おっぱいは大きいほど良い!

作者:ゆうきつかさ

●都内某所
「俺は常々思うんだ。おっぱいは大きいほど良い、と! だって、そうだろ! 逆に聞くが小さくていい事なんてあるか? ハッキリ言ってない! 絶対にない! 文句があるなら掛かってこい! だが、ここでキッパリと断言しておくが、そんな奴は絶対にいない。胸の小さい奴は、少なからず罪の意識を抱いているから、ここに来る事はない。絶対に、だ!」
 ビルシャナが廃墟と化した施設に信者達を集め、興奮した様子で自らの教義を語っていた。
 信者達は老若男女胸が大きく、それを誇りにさえ思っているようだ。
 そのため、胸の小さな相手に対して、差別意識を持っており、自分よりも格下に思っているようだった。

●セリカからの依頼
「フラジール・ハウライト(仮面屋・e00139)さんが危惧していた通り、ビルシャナ大菩薩から飛び去った光の影響で、悟りを開きビルシャナになってしまう人間が出ているようです」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が、教室ほどの大きさがある部屋にケルベロス達を集め、今回の依頼を説明し始めた。
 ビルシャナが拠点にしているのは、廃墟と化した施設。
 信者達はビルシャナによって洗脳されており、実際よりも胸が大きくなっているように思い込んでいるらしい。
 しかも、貧乳を敵視しており、見つけ次第、排除しようとするようだ。
「今回の目的は、悟りを開いてビルシャナ化した人間とその配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破する事です。ただし、ビルシャナ化した人間は、周囲の人間に自分の考えを布教して、信者を増やしています。ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、放っておくと一般人は信者になってしまうため、注意をしておきましょう。ここでビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が信者になる事を防ぐことができるかもしれません。ビルシャナの信者となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば、元に戻るので、救出は可能ですが、信者が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」
 セリカがケルベロス達に対して、今回の資料を配っていく。
 信者達は例え男性であっても、胸板が厚くなければ、悪として認識するため、説得するよりも気絶させた方が楽かもしれない。
「また信者達を説得する事さえ出来れば、ビルシャナの戦力を大幅に削る事が出来るでしょう。とにかく、ビルシャナを倒せば問題が無いので、皆さんよろしくお願いします」
 そう言ってセリカがケルベロス達に対して、ビルシャナの退治を依頼するのであった。


参加者
フラジール・ハウライト(仮面屋・e00139)
若生・めぐみ(めぐみんカワイイ・e04506)
コクマ・シヴァルス(ドヴェルグの賢者・e04813)
マロン・ビネガー(六花流転・e17169)
ロージー・フラッグ(ラディアントハート・e25051)
柄倉・清春(大菩薩峠・e85251)

■リプレイ

●廃墟と化した施設
「……」
 若生・めぐみ(めぐみんカワイイ・e04506)は仲間達と共に、ビルシャナが拠点にしている施設の前に立っていた。
 だが、めぐみは無言。
 ただならぬ気配を感じ取り、ナノナノのらぶりんもビクついているようだった。
「それにしても、おっぱい……ねぇ」
 フラジール・ハウライト(仮面屋・e00139)が、複雑な気持ちになった。
 一体、何処からツッコめばいいのか分からないが、一言で言えば、よし……帰ろう!
 ビルシャナが関わっていなければ、近づく事が無い程、ヤバイ雰囲気であった。
「こりゃ、涎もんの仕事だねぇ」
 それとは対照的に、柄倉・清春(大菩薩峠・e85251)は、上機嫌。
 運命の女神に対して、今日の出来事を感謝しつつ、鼻歌混じりで気合十分。
 気持ちはハッピー、脳内は桃色と言った感じであった。
「確かに、胸が大きいメリットは沢山有りそうですが、鳥さんの主張は何だか矮小……のような気が……」
 マロン・ビネガー(六花流転・e17169)が、気まずい様子で汗を流した。
 おそらくビルシャナは、おっぱいが好き過ぎるあまり、まわりが見えなくなっているのだろう。
 まさにおっぱいに埋もれている状態。
 この時点で何を言っているのか分からないため、かなり危険な状態であると言えた。
「大きなおっぱいが好きって人が増えるのは、悪い気しませんけど……。それがビルシャナによるものって事を考えると、やっぱり放っておけないですよね。信者さんを味方につけてビルシャナをやっつけましょう!」
 そう言ってロージー・フラッグ(ラディアントハート・e25051)が、Vカップの胸をバインと揺らした。
「案内はワシに任せろ。これでもホシは幹部だからな!」
 そんな中、ケルベロス達の前に現れたのは、コクマ・シヴァルス(ドヴェルグの賢者・e04813)であった。
 コクマはビルシャナの教義に賛同したフリをして、少し前から信者として潜入していたらしく、幹部クラスまで出世しているようである。
 この時点で、おっぱいスキー将軍の称号を得ていたりするのだが、どういった経緯で将軍と呼ばれるようになったのか、コクマの口から語られる事はなかった。
 仲間達も何となく空気を察したのか、あえてその話題には誰も触れず、コクマの案内で施設の中に入っていった。

●施設内
「みんな、新しい仲間を連れてきたぞ!」
 コクマが仲間達を引き連れ、ビルシャナ達の前に現れた。
 ビルシャナ達が真っ先に見たのは、ケルベロス達の胸……であった。
「……!」
 その視線に気づいためぐみが、とてもイイ笑顔を浮かべた。
 その途端、らぶりんがゴクっと身体を震わせ、『早く謝った方が……』と言わんばかりに、ビルシャナを二度見である。
 そんな二人(?)を眺めながら、清春が物凄く悲しそうな表情を浮かべた。
「一部……論外の奴がいるようだが、まあ……いいだろう」
 ビルシャナが全く空気を読まず、大袈裟にフンと鼻を鳴らした。
 それと同時に、めぐみが凄まじい殺気を放ったため、らぶりんが恐怖でガタガタブルブルと身体を震わせた。
「……ん?」
 一方、フラジールは信者達に囲まれ、胸をガン見されながら、聖女の如く崇められていた。
「さぁ見れ、オレの胸筋を!」
 清春も羞恥心ゼロで上半身裸になり、女性信者達に囲まれ、ゴキゲンな様子であった。
 そのため、『何コレ……天国?』、『夢なら覚めないでくれ!』的な考えが脳裏に過りつつ、幸せな時間を過ごしていた。
「何も躊躇う事はない。これは仕事……いや、果たすべき使命だ!」
 コクマがロージーの胸に飛び込み、顔を埋めてヘヴン状態に陥っていた。
 この時点で、やるべき事を忘れて、欲望まっしぐら!
 本能の赴くまま、天国にいるような表情を浮かべていた。
「大きな胸サイコー。つーことで、そのゲージツヒン、堪能させてもらうっよーん」
 清春もニンマリと邪悪な笑みを浮かべ、女性信者達の胸に飛び込んだ。
 しかし、女性信者達は嫌な顔ひとつせず、豊満な胸で清春の顔や、それ以外の部分を挟み始めた。
 それは清春にとって、至福な一時。
「はあ……はあ……」
 フラジールもビルシャナに胸を揉まれ、たまらず大量のミルクを噴き出した。
 まわりにいた男性信者達も荒々しく息を吐きながら、フラジールの身体にミルクをぶち撒けた。
「もっと力を抜いて……」
 長身の女性信者がフラジールを抱き寄せ、まるでマッサージをするようにして、優しく胸を揉み始めた。
「そんな事をしたら……!」
 フラジールが恍惚とした表情を浮かべ、完全に屈した様子で、ミルクを撒き散らしながら絶頂に達した。
 それを祝福するようにして、男性信者達がフラジールに大量のミルクを掛けた。
「やはり、大きな胸はイイ! 最高だ!」
 そんなフラジールを眺めながら、ビルシャナが満足した様子で女性信者達を抱き寄せた。
 その間も、めぐみが違う意味でイイ笑顔を浮かべ、らぶりんの神経をすり減らしていたが、ビルシャナ自身は全く気付いていないようだった。
「……大きな胸ですか。確かに、女性の胸には豊穣さや暖かな母性を感じますし、力士やスポーツ選手の大胸筋には強さを感じますね。そういった意味でも素敵だと思いますが、それは『普段からケアを欠かさず気を遣った、美しい胸』のみです。闇雲に大きいだけとか、太っただけの物は胸の価値を下げてしまいます。それに、世の中胸の大きい人ばかりだと『大きい』の意味が変わってしまうのでは?」
 マロンがビルシャナの顔色を窺いながら、信者達の胸をチラリと見た。
「そんな事はないぞ? 胸の大きい、小さいの基準は……変わっていない」
 ビルシャナが自信満々な様子で、めぐみの胸をチラリと見た。
 その途端、めぐみの殺気が爆発的に膨らんだものの、ビルシャナはまったく気にしていない。
「どうやら、何も分かっていないようですね。大きな胸には愛と優しさが、小さな胸には希望と夢が、其々詰まっているです」
 そんな空気を察したマロンが、呆れた様子でビルシャナ達に力説した。
「確かに、おおきい事は、素晴らしい。でも、ちいさいのにも、普通なのにも、ロマンがあるじゃない。おおきいだけじゃ、やっぱり、飽きが来る、から。ほら、こんな感じ」
 フラジールがビルシャナ達を前に立ち、バインと胸を張った。
「いや、まったく飽きない。何故なら、大きいおっぱいは正義だからだ!」
 ビルシャナが自信満々な様子で、フラジールの胸を揉み始めた。
「大きなおっぱいが正義というなら、私が正義ですよね! ……というわけで、皆さん、私の言うことを聞いてください! いいですか、大きなおっぱいには大きな心こそが相応しいのです。大きなおっぱいを愛する。大きくないおっぱいも許す。両方できてこその大きなおっぱいです! 大きくないおっぱいは敵だなんて言う鳥さんは悪い人です!」
 次の瞬間、ロージーがフォートレスキャノンを撃ち込み、ビルシャナの身体を吹っ飛ばした。
「……めぐみ、堪忍袋の緒が切れました!!」
 それと同時に、めぐみがビルシャナの顔を踏みつけ、とても……とてもイイ笑顔を浮かべるのであった。

●ビルシャナ
「最後の慈悲を上げます……今すぐにここを立ち去りなさい!! 去らないのであれば……処刑します」
 めぐみが最後の理性で、信者達に警告しつつ、目に見えるほど強烈な殺意のオーラを漂わせ、傍にいた壁を戦術超鋼拳でぶち抜いた。
「ま、巻き添えは勘弁だ!」
 それを目の当たりにした信者達が、慌てた様子で次々と施設から出ていった。
「……ん? ここは一体……。も、もしやワシは洗脳されていたのか。……そうだ! きっと、そうだ! 考えてみれば、こんな鳥野郎の傍に居て、お胸による幸福を得られる訳がない!」
 その途端、コクマがハッとした表情を浮かべ、悪夢から覚めたような……フリをした。
「あれ? ここは何処だ! ひょっとして、オレ……洗脳されていたのか!? そうだよな、これ。いやー、危ないところだったぜ!」
 清春も脂汗を掻きながら、同じように洗脳されたフリをした。
「お前ら、裏切りやがったな!」
 ビルシャナが、めぐみに踏みつけられたまま、恨めしそうに二人を睨んだ。
 だが、二人にスルー。
 我が身可愛さから、ビシルャナをスパッと斬り捨てた。
「それでは、処刑の時間です。あなたには慈悲は要らないですね……覚悟!」
 めぐみがビルシャナを見下ろし、そのまま踏み潰そうとした。
「ここで死ぬわけにはいかないんだァ!」
 ビルシャナがゴキブリの如く素早さで、床を滑るようにして逃げた。
「一体、何処に行くつもりですか? 文句があるなら掛かってこい、と言っていた訳ですから……」
 ロージーがイイ笑顔を浮かべながら、ビルシャナの行く手を阻むようにして陣取った。
「ぐぬぬ! 畜生、こうなったら!」
 ビルシャナが半ばヤケになりつつ、超強力なビームを放とうとした。
「そんな事をしても、無駄……」
 すぐさま、フラジールが終焉・壊(エンドブレイカー)を仕掛け、己の武器を媒介に白き龍を具現化すると、幻の雪が舞う華麗な攻撃で、ビルシャナの身体を斬り裂いた。
「とりあえず、邪魔な羽毛は毟っておきましょうか。胸元の膨らんだ辺りは、特に毟り甲斐が有りそうですね」
 それに合わせて、マロンが縛霊撃を仕掛け、殴りつけるのと同時に、網状の霊力を放射し、ビルシャナの動きを封じ込めた。
「一体、何をする気だ!」
 その途端、ビルシャナが身の危険を感じ、全身に鳥肌を立たせた。
 次の瞬間、マロンがビルシャナに飛び掛かり、ブチブチと羽毛を毟っていった。
「こ、こら、やめろ! 勘弁してくれ!」
 ビルシャナが必死にマロンを振り払い、施設の出口に向かって走り出した。
「ペタン子の怒りを思い知れ、鋼鉄の胸攻撃!!」
 それと同時に、めぐみが鋼鉄の胸攻撃(ナイチチアタック)を仕掛け、ビルシャメめがけて胸から急降下した。
 それはビルシャナにとって、地獄の一撃ッ!
 天国から地獄に転がり落ちるほどの一撃を喰らい、ビクビクと泡を吐いて息絶えた。
「あまり見たい光景じゃなかった、な……」
 フラジールが複雑な気持ちになりつつ、ビルシャナだったモノを見下ろした。
「ワシは自らなるより、豊かなものを堪能するほうが良いのだ。……という訳で、これにて解決だ!」
 そう言ってコクマがロージーの胸に飛び込み、幸せそうな表情を浮かべるのであった。

作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年1月30日
難度:普通
参加:6人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。