さあ、ワッフルを食べに行こうじゃないか

作者:星垣えん

●どこにでも行きます
 ふわふわワッフル3段重ね。
 その上にクリームをたっぷりと。
 さらにはメープルシロップをとろーりと垂らしてみる。
「くぅっ、これ太るやつ……!」
「でも止められない……食べる手を止められなぁぁーい♪」
 明日の恐怖を知りながら、女たちはフォークを差し入れた。
 甘味の爆弾と化したワッフルは一口食べるだけで、骨身まで蕩けるほどの美味しさであり、人々はしばし酔いしれるように打ち震える。
 そんな光景が、5組10組と店内のそこかしこで繰りひろげられていた。
 都内の一角に立つワッフル店は、今日も今日とて盛況だ。
 ワッフル自体の美味さはもちろん、人気を博すのはバリエーションの多さである。ふわふわのワッフルをさながらパンケーキのように食すこともできれば、卵とベーコンを乗せて最高の朝食を楽しむこともできる。
 ほかにも肉を乗せたりチーズを乗せたり、フルーツでさっぱりと合わせたり……。
 この店を訪れれば多様なワッフルを味わえる。
 それが、多くの人を魅了し、多くの人に幸福を与えていたのだった。
 ――だがやっぱり、客が増えると厄介事も増えるものである。
 今も耳をすませば、ズドドドドと外から地響きのような足音が聞こえて……。
「ワッフルのアレンジなど許さん! プレーンが一番に決まってるでしょうが!」
 プレーン教の鳥さんが、扉をぶち破って侵入してきたのでした。

●腹が鳴りますなあ!
 あらかたの予知を聞いたネリシア・アンダーソン(黒鉛鬆餅の蒼きファードラゴン・e36221)が、キリッと凛々しい顔をする。
「ワッフルのお店が……それは捨て置けないね」
「え、ええ……どうにか阻止しないといけません」
 ネリシアの目力にちょっと圧されながら、控えめに頷くセリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)。
 ビルシャナがワッフル店を襲おうとしている。
 そう聞くなり、ワッフルには並々ならぬ思いを持つネリシアは闘志満々だ。頭に乗っかってるグラファイト(オウガメタル)が荒ぶるポーズをしているから間違いない。
「ビルシャナは独りぼっちみたいだから……苦戦することはなさそうだね……」
「はい。お店に着いたら、すぐに倒してしまって下さい。できればお店に被害は出したくないですから、ね」
 ふふっ、となんか笑うセリカ。
 猟犬たちは彼女の微笑みですべてを察した。
 終わったらワッフル食べてきていいんですね、と!
「お店ではいろいろなワッフル料理を提供しているそうですよ。ワッフルもふわふわからサックリまで種類を選べますし、食べ応えのあるおかず系まで……改めて考えるとワッフルっていろんな食べ方ができるんですね」
「ワッフルの可能性は……無限だからね……人の数だけ、食べ方があるんだよ……」
 セリカにそう言うネリシアは、なぜか自慢げな空気を醸し出している。
 ワッフル研究に勤しむ者として、ワッフルが注目されるのが嬉しかったのだろう。頭上のグラファイトが気持ちウキウキしているから間違いない。
「さ……それじゃ行こうか……」
「そうですね、皆さんヘリオンまでお願いします。美味しいからって食べすぎないように注意して下さいね?」
 任せろ、と言わんばかりに頷く猟犬たち。
 かくして、一同はワッフルを食べすぎる仕事に出発するのだった。


参加者
幸・鳳琴(黄龍拳・e00039)
ジェミ・ニア(星喰・e23256)
アンセルム・ビドー(蔦に鎖す・e34762)
ネリシア・アンダーソン(黒鉛鬆餅の蒼きファードラゴン・e36221)
ルイーゼ・トマス(迷い鬼・e58503)
ジークリット・ヴォルフガング(人狼の傭兵騎士・e63164)
オルティア・レオガルデ(遠方の風・e85433)

■リプレイ

●囲んで、殴る
「許さん! ワッフルはプレーンに限るのだ!」
 地面に描かれてゆく、1本の砂煙の軌跡。
 怒りに燃える鳥さんは地を駆け、人気と聞きつけたワッフル店への角を曲がる。
 その、瞬間だ。
「せいっ!」
「ぐあああーーーっ!!?」
 刺された。
 角から半身出るかどうかの段階で、刀でおもっくそ肩を刺された。
「痛いよォーー!!」
「なんとかお店への襲撃前に止められましたね」
 肩を押さえて悶絶する鳥さんの前で「ふぅ……」と額を拭うのは、ビリビリと電気の流れた刀を持ったジェミ・ニア(星喰・e23256)。
「貴様! 曲がり角で人を刺すなと学校で教わらな――」
 鳥さんは怒りのままに立ち上がった。
 が、その言葉は切れる。
 いつのまにか自分が包囲されていることに気が付いたからだ。
「ワッフルが待っているんです、止まってられますか!」
「そう、ワッフルが、待っている……手を振って、すぐそこで……!」
「ワッフル……それはみわくのひびき。ワッてしてふわってして美味しさが降ってくるのだ……」
 左右と後ろが、幸・鳳琴(黄龍拳・e00039)とオルティア・レオガルデ(遠方の風・e85433)とルイーゼ・トマス(迷い鬼・e58503)によって固められていた。
「な、何だおまえたちは……私をどうする気だ!」
 四方から迫るプレッシャーに、身を縮めつつも威嚇を返す鳥さん。
 けれど現実は非情だ。
 ジークリット・ヴォルフガング(人狼の傭兵騎士・e63164)は静かに斬霊刀を抜いた。
「我々と他の客の迷惑だ。速やかに処そう」
「そうだね。ワッフル食べてるときにネチネチ言われても困るし」
「グラファイト……お願い」
「待って。ねえ待って」
 アンセルム・ビドー(蔦に鎖す・e34762)が体に寄生している蔦をうねうね、ネリシア・アンダーソン(黒鉛鬆餅の蒼きファードラゴン・e36221)もグラファイトを天に掲げる。一転して下手に出る鳥。
「別に邪魔とかそんなんじゃないっす。ただワッフルはプレーンが一番だって私は思ってるだけでして……」
 猟犬たちの輪の中で、正座して申し開く鳥さん。
 ローレライ・ウィッシュスター(白羊の盾・e00352)は、突きつけていたアームドフォートの砲口を下ろした。
「うーん。プレーンも美味しいけど、やっぱり生クリーム載せた方が美味しくない!?」
「馬鹿者! そんなん邪道に――」
「よし、死刑!!」
「シマッタァァーーッ!?」
 唸るアームドフォート! 響く鳥類の断末魔!
 そっからシュテルネ(テレビウム)に凶器を投げつけられたり、仲間たちにボコ殴りにされたりして、鳥さんは静かに逝きました。

●祭りの始まりだ
「ワッフル! ワッフルがたくさんありますよ!」
「こ、こここんなにたくさん……! だ、大丈夫ですよね! 消えてなくなったりしませんよねっ!」
「2人とも、少し落ち着こう」
 ワッフルだらけのディスプレーを前にしてはしゃぐジェミと鳳琴を、アンセルムは1歩引いたところから静かに宥めた。
 ジェミは彼の言葉にハッとなり、落ち着くべく深呼吸をする。
「い、いけない。冷静にならないと……今日は可能な限り、たくさんのワッフルを食べお好み焼き風ワッフル!?」
 無理だった。
「何ですかこれは! どのあたりがワッフルなのですか!」
「お好み焼きワッフル……なんだかすごいですね!」
「これがワッフルの無限の可能性……!」
「えっと、ボクはBLTワッフルサンドを」
「「BLTワッフルサンド!!」」
 お好み焼き風に目を奪われていたジェミと鳳琴が、さらっと放たれたアンセルムの注文に反応する。もうなんか何言っても反応しちゃうと思う。
 他方、ルイーゼはじぃ、とラインナップを見つめていた。
「どうした。良さそうなのがなかったか?」
「いや、その逆だ」
 ジークリットが問うと、ルイーゼは首を振る。
「選択肢が多すぎるのだ。目移りが尋常ではない。しかし欲しい物をぜんぶ食べたら確実にお腹がたりない……専門店というのは困るな」
「確かに生地の種類もトッピングも豊富だからな。迷ってしまうのは私もわかる」
「自由な選択とは難しいものだ……」
 むむむ、と頭を悩ますルイーゼ。
 それにくすりと笑ったジークリットだったが、視界の端にちらと気になるワッフルを見つけた。
「おや? これは面白い」
 彼女が発見したのは――煎餅のように薄いワッフルだ。
「切ったフルーツもたこせんべいのように一緒に押してるのか。よしコイツを何枚か頂いて色々試してみるか」

 店内の端のテーブル。
 2脚を独占した猟犬たちは、卓上を埋め尽くすほどのワッフルを囲んでいた。
「ワッフル……至福のワッフルタイムですね!」
「食べましょう。たっくさん食べちゃいましょう!」
 わぁぁ、と目をキラキラさせるのは鳳琴とローレライである。
 ひとしきり絶景を堪能すると、2人はそれぞれ、ケーキのように豪勢な段重ねふわふわワッフルと、ホイップクリームとフルーツ盛り盛りのワッフルを口にした。
「あぁ、すごい美味しい♪ もうワッフルにうずまりたい気持ち……!」
「わかる、わかるわ鳳琴さん!」
 何かを分かち合う鳳琴&ローレライ。
 ワッフルを食べはじめて10秒足らず、すでに一同は幸福の絶頂でした。
「じゃあボクも……」
 アンセルムも、BLTワッフルをはむっと頬張る。
 カリッカリに焼いたベーコンとフレッシュなトマト&レタスは言わずもがな美味い。しかし硬めのワッフルの食感が加わると普通のBLTとはまた一味違った。
「……ワッフルっていうとふかふかしているイメージがあったけど、こういうのもいいね。美味しいよ」
「わたしもワッフルはふわふわ甘いものというイメージが強かった。しかしどうして……なるほどこれがコペルニクス的転回というものか」
 アンセルムの横でむぐむぐワッフルを食べていたルイーゼも、深々と頷く。
 悩んだ末に彼女が選んだのはベーコンエッグを挟んだアメリカンワッフルだった。ベーコンと葉物、そこに卵が加わるという食い物が美味くないわけがなかった。
「うむ、美味しい」
「こっちも美味しいですよ! ハムの塩味をカマンベールチーズのまろやかさが包み込み、それをワッフルがしっかり支えて……これは止まりません!」
 同じようにサンドを食べていたジェミが唸る。
 たっぷり挟まれた生ハムとカマンベールチーズ、そのすべてをワッフルがまとめる。二口三口と動いてしまうのをジェミは止められなかった。
「こんなに美味しいワッフルがあるなんて……勉強になります」
「ワッフルの世界は……深いよ……」
 ジェミの呟きに、泰然とした声で応じるネリシア。
 日夜ワッフルの研究に余念がない彼女の言葉は、なんか重かった。
 ついでに、彼女の皿に乗ったワッフルも重かった。
「ネリシアのワッフルは……すごいね」
「うむ、ヘビー級の風格だとおもう」
「そうかな……ネリは普通だと思うけど……」
 アンセルムとルイーゼが見てくる自分のワッフルを、見下ろすネリシア。
 皿の上には、チキンワッフルとワッフルサンドが鎮座していた。
 ワッフルサンドはチーズやローストハム、トマトやピクルスを挟んだオーソドックスなものだ。美味しいことは間違いないだろう。
 だがそれ以上に仲間たちの目を惹いたのは、でかいフライドチキンが乗っけられたワッフルである。メープルシロップでてらてらと輝くさまはもうインパクトがパない。
「いったいどんな味に……」
「よかったら、分けてあげるよ……シェアしたほうが楽しいしね……ネリも皆のワッフル、食べてみたいし……」
「いいんですか!」
 わーっと万歳するジェミ。ネリシアはぱくっとチキンワッフルを一口食べると、皿を卓の中央に押して動かした。当然、アンセルムやルイーゼの手も伸びる。
 と、賑やかな一幕の一方。
 テーブルの一番奥側の席では、オルティアが黙々とワッフルを食べていた。
 ナイフで切り、フォークで掴まれたワッフルには――濃厚なバニラアイスとスイートポテト、さらに漉し餡が一緒になっている。
「冷たいアイスがポテトの熱で、じわっと溶けて……さらにこしあんとの三重奏、互いに殺し合わず濃厚さを増してゆく……この滑らかな美味しさに、サクふわのワッフルまでアクセントに加わったら……!」
 はむっ、と口に収めるオルティア。
 味覚を襲う爆発的な甘さに、その体は震えた。
「これはもう……すごい、とてもすごい……! 甘味の暴威……!」
「見るからに凄そうだな。戦いであれば考えものだが、ことスイーツならばそういう力押しは私も嫌いじゃない」
 もはや吸う勢いで食べ進めるオルティアを見ながら、アイスクリームを挟んだワッフル煎餅を口に放るジークリット。
 しかもワッフルが薄いだけに重くないのが嬉しい。チョコをかけたりホイップを挟んだりと、ジークリットは舌が求めるままにぱくぱくとワッフルを食べるのだった。

●祭りが続くんじゃ
「……甘いのを食べたら、塩気も欲しくなるのが、世の常……」
「そして塩気のあるのを食べたら、甘いのが食べたくなるのも世の常だな」
 オルティアがもぐもぐとベーコンエッグワッフルを食べ、そのちょっと隣でルイーゼがスイートポテトとバニラのワッフルをもぐもぐ。
 たくさんワッフルがあるのならば、食べない手はない。分けない手はない。
 ということで、ワッフル祭りはシェアパーティーに移行していた。
「ベーコンと卵が、最高……! こっちのチキンのワッフルも、食べ応えがある……!」
「オルティアせんぱいのも、美味しいな。なんというか、無法という感じだ」
「うんうん、甘味のパンチがすごいです。あ、ルイーゼさんの砂糖カリカリのワッフルも美味しいです!」
「それはよかった」
 まったりと会話しつつ、ワッフルを食べあうオルティア、ルイーゼ、ジェミ。ちなみにジェミが食べている砂糖カリカリはルイーゼがベーコンエッグと一緒に頼んでおいたものである。
「シンプルな味わいも、わるくない」
「ですねー」
「それは同意するよ。でもこういうのも良いとボクは思うんだよね」
 ルイーゼとジェミの話にするっと紛れてきたアンセルムが、新たにゲットしてきたスイーツワッフルを卓上に『どんっ!』と置いた。
 現れたのは鮮やかな緑色。
 抹茶を練りこんだ抹茶ワッフルである。添えられたゆで小豆とホイップクリームと一緒に食べたアンセルムは10秒間ぐらい黙りよった。
「……すごく豪華」
「抹茶ワッフル、気になる……少し、分けて……!」
「僕もぜひお願いします!」
「わたしも、少しいいだろうか」
「いいよ。ボクも皆の食べたいし」
 わいわい、とお皿を回すアンセルムたち。
 ――と、そのとき、がらんと店の扉が開いた。
「外を何周か走ってきました! これでまたワッフルが食べられます!」
 鳳琴だった。
 皆とさんざワッフルをシェアした挙句に『ちょっとお腹いっぱいになってきたので減らしてきます!』と店外に出ていた鳳琴だった。
「お疲れ様、幸ちゃん……ちょうどバブルワッフルあるけど、食べる?」
「もちろんです! なんだかポコポコしているワッフルですねいただきます!」
 てくてく歩いて席に戻ってきた鳳琴に、手に持っていたバブルワッフル(バニラアイス添え)を差し出すネリシア。あーんされたそれに鳳琴は秒でかぶりついた。
 で、唸った。
「バブルワッフル……これは美味しいですね! もう一口いいですか?」
「別に構わないよ……はい……」
「なになに? 何か美味しいワッフル食べてるの? 私も欲しい!」
 もう一度ネリシアにあーんしてもらう鳳琴の横へ、さっと滑りこんできたのはローレライである。極彩色のレインボーワッフルを咥えてやってきた彼女は流れるような動きであーんと口を開けて、もぐもぐ……。
「なるほどこれは美味しいわ!」
「ですよね! 運動してお腹を減らしてきた甲斐が……あっ!」
 ローレライときゃっきゃしていた鳳琴が、とあるものに目を奪われる。
 視線の先にいたのは、ジークリットだ。
 1枚の大きなプレーンワッフルに、ジークリットは高々と上げた手からメープルシロップを回しかけていた。
 しかも量が半端なかった。浸すといったほうが正しいかもしれない。
「あの鳥に同意するようだが、私もプレーンワッフルは好きでな。特にシロップをこれでもかとかけるのが私のお勧めの食べ方だ。格子状の窪みをシロップで満たすのが堪らなくてな」
「窪みすべてにシロップを注いでいます!」
「すごいね、ネリは普段そんなにかけないけど……それも美味しいのかな……」
「背徳的な食べ方が過ぎるわ、ジークリットさん! 私にもちょうだい!」
 皿を持ってジークリットに殺到した鳳琴、ネリシア、ローレライ。
 こうして、猟犬たちのシェアパーティーは和やかに過ぎていった。

●土産ぇ!
 すべてが、終わったあと。
 ジェミは真剣な目で、ディスプレーに陳列されたワッフルを眺めていた。
「お土産は何にしよう。フルーツサンドにしようかな」
「この店のワッフルならばどれも外れることはあるまい。安心だな。私もいくつか寮に土産を買っていくか」
「買って帰らない手はないですよね。英気を養うのも大事ですしっ」
 ジークリットと話しながら、鳳琴もどんなワッフルを旅団への土産にするかと考えこんでいる。その実7割ぐらいは自分用の土産を考えているのは内緒だ。
「よし。ボクはいつでも帰れるよ」
「ネリも、たくさん確保したから、いいかな……」
「私も準備万端よ! できればもうちょっとお店で食べたかったけどね!」
 清々しい表情をしているのは、アンセルムとネリシア、そしてローレライである。
 3人とも爆買いのあとだった。ネリシアとローレライはワッフルを詰めこんだ重い袋を両手装備である。アンセルムくんに至っては人形で手が塞がってるからって風呂敷背負っててキャラ的に心配である。
 だがしかし。
 誰しも欲望のままに買い物ができるわけでもない。
「私も、お土産、是非ワッフルを……!」
 逸る心で自分も土産を買おうとするオルティア。
 けれど気づく。
 自分の手の中にある財布が、くっそ軽いことに。
 彼女の生活は厳しかった。美味しいスイーツ、カワイイぬいぐるみ、それら地球上に存在する強敵のおかげで、基本的に金欠だった。
「ワッフル……」
 しょんぼり、と肩を落とすオルティア。
 ――するとその隣にルイーゼがやってきて、さらっと店員に言った。
「これとこれと、これを持ち帰りで頼む。同じのをこの人にもお願いしよう」
「……! ルイーゼ……?」
 驚きをもってルイーゼに目をやるオルティア。
 ルイーゼは、その目を見返して微笑んだ。
「美味しいワッフルを持って帰れないのは、寂しいからな」
「……ありがとう、ありがとう……!」
 泣いてぺこぺこ頭を下げるオルティア。
 猟犬たちの幸せな1日は、こうして無事に終わったのだった。

作者:星垣えん 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年1月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 6/キャラが大事にされていた 1
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