布教にはストリーキングこそ至高ッ!

作者:ゆうきつかさ

●都内某所
「布教にはストリーキングこそ至高ッ! だって、そうだろ! ありのままの自分を見てもらう! そうする事で、相手の信頼を得る! これこそ、至高だと思わないか!? だから別にやましい気持ちがある訳でもないし、自らの性癖を満たそうという訳でもない! ただ、俺のすべてを……嘘偽りない姿を見てほしいだけだ! お前達だって、そうだろ!?」
 ビルシャナが人通りの少ない裏路地に信者達を集め、自らの教義を語っていた。
 洗脳の影響で信者達は、揃いも揃って、全裸ッ!
 まったく恥じらいもなく、堂々と胸を張っており、そこに迷いはなかった。

●セリカからの依頼
「エル・ネフェル(ラストレスラスト・e30475)さんが危惧していた通り、ビルシャナ大菩薩から飛び去った光の影響で、悟りを開きビルシャナになってしまう人間が出ているようです」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が、教室ほどの大きさがある部屋にケルベロス達を集め、今回の依頼を説明し始めた。
 ビルシャナが拠点にしているのは人通りの少ない裏路地。
 信者達は全裸姿のまま、一般人相手に布教活動をしているため、色々な意味でトラブルになっているようだ。
「今回の目的は、悟りを開いてビルシャナ化した人間とその配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破する事です。ただし、ビルシャナ化した人間は、周囲の人間に自分の考えを布教して、信者を増やしています。ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、放っておくと一般人は信者になってしまうため、注意をしておきましょう。ここでビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が信者になる事を防ぐことができるかもしれません。ビルシャナの信者となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば、元に戻るので、救出は可能ですが、信者が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」
 セリカがケルベロス達に対して、今回の資料を配っていく。
 信者達は全裸なので、面倒な事になる前に、手加減攻撃で意識を奪っておくといいだろう。
 そうしなければ、表通りに出てしまい、取り返しのつかない事態になってしまう事だろう。
「また信者達を説得する事さえ出来れば、ビルシャナの戦力を大幅に削る事が出来るでしょう。とにかく、ビルシャナを倒せば問題が無いので、皆さんよろしくお願いします」
 そう言ってセリカがケルベロス達に対して、ビルシャナの退治を依頼するのであった。


参加者
盟神探湯・ふわり(悪夢に彷徨う愛色の・e19466)
獅子谷・銀子(眠れる銀獅子・e29902)
エル・ネフェル(ラストレスラスト・e30475)

■リプレイ

●とある裏路地
「この教義って普通に性癖だと思うのですが……。どうして、その事を認めないのでしょうね。少なくとも、わたしの露出趣味は性癖です。だからと言って、その事を誤魔化すつもりはありませんが……」
 エル・ネフェル(ラストレスラスト・e30475)は納得がいかない様子で全裸姿のまま、ビルシャナが確認された裏路地に向かっていた。
 ビルシャナは信者達を前にして、布教にはストリーキングこそ至高であると訴えているのだが、ただ単にストリーキングを正当化する言い訳をしているようにしか思えなかった。
 しかも、その意味を自分にとって都合よく解釈しているため、残念と言う言葉以外浮かばなかった。
「裸になって自分の気持ちを全部伝えるの、ふわりも好きなのー♪ でもでもぉ、裸になるだけじゃ全部伝わらないの! もっとする事、一杯あるのー!」
 そんな中、盟神探湯・ふわり(悪夢に彷徨う愛色の・e19466)が、自分なりの考えを述べた。
 だが、ビルシャナ達は裸を見せる事で満足しており、それ以上の事はしていないようである。
 そのため、信者達は欲求不満になっており、悶々とした気持ちのまま、ストリーキングを続けているようだ。
「……たくっ! 考えるだけで頭痛がしてくるな」
 それとは対照的にウィニフレッド・ザヴィアー(疾槍・e24551)が、今にも崩れ落ちそうな勢いで頭を抱えた。
 そもそも、どういった発想から、布教とストリーキングを結びつけたのか分からない。
 いや、例え理解する事が出来たとしても、頭が痛くなることは確実であった。
「……と言うか、街中で全裸になるのが至高なわけないでしょ。しかも、この手のビルシャナが多すぎる。いっそ厚着明王とかと対消滅してくれると楽なんだけど……」
 一方、獅子谷・銀子(眠れる銀獅子・e29902)は大量のバスタオルが詰まったバックを抱え、不満げな様子で愚痴をこぼした。
 基本的にビルシャナ同士で、殺し合う事はないため、自分達でどうにかするしかないのだが、あまりにもツッコミどころが多過ぎるせいで、激しい眩暈に襲われ倒れそうになっていた。
 それでも、ケルベロスとしても、警官としても、ビルシャナの暴走を食い止める必要があった。
 そんな銀子達の視界に飛び込んできたのは、ロングコート姿のビルシャナ達であった。
 ビルシャナ達はケルベロス達に気づくと、獲物を狙うハンターの如く目を輝かせ、コートをバサッと脱ぎ捨てた。

●ストリーキング
「……と言うか、お前ら、全員風呂に行け!」
 その途端、ウィニフレッドが呆れた様子で、ビルシャナ達にツッコミを入れた。
 分かっていた事だが、本音を言えば、この時点で帰りたい。
 ただでさえ、頭が痛いのに、ビルシャナ達の粗末なモノを見て、余計にゲンナリとした様子である。
「そんなの当たり前だ! ストリーキングは、神聖なモノ。故に、キチンと体の隅々まで洗って、脱毛済みだ! その上で布教活動をしているのだから、文句はないだろ!」
 ビルシャナがクワッと表情を険しくさせ、自らのモノを強調するようにして、堂々と胸を張った。
 地震があるだけあって、ビルシャナは首から羽毛をキッチリと脱毛しており、出荷前のような姿になっていた。
 まわりにいた信者達も、同じように脱毛しているらしく、シッカリと身体も鍛えていた。
 そういった意味で、汚らしさを感じる事はなかったものの、手放しで褒める事が出来ないと言うのが本音であった。
「そも、ストリーキングというのはですね……。語義的には公衆の面前で走ることですし、自己顕示やアピールは出来ても、信頼を得たり布教したりには向きません。ついでに言うと「見て欲しい」願望があるなら、全裸のまま自然にありたいヌーディズムでもありません。つまりエキシビショニスト、と言うのです。その違いも分からず、布教をしたところで、まったく説得力がありませんよ?」
 それでも、エルが怯む事なく蟹股姿のまま、自分の胸を揉みつつ、まわりにいた信者達に対して、秘部を見せつけながら自分自身を慰めた。
 それだけで、信者達のモノは、総立ち。
 まるで、エルを歓迎するようにして、元気良く直立していた。
「それに、そういう奇を衒った方法でしか気が引けないのは自分に自信がない証拠。もっとまっとうな手段で気を引け! それが出来ないなら、出来るようになるまで努力しろ」
 それに気づいたウィニフレッドが、嫌悪感をあらわにしながら、ビルシャナ達をジロリと睨みつけた。
「それは違うな。逆だ、逆! 俺達は自信があるから裸をさらす。見ろ、この無駄のない筋肉ッ! 自分に自信があるからこそ、こうやって裸をさらす事が出来るんだ!」
 ビルシャナが自信満々な様子で、格好よくポーズを決めた。
 だが、ビルシャナのドヤ顔に対して、ボティは出荷待ち寸前の屠殺ボディ。
 いつでも殺られる覚悟があると言わんばかりに無防備な状態の中、股間のモノだけが雄々しく反り立っていた。
「さっきから無駄がない事を自慢にしているようだけど、何の自慢にもならないから……。だって、必要な筋肉もないでしょ、それ。しかも、後ろの方に隠れている信者の中に、メタボがいるし……」
 銀子が呆れた様子で、物陰に隠れた男性信者を、ジト目で睨んだ。
 ビルシャナはまったく気づいていなかった様子だが、その男性信者は無理をして腹をヘコませており、実際にはメタボなボディであった。
「なんだと……あれほど体型の意地には手を抜くなと言っておいたのに……」
 その途端、ビルシャナが殺気立った様子で、メタボな男性信者を睨みつけた。
「す、すみません、つい……」
 しかし、メタボな男性信者は、まったく反省しておらず、可愛らしくテヘ笑い。
 この様子では、洗脳自体も、中途半端なのだろう。
 他の信者達と比べて、何やら余裕があった。
「そんなんじゃ、ただの変質者でしょ。私が鍛えてあげるから、同じように動いてみて」
 銀子がメタボな男性信者の横に立ち、軽くスクワットをし始めた。
「は、はい……!」
 それだけでメタボな男性信者は汗だくになっており、今にも倒れそうになっていた。
「まだ序の口なんだけど……。これじゃ、準備運動にもならないし……」
 銀子が困った様子で、メタボな男性信者を見下ろした。
 メタボな男性信者はスクワットを数回しただけで音を上げ、座り込んだまま立ち上がろうとしなかった。
「ええい、情けない奴め! だが、俺達は間違ってない!」
 それでも、ビルシャナは考えを改めず、キッパリと断言をした。
 その間も、信者達はエルの裸をガン見していたものの、何となく空気を読んで、ビルシャナに話を合わせていた。
「裸になって見せるだけじゃ、好きって気持ちは伝わらないの!」
 その言葉を否定するようにして、ふわりが服を脱ぎ捨て、傍にいた童顔の男性信者に近づいた。
「えっ? あの……」
 これには童顔の男性信者も動揺した様子で、恥ずかしそうに視線を逸らした。
「相手の色んな事も全部知って、それでも大好きって伝えるのが一番伝わると思うのー♪」
 そんな空気を察したふわりが、童顔の男性信者の首に腕を回し、胸を押しつけるようにして抱き着いた。
「うひゃあ!」
 その途端、童顔の男性信者がビクッと体を震わせ、驚いた様子で悲鳴を上げた。
 その口を塞ぐようにして、ふわりが濃厚なキスをすると、躊躇う事なく舌を絡ませた。
 そのため、童顔の男性信者も理性の留め金が外れ、貪るようにしてキスをしながら、ふわりの胸を揉みしだいた。
「……ね? 裸になるだけじゃ全部伝わらないの。信者さんはふわりの事、好きになってくれるの……?」
 その事に満足したのか、ふわりが上目遣いで、まわりにいる信者達を見た。
「もう我慢できねぇ!」
 それが引き金になって、まわりにいた信者達がビルシャナを押し退け、ふわりに殺到した。
 男性信者達は穴と言う穴に自分のモノを突っ込み、女性信者達が甘えるようにして、ふわりの身体に舌を這わせた。
 エルも男性信者を迎え入れ、特濃のミルクを浴びて、恍惚とした表情を浮かべると、ケモノの如く乱れ始めた。
「もっとイッパイ、シテ欲しいのー♪」
 それに気を良くした、ふわりが代わる代わる信者達の相手をしながら、全身ミルクまみれになって、幸せそうに声を上げるのであった。

●ビルシャナ
「ぐぬぬ、お前達だけで楽しみやがって! こうなったら、お前ら全員、俺の信者にしてやる! 喰らえ! 全裸……ビィィィィィィィィィム!」
 次の瞬間、ビルシャナが自ら股間を強調させるようにしてポーズを決め、ケルベロス達に対して全裸ビームを放ってきた。
 そのビームを浴びたら、最後。
 一糸纏わぬ姿になってしまう危険なビーム。
「んな! 何しやがるんだ、この野郎!」
 それを全身に浴びたウィニフレッドが一糸纏わぬ姿になり、イラついた様子で間合いを詰め、力任せに降魔真拳でビルシャナを殴り飛ばした。
「んご! 何故だ!」
 その一撃を喰らったビルジャナが、信じられない様子で、ケルベロス達を睨みつけた。
 おそらく、ビルシャナの考えでは、ケルベロス達が恥ずかしさのあまり動揺し、思考停止状態に陥ってしまうと思い込んでいたのだろう。
 その予想が外れてしまったせいか、かなり焦っている様子であった。
「こんな事をして、覚悟は出来ているの? まあ、出来ていなかったとしても、倒すけど……」
 その間に、全裸ビームを浴びて一糸纏わぬ姿になった銀子が、激しくこめかみをピクつかせながら、ビルシャナに迫っていった。
 それとは対照的に、まわりにいた信者達は、銀子の身体に興味津々。
 プロレスで鍛えられた銀子の腹筋と脚に魅了され、とてもイケない気持ちになっており、自主練を始める信者がいるほどだった。
 銀子も信者達の視線を全身に浴びて、とても気持ちよくなりながら、昂る気持ちを怒りに変えて、その矛先をビルシャナに向けた。
「な、何故だ! ええいっ! こうなったら!」
 その視線に気づいたビルシャナが危機感を覚えつつ、今度は洗脳光線を放とうとした。
「やはり、トリはトリですね。このまま生かしておいても、まわりに悪影響を与えるだけですから、ここで……倒します!」
 それと同時にエルが陰陽有頂昇天波(コイカ・トエ・ハカ)を発動させ、Y字バランスで信者達の注目を秘部に集めると、激しく興奮した様子で絶頂に達し、破壊力抜群の潮吹きによって、ビルシャナを攻撃した。
「うぎゃあ!」
 そのため、ビルシャナは大量の潮を浴びて、溺死したような状態になり、大の字になって仰向けになったまま息絶えた。
「何だか、いつもより疲れた気がするぜ!」
 その途端、ウィニフレッドが崩れ落ちるようにして座り込み、恥ずかしそうに身体を隠した。
 戦っている間は、そこまで気にならなかったものの、男性信者達が周りを囲むようにして、自分のモノをシゴき始めている事に気づき、途端に恥ずかしい気持ちでいっぱいになった。
「さて……あちらに進めば大通りです。皆さんはどうされますか?」
 そんな中、エルが男性信者達の首に腕を掛け、甘えるようにして囁いた。
 その気持ちに応えるようにして、男性信者達がエルを抱え上げ、股間が丸見えになるような状態のまま、反り立ったモノを揺らしながら大通りに向かって走り出した。
「それじゃ、みんなで続きをするのー♪」
 ふわりも残った仲間達を誘いつつ、まわりにいた信者達を引き連れ、裏通りにあるホテルに向かうのだった。

作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年12月19日
難度:普通
参加:4人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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