狙われたチアリーディング部!

作者:ゆうきつかさ

●都内某所:某大学
 その日はチアリーディングの大会に向け、朝から晩まで練習をする日であった。
 大会までは、まだ時間があるものの、ここで気を抜く訳には行かない。
 並みいるライバルを蹴散らし、優勝するため、女生徒達が全神経を尖らせていた矢先……オーク達がせ現れた。
 それでも、女生徒達は逃げなかった。
 それこそオーク達をも応援する勢いで練習を続けたものの、その思いが伝わる事無く欲望のはけ口にされるのであった。

●セリカからの依頼
「ロージー・フラッグ(ラディアントハート・e25051)さんが危惧していた通り、オーク達が女性達を略奪していく事件が発生するのが予知されました。オーク達は魔空回廊を通って、多くの女性の居る場所に現れ、彼女達を略奪しようとしているようです。オーク達が出現するのは、都内某所にある大学です。彼女達は大会に向けて練習を続けているため、多少騒いだくらいでは気にしません。むしろ、一緒に練習するのであれば、それだけで同志です。だからと言って襲われる予定になっている女性を避難させてしまうと、別の場所にオーク達が出現してしまい、被害を防げなくなるので、彼女達の避難はオーク達が出現してから行う必要があります。また女性達の避難が完了していない場合は、戦闘中にオークに悪戯をされてしまう場合があるので、できるだけ避難させてあげるようにしてください」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が、教室ほどの大きさがある部屋にケルベロス達を集め、今回の依頼を説明し始めた。
「女性達の数は20名程度。それに対してオークは10体。数だけで考えればオークの方が少なめですが、背中から生やした触手で、女性達の動きを封じ込め、如何わしい事をしてくる可能性もあるので注意しておきましょう」
 セリカが詳しい説明をしながら、ケルベロス達に資料を配っていく。
「オーク達の略奪を許すことはできません! 絶対に女性達を救ってください」
 そう言って、セリカはケルベロス達に対して、オーク退治を依頼するのであった。


参加者
アリア・ハーティレイヴ(武と術を学ぶ竜人・e01659)
シフカ・ヴェルランド(血濡れの白鳥・e11532)
アルーシャ・ファリクルス(ドワーフのガジェッティア・e32409)
ケル・カブラ(グレガリボ・e68623)
猪山・武佐衛門(猪剣士・e72077)
 

■リプレイ

●都内某所:某大学
「それにしても、色々な所にオークが出ているようですねー。しかも、今回は逃げようとしないって……」
 アルーシャ・ファリクルス(ドワーフのガジェッティア・e32409)は複雑な気持ちになりながら、オーク達が出現する某大学の門を潜った。
 チアリーディング部は体育館で練習をしているのだが、その掛け声が校門のところまで聞こえてくるほど気合が入っていた。
 だが、そんな事よりも、気になる事があった。
 この状況で依頼に参加している女子が二人。
 つまり、二人だけでオーク達を相手にしなければイケナイという現状であった。
 それは幾つ穴があっても足りないほどの危険な流れ。
 最悪の場合は、ボロ雑巾の様になって、グッタリするのがオチだろう。
 それでも、仲間達が何とかしてくれる……はずと自分自身に言い聞かせ、なるべくポジディブな考えをしているものの、状況的に考えれば最低最悪、危険なフラグ立ちまくりと言った感じであった。
「……え?なんで逃げないノ、その子たち? ヘタしたら死んじゃうかもしれないデスヨ? よほどチアリーディングに命をかけていたって感じデスカ?」
 ケル・カブラ(グレガリボ・e68623)も納得がいかない様子で、頭の上に沢山のハテナマークを浮かべた。
 それだけ女生徒達にとっては、大会で結果を残す事が重要なのかも知れない。
 その気持ちを理解するため、女生徒達の練習に加わってみたのだが、これが思った以上に……過酷!
 それこそ、ついていくだけでも、やっとの状況であった。
「とりあえず、大会が近くて集中するのはいいけど、身の危険と大会のどっちが大事なのやら……」
 アリア・ハーティレイヴ(武と術を学ぶ竜人・e01659)も呆れた様子で溜息をつきながら、隠密気流を使いつつ練習風景を眺めた。
 女生徒達にとって、大会で結果を残す事に、意味がある。
 それは練習を見ていて、何となく理解する事が出来た。
 だからと言って、オーク達に襲われても、決して逃げる事無く、練習を続ける事に意味があるようには思えなかった。
 それでも、大会で結果を残す事が出来れば無意味だと言う気持ちでいるため、その考えを曲げる事が出来ないのかも知れない。
「まあ、熱心なのは良いですねぇ。これは私も頑張りませんと……」
 そんな中、シフカ・ヴェルランド(血濡れの白鳥・e11532)がプラチナチケットを使い、チアリーディング部の練習に混ざった。
 女生徒達は一緒に練習する相手に対して仲間意識を抱いており、一生懸命やるのであれば、誰であっても分け隔てなく接しているようだ。
 その分、練習はキツかったが、互いに励まし合っていたため、途中で挫ける事はなかった。
「おお、いるいる、いるなァ! 美味そうなヤツらがぁ!」
 次の瞬間、オーク達が魔空回廊を通って、女生徒達の前に現れた。
 しかし、女生徒達はまったく動じない。
 それどころか、オーク達の存在にも気づいていないようだった。
「酷い目に遭いたくなかったら、早くここから逃げてくだサイ!」
 すぐさま、ケルが全身汗だくになりながら、割り込みヴォイスで女生徒達に警告した。
 だが、女生徒達はまったく動じておらず、真剣な表情を浮かべて、練習を続けていた。
 だからと言ってケルの声が全く聞こえていない訳ではない。
 ここで、練習を止めれば、すべてが水の泡。
 故に逃げない、逃げられる訳が無い。
 そう言わんばかりの想いが、ケル達に伝わってきた。
「ぐへへへへっ! こりゃあ、イイ! それじゃ、楽しませてもらうとするか」
 しかし、オーク達はそれを別の意味で捉え、自らのモノを反り立てた。
「ならば、ここでオークを倒すのみ、オーク死すべし。慈悲はない」
 そんな空気を察した猪山・武佐衛門(猪剣士・e72077)が、ライドキャリバーと連携を取りつつ、オーク達に攻撃を仕掛けていった。

●オーク達
「俺達を……倒すだと!? やれるモノならやってみろ!」
 たてがみを生やしたオークが、イラついた様子で吠えた。
 まわりにいたオーク達も、殺気立った様子で吠える。
 みんな、自らの欲望を満たすため、女生徒達を品定めしていたため、腹立たしくて仕方がないようだ。
「……いいんだな。後悔するぞ!」
 武佐衛門がライドキャリバーに合図を送り、オーク達に攻撃を仕掛けていく。
 それに合わせて、ライドキャリギーがガトリング掃射で、女生徒達に襲い掛かろうとしていたオーク達を撃ち抜いた。
「じゃ、邪魔をするんじゃねえええええええ!」
 その途端、醜い顔をしたオークが、殺気立った様子で鼻を鳴らす。
「……邪魔? それはこっちの台詞だよ」
 アリアが半ば呆れた様子で、ヴォルトアローを撃ち込み、醜い顔をしたオークをマヒさせた。
 醜いオークは何やら殺気立った様子でケルベロス達を睨みつけていたが、武佐衛門の豚斬り包丁でバラバラに斬り裂かれ、あっと言う間に肉の塊と化した。
「うぐぐ……貴様達さえいなければ、すべて上手く行っていたはずなのに……!」
 リーダー格のオークが恨めしそうな表情を浮かべ、激しく拳を震わせた。
 まわりにいたオーク達も殺気立った様子で、ケルベロス達を睨む。
「わかっちゃいるんデス。男は狙わないって。でも、オークになんかこう、無視されるのってなんか、そういう魅力がないって言われてるみたいでなんか、もやっとネ……ムッとね……しちゃうんデスヨネ」
 そんな中、ケルがイジけた様子で、オーク達に視線を送る。
「確かに、お前は……ないな」
 浅黒い肌のオークが残念なナマモノを見るような感じで、躊躇う事なくキッパリと言い放つ。
 さすがにオトコを襲う趣味はないのか、完全に論外と言わんばかりであった。
 それがケルには苛立たしく、色々な意味でヤル気にさせた。
「豚さん、豚さん、私のほうへ♪」
 そんな空気を察したアルーシャが、オーク達の興味を引いた。
「だったら、遠慮する必要はねぇな! 可愛がってやるぜ!」
 それに気づいたオーク達も、ヤル気満々な様子で背中から生やした触手を伸ばす。
「そんなに……シタイんですか……? それなら……好きにしても……構いませんが……」
 シフカが臆する事無く、オークの触手を迎え入れた。
「ほら、見ろ! コイツは、よく分かってやがる! だから……たっぷりと可愛がってやらねぇとな!」
 リーダー格のオークが上機嫌な様子で、シフカの身体を舐め回す。
「オークの赤ちゃんなんてやだぁ」
 アルーシャも両手両足の自由を奪われ、大事な部分が丸見えになった状態のまま持ち上げられ、恥ずかしそうに悲鳴をあげる。
「……!」
 その途端、女生徒達が動揺した様子で身体を震わせたものの、それでも練習を止めようとしなかった。
「ぐへへへへっ! アイツらに見せつけてやれ。次はアイツらの番だって事を分からせてやるためにも……!」
 リーダー格のオークが女生徒達に見せつけるようにして、アルーシャのナカに突っ込んだ。
 他のオーク達も代わる代わるアルーシャのナカに突っ込み、大量のミルクをドプっとブチ撒けた。
「さて……そろそろ、御楽しみもお終いデス」
 次の瞬間、ケルが魔力を秘めた瞳で、オーク達を凝視した。
 それと同時に、オーク達が同士討ちを始め、禍々しく反り立ったモノで、互いに尻を貫き始めた。
 それはある意味、地獄絵図。
 まるで連結列車の如く繋がったオーク達が、この世のモノとは思えぬほどの絶叫をあげ、ビクビクと身体を震わせた。

●地獄絵図
「テ、テメエ、こんな真似をして、どうなるのか分かっているのか!」
 ようやく我に返ったオークが、青ざめた様子で悲鳴を上げる。
 自分が何処に突っ込んでいたのか、理解してしまったせいか、先程まで元気だったモノが、御通夜の如くションボリである。
「まあ、ボク自身も、精神的に……かなりダメージを受けましたガ……」
 ケルが複雑な気持ちになりつつ、乾いた笑いを響かせた。
 その視線の先には、汚い尻を丸出しにしたまま絶命しているオーク達の姿があった。
 おそらく、許容範囲を超える程のモノを突っ込まれ、ショックと痛みで絶命してしまったのだろう。
 その尻から垂れ流しになった赤いミルクが、色々な意味で壮絶な状況を物語っていた。
「精液の出るホース、突っ込まれてるみたい……」
 一方、アルーシャが『もう限界……』と言わんばかりの勢いで、グッタリと倒れ込んだ。
 何とか途中でオーク達の攻めから逃げ出す事が出来たものの、代わる代わるモノを突っ込まれたせいで、ナカから大量のミルクが溢れ出し、足元に恥ずかしい水溜まりを作り出していた。
「だったら、俺の相手してくれよォ! オスども相手じゃ、ツマラねぇからな!」
 髭面のオークがズタボロになってオークを放り投げ、真っ赤に染まったモノをアルーシャに突っ込もうとした。
「……させるか! オーク死すべし!」
 それに気づいた武佐衛門がライドキャリバーと共に間合いを詰め、ハウリングを放って髭面のオークを足止めした。
 それに合わせて、アリアが掌からドラゴンの幻影を放ち、髭面のオークを消し炭に変えた。
「ここから逃げろ。ついてこい」
 すぐさま、武佐衛門が妖気解放を使い、女生徒達の熱意を削ぎ、大声を上げて叱りつけた。
「は、はい……!」
 その気迫に圧倒されて、女生徒達がビクッと身体を震わせ、武佐衛門の指示に従って、安全な場所まで避難した。
「戦闘準備完了……では行きましょうか」
 それに合わせて、シフカも気持ちを切り替え、両腕に鎖を撒きつけた。
 ビハインドのヘイドレクも、シフカの指示があれば、すぐに動けるような感じで、彼女の傍に陣取った。
 だが、残っているのは、リーダー格のオークのみ。
 そのオークも半ば戦意を喪失しており、逃げ道を探しているような感じであった。
「人を好き勝手するようなモノはチョン切りってやらないとね」
 その間にアルーシャが朦朧とする意識の中でラウンド・ビットを使い、小型の起動兵装群でリーダー格のオークを包囲し、躊躇う事無く一斉射撃ッ!
「……ぐはっ!」
 その途端、リーダー格のオークが血反吐を吐き、血溜まりの中に沈んでいった。
「……何とか無事に終わったようだな」
 武佐衛門がホッとした様子で、仲間達のところに戻ってきた。
 何とかオーク達を倒す事が出来たものの、辺りは血溜まり。
 この場所を綺麗にしなければ、練習どころではないだろう。
 それでも、被害に遭わなかっただけ、まだマシと言えた。
「少し……様子を見てきます」
 そんな空気を察したシフカが、女生徒達の様子を確認するため、ゆっくりと歩き出した。
 あわよくば、彼女達とイケナイ事をする気満々であるせいか、何となくテンションも高めであった。
「だったら、代わりに言っておいてくれ。ハプニングはあったが、皆の熱意は挫けてない。頑張ってくれってな」
 武佐衛門がオーク達の死体を片付けながら、シフカに伝言を頼む。
 彼女達の頑張りを無駄にしないためにも、オーク達の死体をこのまま放っておく訳には行かない。
 そんな気持ちが強く働いたせいか、自然と身体が動いていた。
「それじゃ、僕は女生徒達のケアをしてこようかな。せっかくの練習を邪魔されて落ち込んでいるかも知れないし……」
 そう言ってアリアが思わせぶりな態度で、女生徒達が避難した場所に向かうのだった。

作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年4月29日
難度:普通
参加:5人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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