潮騒の旋律

作者:崎田航輝

 割れたステンドグラスの向こうから波音が響き、静謐に溶け込んでいく。
 海沿いの旧い教会は、人々が訪れていた時から幾月が経ったろうか。ひとけのない空間を、柔らかに差し込む陽光ばかりが照らしている。
 内装だけが不思議と整然としているのは、使われなくなってから出入りする人間がいないためであろう。美しさと、それにそぐわぬ静けさばかりが、時を忘れて留まっていた。
 いつかは音色を奏でていた電子オルガンも、今では一角に捨て置かれたままになっている。
 既に外から入り込む潮風に晒されて、楽器としての機能は失ったろう。大きな筐体だけを残したまま、もう旋律を歌うことはない──はずだった。
 かさり、かさりと。
 ふと教会内を動く小さな影がある。
 コギトエルゴスムに機械の脚が付いた、小型ダモクレス。電子オルガンによじ登り──内部に入ると一体化。内部の機巧を鳴動させはじめた。
 すると鍵盤がゆっくりと動き、小さな音が静けさを破る。
 その内にはっきりとした音色を鳴らしたオルガンは、鮮やかな和音を構成して。
 まるで止まった時を動き出させるように。潮騒に曲を乗せるように、朗々と──死のメロディーを奏で始めていた。

「ダモクレス、か」
 予知されたというその事件の話を聞いて、エリオット・シャルトリュー(イカロス・e01740)は静かに呟いていた。
 イマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)はええ、と頷く。
「察知できたのは、エリオットさんの情報提供のお陰です」
 それはとある海沿いの教会にダモクレスが出現するという話。その内部に置かれていた電子オルガンに、小型ダモクレスが取り付いてしまうのだ。
 ダモクレスとなったオルガンは、人々を襲おうとするだろう。
「だが、今なら被害が出る前に倒すことが出来るんだな」
「はい。是非皆さんのお力を貸してください」
 エリオットに頷きイマジネイターは続ける。
 放置しておけば敵は市街を目指すだろうが、今なら教会の内部で相手をできる。現場に急行しそこで戦闘に入ってください、と言った。
「周りに一般の人間は?」
「いません。戦闘時にも人は通りかかることはないでしょう」
 戦いに集中できる環境です、と言った。
 判った、とエリオットは頷く。
「しかし、オルガンか」
「以前は色んな人の折々に触れて、音楽を奏でられて来たのだと思います。そんな楽器に……悲劇を生んでほしくはありませんから」
 イマジネイターが言うと、エリオットはそうだな、と応える。
「やれることは、やろう」
「皆さんならばきっと、勝利できると信じています」
 頑張ってくださいね、と イマジネイターはそう言葉を結んだ。


参加者
エリオット・シャルトリュー(イカロス・e01740)
エリヤ・シャルトリュー(影は微睡む・e01913)
アリシスフェイル・ヴェルフェイユ(彩壇メテオール・e03755)
レスター・ヴェルナッザ(凪ぐ銀濤・e11206)
楪・熾月(想柩・e17223)
レヴィン・ペイルライダー(秘宝を求めて・e25278)

■リプレイ

●静謐
 靴音を鳴らすと、静けさに長い残響が生まれる。
 白を貴重にしたその建造物の中は未だ美しく──踏み入ったレスター・ヴェルナッザ(凪ぐ銀濤・e11206)は視線を巡らせていた。
「教会なんて、何十年ぶりだろうな」
 眺める程に、肌に感じるのは荘厳な空気。
 眠っているけれど朽ちてはいない、とでもいう印象を抱かせて──。
「これほど形を留めているのに使われないなんて……これも過疎化の影響かしらね」
 ジークリート・ラッツィンガー(神の子・e78718)も見回して声を零していた。
 ただ、内装の中にも古びた箇所はある。
 海風を浴びて劣化した部分がそれだ。
「潮風って結構傷みやすいのよね」
 人の感傷にも沁みやすいのかしら、と。
 アリシスフェイル・ヴェルフェイユ(彩壇メテオール・e03755)は星月色の瞳を伏せた。
 冬の海風は幼い頃に亡くなった家族をふと思い起こさせて、少し寂しく物悲しい。
 故にこそ、思う。
「オルガンが動かなくなるよりも。廃墟になるよりも前に来れたら良かったのに」
 ここでゆっくりあなたの音を聞けたらどんなに良かったか、と。
 呟くと同時、不意に音色が静謐を破った。
 それはアリシスフェイルの視線の先に鎮座する、電子オルガン。
 一音、二音。徐々に旋律を奏でて曲を唄い始めている。
「博愛主義に目覚めてレプリカント化しても不思議ではないのに。死者を悼む葬送ならばまだしも──死者を作る曲を奏でるのは相応しくありませんわね」
 ジークリートはそう紡ぐと、手を組んだ。
 ──主よ、彼のダモクレスをお赦しください。彼は、何をしているのか自分でわからないのです。
 それは祈り。
 同時に救う意志を顕す、清らかなる宣戦だ。
 エリヤ・シャルトリュー(影は微睡む・e01913)も瞳の魔術回路を起動させ、静波のような眠気を払っている。
「きれいな音……だけど、デウスエクスになった以上は、危ないことになる前に倒さなくちゃ……」
「ああ」
 頷くエリオット・シャルトリュー(イカロス・e01740)も堂内を見つめていた。
 教会は、思い出深い場所だった。
 今立っている此処は、故郷のそれとは違う。だが思い出を食い破るように出てくる敵が居るというのなら。
「教会が壊されるのも……教会からデウスエクスが出てくんのも。二度目はもう願い下げだ──絶対に止めるぞ」
 刹那、獄炎纏う武装靴で床を鳴らし、澄んだ青焔の鵙を解き放っていた。
 煌きを棚引かせて翔ぶ『幻創像・蒼翼のレイニアス』。軌跡の焔までもを矛として、苛烈な突撃でオルガンを穿っていく。
「ローシャ、行けるよな」
「勿論だよ」
 背に受けた声に、横顔だけで応えて。手袋を嵌めた手で指し示すように指をのばすのはロストーク・ヴィスナー(庇翼・e02023)。
 未だ火の粉の残滓も燦めく中へ、まるで雪を含んだ冬風を吹き抜けさせるように。小型機の群れを素早く飛び立たせていた。
 『прикорм』──己を疑似餌としたそれは、音の狙いを偏らせるようオルガンの周りを周遊し始める。
「さて、今のうちに準備を」
「……ん」
 小さく応えたエリヤはローブをふわりと揺らがせ、生まれた影を編むように操って。冥色の壁を織り成して仲間の護りを固めていた。
 その一瞬に、アリシスフェイルは銃砲を突きつけて一撃。極光の流線を撃ち当てていく。
 僅かに音を歪めながら、それでもオルガンは聴くものが居ることを喜ぶかのように祝典のメロディを響かせてきた。
 それは明るさと裏腹に命を囚える死の音律。
 故にそれに友人が蝕まれることを、楪・熾月(想柩・e17223)は決して看過しない。
「アリシス、少しだけ待っていてね。すぐに縛めを解くから」
 掲げた杖から輝かすのは、ステンドグラスに眩い反射を生む程の白雷。
 鮮烈にして美しい光は、護るための力で在ることを示すように。音が絡み合うことで生まれた拘束を、断ち切るように消失させていく。
 直後にシャーマンズゴーストのロティがオルガンへ爪撃を加えれば、音が止まった。
 その隙に、レヴィン・ペイルライダー(秘宝を求めて・e25278)はゴーグル越しに周囲を見つめて戦線の状況を確認。
 後ろの護りが浅いと見れば、即座に星剣を抜き放つ。
 直後に降りた加護は、外から陽光ばかりでなく星明かりまでもを呼び込むように。燿く星座を作って魔へ抗する力を宿した。
「よし、後方は問題ない」
「では、こちらはわたくしが」
 と、バイオリンを取るのはジークリート。
 一人でシンフォニーを奏でられるのは、波動関数が異なる解に収束した、無数の可能世界に存在する自分の力を借りるから。
 『ジークリート楽団』──濁り無き和声が魂を包み込み、仲間に護りを広げる。
 オルガンはその音色に自身の聖歌を上塗りしようとする、が。動く鍵盤へ、レスターが既に銃口を向けていた。
「おれは、カミサマがどうこうってのは知らんが。人殺しの聖歌なんて『善き行い』にゃ程遠いだろうよ」
 それを座して見ているほど甘くない、と。
 放つ零下の光閃が、筐体を深く抉って破片を散らす。

●旋律
 異音と一瞬の静寂。
 傷ついたオルガンはまるで苦悶するように短い時間、音を止めていた。
 それでも、すぐに音色を鳴らす。
「放置してあったのも良くなかったとは思うけど」
 そこに殺戮の本能を感じ取って、レヴィンはぽつりと声を零した。
「今まで沢山の音色を届けてきたオルガンだ、静かに眠らせてやってくれよ……死のメロディーなんて悲しすぎるじゃないか」
 けれどその楽器は歌うことを止めない。
 どこかで、自身がまだ唄えるのだと誇示してもいるかのように。
 耳朶を打つ音色は、確かに美しかったろう。だからこそ、アリシスフェイルは小さく視線を落とす。
「あなたの奏でる音は、祝いも、祈りも、送ることも──どれも人に寄り添うものばかり。人を傷つけるなんて本位ではないでしょうに」
 ただ、それが紛れもない真実でも。やはりこの音は止まぬのだろうとアリシスフェイルも識っている。
 この楽器がもう、そうするだけの凶器になってしまっているから。
 故にこそ熾月は、出来ることは一つだと判っていた。
「悲しい旋律が誰かを害する前に……どうか人の心の中では美しい音色のままで」
 そのままで終われるように。
 そうだな、とレヴィンは頷き右手のブレスレットに祈りを籠めた。
 瞬間、淡い輝きが閃く。『黒猫の加護』──魔を祓う恩恵を齎すその願いが、中衛に護りを与え戦線を強固に保った。
 同時にアリシスフェイルは真っ直ぐ踏み込み、蒼白の月色を纏う拳で打撃を見舞う。
「今よ」
「うん、さあロティ」
 熾月が瞳を向ければ、ロティも二人へ応えて翔んで。筐体へと焔を浴びせてその体力を削っていた。
 オルガンは尚、抗うように音を紡ごうとする。
 だがそれより疾く、右腕に銀の獄炎を抱くレスターが飛び込んでいた。
「騒音で水を差して悪いが、生憎歌は歌えんでな」
 渦巻く焔は『漁(イサリビ)』。
 光の渦が泳ぎ、燐火が尾を引く輝きを、海風の中で一層滾らせて。
 聴こえるそれが聖なる祈りを謳うものだとしても──レスターは何度だって押し止める心積もりだった。
 不信心だろうが、別にいい。
 祈りはとっくに捨てた。縋るものなど此処にない、だから。
「天罰だってお門違いってもんだ」
 振り抜く剣戟は深々とオルガンに傷を刻む。
 そこへレヴィンが肉迫し、鋼を拳に固めて振り抜けば、強烈な衝撃と共にオルガンの一部が砕け散った。
 音が歪んで不協和を生む。
 それでもオルガンは葬送を奏でるが、ジークリートがそれを打ち消すかのようにバイオリンに弓を当てていた。
「Dies irae──」
 モーツァルトのレクイエムから、怒りの日。荘重にして美しい響音が、前衛の意識を澄み渡らせて眠りを晴らす。
 同時、熾月は杖の藍玉を煌めかせ、堂内へ癒やしの雨滴を顕現していた。
 仲間を蝕むものが在るのなら、それを一片だって残しておきたくはないから。膚に触れると光となって弾ける雫が、傷と苦痛を拭っていく。
「あと、少し……」
「僕に任せてね」
 声を引きとり、冷静に言ってみせたのはエリヤだった。
 翠の瞳を注ぐのは、堂内に差す光によって作られた影。エリヤは自身の影をそこへ同調させることで、足元の全域から影色の揺らぎ昇らせる。
 仲間の体を浚ったそれは、邪の要素だけを浄化させて霧散した。その頃には、エリヤは視線を前に向けて。
「ローシャくん、にいさん」
「うん、ありがとう」
「後はやっておく」
 応えた二人が既に攻勢へと向かっている。
 オルガンは再度強音を鳴らす、だがそれが旋律となる前に、ロストークは既に焔竜のプラーミァを飛び立たせていた。
 宙を翔け抜けたプラーミァは、鮮やかな焔でオルガンの一部を灼き切り音を阻害する。
 同時、弾ける火花を縫うようにエリオットが奔っていた。
 スポットライトのように注ぐ陽光が、揺れる蜂蜜色の髪にきらきらと融けていく。次の瞬間、エリオットが翔びながら蔓を放つと、鞭の如く撓るそれがオルガンを捕縛した。
 挙動を抑え込まれたオルガンは、容易に抗えない。
 そこへ逆光を浴びながらロストークが滑空していた。
「力の限り、やらせてもらうよ」
 握る槍斧は、氷河の力を帯びて蒼く燿く。
 刹那、振り下ろす一閃は、真冬の風の入り込む空気の中でも、及びがつかぬ程に鋭く冷たく──鍵盤を凍らせて寸断する。

●潮騒
 オルガンは音を途切れさせ、不明瞭な調べを零すばかり。
 それでも静寂を拒む姿は、眠りにつくことを恐れているかのよう。だがそれがあくまで破壊を招くなら、ロストークは容赦を与えるつもりはない。
「廃れたとはいえここは祈りの場だろう」
 自身は信心深い質ではない。
 けれど教会に馴染みはある。それが人の心の拠り所なら、決して好き放題させようとは思わなかった。
「……そうだね」
 エリヤは頷き、自身の影を異形蝶へと変容させる。
 一瞬だけ、エリオットに目をやった。
 けれどそれ以上エリヤの動きは淀まない。
 兄ほど思い出が鮮明ではないためだろう、心の波立ちは小さく。故にこそ、油断もまたないから。
 瞬間、影縛の邪眼:《Minois=apis》──蝶の群れに針雨を放たせオルガンを縫い止めた。
 ロストークが疾風の如き斬打をそこに重ねれば、オルガンが反撃に映る暇も与えずエリオットが地獄鳥で躰を貫く。
 レヴィンは形見たる、銀色の銃を一度だけ握っていた。だが今はまだその時ではないと思ったろう──素早く剣に冷気を纏わせ斬撃を打つ。
「来るぞ!」
 レヴィンが注意を喚起すると、直後に歪んだ祝典の音色が響いてきた。が、ジークリートは同じようにシンフォニーを重ねて仲間を癒やしている。
 熾月が治癒の雷光を生めば、皆に傷は残らない。
 もう終着は変わらない。だから熾月は少しだけ寂しく笑って──その敵へ声をかけた。
「君の最後の音は俺たちが覚えていくから」
 もう、おやすみ、と。
 オルガンは微かにでも音を返そうとする。けれどアリシスフェイルは許さず『星火の行軍』──両掌の内に黄と緑で描かれた六芒星を浮かべ、幾重にも斬撃を奔らせその生命を奪い取っていた。
 朽ちゆくオルガンへ、レスターは巨大な刃を掲げる。
「灰は灰に、塵は塵に──そうだろう」
 物言わぬ相手に、それでも最期に言葉を伝えるように。
「のこる静謐も、波の子守唄も。ぜんぶお前に与えられたもんだ」
 だからもう眠れ、と。
 振り下ろした一撃はその命を斬り裂いて。オルガンを静謐の中へと還した。

「Remittuntur tibi peccata」
 あなたの罪は赦されましたわ、と。
 ジークリートは静かに祈りを上げた後、鍵盤に指を乗せてレクイエムを演奏し始めた。
 始めは不完全だった音は、ヒールの力を乗せるたびに段々と澄んできて、その内に美しい和音を聴かせるようになる。
 それはきっと、元の音色と違わぬ清らかさだった。
「きっとまた、誰かが奏でる時がやってきますわ」
 そうして静かな曲が響く中、レヴィンは周囲の修復も行っておこうと歩む。
 傷は消えるように、けれど出来る限り大きく変化しないようにと気をつけて。
「人の出入りが無くなったとは言っても──昔を懐かしんで訪れる人がいるかもしれないしな」
 そんな日がくればいいと、目を閉じて少しだけ音色を楽しんだ。

 エリオットとロストーク、エリヤも片付けられる箇所を探している。
 教会内には、大きく壊れた場所はない。
 美しさは殆ど、そのままだ──それでもこの戦いより以前に崩れた場所はあって、その中で一番目立つのがステンドグラスだった。
 細かな破片を拾いながら……エリオットは涼やかな色の一片に目を留める。
 春を待つ冬の彩。
 それを隣に見せた。
「これ。ローシャの色みたいだな」
「そうかな。じゃあこれはリョーシャかな」
 微笑んでロストークが見せたのは、暖かい炎のような色の破片。見ていると不思議と心までがその温度に触れるようだ。
 エリオットもそれに笑みを返す。
 そんな二人を、エリヤは淡い眠気と共に見ていたが──ふと割れた窓から入って来る海の音を聞いて、そちらに数歩歩んだ。
「……あ、このあたり。海の音がいっぱい聴こえるね」
「エーリャ、窓割れてるから気を付けるんだよ」
 ロストークは言いながら、自分もその音に気づく。
 短い距離だけど、此処は一段と海に近い。砂浜で見つかる丸い色ガラスの出所に、思い至った気分だった。
 エリオットも近づいて、潮騒に耳を傾ける。
「良い音だな」
 この教会を護ることが出来て良かった、と。思いながら、また暫しその音色を愉しんでいた。

 他に人のいない教会は、やはり静謐だ。
 戦いから微かにでも時間をおけば、その実感は強くなる。だから一層鮮明に、海が奏でる潮騒の音がよく聞こえた。
「ゆっくりとしたリズムだね」
 熾月が呟くと、傍らのロティが同意するようにみじろいで。手のひらに乗る雛のぴよも、ぴっと小さな声を返す。
 隣に立つアリシスフェイルは、それに瞳を和らげてから言った。
「しーくん、戦いでは助かったわ」
「こちらこそ。すごく頼りになったよ」
 だからありがとう、と笑みを返して。
 それから暫く二人で波音を聴く。のんびりとした時間は、言葉は多くなくとも──快く、寛いだものだった。

 レスターは教会の椅子に凭れ、紫煙を燻らせていた。
 波音を聴きながら、視線を仰がせる。
「……」
 この眺めと音色に少し、過日を思っていた。
 もう帰る事はない異国の故郷の港町。
 子供の頃、似合わぬネクタイを締めて連れて行かれた記憶。当時は、如何な感情を抱いていたのだったか。
 少なくとも今とは、違うのだろう。
 暫しの静謐にそんな事を思いながら。
「……昔、か」
 小さく呟いて、それきり緩く首を振り。また海が奏でる旋律に、耳を傾けていた。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年1月23日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 2
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