エッチなビデオは悪い物だ!

作者:ゆうきつかさ

●都内某所
「いいか、お前ら! エッチなビデオは悪い物だ! だから、ぜんぶ俺に寄越せ! そうすれば、俺が責任を持って処分してやる! 大丈夫! 俺を信じろ! 何故なら、俺はエッチなビデオが大嫌いだ!」
 ビルシャナが廃墟と化した施設に信者達を集め、自らの教義を語っていた。
 まわりにいる信者達は、みんなビルシャナによって洗脳されており、何かに取り憑かれた様子で、持参したビデオを山積みにしていた。
 その中には、発禁モノや、非売品のモノもあったが、信者達は躊躇う事なく、その場に置いていくのであった。

●セリカからの依頼
「ノノ・サーメティア(オラトリオの巫術士・e67737)さんが危惧していた通り、ビルシャナ大菩薩から飛び去った光の影響で、悟りを開きビルシャナになってしまう人間が出ているようです」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が、教室ほどの大きさがある部屋にケルベロス達を集め、今回の依頼を説明し始めた。
 ビルシャナが確認されたのは、廃墟と化した施設。
 どうやら、ビルシャナは廃墟と化した施設に信者達を集め、エッチなモノ……特にエッチなビデオを悪であると訴え、回収しているようである。
 そのため、信者達は欲求不満になっているものの、妄想する事さえ禁じられているようである。
「今回の目的は、悟りを開いてビルシャナ化した人間とその配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破する事です。ただし、ビルシャナ化した人間は、周囲の人間に自分の考えを布教して、信者を増やしています。ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、放っておくと一般人は信者になってしまうため、注意をしておきましょう。ここでビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が信者になる事を防ぐことができるかもしれません。ビルシャナの信者となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば、元に戻るので、救出は可能ですが、信者が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」
 セリカがケルベロス達に対して、今回の資料を配っていく。
 ビルシャナは表向きエッチなビデオが悪であると訴えているようだが、実際にはプライベートルームでエッチなビデオを観まくっているらしく、ひとりだけスッキリとしているようだ。
 その真実を信者達が知る事によって、ビルシャナが掛けた洗脳が解けるかも知れないようである。
「また信者達を説得する事さえ出来れば、ビルシャナの戦力を大幅に削る事が出来るでしょう。とにかく、ビルシャナを倒せば問題が無いので、皆さんよろしくお願いします」
 そう言ってセリカがケルベロス達に対して、ビルシャナの退治を依頼するのであった。


参加者
アルーシャ・ファリクルス(ドワーフのガジェッティア・e32409)
ノノ・サーメティア(オラトリオの巫術士・e67737)
レフィーナ・ロックウィル(押して駄目なら破壊しちゃえ・e84701)
ルルリラ・リラリル(地球人のゴッドペインター・e85600)

■リプレイ

●廃墟と化した施設前
「ここにいるビルシャナが、エッチなビデオは悪い物だーって言っているようだけど、そうとは言えないと思うんだけどなぁ。……ほら、道具は使う人次第ってやつで……」
 ルルリラ・リラリル(地球人のゴッドペインター・e85600)は仲間達と共に、ビルシャナが拠点にしている施設にやってきた。
 ビルシャナはエッチなビデオを悪であると決めつけ、信者達からエッチなビデオを回収しているようである。
 そのため、施設には沢山のエッチなビデオが集められており、そこには発禁モノや、廃盤のモノまであるようだ。
「これってエッチなビデオが悪ーって言いながら、実際はただ集めてるだけでは? どうも、部屋に籠っているようだしね」
 アルーシャ・ファリクルス(ドワーフのガジェッティア・e32409)が何やら察した様子で、乾いた笑いを響かせた。
 実際にビルシャナは信者達から集めたビデオを抱え、ずっと部屋の中に籠っているようである。
「えっちなビデオが悪いもーていってるよーだけどー。実際には~ってやつなのね~。要は一番に悪いのはビルシャナってことね」
 ノノ・サーメティア(オラトリオの巫術士・e67737)が、ゲンナリとした表情を浮かべた。
 おそらく、こうしている間も、ビルシャナはエッチなビデオを山積みにしながら、自分磨き(ごく一部)をしているのだろう。
 それが容易に分かってしまうほど、施設の中からケモノのニオイが漂ってきた。
「それじゃ、ビルシャナの言ってることは真に受けるなってこと~?」
 ルルリラがハッとした表情を浮かべ、驚いた様子で声を上げた。
 冷静になって考えると、そう思える節がいくつもあった。
 ある意味、それは饅頭怖い。
 『怖い、怖い』と言いつつ、実際には大好きだと言うアレである。
「まあ、いつも通りのビルシャナって事だよね。一瞬、マトモかと思ったけど、要は自分で集めるのが面倒だから、信者達に集めさせてるだけだし……」
 レフィーナ・ロックウィル(押して駄目なら破壊しちゃえ・e84701)が、呆れた様子で溜息を洩らした。
 おそらく、ビルシャナはエッチなビデオを処分していない。
 自らの欲望を満たすため、自分の部屋で利用している可能性が高いため、その考えも間違ってはいないだろう。
「つまり、欲求不満って事……? だったら、その欲求を解消させてスッキリさせればいいんだよね。……ビデオが駄目ならエッチな本を見ればいいんじゃないのー?」
 そう言ってルルリラがスケッチブックを抱え、仲間達と共に施設の中に入っていった。

●施設内
「みんな何をしているの?」
 施設に足を踏み入れたルルリラは、全裸で座禅を組む信者達に気づき、不思議そうに首を傾げた。
「これは……雑念を振り払うための精神集中だ」
 眼鏡を掛けた男性信者が、『煩悩退散!』と言わんばかりに、イラついた様子で答えを返した。
 おそらく、彼らの中で、これは修行。
 頭の中に蠢く雑念を振り払うため、必死に心を無にしようとしている最中のようである。
「見えるよ、みんなの雑念が……」
 その姿を目の当たりにしたルルリラが、創造意欲を掻き立てられた様子で、部屋の片隅に座り込み、スケッチブックを広げて、エッチな絵を描き始めた。
「そ、そんな訳がないだろ! 俺達はエッチなビデオの事など……考えていない!」
 その途端、鬼瓦のような顔をした男性信者が、激しく動揺した様子で、ルルリラの言葉を否定した。
 だが、本音を言えばエッチなビデオの事で頭が、いっぱい。
 しかも、禁欲生活が続いたせいで、股間がはち切れんばかりに膨らんでいた。
「ところで、エッチなビデオが悪い物って、誰が決めたの?」
 そんな中、レフィーナが真剣な表情を浮かべ、信者達の顔をマジマジと見つめた。
「もちろん、ビルシャナ様だ!」
 傍にいた男性信者が、躊躇う事なく答えを返した。
 まわりにいた信者達も、真剣そのもの。
 『ビルシャナ様の言葉は絶対!』と言わんばかりに、キリリである。
「でも、それって自分が決めたことじゃないよね?」
 その答えに難色を示したレフィーナが、男性信者に対して問いかけた。
「まあ……、それは……そうだが……」
 男性信者が気まずい様子で、言葉を詰まらせた。
 実際に、エッチなビデオを禁じているのは、ビルシャナに言われたため。
 どうして、そこまでビルシャナの言葉に逆らう事が出来ないのか分からないようが、そうする事が一番正しい事だと思い込んでいるようである。
「だったら、妄想じゃなくて、本当にすればいいって事でしょ?」
 アルーシャがビデオカメラ片手に、含みのある笑みを浮かべた。
「本当にする……だと!?」
 スキンヘッドの男性信者が、険しい表情を浮かべた。
「確かに、ビルシャナ様は妄想する事を禁じていたが、エッチな事をしては駄目だとは言っていない!」
 眼鏡を掛けた男性信者が、ハッとした表情を浮かべた。
「……そうか」
 まわりにいた信者達も、同じ事に気づいたのか、互いに顔を見合わせた。
「さぁさぁ、私達とエッチなこと……しよっ!」
 その勢いに乗るようにして、ノノが服を脱ぎ捨て、信者達に迫っていった。
「それは……そうだが……」
 それでも、眼鏡を掛けた男性信者が言葉を詰まらせ、どうするべきか迷っているようだった。
「何も悩む必要はないでしょ? ただ本能のままに……沢山のミルクで私達を汚して♪」
 そんな空気を察したアルーシャが潤んだ瞳でノノと抱き合い、互いにキスをしながら、胸や敏感な部分に手を伸ばして慰め合った。
「私達を好きにしていいからね」
 そう言ってノノが男性信者のモノを掴み、胸の谷間に挟んでシゴき始めた。
「……うく!」
 その拍子に眼鏡を掛けた男性信者が、ビクビクと身体を震わせ、大量のミルクをふたりの身体にぶち撒けた。
 そのミルクをアルーシャが胸に谷間で受け止め、胸から出たミルクと混ぜ合わせるようにしてネットリとこね回した。
 その音が、ぬちゃりぬちゃりと響くたび、男性信者達のモノが反り立ち、女性信者が物欲しそうな表情を浮かべて、自分の指を咥え始めた。
「お腹に中にも身体中にも、た~っくさん出しちゃってね♪」
 それに気づいたノノが、信者達を誘うようにして、自分の身体に掛かったミルクを弄んだ。
 その事が引き金となって信者達が、ノノ達に襲い掛かり、ケダモノの如く腰を振り始めた。
 しかも、溜まりに溜まっていたため、男性信者達のモノから放出されたミルクは、どれも濃厚。
 ほんの少しニオイを嗅いだだけでも、頭がクラクラするほど強烈だった。
「中も外もドロドロ……」
 そのニオイに酔いしれながら、アルーシャが恍惚とした表情を浮かべた。
 そんなアルーシャに女性信者がビデオカメラを向け、もう片方の手で自分自身を慰めた。
 その後ろでは、男性信者達が自らのモノをシゴき、自分の順番を待っていた。
「私達を……いっぱい汚してください」
 その視線に気づいたアルーシャがノノと胸を押し付け合うようにしながら、順番に男性信者のモノを挟んで、交互に舌を合わせてシゴき始めた。
 そのたび、男性信者達が次々と達していき、大量のミルクが噴水の如く噴き出し、ふたりの身体を真っ白に染めた。
「もう我慢できねぇ!」
 次の瞬間、筋骨隆々の男性信者がアルーシャを背後から抱きかかえ、恥ずかしい部分が丸見えになるような形で、後ろの穴を責め始めた。
 それを目の当たりにした褐色肌の男性信者が、恥ずかい穴を塞ぐようにしながら、アルーシャをサンドイッチにするような形で腰を振り始めた。
 それに群がるようにして、男性信者達が自らのモノをシゴき、次々とミルクをアルーシャの身体にぶち撒けた。
「えっと、もういい……よね……?」
 そんな中、レフィーナが足元に広がったミルクを避けつつ、信者達を見つめて乾いた笑いを響かせた。
 普通であれば、この時点で打ち止め状態。
 スッカラカンになった信者達が転がっているはずだが、その予想に反して男性信者達はヤル気満々。
 溜まりに溜まった欲望が、濃縮されてタンク一杯に溜まっていたせいか、みんな物足りないと言わんばかりに、鼻息を荒くさせていた。
「みんな、少し冷静になってみて。ここまで気持ちいい事なのに、どうしてビルシャナは駄目だって言っていたのかな? 何かおかしいと思わない?」
 そんな空気を察したノノが、全身ミルクまみれになりながら、信者達に疑問を投げかけた。
「……と言うか、部屋に一人籠ってる鳥なんて、怪しいね」
 レフィーナも信者達の不安を煽りつつ、ビルシャナが籠っている部屋を睨みつけた。
「確かに……そうだな……」
 眼鏡を掛けた男性信者も、納得した様子でビルシャナが籠っている部屋を睨みつけた。
「だったら、こいつの本当の姿を見せてあげるの~!」
 それと同時に、ルルリラがビルシャナのいる部屋の前に立ち、ヤクザキックを繰り出し、入り口の扉を木っ端微塵に破壊した。
「部屋に入る時は、ノックしろって言っただろうが!」
 その途端、ビルシャナが自らのモノを握ったまま、逆ギレした様子で叫び声を響かせるのであった。

●ビルシャナ
「……うわ」
 それを目の当たりにした信者達が、ドン引きした様子で一斉に声を上げた。
 部屋の中には大量のエッチなビデオが山積みされており、ビルシャナが大画面のテレビで再生しながら、一人鑑賞会をしている最中だった。
 そのため、信者達はドン引き。
 自分達の事は棚に置き、まるでゴミを見るような目で、ビルシャナを見つめていた。
「これ、全部エッチなビデオなの?」
 ルルリラも積み上がっているビデオを見上げ、そこから得たインスピレーションで再び絵を描き始めた。
「い、いや、これは何という……誤解だ」
 その途端、ビルシャナが激しく動揺した様子で、自分のモノを握り締めたまま、必死になって言い訳をした。
 だが、信者達の反応は、冷ややか。
 『一体、何を言っているんだ、このクソ鳥は……』と言わんばかりに、ビルシャナの言葉を聞いていない。
「なんだかんだ言っても、ビルシャナって結局はこうだよねー。じゃ、サヨウナラの時間だよ」
 すぐさま、レフィーナが間合いを詰め、ビルシャナにオウガナックルを叩き込んだ。
「うっ……」
 その拍子にビルシャナがミルクを誤射したものの、それはレフィーナには当たらず、床にペチャッと広がった。
「こんな悪い鳥、いらないね」
 次の瞬間、ノノが熾炎業炎砲を撃ち込み、ビルシャナの身体をこんがりと焼いた。
「ちょ、ちょっ、ちょっと待ってくれ! 御願いだ、頼む! みんな冷静になってくれ。これには深い訳が……」
 ビルシャナが香ばしいチキンのニオイを漂わせ、再び言い訳を並べようとした。
「こんな悪い鳥は、しっかりと罰を受けなきゃ駄目でしょ」
 その言葉を遮るようにして、アルーシャがグラインドファイアを放ち、ビルシャナの身体を炎に包んだ。
「ていっ!」
 それに合わせて、ルルリラがペイントラッシュを仕掛け、ビルシャナを塗料まみれにした。
 その間もビルシャナが何か言い訳をしようとしていたが、肉体の方が先に限界を迎えてしまったのか、そのまま崩れ落ちるようにして息絶えた。
「それにしても……エッチなビデオってやつ……多いね……」
 ルルリラが熱心に絵を描きながら、山積みにされたエッチなビデオを見上げた。
 欲望の数だけエッチなビデオが存在しているというだけあって、今にも天井に突きそうな勢いで、エッチなビデオが積み上げられていた。
「……と言うか、私もビデオと同じような事をしちゃってるんだけどね~」
 レフィーナが複雑な気持ちになりながら、乾いた笑いを響かせた。
 その中には、知り合いの顔がパッケージになっているものもあったため、一瞬胸がドキッとした。
「なあ、まさか、これで終わりじゃないよな?」
 そんな中、ケモノのニオイを纏った男性信者が、鼻息を荒くさせながら、ケルベロス達の前に陣取った。
 どうやら、ケルベロス達がビルシャナと戦っている間、女性信者達とイケない事をしていたらしく、みんな床に突っ伏しグッタリとしていた。
「もしかして、まだまだし足りない?」
 その事に気づいたアルーシャが、苦笑いを浮かべた。
 それだけ、禁欲生活が長かったのか、他の男性信者もヤル気満々。
 この状況で『……嫌』とは言えない雰囲気だった。
「よかったら続きします?」
 そのため、ノノが覚悟を決めた様子で女性信者達にビデオの撮影を頼み、アルーシャと一緒に男性信者の相手をするのであった。

作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年1月11日
難度:普通
参加:4人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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