背中合わせの未来

作者:崎田航輝

 その夜は、眩い月明かりが差していた。
 厚い雲が垂れ込めて空は黒いのに、不思議と月の周りだけ雲間が途切れず、その灯りを地面に届け続けている。
 昏くて明るい夜。それは二つの違う世界が交差したような、不可思議な感覚で──。
「何だか、変……」
 林道を歩むクロエ・ルフィール(けもみみ魔術士・e62957)はその違和感に、周囲を見回していた。
 周りには木々が立ち並び、風に葉がさらさらと揺れている。見知っているはずのその景色も、今宵は何か別物に見えた。
 真っ直ぐ歩いているだけなのに、まるで何処かに迷い込んだようで。
 早くこの景色を過ぎ去った方が良いのかも知れないと、歩を速める──けれど。
 直後にクロエは足を止めた。
 それは、夜闇の中に目を疑う姿を見つけたから。
 夜闇からふらりと現れてきたその影は、一人の少女だった。
 歳はクロエと同じ頃。髪の色はクロエと同色。背丈もほぼ同じで──否、それはクロエとの差異を探す方が難しいほどの、鏡写しの如き姿。
 死神、だとは直感で理解できる。
 けれどクロエにはどうしてか、それが自分と似ているだけの存在と思われなくて。
「わたし……?」
 意識せず、呟きを洩らしてしまう。
 すると彼女は歩み寄ってきた。
「あなたは、ここで人としての命を終えるの」
 そうすればきっと、と。
 そこだけはクロエとは大きく違う、強い孤独に満ちた声音で呟いて──彼女はクロエへと殺意を向けてきた。

「クロエ・ルフィールさんがデウスエクスの襲撃に遭うことが判りました」
 夜のヘリポート。イマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)はケルベロスへ説明を始めていた。
 予知された未来はまだ起こっていない。だが一刻の猶予もないという。
 クロエは既に現場にいる。
 その上でこちらからの連絡は繋がらず、敵出現を防ぐ事もできない。それ故に一対一で戦闘が始まるところまでは覆しようがないだろう。
「それでも、今からクロエさんの元へ駆けつけて戦いに加勢することは可能です」
 時間の遅れは多少出てしまうけれど、戦いを五分に持ち込むことはできる。だから皆さんの力を貸してください、と言った。
 クロエと敵がいるのは林道だ。
 辺りは無人状態で、一般人の流入に関しては心配する必要はないだろう。
「皆さんはヘリオンで現場に到着後、戦闘に入ることに集中して下さい」
 周辺は静寂。クロエを発見することに苦労はしないだろう。
「クロエさんを襲った敵ですが、死神のようです」
 目的の詳細は判らないが、クロエを狙ってやって来たことは事実のようだ。
 だからこそ放ってはおけまい。
「仲間を助けるために──さあ、行きましょう」


参加者
曽我・小町(大空魔少女・e35148)
雑賀・真也(英雄を演じる無銘の偽者・e36613)
クロエ・ルフィール(けもみみ魔術士・e62957)
ジークリット・ヴォルフガング(人狼の傭兵騎士・e63164)
ジュスティシア・ファーレル(シャドウエルフの鎧装騎兵・e63719)
狼炎・ジグ(恨み喰らう者・e83604)
シーリン・デミュールギア(過去を嫌う番犬・e84504)

■リプレイ

●邂逅
 月光と闇が交錯する夜。
 二つの明度を持つフィルムが、ぴたりと一枚に重なってしまったかのような天穹の下、クロエ・ルフィール(けもみみ魔術士・e62957)は視線を巡らせていた。
(「異様な感覚に包まれた空気。ここだけ世界線が、違うね」)
 その感覚と共に見つめるのは、眼前の少女。
「あなたはわたしなのね?」
 一歩踏み寄り、鏡写しのようなその姿の前に立つ。
 死神──“クロエ・ルフィール”。同じ見目と名を持つその魔術師を、最早別の存在と断ずる理由がクロエには無い。
 ただ、“クロエ”はそれを否定せずに目を伏せながら。
 それでも魔力を湛えて眩い雷光を奔らせた。
「わたしの事よりも、大事なのはあなたの命。今は一人でも多く、亡骸が要るの」
 それがあなたであれば、きっと望みも叶う、と。静かで、けれど何処か悲壮な覚悟でクロエの膚を灼いてくる。
 苦痛を覚えながら、それでもクロエは光を拳で払って打突を加えた。
 自らの思いを直接相手に叩き込むように。
「気持ちは、判るよ。だってわたしだもの」
 けれど、否──だからこそ、と。
 クロエは靴に天使の羽を煌めかせ、舞い踊る花弁の中で跳躍。真っ直ぐにその瞳を見つめる。
「わたしはあなた。あなたはわたし。だから──」
 ──わたしなら分かる筈。兄は蘇らないと。
 ──わたしなら分かる筈。兄が望んだ事。
「そして「狂月病」も解決した今! わたしなら分かる筈。デウスエクスとしての宿命を断ち切り、ケルベロス・ウェアライダーとして生き抜く事……!!」
 そのまま耀く花風の中、突っ切るように蹴撃を打ち込んだ。
 衝撃を受けながら、しかし“クロエ”も下がらず時空魔術を唱える。それはクロエの動きを止めて命を確実に削り取ってくるものだった。
 それは死神としての本能か、或いは反抗心の表れか。首を振り、何かを認めぬように魔力を放ち続ける。
 クロエは意識を飛ばされそうになりながら、それでも屈しない。
「もう私は迷わない──わたしは、生きる事から逃げないんだから!」
 気迫を込めて命を保ち、耐えきった。
 けれど死神の力は膨大。このままであれば、斃されるのは自身だという確信もあった。
 だからこそ“クロエ”も耳を貸さず、一気に押し切ろうとしてくる──が。
「──お取り込み中悪ぃな」
 風を切る音と共に、面前に舞い降りてくる姿がある。
 狼炎・ジグ(恨み喰らう者・e83604)。乱暴に地を踏みつけて着地すると、割り込むようにその視界を塞いでいた。
 クロエがはっとしていると、直後に駆けつけてくる別の影。
 歯車装飾の鍵剣を手元に顕現させ、庇うように前に出るギルフォード・アドレウス(咎人・e21730)。
 敵と背後を交互に見て、軽く息をついていた。
「あーあ、ホントにソックリだなぁおい。騒がしい方が同業者か?」
「俺達の仲間が本人、というだけだろう。見目は、そっくりではあるが」
 声を継ぐのは雑賀・真也(英雄を演じる無銘の偽者・e36613)。
 云いながら、それでも敵を見紛わずに。
「敵対するのなら、容赦はしない」
 刹那、愛刀たる二振りを召喚すると──異空間から弓と黒剣をも招来。剣を矢と成して弓弦に番え、引き絞っていた。
 放つ一撃は『血に飢える電光石火の猟剣』。視認も叶わぬ速度で飛来したそれは、強烈な威力で“クロエ”を下がらせていく。
 畳み掛けるよう、ギルフォードが冷気の渦を抱いた鍵剣で刺突を撃てば、“クロエ”は衝撃に大きく吹き飛ばされた。
 その間に、クロエへと奔り寄るのがジュスティシア・ファーレル(シャドウエルフの鎧装騎兵・e63719)。
「今、傷を癒やしますね」
 ふわりと森の香りを漂わせ、吹かせるのは翠の葉が舞い踊る癒しの風。
 仄かな光を帯びたそれが、クロエの膚を優しく撫でるように負傷を浚っていく。
「これで良くなったはずです」
「うん。ありがとう」
 頷くクロエは皆のことも見回した。
「みんなも。来てくれたんだね」
「勿論、クロエちゃんの危機だもの」
 言って優しく笑むのは曽我・小町(大空魔少女・e35148)。
「あたし達が来たからには、これ以上傷つけさせないからね」
 と、紅鳶の髪をふわりと揺らがせ、星剣へと降ろすのは守護星座の祝福。
 無限の星屑が風に交じり、煌きのオーケストラを奏でると──光の一粒一粒が加護となって仲間の護りを固めていく。
 ばかりでなく、翼猫のグリも耀翼で星に踊り、爽風を生んで防護を一層万全とした。
 態勢が整えば、ジグは躊躇なく踏み込んで。
「行くぜ? 覚悟はいいか? 1対大勢で──タコ殴りにしてやらぁ」
 “クロエ”への間合いを詰めて弾丸の如き拳を撃ち当てる。
「どんどん、やってやれ!」
「ええ」
 応えるシーリン・デミュールギア(過去を嫌う番犬・e84504)もまた、指を差し向けていた。
 瞬間、放たれるのは影の魔弾。耀にも劣らぬ速度で着弾すると千々に拡散して傷を抉っていった。
 “クロエ”は番犬の出現と突如の猛攻に驚きながら、それでも反撃を目論む。
 が、そこへ飛び込む美しき人狼が一人。
「思い通りにはさせないさ」
 しゃらりと刀を抜いて、懐へ入り込むジークリット・ヴォルフガング(人狼の傭兵騎士・e63164)。
 覚醒させた心眼により破魔の力を宿して。研ぎ澄まされた一閃が“クロエ”に袈裟懸けの傷を描いていく。
 よろける“クロエ”は、魔術を返そうと手を伸ばす。
 だが、ジークリットはどこまでも油断をしない。脚を軸に一回転すると流麗な動きで連撃。猶予を与えず横一閃、斬撃を叩き込んでいた。

●二人
 血を零しながら、“クロエ”は一時飛び退って態勢を整えている。
 小町はその姿を見つめて、蒼空の瞳を細めていた。
「姿も何もかも同じ──もう一人のクロエちゃん、ね」
「あぁ」
 ギルフォードは微かに肩をすくめている。
「……分かっちゃいたつもりだが、常軌を逸脱してんなぁおい」
「そうだな。奇妙な話だ。これも死神の為せる業であるのか──いや」
 と、ジークリットは緩く首を振る。
「彼女自身が……「あちら」のクロエが死神となった姿、か」
 そして少なくとも、強烈な目的意識で動いている。
 “クロエ”は魔力を練り直すと、また此方へと一歩歩み寄っていた。
「あなた達も、全てここで命を絶たせてもらう。兄の為に……」
「復活を目論んでいるというわけか」
 ジークリットはふん、と息を吐いて緩く首を振るう。
「……外法で肉親を黄泉帰らせたとしても古今共にお互い碌でもない結末となるだけさ」
「そうです。その気持ちはわからなくもないけど、死者の復活はいけないんです。ましてや──死神を頼ってはいけないんです」
 ジュスティシアは微かに自身の拳を握って、声音に力を込める。それでも“クロエ”は小さく首を振って。
「わたしは必要だと思うことをやるだけ」
 それしかないから、と。滂沱の魔力を音に乗せて響かせ始めていた。
 それは強い願いを宿した歌。けれど何処か哀しい歌でもあって、ジュスティシアは瞳を伏せる。
 ただ、それでも退くつもりはない。
「私達の仲間はこの世界のクロエさんだから」
「ええ」
 小町もそっと頷く。同じものを抱える自身を傷つけるなら、止めなければと。
 それが、クロエの助けになるのならば。
「ま、そういうことだな。精々頑張らして貰いますか」
 と、ギルフォードは既に躊躇なく疾駆。“クロエ”の眼前に迫っていた。
 鍵剣に「残火」を纏わせ燦めかせると一撃、苛烈な斬撃を喰らわせる。素早く飛び退けば、そこへジグがひた走っていた。
「厄介そうだからな。まずはその音、止めさせてもらうぜ」
 響く旋律の中を、ゼロ距離に迫りながら。地を蹴って繰り出すのは嵐さえ巻き起こす熾烈なる蹴撃。
 静謐の夜風をかき混ぜて、暴風の刃を放つと──それが音を掻き消すように“クロエ”に命中。演奏するその手も止めさせていた。
 微かにふらついた“クロエ”へ、真也は素早く二刀を振るって切り結んでいる。ギターを盾代わりに受けた“クロエ”と至近で見合いながら、声を投げた。
「……俺は君の事情はよく知らない。だが、デウスエクスに身を落とすということは、どういうことか知っているのか?」
「わたしはただ目的を果たしたいだけ」
「それが君の答えか。……俺もデウスエクスになれば、もっと多くの人々を救えるのではないかとも考えたことがあるが」
 真也はギターを弾き返して、連続斬撃を与えてゆく。
「……だが、それは人間をやめて、人々が恐れる化け物になるということだ。その絶望と苦しみを背負う覚悟が、今の君にあるのか?」
「……わたしは“死神”。それより前がどうだったかなんて──」
 もうどうでもいいと、そう言って見せるように“クロエ”は雷光を閃かせた。
 けれど、小町が直後にその光を飲み込むよう、鮮烈なメロディを奏で出す。美しくも勇烈な音律は、仲間の傷を払うように癒していった。
 同時、ジュスティシアが剣をかざして星の煌きを明滅させる。
 鮮やかに形を描く星座の光が瞬くと、耀く雫が優しく落ちるように皆の残る傷を消滅させていった。
 ジュスティシアは止まらず、前進して攻勢へ。『スラッシュバイヨネット』──神速に至る銃剣の斬撃を奔らせて血潮を散らす。
「このまま、攻撃を」
「うん、判ったよ」
 クロエは武装──ブリッツベイルへ硬化の魔力を含めた雷撃を収束していた。
 “クロエ”は一貫して此方を拒絶している、けれどその声音は震えてもいたから。
(「声は、届いてる」)
 だからもっと自分の姿を見せれば、と。クロエは光で衝撃を重ねゆく。
 ただ“クロエ”も斃れず雷刃を形成していた。狙いはジークリット。自身の心の揺らぎを認めぬように、その刃を振るってくる。
「あなたを、許さない」
「……彼を斬ったこと、か」
 だが、と。
 ジークリットは素早く避けてみせる。逆に躰を返し、宙へ跳んで頭上を取っていた。
「私は死神に操られた魂を……ラクにしてやっただけさ」
 それは決して間違いではなかったのだと諭すように。毅然と、繰り出す蹴撃で“クロエ”を吹き飛ばす。

●月夜
 濃色の血を零しながら魔術師はふらつく。
 足元も覚束ない“クロエ”は、その魂を削られて確実に死に至りつつあった。
 それを少しだけ静かに見つめるクロエへ、小町は視線を向けていた。
 クロエの抱えているもの、思う事、それはきっと沢山ある。
(「その欠片ほどもあたしは知らないけれど」)
 それでもただ、元気に笑っていてほしいと思うから。
「クロエちゃん。あたしは、クロエちゃんのしたいようにしてほしい。それを、応援するから」
「……うん」
 クロエはありがとう、と言って、それから“クロエ”に向き直った。
 “クロエ”は浅い息で、訴えるように呟く。
「わたしと共に来ることが、あなたにとっても良い筈なのに──」
 ううん、とクロエは頷かず、ブリッツベイルを握り禁術の行使を始めていた。
「仮に、もし、それが在るというのなら。……私は私のやり方で、兄を蘇らせる方法を見つける。時の魔法陣を研究して自ら探し出す!」
 だから一緒には行けない、と俄に身に煌きを帯びる。
 “クロエ”は危機を感じたろうか、唄で自身を治療する。
 けれど、直後にはジークリットが刃を掲げて迫っていた。
「星辰の加護よ……救われぬ魂に纏う邪気を打払え! ゾディアック、ブレイク!!」
 振るわれる一閃は、“クロエ”の加護を祓って吹き飛ばす。
「次、頼めるだろうか」
「ええ、行きます」
 頷くジュスティシアは、対物狙撃銃に冷気を込めた弾丸を装填。射撃して撃ち当てることで足元を凍結させている。
 体勢を崩した“クロエ”へ、ジグは拳を振りかぶっていた。
「最後まで、手加減はしねぇぜ」
 それでいて生かさず殺さず。的確に状態を見切り、鳩尾への打撃で生命力を削っていく。
「あと少しってとこか」
「じゃあ、任せろ」
 ギルフォードは鍵剣と白刃 、「残火」による鋼糸、そして投げナイフ「マルチタスク」へ剣属性を付与。縦横へ踊らせていた。それは『四分割』の名のごとく、四つの凶刃で魂を削り取る。
 いつしか邪悪な力が削ぎ落とされたように、“クロエ”の瞳に別の光が灯り始めていた。
「戻ったんだね」
 クロエは言いながら魔力の渦を生み出していく。
 だから、小町はクロエの背を押すように『Hell freed!』。
 ──解き放て 未来(あす)を照らす光を 奥底の扉 開いて。
 ──抜き放て 信念の剣を この世に浮上した 冥府で。
 ──世界にキミを 刻みつけて!
 清澄で、けれど信念を解き放つ唄が、希望と勇気を与えていた。
 同時、真也は“クロエ”の足元を爆撃し、大きくその躰を宙へ飛ばす。
「今だ」
 クロエはそれに頷いて、ブリッツベイルを振り抜いた。
「発動……! ディスティニー・オブ・マキナ!」
 周囲の時間の流れを短い間だけ堰き止めて、ありったけの雷撃で次元の亀裂を切り開く。
 時の魔術―Destiny of machina―。強烈な引力が発生したように、その渦は“クロエ”を飲み込み、彼方へと消し去った。

「無事、終わったか?」
 静謐の時間が帰ってくると、ギルフォードは振り返って尋ねた。
 暫し佇んでいたクロエは──うん、と頷く。
 ジュスティシアはそっと歩み寄った。
「クロエさんは、お怪我はありませんか」
「大丈夫だよ。みんなのおかげ」
 ありがとうなの、と。クロエは少しだけ穏やかに笑んでいる。
 ジークリットは渦の残滓が消えゆくの見遣ってから──視線をその顔へ移していた。「こちら」のクロエへと。
「……強くなったな、クロエ」
「……ねえ、ご飯でも食べに行きましょっか、クロエちゃん?」
 と、小町はそんな風に語りかける。
「ご飯?」
「ええ。だってさっき聞いたもの。生きることから逃げないって」
「……」
「それならまず、ご飯よ!」
 そう花のように笑むから──クロエも笑みを見せて。頷いて歩み始めていた。
 真也も歩を進めながら、ふと、己の手を見つめる。
(「……もし、俺がとある男のもとに居続けていたら、彼女のようにデウスエクスになっていたのかもしれんな。……いや、今でもデウスエクスになる可能性はあるかもな」)
 思いながらも、小さく首を振り。ゆっくりと歩んでいく。
 ジグも歩きながら一度振り返る。
「片方が死ねばもう片方が躍起になる。……理屈はわかんねぇけど、兄妹ってのは全員そう言うもんなのか?」
 思い出すのは“クロエ”の顔。
 それでも、ま、いいかとすぐに前に向き林道を後にする。
 そうして歩む皆と並びながら──クロエもちらりと後ろを見た。そこは昏さの消えた、ただ月明かりが差す明るい夜。
 少しだけ快い風が吹いていて、クロエはそれを浴びながら、静かな道を進んだ。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年11月13日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 1/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
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