リアル女子より、その子で妄想する方がイイ!

作者:ゆうきつかさ

●都内某所
「俺は常々、思うんだ。リアル女子より、その子で妄想する方がイイと! だって、そうだろ!? どうせ、告白したところで、キモイと言われてフラれるのがオチだ! だったら、妄想の中で、あんな事や、こんな事をすればいい。それなら、絶対に拒絶される事はない! だからこそ、俺は言いたい! リアル女子より、その子で妄想する方がイイと!」
 ビルシャナが廃墟と化した学習塾に信者達を集め、自らの妄想……もとい教義を語っていた。
 その間、信者達は好きな女の子の写真を眺め、何やら妄想している様子であった。

●セリカからの依頼
「六連星・こすも(ころす系お嬢さん・e02758)さんが危惧していた通り、ビルシャナ大菩薩から飛び去った光の影響で、悟りを開きビルシャナになってしまう人間が出ているようです」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が、教室ほどの大きさがある部屋にケルベロス達を集め、今回の依頼を説明し始めた。
 ビルシャナが拠点にしているのは、廃墟と化した学習塾。
 そこで信者達は好きな女の子の写真を眺め、妄想を膨らませているようである。
「今回の目的は、悟りを開いてビルシャナ化した人間とその配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破する事です。ただし、ビルシャナ化した人間は、周囲の人間に自分の考えを布教して、信者を増やしています。ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、放っておくと一般人は信者になってしまうため、注意をしておきましょう。ここでビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が信者になる事を防ぐことができるかもしれません。ビルシャナの信者となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば、元に戻るので、救出は可能ですが、信者が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」
 セリカがケルベロス達に対して、今回の資料を配っていく。
 信者達はリアル女子には、どんな事があっても、相手にされないと思い込んでいるため、逆に言えば相手にしてくれる女子さえいれば、考えが変わるかも知れないようである。
「また信者達を説得する事さえ出来れば、ビルシャナの戦力を大幅に削る事が出来るでしょう。とにかく、ビルシャナを倒せば問題が無いので、皆さんよろしくお願いします」
 そう言ってセリカがケルベロス達に対して、ビルシャナの退治を依頼するのであった。


参加者
秋芳・結乃(栗色ハナミズキ・e01357)
白雪・まゆ(月のように太陽のように・e01987)
六連星・こすも(ころす系お嬢さん・e02758)
因幡・白兎(因幡のゲス兎・e05145)
エール・インハーバー(レボリューションオイルキング・e11860)
柄倉・清春(大菩薩峠・e85251)

■リプレイ

●学習塾前
「今回の変態は、また随分とこじらせてますね」
 六連星・こすも(ころす系お嬢さん・e02758)は仲間達と共に、ビルシャナが拠点にしている学習塾にやってきた。
 ビルシャナは信者達を前にして、リアル女子より、その子で妄想する方がいいと訴えているらしい。
 そのため、信者達は好きな子の写真を眺めながら、あんな事や、こんな事を妄想し続けているようだ。
「妄想するのも大事だけど、ここまで来ると病気よね」
 秋芳・結乃(栗色ハナミズキ・e01357)が、呆れた様子で口を開いた。
 どうやらビルシャナは、普通に話しかけてきた女性を彼女扱いしたり、ただ目が合っただけで自分に気があると思い込んだりしていたため、周囲から気持ち悪がられていたようである。
 それが原因で、ビルシャナは妄想こそ至高であるという考えに至ってしまった可能性が高いため、いまさら何を言ったところで手遅れな感じであった。
「確かに、なんとなく偏ってる感じがしますですね。まぁ、鳥さんたちなので、しかたないかもですが……」
 白雪・まゆ(月のように太陽のように・e01987)が、半ば諦めた様子で深い溜息を洩らした。
 どちらにしても、ビルシャナは手遅れ。
 ビルシャナの洗脳下にある信者達も、手遅れになるのは時間の問題と言った感じであった。
「実際に触れられねえと、つまんねぇと思うけどなぁ……。妄想じゃカバーできねぇことも多いだろ?」
 柄倉・清春(大菩薩峠・e85251)が、自分なりの考えを述べた。
 だが、ビルシャナ達は強力な催眠光線を用いる事で、現実と同等……もしくは、それ以上の体験をさせているため、妄想だけで充分だと思い込んでいるようだ。
「妄想を否定する気はないけど、リアルだっていいところはあると思うんだよね」
 因幡・白兎(因幡のゲス兎・e05145)が、納得した様子で答えを返した。
 それだけ、ビルシャナは現実で嫌な思いをしてきたのかも知れないが、事前に配られた資料を見る限り、それも自業自得に思えてきた。
「そもそも、リアルより妄想の方がいいってわっかんねえな。漢ならやっぱ現実で一山当ててこそだろ? ……というわけで、リアルにだって、こんだけレベルの高い痴女がいるんだぞってとこ見せつけてやれ、こすも」
 そんな中、エール・インハーバー(レボリューションオイルキング・e11860)が、こすもの背中をポンと叩いた。
「ええ、 妄想なんかにリアルが負けるわけがありません。それで勝てなかったらショックですけど……。と、とにかく、中に入ってみましょうか」
 そう言って、こすもが不安な気持ちを振り払うようにして、仲間達と共に廃墟と化した学習塾に足を踏み入れた。

●学習塾内
「いいか、お前ら! 妄想する事こそ至高ッ! その証拠に妄想であれば、相手に嫌われる事もない。どんなにハードなプレイをしても、相手が受け入れてくれるんだ! それに勝るモンなんてねぇだろ!」
 室内ではビルシャナが信者達を集め、自らの教義を語っている最中だった。
 信者達はビルシャナが放った妄想ビームの影響で、みんな一人遊びに夢中であった。
「まあ、オレも彼女がいねぇ頃は、それの世話になったぜ。でもなぁ、妄想ってのは自分の知る限りでしか補えねぇんだよ。見ろよ、あの可愛い子ちゃん達を……」
 そんな中、清春がビルシャナ達の前に立ち、キリリとした表情を浮かべて、女性陣達を指さした。
 その途端、ビルシャナ達が女性人達で妄想を始め、何やら締まりのない表情を浮かべた。
 この時点で普通ならば、ドン引き。
 こんな態度ではリアルで相手にされるわけがないという考えが、脳裏に過るレベルであった。
「……と言うか、リアル女子に挑戦して失敗しても、妄想女子なら受け入れてくれるって保険があるじゃん。恐れず挑戦し放題じゃん。片方だけって考えると視野狭くなっちゃうよ?」
 そんな空気を察した白兎が、ビルシャナ達に語り掛けた。
「それでフラれたら、心に傷がつくだろ! 俺達の心は、ガラスのハート……。万が一、フラれるような事があれば、それこそ立ち直れなくなっちまう!」
 ビルシャナが被害者意識全開で、思いっきり嫌そうな顔をした。
 それだけ、何度もフラれ続けてきたのだろう。
 今まで相手に言われてきた言葉が脳裏に浮かび、どんより沈んでいる様子であった。
「逆に考えるんだ、そこがいいと……! 油田発掘も同じ、簡単に落ちちまったらおもしろくないじゃん。望みは高ければ高いほどやり甲斐がある……で、がんばるだろ? 例え、油田が見つからなくても、いつか必ずって思えば、諦めないじゃん! そうしているうちに……って、お前ら話を聞いていないだろ!? それだから、駄目なんだよ! 蔑みの視線も無視も特殊な業界では御褒美だっていうじゃん! 悔しかったら、その域まで達してみろよ!」
 エールが途中からヤケになりつつ、ビルシャナ達に訴えた。
 だが、ビルシャナ達は、既に妄想の中。
 『やっぱり、リアルは怖い』と言わんばかりに、現実逃避気味であった。
「さっきから妄想ばかりしているようだが、そこにぬくもりはあるのか? あるなら、妄想してみろ。現実はそれの100倍すげぇぞ」
 清春がビルシャナ達の妄想を利用し、現実の良さを強調した。
「……残念だが、お前はまだ妄想の可能性を理解していないようだが……」
 その言葉にイラっとしたビルシャナが、小馬鹿にした様子で大袈裟にフンと鼻を鳴らした。
「……なんだと!? だったら、証拠を見せやがれ!」
 清春がイラついた様子で、ビルシャナの胸倉を掴んだ。
「ならば、喰らうがいい!」
 次の瞬間、ビルシャナがクワッと表情を険しくさせ、ケルベロス達に対して妄想ビームを放ってきた。
 それは信者達を一瞬にして、妄想の虜にした危険な攻撃ッ!
 間一髪で避ける事が出来た者もいたが、半数以上が妄想ビームの餌食になった。
「こんなモノ効く訳が……って、おい駄目だって! まわりが見ているから! いや、ジュニアが正直とか、そう言う問題じゃねえから!」
 その途端、清春が妄想の世界に引きずり込まれ、現実と区別が出来なくなった。
 ビルシャナによって作り出された妄想は、あまりにも現実過ぎるため、清春の股間もサムズアップ。
 沢山の女性達の身体を撫で回され、舌を這わされ、咥えられてしまったため、妙な声を上げながら身悶えzz、今にも真っ白な花火を上げそうになっていた。
「……って、なにを妄想してるんですか? あたしで変な妄想するの、やめてくださいッ! あたし、そんなことしません!」
 こすもも妄想ビームを喰らって、イケない気持ちになりながら、恥ずかしそうに悲鳴を上げた。
 その言葉に反して、身体はきゅんきゅんに反応しており、股間に指が向かっていた。
「ほら、見ろ! やっぱり、妄想最高じゃないか!」
 ビルシャナが勝ち誇った様子で、自信満々に胸を張った。
「それなら、逆転の発想をしてみたら、どうだ? リアル女子に相手にされないなら、リアル男の娘にチャレンジだ! ……というわけで、がんばれジビエ」
 エールが期待に満ちた表情を浮かべ、白兎の肩をポンと叩いた。
 幸い妄想ビームの餌食にはならなかったが、この状況では分が悪い。
「ジビエって言うな! それに、そんな事をする必要なんてないから! だって現実が妄想の上を超えてくることだってあるからね。いまから、その証拠を見せてあげるよ」
 すぐさま、白兎がドレスアップを発動させ、こすもの恰好を悪の女幹部風のドスケベ衣装に変化させた。
「……えっ!? どうして、そうなるの!?」
 こすもが突然の出来事に驚き、反射的に体を隠した。
「げへへへへ……、そんな恰好をして、本当はシテ欲しいんだろ? 妄想するのが駄目なら、それだけの価値があるって事を教えてもらわねぇとな!」
 そこに追い打ちを掛けるようにして、髭面の男性信者が興奮した様子で、こすもの身体を後ろから撫で回した。
「そ、そんな事……」
 こすもが恥じらいと躊躇いと欲望が同居する中、現実と妄想の区別がつかなくなり、甘えるようにして体を擦りつけた。
「その調子だよ。妄想より、現実の方がいいって教えてあげる必要があるんだから……!」
 そんなこすもを煽るようにして、白兎が拳をギュッと握りしめた。
 他の男性信者も、こすものまわりに集まってきたものの、その大半はドスケベ衣装を見ただけで、達してしまうほどの興奮状態。
 みんな真っ白なシャワーを浴びせつつ、二発目をチャージしているような感じになっていた。
「ひょっとして、任務に失敗するたび、薄い本みたいに首領からオシオキされているのかな? でも、こんなはしたない声を出していたら、オシオキにはならないね?」
 髭面の男性信者がこすもの耳元で囁きながら、反り立ったモノを尻の谷間に押し当てた。
 その雄々しい感触だけで達してしまいそうになりながら、こすもが必死に声を殺して、疼いた股間に指を這わせた。
「……って、お前ら! 妄想だけで我慢しろ!」
 それを目の当たりにしたビルシャナが、色々な意味で危機感を覚えた。
「やっぱり妄想したら、どうやって実現するかも考えて、それを実践しないとだよね! 例えば、こんな風に!」
 その間に、結乃がまゆにガバッと抱きつき、ゆっくりと服を脱がし始めた。
「そんな、いきなり!」
 まゆが驚いた様子で声を上げながら、膝から崩れ落ちそうな勢いで、敏感に体を反応させた。
「何度でもイかせてあげるから、ねー♪」
 それに気づいた結乃がまゆの股間を執拗に攻め立て、指の間でネバつく糸を見せつけるようにして、ちゅぱっと舐めた。
「指だけじゃ、もう……」
 まゆも太股を擦り合わせながら、物欲しそうな目で信者達のモノを見た。
「もう教義なんて、どうでもいいだろ!」
 その視線に気づいた信者達がまゆに群がり、反り立ったモノを押し付けた。
「みんな……太くて……固い……!」
 それに興奮したまゆが反り取ったモノを咥え、口内に発射されたミルクを一滴残らず吸い上げた。
 それを見ただけで、信者達の大半が達してしまい、まゆの身体に幾筋もの糸が垂れさがった。
 結乃も口や、両手、両穴、腋や太股等を駆使して信者達を天国に導き、大量のミルクを浴びて、恍惚とした表情を浮かべた。

●ビルシャナ
「……って、いい加減にしろ!」
 それを目の当たりにしたビルシャナが、ブチ切れた様子で信者達を叱りつけた。
 だが、信者達の反応は、冷ややか。
 いまさらビルシャナに従う義理はないと言わんばかりに、ガン無視であった。
「だったら、自分の教義を否定すればいいんじゃないの? いまさら何を言ったところで、手遅れなんだしさ」
 白兎がビルシャナに冷たい視線を送り、皮肉混じりに答えを返した。
「ふざけるな! 俺は間違っていない! 正しいのは、俺だ!」
 ビルシャナがイラついた様子で、自分の正当性を訴えた。
 しかし、その言葉に耳を傾ける信者は、誰ひとりとしていなかった。
「はぁはぁ……、やはりここで倒しておいた方が良さそうですね」
 そんな中、こすもが全身ミルクまみれになりながら、ビルシャナをジロリと睨みつけた。
「だったら、もう一度……妄想の海に沈みやがれ!」
 その視線に気づいたビルシャナが、殺気立った様子で再び妄想ビームを放ってきた。
「これは鳥撃破しておかないと、だね」
 すぐさま、結乃がビルシャナの股間を狙い撃ち、妄想ビームの軌道をズラした。
「俺の股間がああああああああ!」
 その途端、ビルシャナが血塗れの股間を押さえ、両目をカッと見開き、悲鳴を上げた。
「だったら妄想すればいいだろ!」
 それに合わせて、エールが大器晩成撃を放ち、将来性を感じる一撃をビルシャナに叩きつけた。
「ただし、わたし達以外で、ですが……」
 その間に、まゆが一気に間合いを詰め、Centrifugal Hammer(セントリフューガルハンマー)を仕掛け、ビルシャナを殴り飛ばした。
「咲き誇れ、コズミックフラワー!」
 次の瞬間、こすもがコズミックフラワーを仕掛け、周囲に光の粒子を花(キンポウゲ科の青い花ニゲラ:花言葉は『本当の私を抱きしめて』)のように展開し、それを無数の光弾に変えてビルシャナに撃ち込んだ。
「それでも、俺は妄……」
 続け様に攻撃を喰らったビルシャナはボロボロと涙を流しながら、最後の言葉を言い終える前に崩れ落ち、血溜まりの中で息絶えた。
「もう少し現実を見ていれば、こんな事にはならなかったのに……。まぁ、死んじまったんだから、しゃーねぇか。それじゃ、経費を使ってキャバでも行くか」
 清春がサクッと気持ちを切り替え、信者達がいる方向を向いた。
 だが、信者達は女性陣と裸で抱き合っており、パンパンと何かを打ち付ける音が室内に響いていた。
「……畜生! 今日は朝まで飲むぞ!」
 それを目の当たりにした清春が涙目になりつつ、ひとりでキャバクラに向かうのだった。

作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年12月12日
難度:普通
参加:6人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。