竜牙兵が銘産展にやって来た

作者:baron

 そこでは屋台を連ねた銘産展が開催されていた。
「ねー。これってどういうたべもの?」
「大判焼きですよ」
「今川焼きですよ」
「何ってやがんでい。これはなあ……」
 子供が質問した時、大人達は口々に唱えた。
 アンコを生地で挟んで焼いた簡単な食べ物なのだが、それだけに置くが深く、同時に地方で名前が変わる。
 子供は目を丸くして驚くのだが、ここはまだ良い方だ。
 場所によっては大人げない言い争いもあったりするくらいである。
「大変じゃあ!」
「どうした? お好み焼き論争でも始まったか?」
「そーやなぃ。デウスエクスや! 逃げんかい!」
 冗談の様に言われたが広島人も大阪人も別に仲は悪くない。
 手に手を取り合って、お客と共にデウスエクスから逃げ出して来たのだ。
『ワーハッハッハ!』
『オマエたちのグラビティ・チェイン。そして恐怖をヨコセ!』
 だがそれも竜牙兵が、憎悪と恐怖を煽ろうとしたから声を掛けれたにすぎない。
 たちまち追いつかれ、見るも無残にその場に居た者たちは殺されてしまったのである。


「広島県の物産展へ竜牙兵が現れ、人々を殺戮することが予知されました」
 セリカ・リュミエールがパンフレットと地図を手に説明を始めた。
 市内にある公園で屋台が並べられ、そこに集まった人々が虐殺されてしまうらしい。
「竜牙兵が出現する前に、周囲に避難勧告をすると、竜牙兵は他の場所に出現してしまう為、事件を阻止する事ができず、被害が大きくなってしまいます。急ぎ現場に向かって、直前で凶行を阻止してください」
 敵は人の多い場所を狙う為、予め避難勧告をすると他に移動してしまう。
 近くの繁華街程度なら間に合うかもしれないが、他の町だとお手上げである。
 ゆえにギリギリまで待って闘う必要があった。
「敵は大鎌使いを中心に三体しかいませんが、いずれもそれなりの精鋭です。連携や手分けが可能ですので注意が必要でしょう」
 敵は骸骨に見えるがアンデッドではないので作戦を立てたり連携攻撃などが可能だ。
 更に言えばオークよりも強いので、集団で出て来るには純粋な強さも高い方である。気を付けた方が良いだろう。
「ですが知恵があるゆえに良い面もあります。主人の敵であるケルベロスを優先する為、戦闘さえ始まれば人々は地元の警察などに任せられますから」
「それは助かりますわね。油断は禁物ですけれど」
「確かにナ。まあ最初の一撃くらいは気を付けた方が良いだろうが」
 セリカの言葉にケルベロス達は頷きながら、素早くスケジュールを確認する。
「竜牙兵による虐殺を見過ごす訳には行きません。どうか、討伐をお願いします」
「銘産展のついでに救ってくるよー」
「逆だろ。まあそのくらいの勢いで良いのかもだけどな」
 セリカが軽く頭を下げてヘリオンの準備へ向かうと、ケルベロス達は本格的に相談を始めたのである。


参加者
ミリム・ウィアテスト(リベレーショントルーパー・e07815)
ヒエル・ホノラルム(不器用な守りの拳・e27518)
美津羽・光流(水妖・e29827)
岡崎・真幸(花想鳥・e30330)
御手塚・秋子(夏白菊・e33779)
グラニテ・ジョグラール(多彩鮮やかに・e79264)
エレインフィーラ・シュラントッド(翠花白空のサプレション・e79280)
 

■リプレイ


 広場を屋台の列で区切り、大きな所は運動会で見られるテント型。
「どんな美味しいものあるかなあるかな♪」
「あんまり遠くに行くなよ」
 御手塚・秋子(夏白菊・e33779)は夫の心配に笑って仲間を指差した。
「だいじょーぶダイジョーブ。ほら、私よりエンジョイしてる人が」
「いまたべへまふ」
「んうー」
 秋子が指差すとハムスターの様にそのケルベロス達は頬を膨らませていた。
 もきゅもきゅ、ゴックン。
「ちょっと見回ってきますね! 美味しい物産展を滅茶苦茶に……いえ人々を傷つけようとする竜牙兵を放ってはおけません!」
 ミリム・ウィアテスト(リベレーショントルーパー・e07815)は口元をぬぐいながら決意を表明。
「不謹慎ですが竜牙兵との戦いは特典が付いている事が多くて戦闘経験だけでなく、見聞も広められてお得ですね」
「だなー」
 エレインフィーラ・シュラントッド(翠花白空のサプレション・e79280)は片手に料軽食、片手にハンカチを装備。
 友人の口元を拭いてあげながら周囲に視線を巡らせた。
「相手としては人が居ないと効率悪いからでしょうが、今回も守らせていただきます」
「まあな。竜牙兵なんぞに俺の縄張り荒らされてたまるか」
 エレインフィーラの言葉に頷く岡崎・真幸(花想鳥・e30330)真幸だが、気がついたら妻も何処かに消えていた。
「揚げもみじとかいうものがあるとか聞いたがアレあるかねえ」
 真幸は食欲魔神の奮闘を思い描き、溜息つきながら巡回を兼ねたをすることにした。
「紅葉のはっぱをあげるのか?」
「それともモミジ饅頭を揚げるのか」
 彼の言葉に反応して、敵が来易いこの場で待機するメンバーは首を傾げたと言う。
「両方あるで~。後で案内したる」
「なん……だと」


「おいちゃん、美味しい所くれへんか」
「てやんでい。うちのはどの子も別嬪でい」
 空を見上げながら美津羽・光流(水妖・e29827)が適当な注文をすると、投げたボールを打ち返された。
「ならイカ天と餅と入りで。もちろんソバ入りな」
「あいよ! ソバ肉卵にイカ天と餅入り一丁!」
 そんな感じで注文し直し、ソースの焦げる匂いに鼻をひくつかせる。
 これでビールでもあれば最高なのだが、生憎と今から一仕事だ。
「来たようだな」
「せやな。こいつらこないなとこで人を襲ってる間に、ドラゴンのゲートが破壊されたとか思ってもおらへんのやろな」
 ヒエル・ホノラルム(不器用な守りの拳・e27518)と共に空を見上げていた光流は、チラリとビールに流し眼を送ってからお好み焼きを片付ける。
「我々はケルベロスだ!」
「おいひいもおおひをまおってみへまふ!」
 ヒエルが人々に声を掛けると、ミリムは箸巻き(お好み焼きを割り箸にまいたもの)をパクリ。
 胸をドンドン叩きながら最後にお茶で一気に流し込んだ。
「デウスエクスの襲来です! 私達が気を引きつけますので皆さん焦らず避難を!」
 甘いソースの余韻を味わいたいが、そうもいかない。
 声を張り上げて避難を促しつつ、敵の方向へ急いだ。
「ふぁっ!? ちょっと待ってまだ食べきってない!」
「お前よーけ持ってなんしょんな……」
 秋子が山ほどお菓子や軽食を抱えているのを見て、真幸は蓋のある物や袋状の物をまとめて受け取った。
 そして放置するとホコリで食べられなくなる物、それも他に店が無くて代用品の無い物だけを食べさせる。
 呆れつつもフォローするあたり、一重に愛であろう。秋子は夫のレアな光景を見られて、親指を挙げるのであった。

 そして場所を動いて居ないメンバーは、その場で迎撃。
『恐怖ヲ捧ゲヨ』
「銘産展も避難する人たちも、絶対傷付けさせないからなー!」
 グラニテ・ジョグラール(多彩鮮やかに・e79264)は綿飴の袋を開けずに我慢したこともあり、即座に反応していた。
「そろそろだと思いましたが、やはり来ましたわね」
「ここで食い止めるのだー」
 エレインフィーラが仮面で顔の左を覆いながら前衛を務め、グラニテはその後ろに位置しつつ、場合によっては人々を守れる様に前屈みになった。
『ケルベロス!!』
「やらせる訳にはいかない」
「これで全員揃いましたわね」
 ヒエル達と合流したエレインフィーラは、緩やかな陣を築きながら攻撃に立ち向かう。
 降り降ろされる刃を弾き、弾丸を受け止めるのだ。
「ここは関係者以外立ち入り禁止です!」
『フン!』
 ミリムは繰り出される敵の攻撃に逆行する様に、大鎌を投げつけた。
 これ以上騒ぎを広げたら、せっかくの屋台が壊され、場合によっては食材も台無しになってしまうだろう。
 そんな事はさせられない! 相手の鎌に防がれてしまったが、飛びつく様に回収しつつ距離を詰めた。
「客は警察が何とかしてくれる。お前達が冷静になれれば、対処は難しくなどない!」
 ヒエルは食欲が暴走しそうな仲間達に平静を取り戻す様に呼び掛けつつ、闘気を流し込んで落ち着かせて行った。
「毎度毎度催し物に降ってきよってからに! バラバラにして銘産展に並べたる!」
「まあ、連中にも事情があるんだろうさ」
 光流が抜刀して竜牙兵に色んな意味での突っ込みを入れた。
 刃を引き抜き道を譲る彼に追随して、真幸は兄の名を持つナイフを短く持って鎧の隙間に突き立てる。
 その本質は傷を与える為ではない。バランスを崩す為に強引に引き寄せた。
「まず動きを止めるぞー」
 グラニテは記憶があまりないのだが、目覚めてからの出来事を忘れた訳ではない。
 ここで食い止め、仲間の援護を行う為にその力を振るう。
 飛び蹴りを浴びせ、グラビティで敵の姿を縫い留める。そうすれば仲間が動き易くなると信じて。
「今のところ順調なようですわね」
「そうだね。まだ油断は禁物だけど、私達が目立ってれば十分でしょ」
 竜牙兵はケルベロスを倒す為に夢中になっており、人々の方へは向かって居ない。
 エレインフィーラと秋子はその事を確認しながら、落ち付いてヒールを始めた。
 オウガメタルがエレインフィーラの号令で戦場に散布され、みなのサポートをする為に拡がって行く。
「吃驚するかもだけどじっとしててね」
 秋子は真幸に視線を送ることで勇気をもらいながら、魔力で作成した刃を天より降らせ始めた。
 だが、それは敵を倒す為ではない。
 赤いレイピア状の剣が仲間に降り注ぎ、胸を貫いてガラスの様に砕け散る。
「届け、キミの心にってやつかな」
「前にもどこかで聞いたフレーズだな。だが今は助かる」
 秋子に礼を言いつつ、子供達が唄って居たのを思い出す。
 何の番組だか知らないが、きっと愉快な仲間と共に悪を倒すストーリーであろう。


『消エ……失セロ!』
「はっ!!」
 横殴りのスイングを冷えるは受け止めた。
 一歩前に出て、刃の無い柄の部分を手の甲で受け止める。
『馬鹿メ!』
「それはこちらで」
 すかさずもう一体の鎌持ちが世界に亀裂を生じさせる。
 そこから現われた怨霊達の内、仲間に当たるモノをエレインフィーラが氷の膜で反らせた。
『カカカ』
「この程度! 守る人がいる限り私は怯みはしません!」
 続けざまに放たれるビームの輝きにミリムは耐えた。
 重圧で体がくの字になるが、膝に力を入れ空気をいっぱい吸い込んで全身に力を巡らせる。
 そのまま低い態勢で飛び込み、相手の鎌を握り締めて動きを拘束。
「行け! 魂現拳!」
 ヒエルは自身に食い込む刃へグラビティをぶつけて跳ねのけると、キャリバーの魂現拳を出動させた。
 何度も敵の攻撃を受けて煙を拭いて居るが、主人と同様に怯みなどして居ない。
 回転しながら体当たりを掛け、味方に助走距離をとらせた。
「まずは一体目や!」
『グア!!』
 光流は一刀目を相手に防がせて、すかさず二刀目。
 腹を切り裂く斬撃の後、蹴り飛ばしつつ真空の刃を浴びせる。

 これまで数分の戦いで互角の戦いを繰り広げていた戦線だが、ここにきて一気に均衡が崩れる。
 僅か三体で八人と互角の精鋭である、一体減っただけでその差がどれほど大きいか判ろうと言うものだ。
「来たれ神性。全て氷で閉ざせ」
 真幸は間髪いれずに世界を氷で覆った。
 瞬間白くなる視界だが、ソレが過ぎ去った後、次の標的が真白に染まる。
 もともと骨は白いのだが、今では鎧も真っ白だ。
「まけてられないなー」
「そうですわね。でも今はこんな所で」
 グラニテが対抗心を燃やして吐息を浴びせると、エレインフィーラはクスッと笑って龍雷を呼び寄せる。
 稲妻が吹雪の中を飛ぶ姿は、まるで冬場に訪れる嵐の様だ。
「佳い感じね」
「そげなこと言わんでええけ」
 秋子が旦那の作りあげた世界に夢中になって居たので、思わず頭を抱えた。
 真幸が注意すると愛妻はようやく目覚め、回復する為に再び赤き剣を呼び寄せる!
「もっと、世間を革命する力を!」
「良いですとも―」
 メテオの様に降り注ぐ赤いレイピアを手に添えて!
 人々を守る為、敵を叩き潰す為に、ミリムは立ちあがる。


 戦いは終盤に差し掛かり、最も長く攻撃をせき止めていた壁が崩れさる。
『オオオ!』
「はあぁぁ!」
 大きな鎌が降り降ろされ、腕をクロスしてヒエルが受け止めていた。
 どれほど続くのか不明に思われたが、そう長い訳でもない。
 不意に腕に掛る力が軽くなったかと思うと……。
「戦いに一輪の花、咲きなさい!」
 ミリムの描く緋色の剣閃は、牡丹を竜牙兵に刻み込んだ。
 敵が倒れ回り込んだ彼女だけが残ると、自然に陣形は包囲態勢に移る。
「よっしゃ、最後の一体! こいつに逃げる先はもうあらへん!」
 光流は冷静に戦っていたが、その言葉には何処か熱がこもって居る。
 ドラゴン勢力そのものはともかく、地球に降り立った連中の目途が立ったのだ、実は興奮して居たとしても仕方があるまい。
 鋭い突きを放ちながら飛び込み、逆サイドから竜牙兵の逃げ場を奪いに行く。
「そういえば連絡を入れた時。屋台の食材は複数に分けて管理され、食中毒が起き難くなっていると聞いた。何にでも人は慣れるものだ」
「不思議なものだ。連中に催し物を邪魔され、再開する経験でも活きたのか」
 ヒエルが周囲を回復すると同時に援護を始めると、その影に隠れて真幸は妹の名前を刻んだナイフを振るう。
 箱竜のチビも一緒に手伝って、残る敵をお一気に追い詰めに掛った。

 ところでそんな話題を聞くと収まらないのが食欲魔神達だ。
 奥様聞きまして? なんてジョークを飛ばしながら一刻も早く戦いを終わらせる為に頑張っちゃうぞ。
「田楽ステーキまだ食べてないんだよね。早くなんとかしないとっ」
「デンガクってなんだ? すてーきはこのあいだ食べたんだー。ほっぺた落ちるかと思った」
 秋子が言ってるのは、豆腐・コンニャク・茄子に甘辛い味噌ソースを掛けたものだ。
 対してグラニテが言って居るのは、オーソドックスに肉を焼いた物である。
 当然屋台で造って居るのは、前者だ。
「とにかく倒してステーキ食べるぞー、おー」
 グラニテは群青色の絵具で空に素敵なステーキの元に成る動物たちを描いた。
 牛さんに豚さんに馬さんにクジラさんに羊さん。
 その子たちは生き生きと動き出し、流星の様に体当たりを掛ける。すると当たる直前で星に成るんだよ!
「屋台巡りの再開ですか……良いですね。では頑張って倒すとしましょうか」
 普段からクールなはずのエレインフィーラも、何か気に入った物でもあったのがハッスルしてる。
 回り込んで蹴りを放ち、四方を取り囲む事に成功した。
「先生方、お願いします! なんちゃって」
 秋子は爆風を吹かせて仲間の攻撃を呼び込んだ。
「どーれ! なんちゃって返し」
「……トドメと行こう」
 ノリを合わせてミリムが鉄拳を食らわせると、ヒエルも回復では無く打撃戦でトドメを刺した。
 彼の放ったハイキックが竜牙兵を砕き、戦いを終わらせたのである。


 みなで手分けして残骸の整理やらヒールを終えた。
 変異した物もあるかもしれないが、屋台ならば直すのは簡単だ。
「続き食べるぞおー!」
「がおー」
 秋子が号令するとお腹をすかせたみんなは、準備の終わった屋台を中心に見て回る。
「さっきのはもう冷めてもうたけど、ちゃんと作っとるのは冷めても美味いな」
 光流は蓋をしておいたお好み焼きを突きながら、ビールを呑み始めた。
 広島風はキャベツを沢山使うので、下手な料理人がやると水っぽくなって冷めた物は食べれた物ではない。
 だが、ここの屋台にそんな素人は居なかった。
「そういえば、広島風お好み焼きってどこが広島なんでしょうか?」
「ちょっ。おま」
「がはは。答えたるでがんす」
 ミリムが首を傾げながら爆弾発言をすると、光流は思わず絶句した。
 広島風でも大阪風でも良いのだが、直球で尋ねるとは思ってもみなかった。
 だがしかし熟練の職人たちは一味違う。
「広島は三角州でのう。更地からドンドン上に重ねて出来た土地なんじゃけえ」
 薄い生地にキャベツの層、ソバの層。卵と肉の層。
「じゃあ大阪は?」
「日本神話しっとるか? 神様が世界を混ぜて小豆島を作ったのよ」
「もんじゃはアレよ。天下様が普請で城造った様子からだな」
 全部混ぜ合わせてトロロでグルグル。
 あるいは土台や壁を造り、それぞれの料理を造って行った。
 そこに真実があるかはどうかとして、ネタとしては十分だろう。
「エレンエレンー! わたしなー、あれ本でみたことあるー!」
「あらあら。他所見は駄目ですよ」
 グラニテがキョロキョロしながら歩くので、エレインフィーラが手を引いて目的の店に連れて行く。
「他の皆さんもよかったら、ここで休みませんか?」
 そこは抹茶を愉しむ為の場所で、長椅子に緋色の敷物が引かれ和傘で造られた日避けがあった。
「ねえ、この汁なし坦々麺……ネギ多くない?」
「普通じゃインパクトないけな。……代わりにコレを食べてみ」
 秋子が涙目になって持ち上げた麺を代わりに真幸が食べる。
 入れ替わりに差し出されたのは、モミジ型の饅頭を揚げた物だ。
 表面の油が辛味成分を抑え、中のアンコが忘れさせてくれる。
「こっちは確か大判……今川……回転焼き、だったかー? えっ、二重焼き……」
「他にも何とか候とかもあったな。造り方は同じだが」
 グラニテの疑問に答えながら、ヒエルはお土産に買って来たお菓子の一部を開いた。
 そこには餡なしだが卵をふんだんに使った人形焼きがあり、誰でも食べ易いお菓子で、色んなヒーローの形があったのだ。
 子供達が好きな定番のおやつだが、お茶受けにはピッタリとも言える。
「本当に色んな甘味などがありますね。見た目が同じものも、形状が違っても味が同じ物もかなり……」
 エレインフィーラは人形の中にケルベロスらしい物を見付けて、みなと一緒に微笑みながら賞味する。
 竜牙兵の災禍が去ったことを祝いながら、いつまでもいつまでも……。

作者:baron 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年6月3日
難度:普通
参加:7人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 5
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