーマパークハンターが問いかける。
「楽しんでるよ。見つけた時から決めていたんだ。キミはボクが止めるって!」
 空を切った足で地面をしっかりと踏みしめ、日和は言い返す。
「ボク1人じゃまだ及ばないかもしれないけど、負けるもんか!」
 悪意ある笑顔を日和はにらみ返した。
「命中率には不安がありそうだな」
 二郎は誰にともなく言った。
「せやね。なら、まずは手堅く、皆さんの助けになるようにさせてもらいます」
 マリアが手にしたドラゴニックハンマーを砲撃形態へと変化させた。
「頼む、田津原。俺は俺は皆の感覚を強化する」
 狙いをつけ、竜砲弾を確実に命中させるマリアの横で、二郎はオウガメタル粒子を散布し始めた。
 攻撃や支援を続け、数分とたたないうちにケルベロスたちの攻撃は確実に命中しやすくなっていく。
 とはいえ、敵の攻撃もまた、ケルベロスたちに命中し続けている。
 テーマパークの設備を利用した強烈な攻撃が、日和を狙う。
 とっさに彼女をかばったのはユグゴトだった。押し退けるような攻撃で、彼女の体が遊具に叩きつけられる瞬間、それが動いて追撃を加える。
「そうやって痛い目にあうのは、楽しいの?」
「仔が戯れる為の場に妙な問い掛けなど不要だ。悪い仔は独占が大好きらしい。ならばお仕置きの時間だ。私が母親故に言う事は聞き給え。抱擁の時だ。愛らしい貴様、おいで」
 ユグゴトは静かにテーマパークハンターの問いかけに答える。
 答えながら、彼女は鉄塊剣のようでありながら、病的で形容しがたい姿をした両手の得物を振り上げる。
 細腕の腕力だけでそれらを御すると、豊穣の証しである双丘が大きく揺れた。
 重厚無比な一撃がテーマパークハンターの体に深々と食い込む。
 警戒の……あるいは怒りの視線を向けてくる敵に、ユグゴトは慈母のごとき表情を向けていた。
 ユグゴトが敵の注意を引き付けて、ミミックのエイクリィや、イッパイアッテナと愛箱のザラキと共に仲間をかばっている間に、フレデリは幾度も聖剣を掲げて雷の壁を展開していた。
「聖王女よ、彼の者に加護を!」
 さらに、雷の壁から外れたエイクリィに、彼の一族が得ていた加護を与えて守る。
「だいぶ守りは固まったな。グーウィ、そっちはどうだ?」
 同じく中衛で行動する少女にフレデリは声をかけた。
「まだ十分じゃないっすね。もっともっと動きを止めてやるっすよ。まだあっしは本気じゃないっすからね」
 明日から本気を出すという彼女の誓いが、ドリームイーターの足元から溶岩となって吹き出してプレッシャーを与える。
 テーマパークハンターの首魁である敵の攻撃はまだ脅威のままだが、その戦闘能力は確実に減衰している。
「砕け散りなさい!」
 鋼の鬼と化した日和の拳が敵を打つ。
 最初は当たり難かった攻撃も、多くが命中するようになっていた。

●夢を取り戻せ
 迷子放送が戦場に響いた。
 自らを強化して、反撃しようというのだろう。
「逆転なんか許さへん」
 後衛から一気に踏み込んだマリアの爪が、流れ続ける放送をすぐに引き裂いた。
 ケルベロスたちの攻撃がドリームイーターに命中する。
「もうあなた方のゲートはありません」
 鳳琴が拳を固めて敵に接近する。
「そして、地球から奪ったものを返してもらいます。覚悟ッ」
 唸りをあげて、拳が敵を吹き飛ばす。
「隙アリッ!」
 吹き飛んだ先に回り込んだ日和が鋭い蹴りで敵を切り裂く。
「こちらも、今のうちに回復させてもらおう。ツァンの傷がまだ残っているようだからな」
 青黒い混沌の水が二郎の腕から仲間へと飛び出す。
「感謝しよう。悪しき仔の足掻きを受け止めるも母の責務だ。愛らしき仔が我が胎へと還るまで私は此処に在らねばならない」
 そして、彼女は両手を静かに広げた。
「殺せ。殺せ。殺して終え。奴が我等を滅ぼすものだ。殺される前に殺して終え」
 林の乙女の囁きが、攻撃を受けているドリームイーターをさらに追い詰めていく。
 幾度めか、テーマパークの幻影がケルベロスたちの前衛に襲いかかった。
「大地の力を今ここに――顕れ出でよ!」
 だが、何の変哲もない棒を地面に突き立ててイッパイアッテナが叫ぶ。
 龍穴とこの地をつないで共鳴させ、この支配された大地に眠る清浄なる力を呼び覚ましたのだ。
 グーウィの縛霊手から伸びた網が敵を絡めとる。
「その厄介な動き止めます」
 マリアの麻酔弾も敵の動きを鈍らせた。
「催眠の技が効いてりゃヤバかったけどな……こっちの有利はもう揺らがないぜ!」
 フレデリが動力剣を振り下ろして、テーマパークハンターの傷を切り開く。
「まだ終わってないから! 最後まで楽しませて――!」
 ユグコトを遊具に向け吹き飛ばそうとしたドリームイーターの足が、一瞬もつれた。ユグゴトがすり抜けるように攻撃を回避する。
「花火でも打ち上げてるのですか? 随分楽しそうで」
 グーウィの嘲る声が遊園地に響く。ヌンチャク型に変わったルドルフの杖によるに攻撃に合わせて、彼女も敵へと接近する。
「あっしもミッション地域に敵がいたんで、今日は日和さんのために全力を尽くさせてもらうっすよ。さあ、働いて返せ、ヴィゴラス!」
 かつて自分の宝を奪ったドリームイーターから鹵獲した技。
 フェアリーレイピアがテーマパークハンターの服を削り取り、奪い取る。
「……不様な仔よ。それでも私は愛そう」
 炎をまとった鉄塊剣がドリームイーターを抱擁する。
 ケルベロスたちの攻撃が、弱った敵を追い詰めていく。
「もう誰かの楽しみ奪わせへんよ」
 マリアの飛び蹴りが敵を捉える。
 彼女が離脱したところを狙って、二郎が幸運の星を敵へ蹴り飛ばす。
 フレデリの放つ時空凍結弾もドリームイーターを凍らせた。
 愛箱のザラキが具現化したピコピコハンマーやエイクリィの牙も。
 最後の力を振り絞って、テーマパークハンターはアトラクションの幻影を産み出してきた。
 ユグゴトが鳳琴を、イッパイアッテナが日和を素早くかばう。そして、再び呼び出された地脈の力と、重ねられた多くの加護が催眠の効果をすぐに吹き飛ばす。
「あと一息です。存分に活躍を見せてください、日和さん!」
「ありがとう、イッパイアッテナくん!」
 頷いた日和より一歩早く、紅をまとう拳士が敵へと接近する。
 鳳琴はボロボロの制服を着たテーマパークハンターの懐へ踏み込んだ。
「これが、培った絆の一撃です――勝負だッ!」
 龍状のグラビティを掌打と共に打ち込む。
「日和さん、後は頼みます!」
 炎翼に包まれる敵から、鳳琴が離脱する。
「任せて!」
 代わって接近した日和はテーマパークハンターと間近で顔を付き合わせた。
「……ねえ、楽しんでる?」
 ドリームイーターは最期までそう聞いてきた。自分を殺すのが楽しいかと、そう聞いているのだ。
「ボクをこれ以上、怒らせるなよ!」
 左の眼を閉じ、右眼でにらみつける。
 デウスエクスの内部に走る気を、視線に宿る力で乱す。
 見た目は少女にしか見えないテーマパークハンターの姿がモザイクのように砕けていく……。
「サヨナラだね、バイバイ」
 そう告げたのと同時に、ドリームイーターの姿は完全に消え去っていた。

●遊園地の解放
 まだ混乱する遊園地の中で、そこだけが妙に静かだった。
「倒せたの? やった! コレで生駒山の遊園地は元に戻るね」
 日和が仲間たちに笑みを見せる。
「これで、また1つ……解放ですね!」
 鳳琴も表情を緩める。
「油断なく、次々と参りましょう!」
 まだドリームイーターのミッション地域は残っているはずだ。
「あっしや日和さんのように、決着をつけられる人が増えるといいっすね」
 グーウィが同意した。
「皆さんお疲れさまでした。日和さんらしい活躍を見せていただきました。できれば残る敵も殲滅していきたいところですが……」
「抱擁すべき仔はまだ多く在る。だが、今はその時ではないようだ」
 ディフェンダーのイッパイアッテナやユグゴト、それに2人のサーヴァントたちには回復できないダメージが積み重なっている。
 殲滅はミッションに挑むケルベロスたちに任せるべきだろう。
「退路はあらかじめ調べてあるぜ。行こう、みんな」
 フレデリの言葉に皆が頷いた。
 ケルベロスたちが中枢から素早く駆け出していく。
「……楽しんでいるか、か」
 二郎は改めて、己の中にある感情の残滓について考えていた。もっとも、答えがそう簡単に出るとは思えなかったが。
 悩みながらも彼は仲間たちから遅れずについていった。
「今解放できたら、きっと春の開園に間に合います。この遊園地が再び楽しい思い出を築く場所になるとええですね」
 走りながら、マリアは仲間たちに言った。
「そうだな。遊園地が復旧したら遊びに行こうかな。って、オレ、そんな相手がいない非モテだったわ……」
 フレデリが乾いた笑いを漏らした。
「大丈夫、恋人が一緒じゃなくても遊園地はきっと楽しいよ。回復したらみんなで遊びに来ようね! 早く帰って教えてあげないと!」
 日和の弾む声が響いた。
 進路上にいる敵だけを片付けながら、ケルベロスたちはアトラクションの間を駆け抜けていく。
 ここが再び動き出す日が早く来ることを、皆が願っていた。

作者:青葉桂都 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年2月19日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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