●都内某所
「いいですか、皆さん! 恋愛とは心でするもの。肉欲は捨てるべきです! そもそも、お互いの身体を重ね合わせる事自体、考えただけでも汚らわしい! そんなモノは、下半身の欲求を満たすだけのもの。故に、真の恋愛とは言えません! それなのに、最近の人達は肉欲を満たす事ばかり考え、それを恋だと勘違いしています! ……ですが、それは恋ではありません! 私からすれば、まったくの別物。ハッキリ言えば、性欲処理以外のナニモノでもありません! ですから、私はここに断言します! 恋愛は心でするものだ、と!」
いかにも真面目そうな見た目をしたビルシャナが、廃墟と化した学習塾に信者達を集め、自らの教義を語っていた。
信者達はビルシャナによって洗脳されており、精神的な繋がりこそが、本当の恋であると思い込んでいるようだった。
●セリカからの依頼
「盟神探湯・ふわり(悪夢に彷徨う愛色の・e19466)さんが危惧していた通り、ビルシャナ大菩薩から飛び去った光の影響で、悟りを開きビルシャナになってしまう人間が出ているようです」
セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が、教室ほどの大きさがある部屋にケルベロス達を集め、今回の依頼を説明し始めた。
ビルシャナが拠点にしているのは、廃墟と化した学習塾。
どうやら、ビルシャナは心の繋がりこそが恋であると思い込んでいるらしく、それが正しい恋であると思い込んでいるようだ。
ただし、ビルシャナは実際にはチェリーボーイで、恋愛経験はゼロ。
妄想の中で恋愛ごっこをしているだけで、実際には……のようである。
「今回の目的は、悟りを開いてビルシャナ化した人間とその配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破する事です。ただし、ビルシャナ化した人間は、周囲の人間に自分の考えを布教して、信者を増やしています。ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、放っておくと一般人は信者になってしまうため、注意をしておきましょう。ここでビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が信者になる事を防ぐことができるかもしれません。ビルシャナの信者となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば、元に戻るので、救出は可能ですが、信者が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」
セリカがケルベロス達に対して、今回の資料を配っていく。
信者達は洗脳されているだけで、実際には性欲モンスター。
頭より先に、下半身の方が反応するほどアレな者達ばかりなので、説得する事はそれほど難しくないだろう。
「また信者達を説得する事さえ出来れば、ビルシャナの戦力を大幅に削る事が出来るでしょう。とにかく、ビルシャナを倒せば問題が無いので、皆さんよろしくお願いします」
そう言ってセリカがケルベロス達に対して、ビルシャナの退治を依頼するのであった。
参加者 | |
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ミルディア・ディスティン(猪突猛進暴走娘・e04328) |
盟神探湯・ふわり(悪夢に彷徨う愛色の・e19466) |
岡崎・真幸(花想鳥・e30330) |
槐・朱美(焔蝶・e66291) |
柄倉・清春(大菩薩峠・e85251) |
●廃墟と化した学習塾
「また妙な教義を広めようとしていたようですね。確かに、心は大事だと思いますし、風紀を乱すほどの行為は控えるべきでしょう。しかし、触れ合う行為そのものを拒絶するのは行き過ぎというもの。言葉で駄目なら実際にスキンシップを体感させるのが手っ取り早いと思うのですが……」
槐・朱美(焔蝶・e66291)は複雑な気持ちになりながら、仲間達と共にビルシャナが拠点にしている学習塾の前に立っていた。
ビルシャナは信者達を前にして、恋愛は心でするものであって、肉欲は捨てるべきと訴えていたようだ。
「まあ、心は大事だよなぁ。それだけで行為の意味が変わってくるしよ」
柄倉・清春(大菩薩峠・e85251)がビルシャナの教義に、ある程度の理解を示した。
少なくとも、心が大事だという考え方に対しては、共感できる部分が多かったようである。
「だからと言って、あんまり肉欲を抑えつけるのも良くないんじゃないかな? 理性と心でーって言う考えも理解できるけど、人間は元々ケモノなんだから、それをないがしろにしたら、おかしくなっちゃうと思うから……」
ミルディア・ディスティン(猪突猛進暴走娘・e04328)がメイド服姿で、自分なりの考えを述べた。
しかし、ビルシャナは肉欲を全否定しており、汚らわしいモノだと決めつけ、信者達に禁欲を命じているらしい。
そのせいで信者達は悶々として気持ちになっており、頭の中がイケない事でいっぱいになっているようだ。
「……とは言え、頑張って言葉で伝えようとしても、相手に同じ感性がねえと伝わるの時間かかるんだよな。俺も言葉で表現したいんだが、感覚が変な上形容詞だらけで分かりにくいらしいからな」
そんな中、岡崎・真幸(花想鳥・e30330)が、何処か遠くを見つめた。
真幸は妻を好きと自覚して、すぐ長文ラブレターを送りつけものの、その解読に半年ほど掛かってしまい、相手を困らせてしまった事を思い出した。
別に悪意があって、難解なラブレターを送った訳では無いのだが、妻でなければ内容を理解されず、捨てられてしまったかも知れない。
そういった意味でも、妻と出会えて良かったという気持ちを芽生え、ほんわか幸せな気持ちになった。
こればかりは肉欲で満たされるものではないため、ビルシャナの教義にも一理あるように思えてきた。
だが、信者達を説得するためには、肉欲を正当化する必要があった。
「心で誰かを愛してあげるのも、ふわりとっても大事だと思うの。でもでもー、気持ちだけじゃ伝わらない事も絶対あるの!」
そう言って盟神探湯・ふわり(悪夢に彷徨う愛色の・e19466)が上機嫌な様子で鼻歌を歌いながら、仲間達と共に学習塾の中に入っていった。
●学習塾内
「いいですか、皆さん! 恋愛に肉欲は不要です! ですから、いますぐ捨てるべきなのです。そもそも、肉欲とは生きていくために不要なモノ。むしろ邪魔になるモノです。そんなモノがなくとも、愛は伝わるのです」
室内ではビルシャナが信者達を前にして、自らの教義を語っている最中だった。
「……とは言え、相手への愛を言葉で表現するのは難しいだろ? 相手に愛を伝えたとして相手に誤解なく伝える自信があるか? 感性と理解力が双方一致しないと心の繋がりは出来ん。口下手だと尚更だ。……違うか?」
そんな中、真幸が真剣な表情を浮かべ、ビルシャナ達に問いかけた。
「だからこそ、心と心を通じ合わせるべきなのです。そこに言葉はいりません。愛する気持ちがあれば、それ以外に何もいりません」
ビルシャナが両手を開き、キラキラとした瞳で答えを返した。
その姿に心を打たれた信者達も、同じように瞳をキラキラとさせた。
「つまり、手も繋がないし、ハグもしない事って事か? お前達が言っている事は、そのくらい極端だぞ? そもそも、スキンシップは分かりやすい愛情表現方法だ。その先も、その延長線上にある愛故の行為! 寧ろ推奨されるべきものだろ! ……受け入れてもらえたり、求められるのは……良いもんだぞ」
真幸が自分の頭を掻きながら、恥ずかしそうに視線を逸らした。
「なんとまあ、汚らわしい! スキンシップなど、肉欲を満たすための前戯! 性的興奮を満たすための前段階に過ぎません!」
ビルシャナが嫌悪感をあらわにしながら、全身に鳥肌を立たせた。
それとは対照的に信者達はキョトンとしていたものの、洗脳されている影響か何かに取り憑かれた様子で『そうだ、そうだ』と連呼した。
「ようはバランスでしょ。ヘンに距離を置いたら近付けないし、ヘンにがっつくと怖がられる。その辺の距離感は人それぞれだから難しいけど、だからこそ達成感があるし楽しいんじゃないかな? あたしの思想としては、人はケモノなんだから、理性と本能はバランス良く両立しないといけないと思うの。片方を捨てたら、どこか人間として問題になると思う。だから性欲も捨てずに乗りこなすべきだと思うけど……」
ミルディアが呆れた様子で、自分なりの考えを述べた。
信者達の心にも迷いが生じているのか、何やらオロオロとしている様子であった。
「皆さん、騙されては駄目です! これがコイツらのやり方……。あなた達を邪な道に導く悪しきモノ達です!」
その途端、ビルシャナが鬼のような形相を浮かべ、わざと信者達の不安を煽るような言葉を吐いた。
だが、信者達はミルディアの言葉を胸に秘め、ビルシャナの言葉を聞き流しているような感じになっていた。
「まー、てめぇのへりくつも一理あるかもな。オレは体の触れ合いが大好物だけどよ。……でもな、心と体はふかーい関係にあるんだぜ? DTくんじゃ、わかんねーかもしれねーけどよ。心も体も相性があっかんなぁ」
清春がビルシャナの教義に理解を示しつつ、皮肉混じりに呟いた。
「それ以前に、身体の触れ合いと、心の触れ合いはまったくの別物です。これだから、チャラ男は嫌いなのです」
ビルシャナがムッとした様子で、清春の考えを頭ごなしに否定した。
おそらく、チャラ男に好きな女の子を奪われ、トラウマになった経験があるのだろう。
清春に対して、親の仇を見るような目を向けていた。
「おいおい、こういう事にチャラ男もDTも関係ねぇだろ。それとも、さっきの言葉が傷ついたのか。だったら、謝るけどよぉ。あそこが使えるうちに肉欲の経験もしとけって。操なんてテメエが思ってるほど貴重なもんじゃねーしよ」
そんな空気を察した清春が、ビルシャナに笑顔を浮かべた。
「そうやって、お前は……あの子……あんなに清らかだった娘をビッチに変えたのかあああああああああああああああ!」
途端にビルシャナがブチ切れ、八つ当たり気味にビームを放ってきた。
「……って、誰だよ、あの娘って。俺にはまったく記憶が……って待てよ。ひょっとして、あの娘か。いや、そんな訳がないよな。だったら、あの娘……って、むやみやたらにビームを放ってくるんじゃねえ!」
清春が記憶の糸を辿りつつ、ビルシャナのビームを避けた。
何となく心当たりがあるものの、ビルシャナが思い浮かべている、あの娘とは違う……はず。
「ならば、この感覚を知っても、まだ欲を捨てるべきだと思いますか?」
その間に、朱美が男性信者の手を取り、服の上から自分の胸を触らせた。
これには、男性信者がビクッと身体を震わせ、恥ずかしそうに頬を染めた。
朱美も同じ気持ちであったが、男性はみんな胸が好きだと、師匠が言っていた事を思い出し、自らの迷いを振り払うようにして、男性信者の手を掴んだ。
「わ、私は何て事を!」
その事で男性信者が動揺したのか、朱美の胸を掴んだ手を見つめ、まるで誰かに懺悔をするようにして悲鳴を上げた。
しかし、その言葉に反して、顔はニンマリ。
ラッキーと言わんばかりに、エビス顔になっていた。
おそらく、ビルシャナによって洗脳されているせいで、心と身体で相反する反応を示しているのだろう。
男性信者自身も戸惑っているのか、目をパチクリとさせていた。
「好きな人の事を身体で愛してあげるのは、とっても気持ち良くて素敵な事なの! それにそれにー、身体で愛してあげてもっと好きになる事もあるの♪」
そんな空気を察したふわりがゆっくりと服を脱ぎ、裸になって傍にいた男性信者に抱き付いた。
「エッチな事するのが本能とか欲求だったとしてもー……好きな人の欲求を叶えてあげるのは、ふわり大好きなの♪」
そのまま、ふわりが男性信者の唇を奪い、唾液を啜るようにして舌を絡ませ、反り立ったモノに手を伸ばし、強弱をつけてシゴき始めた。
「ちょっ……や……」
男性信者が戸惑い、必死に抵抗したものの、ふわりの手は止まらない。
「嫌がっている割に、すっごく元気なのー」
ふわりが上機嫌な様子で男性信者のモノをシゴき、余すところなく舐めて愛情を表現した。
「こ、これは……その……」
一方、男性信者は緊張した様子で身体を強張らせ、必死に理性を保とうとしているようだった。
だが、反り立ったモノが鎮まる事はなく、雄々しく天を衝きながら、誇らしげに胸を張っているような感じになっていた。
「一体、何を考えているのですか!」
それを目の当たりにしたビルシャナが、苛立ちを隠せない様子で男性信者を叱りつけた。
そのドサクサに紛れて、他の信者達がビルシャナの死角に移動し、朱美の胸を揉み始めた。
「あっ……じゅ、順番に揉ませてあげますから……あっ……あっ」
朱美がブラジャー越しに胸を揉まれ、恥ずかしそうに身体をモジモジさせた。
その間も信者達が興奮した様子で、朱美の胸を順番に揉んでいった。
しかも、信者達によって、胸の揉み方が異なっており、大きく包み込むように揉む者もいれば、ただ乱暴に揉む者もいた。
そのせいで、胸全身が敏感になっており、息遣いも荒くなっていた。
「好きな人がする気持ちイイ顔、ふわりだけが知ってる顔……ふわりがエッチでいけない子でも、好きな人の為にするのはとっても幸せな事だと思うのー!」
ふわりもビルシャナに見せつけるようにして、まわりにいた男性信者達を巻き込み、口や手を使って次々と天国に導いた。
それを目の当たりにした女性信者達も、身体をモジモジとさせながら、行為の輪に加わった。
「あ、や……こんなにたくさんの手が……っ一斉になんてっ! んぅっ……む、胸が火照って……ハッ!?」
その途端、朱美がハッと我に返って、男性信者の手を払い除けた。
危うく、イケない世界に雪崩れ込みそうになったが、男性信者にブラジャーを奪われそうになった事で現実に引き戻されたようである。
●ビルシャナ
「ああ……何もかも汚らわしい。浄化せねば……汚物は浄化……しなければあああああああああああああああああああ」
そんな中、ビルシャナが信者達を巻き込む勢いで、ケルベロス達に攻撃を仕掛けてきた。
目の前で最も嫌悪する行為を見せられたせいか、怒りで我を失い、敵味方の判別がつかなくなっているような感じであった。
「ひょっとして、壊れちゃったのかな?」
その事に危機感を覚えたミルディアが、ヒールドローンを展開した。
だが、信者達はふわりとイケない行為をしているため、まったく気にしていない様子であった。
「……さすがに、これはマズイですね」
すぐさま、朱美が得意のカンフーを駆使して、信者達の意識を奪っていった。
「まあ、流れ弾に当たって死ぬよりマシだろ」
真幸が気絶した信者達を縛り上げ、安全な場所まで運んで行った。
「極論ばかり押し付ける魔鳥よ、覚悟!!」
それに合わせて、朱美が旋刃脚でビルシャナに飛び蹴りを仕掛け、そのまま懐に潜り込むようにして、降魔真拳を叩き込んだ。
「ビルシャナさんも、気持ちよくなるの♪」
次の瞬間、ふわりが別離の後に訪れる、愛しい君との素敵な再会(イナイ・イナイ・バア!)を使い、グラビティの発露と共に、自分自身の顔を隠し、ビルシャナの注意を逸らすようにして死角に回り込んだ。
それと同時に、吐息が聞こえる距離まで迫り、ビルシャナのションボリとしたモノをシゴき始めた。
その気持ちに応えるようにして、ビルシャナのモノがみるみるうちに反り立ってビクビクと脈打つと、真っ白なミルクが噴き出し、天井を真っ白く染めた。
「け、け、汚らわしい!」
その途端、ビルシャナが自分の存在に嫌悪し、ブクブクと泡を吐きながら、白目を剥いて息絶えた。
「まさか最後に、最も汚れた存在になっちまうとはな。いや、ビルシャナになった時点で、その事に気付くべきだったのかも知れないが……」
そう言って清春がクールに決めながら仲間達に背を向け、女の子をナンパするため、夜の街に繰り出すのであった。
作者:ゆうきつかさ |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2020年1月8日
難度:普通
参加:5人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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