何でも命令できる王様ゲームこそ至高である!

作者:ゆうきつかさ

●都内某所
「俺は常々思うんだ! 何でも命令できる王様ゲームこそ至高である、と! だって、そうだろ!? 王様になれば、何でも好きな事を命令する事が出来るんだぞ!? それって、まさにパラダイス! この上ない幸せだろ! これを至高と言わずして、何を至高と言えばいい!? むしろ、これ以外に至高であるモノなんて存在しない! だからこそ、俺は断言できるッ! 王様ゲームこそ至高である、と!」
 ビルシャナが廃墟と化したキャバクラに信者達を集め、真っ赤なソファに寄りかかりながら、ワイングラスを片手に、自らの教義を語っていた。
 まわりには沢山の女性信者達を侍らせ、ビルシャナ自身は御満悦。
 それとは対照的に、男性信者達はハズレくじを持ったまま、悔しそうな表情を浮かべていた。
 この時点で男性信者達は『……何か違う。そもそも、王様ゲームのルールが分かっていないだろ、あの鳥ッ!』と言う気持ちになっているものの、ずっと負け続けているため、何ひとつ文句を言えないようである。
 そのため、ビルシャナは調子に乗って乗りまくり、王様ゲームで至福の時間を過ごすのであった。

●セリカからの依頼
「シフカ・ヴェルランド(血濡れの白鳥・e11532)さんが危惧していた通り、ビルシャナ大菩薩から飛び去った光の影響で、悟りを開きビルシャナになってしまう人間が出ているようです」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が、教室ほどの大きさがある部屋にケルベロス達を集め、今回の依頼を説明し始めた。
 ビルシャナが拠点にしているのは、廃墟と化したキャバクラ。
 ここでビルシャナは、王様ゲームをしているようだが、催眠の力を使って信者達を操り、勝ちまくっているようだ。
 その事に不信感を抱く男性信者も少なくはないが、一度も勝つ事が出来ないため、何も反論をする事が出来ないようだ。
「今回の目的は、悟りを開いてビルシャナ化した人間とその配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破する事です。ただし、ビルシャナ化した人間は、周囲の人間に自分の考えを布教して、信者を増やしています。ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、放っておくと一般人は信者になってしまうため、注意をしておきましょう。ここでビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が信者になる事を防ぐことができるかもしれません。ビルシャナの信者となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば、元に戻るので、救出は可能ですが、信者が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」
 セリカがケルベロス達に対して、今回の資料を配っていく。
 男性信者達は負け続けている事もあり、今にも不満が爆発しそうになっているようだ。
 そのため、説得する事は、容易ッ!
 ビルシャナが催眠によって、不正を働いている事を指摘すれば、彼らの心も揺らぐ事だろう。
「また信者達を説得する事さえ出来れば、ビルシャナの戦力を大幅に削る事が出来るでしょう。とにかく、ビルシャナを倒せば問題が無いので、皆さんよろしくお願いします」
 そう言ってセリカがケルベロス達に対して、ビルシャナの退治を依頼するのであった。


参加者
ミスラ・レンブラント(シャヘルの申し子・e03773)
機理原・真理(フォートレスガール・e08508)
シフカ・ヴェルランド(血濡れの白鳥・e11532)

■リプレイ

●キャバクラにて
「……まったく、何も分かっていませんね。こういうのは誰が当たるかわからないから楽しいというのに……」
 シフカ・ヴェルランド(血濡れの白鳥・e11532)は仲間達と共に呆れた様子で、ビルシャナが拠点にしているキャバクラの前に立っていた。
 ビルシャナは、何でも命令できる王様ゲームであると訴え、廃墟と化したキャバクラに信者達を集め、朝から晩まで王様ゲームをしているようである。
 ただし、ビルシャナは信者達を洗脳する事で不正を働いており、常に王様ッ!
 自らの欲望を満たすため、信者達を利用しているような感じになっていた。
「うーん、イカサマはよくないわ、イカサマは! 男なら、いえ鳥なら正々堂々と勝負すべきでしょ!」
 ローレライ・ウィッシュスター(白羊の盾・e00352)が不機嫌な表情を浮かべ、ビルシャナのやり方を非難した。
 だが、ビルシャナにとっては、洗脳もテクニックのひとつ。
 バレなければ不正でないと思っているため、罪悪感のカケラもないようである。
「まあ、ビルシャナらしいと言えば……らしいですね」
 ミスラ・レンブラント(シャヘルの申し子・e03773)がボディコン風の超ミニスカワンピース姿で、何かを悟ったような表情を浮かべた。
 そもそも、ビルシャナに正当性を求める事自体、間違った事である。
 黒いモノは、黒い。
 例え、白を混ぜたところで、黒いまま。
 それがビルシャナと言うイメージがあるせいか、大して驚きはなかった。
「それでは行きましょうか。裸の王様に現実を突きつけるために……」
 そう言って機理原・真理(フォートレスガール・e08508)が覚悟を決めた様子で、廃墟と化したキャバクラに足を踏み入れるのであった。

●裸の王様
「王様だーれだ!」
 室内ではビルシャナが信者達を集め、王様ゲームをしている最中だった。
 しかし、勝負はビルシャナの連戦連勝。
 信者達はみんな洗脳状態に陥っているため、ビルシャナが引き抜いた割り箸に、王様の証である真っ赤な印が見えているようだ。
 そのため、ビルシャナは王様として女性信者達を侍らせ、欲望の限りを尽くしていた。
 それが男性信者にとっては、歯痒く感じられているようだが、いくら頑張っても王様になる事が出来ないため、かなりストレスが溜まっているような感じであった。
「わー、ビルシャナさんって、すごいのね! また王様!!」
 そんな中、ローレライが親しげな様子で、ビルシャナ達に駆け寄った。
「そうだろ、そうだろ、俺は強い」
 ビルシャナはゴキゲンな様子で、高笑いを響かせた。
 おそらく、連戦連勝、負け知らずのため、怖いもの知らずになっているのだろう。
 そのため、まったく警戒しておらず、例え何かあったとしても、洗脳すれば片付くと思い込んでいるようだった。
「でしたら、今度は私達と勝負をしませんか? ただし、クジはこちらで用意したものを使って良いですか? その分、王様になった人には、たっぷりとサービスしますので」
 真理が含みのある笑みを浮かべ、ビルシャナ達の顔色を窺った。
 その途端、信者達が興奮した様子で、ビルシャナを二度見。
 まるで御飯の前に『待て』を喰らったワンコの如く、ビルシャナの顔を見つめて、瞳をランランと輝かせた。
「いいだろう」
 ビルシャナが納得した様子で、真理に答えを返した。
 それと同時にビルシャナが放ったのは、催眠光線であった。
 その催眠に掛かったフリをしつつ、ケルベロス達がボーッとした表情を浮かべた。
「どうやら、俺が王様のようだな。確か、たっぷりとサービスをしてくれるんだったよなァ!」
 その途端、ビルシャナが何の印もないクジを引き、ニンマリとした笑みを浮かべ、乱暴に真理に抱き寄せた。
 その途端、真理が身体を強張らせた。
 まるで自分の発した言葉の呪縛から逃れる事が出来ない様子で、言われるがまま服を脱ぎ、ビルシャナの反り立った股間に、自分の尻を擦りつけた。
「んあっ! んん!」
 それと同時にビルシャナの反り立ったモノが、真理の尻に吸い込まれるようにして入っていった。
「そこは違……!」
 これには、真理も抵抗したが、ビルシャナのモノは、さらに硬くなっていき、辺りにじゅぷじゅぷと卑猥な音が響き渡った。
 その途端、真理は恥ずかしい気持ちと、昂った感情が入り混じり、無意識のうちにビルシャナのモノを締め上げた。
「だ、出すぞ!」
 それと同時にビルシャナがビクビクと体を震わせ、真理のナカにドップリと濃厚なミルクを注ぎ込んだ。
 しかも、その勢いは衰える事なく、尻から大量のミルクが溢れ、その足元に恥ずかしい水溜りが出来た。
 それから立ち上った湯気で、ビルシャナがさらに興奮したのか、再び腰が激しく動かし始めた。
 そのせいで、真理の身体が敏感に反応してしまい、自然と声を上げていた。
「ところで、このクジ……印がないけど……」
 そんな中、ローレライがビルシャナの引いたクジを拾い、まわりにいた信者達にジックリと見せた。
「そんな訳がないだろ。きちんと印が……ん?」
 髪を後ろに流した男性信者が、ローレライからクジを奪い取り、驚いた様子で目を丸くさせた。
 ローレライの言葉通り、クジにあったはずの印がない。
 まわりにいた信者達も、同じようにクジを見つめ、信じられない様子で、何度も目を擦っていた。
「これでわかったでしょ? ビルシャナは、ずっと不正をしていたの。あなた達を騙してね」
 ローレライが信者達に語り掛けながら、ビルシャナに生暖かい視線を送った。
「ほ、本当ですか、ビルシャナ様!」
 眼鏡を掛けた男性信者が、不安げな様子でビルシャナに駆け寄った。
「お、お前達を騙す訳がないだろ。ほら、見ろ。印があるだろ?」
 ビルシャナが脂汗を掻きながら、再び信者達を洗脳しようとした。
 だが、真実を知ってしまった信者達に洗脳は効かず、ビルシャナに対する不信感が膨らんだ。
「王様だけが良い思いをするなんて、ゲームとしてつまんないのですよ」
 そんな空気を察した真理が信者達に擦り寄り、甘い言葉を耳元で囁いた。
「そもそも、誰が王様になるか、誰にどんな命令が当たるか分からないから楽しんです。それなのに、ビルシャナは己の欲望を満たすためだけに、王様ゲームをやっていたのです。それって不公平だと思いませんか」
 そこに追い打ちを掛けるようにして、シフカも自分の考えを述べた。
「確かに、そうだ。……その通りだ!」
 スキンヘッドの男性信者が興奮した様子で服を脱ぎ、真理の胸を掴んだまま勢いよく覆い被さった。
 他の男性信者達も真理に群がり、胸に吸い付き、股間に顔を埋めていた。
「んぁ……もっと」
 そのため、真理もだんだん気持ちが良くなってきたのか、男性信者の顔に跨り、股間を埋めるようにして腰を振り始めた。
「よぉーし、仕切り直して、王様ゲームをやるぞ!」
 それを目の当たりにした男性信者が、ビルシャナを押し退け、自分達だけで王様ゲームをし始めた。
 その間、ビルシャナは何か言いたそうな顔をしていたが、不正がバレてしまったせいで、何も言えないようだった。
「よし、王様は俺だ!」
 ボサボサ頭の男性信者が、印のついたクジを引き、興奮した様子で飛び上がった。
 それに興奮した男性信者達が、何やらアレコレとアドバイスし始めた。
 どうやら、それは男性信者全員が、幸せになれる方法。
 既に王様ゲームの無視をしているような感じであったが、欲望のブレーキが外れてしまった彼らに常識は通じない。
「とりあえず、女達は全員、服を脱げ! それから……」
 ボサボサ頭の男性信者が、いやらしい笑みを浮かべ、女性達に指示を出した。
 その途端、ミスラが肌にピッチリと張り付き、ボディラインがスケスケの衣装を脱ぎ捨て、男性信者達に自分の身体を見せつけるようにして、ポーズを決めた。
 シフカも、その命令に従って服を脱ぎ、男性信者の視線を釘付けにした。
 そんな女性達を見ながら、男性信者達が自分のモノを一斉にシゴき、空のグラスに濃厚なミルクを注ぎ込んだ。
 そこに申し訳程度の酒を混ぜたカクテルを流し込み、女性達に配っていった。
「ぶ、ちゅ……ぶびび! ……じゅるる、ずりゅっ……!!」
 それをミスラは、わざと水音を立てて啜り、カクテルを飲み干すと口の中に溜め、舌の上でクチュクチュと嗽をする様に味わって、ゆっくりと飲み干した。
「ん、ぶ……すっごく濃くて、喉に絡まって、美味しいです……」
 しかも、ミスラが嫌な顔ひとつせず微笑みかけてきたため、男性信者達は大興奮ッ!
 直に味見させるため、自分のモノを押しつけ、鼻息を荒くさせた。
 その巻き添えを喰らったシフカも、男性信者達のミルクを味比べしつつ、女性信者達に両胸を吸われ、股間に顔を埋められたまま、長い舌で攻め続けられた。
「ぐぬぬ……」
 こうなってくると、面白くないのは、ビルシャナだった。
「お前達、いい加減にしろおおおおおおおおおおおおおおお!」
 次の瞬間、ビルシャナが逆ギレした様子で、まわりにいた信者達をドツキ倒すのだった。

●ビルシャナの怒り
「そもそも、なんで俺だけ仲間ハズレなんだ! 確かに不正はしたが、いいだろ、別に! だって、俺エライし!」
 ビルシャナがイラついた様子で、自分の正当性を訴えた。
 しかし、それは子供の言い訳。
 もっとハッキリ言ってしまえば、それ以下だった。
「戦闘準備完了……では、行きましょうか」
 すぐさま、シフカが全裸のまま鎖を両腕に巻きつけ、ビルシャナの前に陣取った。
 その間、女性信者達はシフカを見つめて、瞳をキラキラ。
 『早く続きがしたい』とばかりに、自分自身を慰めていた。
「戦うのであれば、こちらも容赦しない」
 ミスラが真剣な表情を浮かべ、憐れみの賛歌(キリエ・エレイソン)を歌い出した。
 それに合わせて、シフカが雷刃突を放ち、ビルシャナを牽制した。
「ぐぬぬ、お前達さえ、ここに来なければ、もっとイイ思いが出来たのに……!」
 だが、ビルシャナは全く反省しておらず、八つ当たり気味にビルシャナビームを放ってきた。
「……随分と芸がないな」
 それを迎え撃つようにして、ローレライがフォートレスキャノンを放ち、ビルシャナビームを消し去った。
「うぐぐ……俺はただ王様ゲームがしたかっただけなのに……」
 そのため、ビルシャナが激しく動揺した様子で、ジリジリと後ろに下がっていった。
 しかし、何処にも逃げ道はなく、ケルベロス達に勝てる見込みはなかった。
「それじゃ、目を瞑って、私が良いっていうまで動くのも喋るのもしちゃダメなのです。何があっても耐えるのですよ……王様からの命令、なのです」
 真理が王様の印があるクジを持ち、ビルシャナに対して命令した。
「目を瞑れ……だと!?」
 ビルシャナが不満げな様子で文句を言おうとしたものの、ライドキャリバーのブライド・ワンと、テレビウムのシュテルネに見張られ、逆らう事が出来ない状況。
 ここで嫌だと言えば、問答無用でフルボッコの流れであった。
「こ、これでいいのか?」
 そのため、ビルシャナは納得がいかぬまま、ゆっくりと目を閉じた。
「それじゃ、迷わず逝ってくれ」
 次の瞬間、ローレライがフォートレスキャノンを撃ち込み、ビルシャナの身体に風穴を開けた。
「んあ……ぐほっ!」
 その一撃を喰らったビルシャナが、何か言おうとしていたものの、口から大量の血が溢れ、何も言う事が出来ず、そのまま白目を剥いて息絶えた。
「それじゃ、もう少しエッチな王様ゲームを続けましょうか」
 そう言ってシフカがビルシャナだったモノに背を向け、まわりにいた信者達に声を掛けた。
 そして、シフカ達は足元の床が真っ白になるまで、信者達と一緒に王様ゲームを楽しむのであった。

作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年11月13日
難度:普通
参加:4人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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