月を隠す殺戮の牙

作者:天木一

 すっかり日も落ちた頃、広場には巨大な団子の模型がライトアップされ、人々が月見をしようと集まっていた。
 見上げれば夜空には丸く大きな月が浮かんでいる。周囲には飲食できる出店があり、お団子や他のものも売っていて、各々好き好きに楽しみながら月を愛でていた。そんな月を突如遮るものが現れる。
「……なんだあれ?」
 それは巨大な牙。何の前触れもなく現れた牙が落下して地面に突き刺さる。舞い上がる土煙が収まるとそこには5体の骸骨戦士が立っていた。
「集マッテイルナ贄ドモガ!」
「イイゾイイゾ! 殺サレル為ニ良ク集マッテクレタ!」
「宴ダ! 貴様ラノ血肉デ盛大ニ祝オウデハナイカ!」
「ゾウオトキョゼツヲ! ソノ命ヲ寄越セ!!」
 剣を抜き、オーラを纏った竜牙兵が襲い掛かる。人々が悲鳴を上げて逃げようとする背中を斬りつけ両断し、後頭部を殴って頭を吹っ飛ばす。そうして次から次へと屠り、地面に血の池が出来る頃には動く人間の姿は居なくなっていた。
 竜牙兵はまだ足りぬと獲物を求め立ち去る。残された真っ赤な血の池には美しい月が映っていた。

「楽しいお月見のイベントがあるんだけど、そこに竜牙兵が現れるみたい……」
 せっかくのイベントを台無しにする事件を見つてしまったと、マヒナ・マオリ(カミサマガタリ・e26402)がケルベロス達に告げる。
「グラビティ・チェインを狙い竜牙兵がお月見に集まった人々を襲う事件が起きます。今ならば敵が現れる前に現場入りできるので、敵を迎撃し人々を守る任務となります」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が詳細な説明を始めた。
「敵が現れるのは神奈川県にあるイベントの行われる広場です。ちょうどお月見のイベントが開催されていて、多くの人々が集まっています」
 出店もありお月見を楽しむ人々で賑わっているようだ。
「出現前に到着して準備できますが、人が少なくなると出現場所が変わる為、先に避難させることはできません。敵出現後は手配している警察が避難誘導を始めることになっています」
 敵はケルベロスだと分かれば優先して狙ってくるようなので、引き付けておけば比較的安全に避難させることが出来るだろう。
「お月見を楽しむ人々の笑顔を悲鳴で消すような真似をさせないよう、守ってあげてください」
 説明を終えたセリカは一礼してヘリオンへと向かう。
「ステキなお月様を愛でる人を守らないとね……そうだ、無事に終わったらお月見して帰るのもいいかもね」
 綺麗な月を思い描いたマヒナの顔に自然と笑顔が浮かぶ。そんな笑顔をしてるであろう人々を守ろうとケルベロス達は頷き動き出した。


参加者
暁星・輝凛(獅子座の星剣騎士・e00443)
愛柳・ミライ(宇宙救済係・e02784)
除・神月(猛拳・e16846)
マヒナ・マオリ(カミサマガタリ・e26402)
フォルティ・レオナール(桃色キツネ・e29345)
不動峰・くくる(零の極地・e58420)
桜衣・巴依(紅召鬼・e61643)
リセス・メリルシーネ(ドラゴニアンの零式忍者・e66745)

■リプレイ

●月見
 広場に集まった人々が丸々と輝く月を見上げて楽しんでいる。月見のイベントが行われ、巨大な団子の模型が置かれ、その横では長椅子に座って月よりも団子を食べて楽しむ子供達もいた。
「お団子! え? あのデカいのは作り物で食べれない? あ、でも他に売ってるお店とかあるよね~後で買わせてもらおーっと……先にやるべきことやらないとね」
 あっちこっちに目移りしていたフォルティ・レオナール(桃色キツネ・e29345)は、今は事件の方に集中しなくてはと頭を振って雑念を追い出した。
「お月見、風流でござるよなぁ。であるのに、その粋を介さぬ骨頭共とは。早々に退場願わねばならんでござるな」
 月見を楽しむ人々を見渡した不動峰・くくる(零の極地・e58420)は、無粋な連中にこの情緒を壊させはしないと意気込む。
「どうせなら月を見に来て欲しいもの、だけど……」
 せっかくの綺麗な月なのにとマヒナ・マオリ(カミサマガタリ・e26402)は周りの客と一緒に月を眺める。
「母星から見る月と地球から見る地球、同じ月を私は見ていたのですね」
 桜衣・巴依(紅召鬼・e61643)は月を見て故郷を思い出し、戦いに備え静かに集中する。
「男漁りしてもいーんだガ、欲求不満をぶつける相手も降ってくる事だしナ……♪」
 身体の火照りを我慢した除・神月(猛拳・e16846)は、月を見上げて笑みを浮かべる。
「初依頼の相手に不足無し、慣らしと行きましょう」
 少し緊張の色を浮かべながらも、執事姿のリセス・メリルシーネ(ドラゴニアンの零式忍者・e66745)は気合を入れて戦いに備える。
 そうしてケルベロス達が客に混じっていると、空に月を隠すように巨大な牙が浮かび上がる。それが落下し地面に落ちると、土煙が起こり5体の竜牙兵が現れる。
「集マッテイルナ贄ドモガ!」
「イイゾイイゾ! 殺サレル為ニ良ク集マッテクレタ!」
 竜牙兵が剣を振り下ろすと、その刃が途中で止まる。そこには魔剣を抜いて受け止める暁星・輝凛(獅子座の星剣騎士・e00443)の姿があった。
「大丈夫だよ。ほら、ママのところに行って」
 子供に向かって輝凛がにぱっと笑って見せて逃げるように告げる。
「そう、宴なのです。でもブラッドムーンを、本物の血で再現しようなんて時代遅れもいいとこなのです。お団子に、血の匂いは合いませんよ……!」
 惨劇を阻止してみせると、浴衣姿で客に混じっていた愛柳・ミライ(宇宙救済係・e02784)は人々と敵の間に入って避難するよう声をかける。

●月を隠すもの
「折角の月見イベント、襲撃で台無しにされては興削がれるというもの。早急に死へとお帰り戴きましょう」
 一般人を守るように立ち塞がった巴依はオウガ粒子を放出し、仲間達に薄く張りつけて超感覚に目覚めさせる。
「……そう、お月見って、宴のようなもので。でも、地球風にはもっと静かに見るものですよ? 一緒に、静かに見ませんか……?」
 避難する人から意識を逸らそうと声をかけ、ミライが清らかな声で歌い上げ、外典の禁歌が敵達を呪い動きを止めさせた。ボクスドラゴンのポンちゃんもきゅっと威嚇するようにブレスを吐き、空を飛んで視線を集める。
「竜牙兵……相変わらずたちの悪い連中だ! お前たちの牙がお月様を遮るのなら、獅子座の牙で叩き折る!」
 そこへ輝凛の体から金色の光子が溢れ髪と目の色が金色と化す。そして爆発的に地面を蹴って接近すると拳を叩き込み、前に居た3体の敵を纏めて喰い散らかすように吹き飛ばした。
「無粋極まる骨頭共、お主らの相手は拙者たちでござる」
 両手の機械仕掛けの巨大手甲を打ち鳴らしたくくるは、手招きして攻撃を誘う。
「何事ダ!」
「敵ダ! 我等ドラゴンサマノ邪魔ヲスル者ハ皆殺シダ!」
 その挑発に乗って起き上がった竜牙兵達はいきり立って剣を振るい、星座のオーラを斬撃として放つ。迫る斬撃をくくるは手甲で弾いた。だがもう一体の竜牙兵が突進して剣を突き出した。
「ケルベロスだよ! 警察の指示に従って避難して!」
 マヒナは人々に呼びかけながら庇うように前に出て、エクトプラズムの塊を飛ばして前に出た敵にぶつけ後退させた。続けてシャーマンズゴーストのアロアロもその隣の起き上がった敵に炎を放つ。
「綺麗な満月だってーのニ、ドラゴン共にはそれを愛でる余裕もねーらしいナ? ケルベロス、除・神月ダ。月に酔っちまってヨ、相手して貰うゼェ!」
 名乗った神月は興奮して楽しそうに襲い掛かり、獣化させた腕で顔面を防ぐ剣の上から殴りつけて押し戻した。
「残念……でもないけど、ここから先へのお代はお命でってね」
 フォルティは掌にオーラを集めて放ち、敵にぶつけて自分の存在を見せつける。すると後衛の敵がオーラの塊を放ってくる。それをライドキャリバーの緋椿が車体を滑らせてスピンし、装甲を削られながらも弾き飛ばす。
「こちらへ! 向こうが安全です! 落ち着いて避難してください!」
 大きく手を振りリセスは仲間が敵の気を引いている間に、人々の避難誘導を行う。待機していた警察もすぐに動き出し、会場からの避難が始まった。
「ケルベロスカ! 我等ガ邪魔ハサセン!」
 竜牙兵が剣を振るってオーラを飛ばし、周囲の気温を奪いケルベロス達を凍らせてゆく。
「申し訳ございませんが踏ん張らせて戴きます」
 仲間を庇い紅い鎚で攻撃を受け止めた巴依は、桜衣家代々に伝わる陣術を描き、白き輝きを纏う狛犬を召喚して放つ光が毒を祓い怪我を治療する。
「マズハ守リヲ固メヨ!」
 剣を手に守護星座の力が放たれて竜牙兵達は守りの加護を得る。
「まとめて薙ぎ倒す! 獅子座の牙はそんな守りじゃ止められない!」
 飛び込んだ輝凛は靴から放出するエア噴射で加速しながら回し蹴りを放ち、敵達を一蹴で薙ぎ倒した。
「絶望ト拒絶ヲ!」
 後衛の竜牙兵がオーラを纏い拳で殴り掛かってくる。
「まずは、こそこそ後ろから狙うお前らの動き、封じさせてもらうでござる!」
 くくるの両手の手甲が唸りを上げ雷を撒き散らし、両手を向けて雷撃を放ち轟音と共に敵が吹っ飛ぶ。するとすぐに剣の竜牙兵が立ち上がって射線に入る。
「まだまだそんなもんじゃねーだロ? たっぷり付き合ってもらうゼェ!」
 その足に神月は降魔の力を込めてローキックを放ち、敵が体勢を崩したところに脚を跳ね上げてハイキックで側頭部を打ち抜いた。
「集まってる人達のことは見るのに、その人達が見ているものには目がいかない……?」
 コアウッドの弓を構えたマヒナは生み出した矢を放ち、敵の脚に突き刺して凍りつかせた。
「フンッヨイ月ダナ。ドラゴンサマに贄ヲ捧ゲル二相応シイ!」
 竜牙兵は己が傷を癒し剣を構えた。
「あーだこーだと様付け呼びしてるけど、やってることって寄生体みたいだよな~」
 フォルティはオーラを纏う腕で剣を受け止め、炎を巻き起こしあらゆる困難の乗り越える活力を与え仲間達の力を高める。
「何ダト!」
「我等ヲ侮辱スルカ!」
 オーラの塊が砲弾のように放たれフォルティを襲い、ガードの上から強い衝撃を与える。
「さぁ、死を望む者だけが来るがいい!」
 周囲に人が居なくなり巻き込む心配がなくなると、リセスは駆け戻りその勢いのまま飛び蹴りを浴びせ敵を転倒させた。
「もう避難は終わったみたいです……!」
 ここからは遠慮の必要はないとミライはオウガ粒子を放出し、仲間達を癒し感覚の鋭さを増して戦闘力を高める。
「獲物ニ逃ゲラレル前二殺セ!」
 竜牙兵が剣を振るい、冷気が周囲を包み込み凍結が始まる。
「今は秋です。雪の降る冬には早いですよ……!」
 ミライはオーロラで仲間達を覆い、氷を溶かし暖かさで感覚を戻し傷を治療する。
「追撃ヲ! 一気二押シ込メ!」
 後方の竜牙兵が手にオーラを集める。
「仲間の戦いの邪魔はさせないでござるよ。撃ち合いなら拙者が相手をしてやるでござる」
 くくるは手甲の掌から巨大な光弾を撃ち出し、敵達を光が呑み込み痺れるような負荷を全身に与える。
「そっちのヤツらも放っておいて悪かったナ、すぐに相手してやるからヨ!」
 続いて神月が片腕を天に向けて掲げると空に暗雲が立ち込め、オーラ纏う敵を指さすと暴風が襲い掛かり身動きできぬ状態にする。
「まぁ、ドラゴンって憐れよねぇ。強がっては居るけど、その実、相手に寄りかかっていないと生きていけない種族みたいだしー」
「オノレ! ソノ口ヲ二度ト利ケナクシテヤル!」
 堂々と敵の前に立ったフォルティが挑発すると、怒った敵が剣を振り下ろす。それをオーラ纏う拳を当てて逸らし、横からの気弾を屈んで避けてその場で攻撃を防ぎ続ける。手足に浅い傷を負いながらも敵を留め一歩も引かない。
「纏まって動かれるのは厄介ですので、ここでそちらの戦力を削らせて戴きます」
 離れた位置から巴依は拳をフォルティに向けて放ち、凄まじい拳圧が届き負傷を殴り飛ばして傷を癒した。動きのキレを取り戻したフォルティは敵を敵を殴って怯ませる。
「まずは一体、確実に仕留めるよ!」
 そこへ輝凛は魔剣を振り下ろし、防ごうとする剣を斬り落とし頭から体まで唐竹割に真っ二つに斬り裂いた。
「月を愛でる事もできないなんて、寂しいね……」
 素早く間合いに入ったマヒナは拳を打ち込み、遅れてやってきた衝撃で敵の身体が吹き飛ぶ。
「誰かの命を奪おうとすることは、己が命も奪われる覚悟があるということだな?」
 落下する敵に鋭く踏み込んだリセスは零の境地を込めた拳を打ち込み、鎧の胸部を叩き石に変えて中の骨ごと砕いた。

●月の狂気
「ケルベロスガ此処マデヤルトハ! ダガ、ドラゴンサマノ為二、死力ヲ尽クセ!」
 2体の竜牙兵が倒れても、残った3体が戦意を上げてオーラを飛ばし、斬撃を放ってケルベロス達を傷つける。
「一度崩れたら後は押し通すだけ、一気に崩していくよ!」
 踏み込んだ輝凛は拳を叩き込み、鎧を凹ませて押し潰すように骨を砕く。
「お月見を血で汚すのは無粋でござるが、骨ならば血が流れないので遠慮は不要でござるな」
 くくるが手甲から榴弾を撃ち出すと、爆発と共に冷気が撒かれ周辺を敵ごと凍りつかせた。すると竜牙兵は剣を掲げ、星座の力で仲間を守る。
「守りを固めるというのなら、その守りごと切り裂いみせよう」
 リセスの手から竜の如き爪が伸び、刃物のように鋭く斬りつけて剣にひびを入れ、押し切ると肩から腰へと4本の爪痕を刻む。
「オノレ!」
 竜牙兵は剣を横に薙いで首を狙う。
「図星だから怒るんだよねぇ。あーお月見も楽しめないほど余裕がないなんてかわいそー」
 フォルティは足に混沌を纏いその腕を蹴り上げ、足を振り下ろして踵を胸に食い込ませた。
「もっと付き合ってくれヨ! まだまだ夜は長いゼ?」
 よろめく敵に神月は四肢を獣化して跳躍し、押し倒してマウントを取って顔面に拳を叩き込む。凶悪な笑顔で何度も殴りつけ、顔を粉々に潰し活動を停止させた。
「キサマ!」
 そこへ横から拳を打ち込まれ神月の脇腹を折って吹き飛ばす。
「この歌で高く飛べます。誰よりも強く鳥のように……!」
 ミライは明るく応援歌を歌い、翼を得たように身体を軽くし元気を取り戻させて骨を繋いだ。ポンちゃんも治療を手伝い痛みを消し去る。
 アロアロが神聖な力を込めて敵を叩き注意を引き付けると、オーラ弾が放たれ宙に飛ばされる。
「人を殺めようとするなら、手加減はできないんだよ」
 その隙にマヒナはアンクで敵を殴りつけ、肉食獣に噛み千切られたように鎧もろとも肩の骨を削り取った。
「誰一人傷つけさせるつもりはありませんので、ご了承ください」
 巴依は鎚で地面を叩きつけ、爆発を起こして敵を足元の土ごと宙に舞い上げる。そこへ緋椿が突進して敵をさらに撥ね飛ばした。
「お月様を遮る邪魔者はこれで切り開く!」
 敵よりも速く輝凛は刀を横に振るい、胴を薙いで腰を斬り飛ばし両断した。
「ガガガ……ガァッ」
 それでも上半身だけで竜牙兵はオーラを放つ。
「いいネェ! その調子で最後まで足掻いてくれヨ!」
 オーラを受けて腕から血を流しながら神月は貫手を放ち、敵の胸を貫いてエネルギーの流れを断ち動きを鈍らせる。
「風流を理解できぬ骨頭には、これがお似合いでござるよ」
 赤いマフラーを靡かせて跳躍したくくるは手甲から蒸気を噴射で加速し、その勢いで敵を殴りつけて薙ぎ倒した。
「ここに貴方の居場所はありません、お引き取り願いましょう」
 巴依は鎚に雷を纏わせて振り下ろし、敵の頭を砕き流れる電撃で体を麻痺させ、その衝撃で命を奪った。
「ドラゴンサマニ贄ヲ!」
「貴様の望むものは一つも与えん。ただ死だけを受け入れるがいい!」
 竜牙兵の拳を避けるように跳躍したリセスは、飛び蹴りで敵の顔を蹴って仰け反らせ、そのまま踏みつけるように押し倒す。
「高いお代になったね……って竜牙兵の命はそんなに高くないか」
 手をついて起き上がろうとする敵へフォルティは気弾を放ち、敵の腕を肘から千切り飛ばした。
「最後の一体をやっつけてしまうのです……!」
 ミライは歌を歌い、膝をついた敵の動きを止めさせた。そして歌いながら視線をマヒナに向ける。
「次は月を楽しめる存在に生まれるといいね……」
 頷いたマヒナがヤシの木の幻影を作り、敵の頭上からココナッツを落下させる。ポロポロと落ちる硬い実が直撃し、避けることも出来ずに全身を砕いて粉砕した。

●現れた月
 周囲をヒールし会場を元に戻すと人々が月見に戻ってくる。
「あー気持ちよかったナ♪ ちょっとすっきりしたゼ」
 神月が汗を拭い、涼むように吹き抜ける風に身を委ねた。
「お団子お団子っいろいろなのが売ってるね~どれにしようかなーっと」
 月よりダンゴとフォルティは目を輝かせて団子を買い、頬張って甘味を楽しむ。
「団子美味しそうだね、僕も食べようかな」
 美味しそうに食べる仲間を見て、輝凛も店の方へと足を向ける。
「望遠鏡持ってきたよ、一緒にお月見しよ。あ、それともお団子食べる?」
「……花より団子、でも月と団子なら……ど、どっちも!」
 望遠鏡を取り出したマヒナが尋ねると、ミライが迷った末に両方を選びお互いに顔を合わせて笑い合い、お団子を食べながらお月見することにした。
「地球から見る月も綺麗ですね……」
 椅子に座り巴依はお茶を飲み、団子を食べながら月見を楽しむ。
「おお、綺麗な月でござるよ。まさに日本の雅でござるな……」
 その隣に座ったくくるも酒を一献やりながら、のんびりと突きを見上げた。
「こうして守ることのできた人々の笑顔を見るのは、月見と同じくらい良い光景ですね」
 人々を見渡したリセスは微笑み、その仲間に入って月を眺める。
 ケルベロス達は秋空に浮かぶ月の下、各々の風流を感じて過ごすのだった。

作者:天木一 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年10月2日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 4
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