ジュエルジグラット潜入調査~『手』

作者:雨音瑛

●ポンペリポッサの最後
 窮地から一転、ケルベロスたちはポンペリポッサへと容赦の無い攻撃を仕掛けた。
 巨大な老婆の眼球は、襲い来る者たちを睨む。
「まだ、あたしの邪魔をするのかい? そんなに、赤ずきんが憎いのかい? 赤ずきんがいたからこそ、ジュエルジグラットは今程度で済んでいたというのに。誰もかれも、なぜ恩を仇で返すのだよ」
 凄まじい攻撃と共に、怒りが吐き出された。老婆の鼻が伸び、取り囲むケルベロスたちを薙ぎ払う。
 赤ずきんを蘇らせるため、決死の覚悟で応戦するポンペリポッサ。ケルベロス側に数多の負傷者を出しながらも、決着の時は訪れた。
 ポンペリポッサの体が崩れゆく――そう、ケルベロスたちが勝利したのだ。
「おぉ、赤ずきん。最後にばばあの所に来てくれたのかい?」
 嗚咽混じりの声が語りかけるのは、寓話六塔『赤ずきん』、その幻影だろうか。ポンペリポッサにもケルベロスにも判別できぬまま、赤ずきんが老婆の耳元でそっと何事かを伝えたように見えた。
「あんたはやさしいねぇ。あぁ、あぁ、そうだね、あたしらのような犠牲はもうたくさんだよねぇ」
 ポンペリポッサはゆっくりと息を吐き、ケルベロスたちへと向き直る。
「お前達、ジュエルジグラットには気を付けるんだよ。ジュエルジグラットの秘密を暴かなければ、モザイクが晴れる事は決して無いのだから」
 そう言い残して、ポンペリポッサは幻影の赤ずきんと共に消え去ったのだった。

●ジュエルジグラットの調査へ
 先日行われた、ドリームイーターに対する『最終決戦投票』。その結果をタブレット端末で確認したウィズ・ホライズン(レプリカントのヘリオライダー・en0158)は、集ったケルベロスたちを見て顔を上げた。
「投票の結果、ジュエルジグラットの調査を行うことが決まったようだな。そこで、早速だがジュエルジグラット中枢の探索に向かう希望者を募りたい。ただし、これは非常に危険な任務だ。それというのも――」
 表情を引き締めたウィズは、指折り伝える。
 戦闘力はもちろん、状況を見極めて行動できる判断力や柔軟な発想力などが必要になることを。
 持ち帰る情報によってドリームイーターとの戦い方、その方針が大きく変化する可能性もあることを。
「……あまり考えたくないことだが、仮にこの作戦に失敗し、探索部隊が未帰還となった場合のことも伝えておこう」
 結果を待つケルベロスたちは、ジュエルジグラットの情報を得られない状態でドリームイーターとの最終決戦を開始することになる。そうなれば、単純にゲートを破壊するだけではドリームイーターによる侵略を完全に解決できないという可能性も考えられる。
 探索部隊が帰還できなくなった場合、最終決戦の時まで生き延びられれば脱出の機会が巡ってくる。最後まで諦めず、生き残れるような立ち回りが要求されるだろう。
「さて、探索の内容について説明しよう。探索部隊は、最初にダンジョンである『ジュエルジグラットの手』に向かうことになる」
 ジュエルジグラットの手は、その名のとおりジュエルジグラットと接続されている。手の内部を通れば、ジュエルジグラット中枢へと到達できるはずだ。
「ジュエルジグラットの手、そのゲート部分は通常ドリームイーターの軍勢によって封鎖されている。そのため突破する事は不可能なのだが……今は『モザイクの嵐』による混乱で、ドリームイーター側の監視と防衛に隙ができているようなんだ」
 つまり、今なら少人数での突破も不可能ではないということ。
「と言っても、ダンジョン内には無数の『残霊』が溢れている。安全な移動はまず不可能だ。加えてジュエルジグラットの手は直線距離でも数十キロある。戦いながら移動するとなると、精鋭のケルベロスといえども突破には48時間以上かかるだろう」
 ケルベロスなら、48時間程度は不眠不休での行動は可能だ。しかし、今回の作戦において移動はある意味前哨戦、中枢に到着してからが本番となる。可能な限り万全な体調で、中枢に到着できるような計画を立てることが重要だ。
「さて、今回の調査において最初の目標は『ジュエルジグラットの手を突破する』こと。だが、ただ突破するだけでなく周囲の状況にも目を配って情報を集められれば、次の探索に繋げられる可能性もある。調査方法などは探索部隊に一任する形になるが――敵地に孤立しての作戦となることを、くれぐれも忘れないでくれ」
 ポンペリポッサの最期の言葉が、一体何を意味するのか。ジュエルジグラットの秘密を暴けるかどうかは、ケルベロスたちの力にかかっていると言えるだろう。


参加者
ティアン・バ(泪の行先・e00040)
不知火・梓(酔虎・e00528)
コクマ・シヴァルス(ドヴェルグの賢者・e04813)
マヒナ・マオリ(カミサマガタリ・e26402)
植田・碧(紅き髪の戦女神・e27093)
ゼー・フラクトゥール(篝火・e32448)
風陽射・錆次郎(戦うロボメディックさん・e34376)
朝比奈・昴(狂信のクワイア・e44320)

■リプレイ

●『手』攻略
 西洋の城を思わせる空間を、ケルベロスたちは急ぐ。
 ともすれば童話の世界にも存在しそうな風景を、宝石のような窓から見えるワイルドスペースを、何度見送ってきただろう。
 それでも立ち止まるのは、休息と避けられぬ戦闘の時のみ。
 エルフハンターの放った矢を身体に受けたウイングキャット「スノー」は、突き立った矢を吹き飛ばすように翼を動かした。生まれた風は植田・碧(紅き髪の戦女神・e27093)の赤い髪を揺らす。
「さあ、一息に片付けるわよ」
「そうだな。すぐに終わらせよう」
 ヒールオーラを弾丸の形に変じさせて、投擲する碧。そこに、マッピングしていた手をすぐに止めたティアン・バ(泪の行先・e00040)も加わった。
 弾丸の形に変じさせたヒールオーラを碧が、指輪に触れて出現させた光の輪をティアンが続けざまに放てば、敵は成す術なく消滅した。
 突然のワープなどに警戒しながら、すぐに移動を再開する。
 碧とスノーと共に先行する不知火・梓(酔虎・e00528)の手にする10フィート棒が、地面を軽く穿つ。罠はない、だが、と足を止めて後続の仲間へハンドサインを送る。『回避不能な敵がいる』と。
 コクマ・シヴァルス(ドヴェルグの賢者・e04813)は周囲の様子を確認し、先行していた仲間の元へと急ぐ。
「増援はないようだ、すぐに倒してしまおう」
 回転を加えた体当たりを狂剣士アインハルトに喰らわせ、吹き飛ばすコクマ。その先で、梓は斬霊刀Gelegenheitに雷を纏わせていた。
「おぅ、待ってたぜぇ――斬り結ぶ 太刀の下こそ 地獄なれ 踏み込みゆかば 後は極楽、ってなぁ」
 容赦なく貫いた敵が消滅する手応えを感じた梓は、刀を鞘に収めた。
 先は長い。回復を交えながら、急ぐ。
 災骸のヴァンデルスが剣を振るって起こす炎、その痛みを消し去るべく風陽射・錆次郎(戦うロボメディックさん・e34376)がオウガメタル「ポーンメタル」の粒子を降り注がせた。
「回復は元自衛官衛生兵に任せてねぇ」
「ありがとう、錆次郎! アロアロ、合わせて行くよ」
 マヒナ・マオリ(カミサマガタリ・e26402)に声をかけられ、シャーマンズゴースト「アロアロ」は、震えながらも炎を吐き出す。その後ろで、マヒナはヤシの木の幻影を作り出した。
「頭上注意、だよ?」
 マヒナが言うが早いかココナッツがヴァンデルスの頭上に落ちる。数秒の後、ココナッツもヴァンデルスも溶けるように消えていった。
 休憩を挟みながら、ひたすらにダンジョンを行く。
 カーリーテールの粘液弾を受けながらも、ボクスドラゴン「リィーンリィーン」は箱に入り、体当たりした。
「その調子じゃ、リィーンリィーン。わしも負けていられないのぅ」
 混沌の波を解き放つのは、ゼー・フラクトゥール(篝火・e32448)。
「聖なるかな、聖なるかな。聖譚の王女を賛美せよ。その御名を讃えよ、その恩寵を讃えよ、その加護を讃えよ、その奇跡を讃えよ」
 スライム状の半獣へと変じた朝比奈・昴(狂信のクワイア・e44320)の口元から、信仰の歌が零れた。苦痛を伴う術を信仰心のみで耐えながら、カーリーテールを打ち砕く。
 戦闘を終えて元の姿へと戻った昴は、近くにあった小部屋を示した。
「さて、休憩に移りましょうか。前回の30分休憩から5時間は経過していますしね」
 部屋に入ると同時に、マヒナが仲間の身体を二、三度叩き、衣服と身体を整える。
「みんな、お疲れさま。えっと、今回は30分休憩だよね? 昴さんが巣を作り終わったら、アラームをセットするね」
「よろしくお願いしますね、マヒナさん。調べたところ、この部屋の壁に破損箇所は見受けられないようです。すぐに巣を作りましょう」
 巣を作り終えた昴は座り込み、祈祷書を開き聖句を唱え始めた。聖王女への信仰心を高めるためだ。
 休憩の前にと、錆次郎が胸元から取り出した栄養ドリンクを配り始める。
「昴さんは巣作りありがとう。碧さんと梓さんは先導お疲れさま。ゼーさんも、リィーンリィーンさんもどうぞ。遠慮は不要だよ、ちゃんと全員分あるからねぇ」
「あら、ありがたくいただくわね」
「錆次郎はダンケだ」
「地図に休息地と時間を書き入れたら、わしも休息させてもらうとしようかの。リィーンリィーンもしっかり休むのじゃぞ」
 自身の薄墨色の鱗に寄り添うように眠り始めた小さな竜に目を細め、ゼーは地図に文字を書き加えてゆく。
 巣の中で武器を手に休憩する仲間を一瞥し、ティアンとコクマは扉の前に立った。
「赤ずきんにはまだ遭遇できていないが、ティアンが見たところ残霊の様子に変化は無いようだ」
「そうだな、わしが双眼鏡で観察した範囲ではダンジョン内にも特段の異変はないように見える」
 ドリンクバーの飲み物を飲むティアンと、兵糧丸を口に入れるコクマ。見張りを担う二人は、敵襲とあらばすぐに目を覚ませる状態で眠りにつくのだった。

●ゲート
 引き続き、アクアカーモを着用した碧と梓、スノーが先導する。迂回ルートに入るハンドサインを受け、残る者たちは後に続く。
 可能な限り回り道をするのは戦闘を、ひいては消耗を最小限に留めるためだ。
 進軍の合間を見てマッピングをするティアンとゼーの眼前に、飴玉が差し出された。
「よかったら、どうぞ。甘い物は、心が和らぐんだよ」
 微笑むマヒナに、ティアンとゼーは思わず相好を崩す。
「そうだな。こんな時だからこそ、甘い物は助かる」
「うむ、わしも有り難く頂戴しよう」
 口の中で広がる甘さは、緊張をほぐすには丁度良い。
「うーん、ダンジョンは特に変化なし、みたいだねぇ」
 最後尾を受け持つ錆次郎は、光学迷彩をオンにしながら周囲の様子を記録する。
 そうして戦闘と休息を繰り返し――ついに、たどり着いた。
「見えたぞ。あれが、ゲートだな」
 双眼鏡を覗くコクマが指差すのは、ドリームイーターの本星ジュエルジグラットに通じる『ゲート』だ。
 ジュエルジグラットの腕は、ゲートを超えて向こう側にも繋がっているようだ。ならば、ダンジョン探索を延長する形で移動できるだろう。
「よし、見張りも問題なさそうじゃ。いよいよゲート突破じゃな」
 ゼーの言葉を皮切りに、ケルベロスたちはゲートを抜けるべく移動を開始した。
「この場所はかなり脆くなっているな。しかも何かに似て――ああそうだ、『ワイルドスペース』だ」
 ティアンが視線を向けるのは、切断されて修復された部分のジュエルジグラットの腕の部分。彼女が言うとおり、確かにワイルドスペースに似た外見をしている。
「迂闊に触れれば何が起こるか解らぬ。皆、ここは慎重に――」
 ゲート突破も間近、言いかけたゼーは不意に言葉を失った。
 凄まじい『恐怖』を感じたからだ。
「む……」
 ゼーは、これまで経験してきた数々の死地に思いを巡らせた。恐怖に耐えるために。
 他の者も同様に『恐怖』を感じたらしく、各々が耐えるための行動を取っていた。
「――聖王女様、どうかご加護を」
 きつく目を閉じる昴は、信仰心をもって。
 刀の鞘尻で爪先を叩いた後、梓はコートの下からスキットルを一つ取り出し、中身を呷った。落ち着きを取り戻した後は、あたりを見回して。
「赤ずきんの発していた『恐怖』に近い気がするなぁ……つっても、赤ずきんの残霊はいねぇみてぇだが」
 自身が好意を持った者を思い出して堪えきったコクマが、うなずく。
「そのようだな。赤ずきんの残霊には会えず、か……皆、大丈夫か?」
 目を瞑り、深呼吸をしていた錆次郎が大きくうなずいた。
「うん、僕はもう大丈夫だよ」
「……うん。ワタシも、大丈夫」
 マヒナの右手は、左薬指の指輪に触れられている。帰りを待ってくれている人たちを思い浮かべてゆっくりと息を吐き、大丈夫、ともう一度呟いた。
 常に着用しているヘッドフォンに触れた碧も、想い人を思い浮かべて平常心を保つ。
「いよいよ何が起こるかわからないわね。さあ、ここから先は一切の情報がないわ。気を引き締めて行きましょう」
 銃とお守りを握りしめティアンは気を強く持つ。送り出してくれた人たちのことを思えばこそだ。
 それに、お守りをくれた友人もジュエルジグラットのことを気にしていた。その友人の分も、とティアンはゆっくりと顔を上げる。
「ああ。――行こう」

●都市
 ゲートを超えたケルベロスたちは、モザイクの腕へと到達した。
 目に映る風景は、これまでとさほど変わらぬ迷宮だ。
 出現した残霊を撃ち抜いたティアンは、首を傾げながら銃口を下ろした。
「こちらの残霊は、ダンジョンの残霊よりも弱いようだ。それに、数も少ない」
「ワイルドスペース化してしまった場所もあるようじゃの。モザイクの嵐による影響がゲートの向こうにも広がっていた、と考えるのが妥当じゃろうか?」
 そう呟き、ワイルドスペースを避けつつ移動するゼー。
 やがて、彼ら彼女らは発見する。いくつかの都市化された区域――『嚢胞都市』を。
 碧は警戒しながらひとつの都市に近付き、中の様子を観察した。
「中には……残霊ではないドリームイーターがいるわね。そんなに強くなさそうなところを見ると、一般市民のドリームイーター、といったところかしら?」
「いくつか都市があるようだが、どれもモザイクの嵐の影響で孤立してしまったのだろうか? ふむ、これくらいの規模なら最低でも100人は暮らしていそうだな。――む」
 コクマは門らしき箇所を軽く押してみる。が、びくともしない。都市は門を固く閉ざし、守りを固めているようだ。何のために、と疑問に思う間もなく、錆次郎が門の一部を指差す。
「ねえみんな、この部分を見て。何かに攻撃された跡があるよ」
 確かに、門には何かが抉ったような痕跡が残っていた。マヒナはゲートを超えてからここまでのことを思い浮かべ、仲間を見渡す。
「ワタシたち以外には残霊しかいなかったよね? ってことは、モザイクの嵐で凶暴化した残霊の仕業じゃないかな?」
「都市内部のドリームイーターは残霊に対して警戒してる、ってぇことか……待てよ? モザイクの嵐の影響で孤立化した嚢胞都市――つまりモザイクの嵐が晴れたら、そう遠くないうちに孤立状態が解消されるんじゃねぇか?」
 梓の口にした疑問に、昴はこくりと頷いた。
「かも、しれませんね。ですが、現時点ではこの嚢胞都市は探索の邪魔にはならないかと。中から出て来て迎撃するような様子も見られませんし。ひとまず、先を急ぎましょう」

●モザイク
 いくつかの嚢胞都市、その付近を通り抜けて中枢へと近付いてゆく。
 だが、何かがおかしい。梓は嚢胞都市内部を見遣り、煙草代わりにくわえていた長楊枝を手で摘まんだ。
「碧、気のせいだったらすまねぇ。ちょっとここから都市の内部を見てもらえねぇか? ドリームイーターの様子が変わってきているようなんだが……」
 すぐさま都市内部のドリームイーターを一体、二体と確認した碧は梓の方を向いた。
「いいえ、不知火さんの気のせいじゃないわ。確かにドリームイーターの体を覆うモザイクが増えてきてる。徐々に、ではあるけれど」
 中枢に進むにつれて増えてきた、ドリームイーターの身体を多くモザイク。後続の仲間も呼び寄せ、改めて都市内部の様子を観察する。
「ドリームイーターは『モザイクを晴らす為に活動してる』デウスエクスなんだよね? なのに、中枢に近づくにつれてドリームイーターのモザイクが増えているのは……どうしてなのかな?」
 不意にマヒナが口にした疑問に、昴はゆっくりと首を振った。
「わかりません……。あまり考えたくはありませんが……彼らはもしかしたら『捨てられた民』なのかもしれません」
「モザイク、か……そもそも、ドリームイーターにはなぜモザイクが存在するんだろうな? ジュエルジグラットの中枢にドリームイーターにモザイクを植え付ける『何か』が存在する、とかだろうか?」
 蠢くモザイクを見遣り、ティアンが思案する。だとしたら、とコクマはドリームイーターのモザイクを注視した。
「赤ずきんの役割はモザイクを植え付けるその『何か』に関するものなのか……?」
 赤ずきん、という単語に、ゼーははっとしたように仲間を見渡す。
「赤ずきんといえば、気になることが一つ。現状、中枢に近づいても寓話六塔どころか有力な敵が防衛に出て来ることすらせぬ。これには何か理由があるんじゃろうか?」
「うーん……もしかしたら、なんだけど。ジュエルジグラット中枢は寓話六塔の支配から外れているんじゃないかな?」
 錆次郎はそう言って、確証は無いけれど、と付け足した。
 けれど立ち止まっていても答えは得られないと、進軍を再開する。
 嚢胞都市をまたいくつか通り過ぎたところで、誰もが足を止め、息を呑んだ。
 住民の姿が完全にモザイクとなっていたのだ。
 苦しみ呻き声を上げる、少年のような個体、少女のような個体、人形のようなものを抱いている個体。多少の差こそあれ、全身がモザイクとなっていることは共通しているようだ。
「これは、どういう――」
 うつむき、考え込む錆次郎は異様な気配を感じて顔を上げる。
「住民の方は後回し! みんな、敵だよ!」
 その言葉で、ケルベロスたちは一斉に武器を構えた。

作者:雨音瑛 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年12月9日
難度:難しい
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 8/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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