城ヶ島強行調査~雷鳴と共に踊れ

作者:baron

「みなさん。鎌倉奪還戦と同時にドラゴン勢力は、三浦半島南部の城ヶ島を制圧し拠点を作っていました。そこから出て来たドラゴンはケルベロスが撃退した為、現在は、守りを固めつつ、配下による事件を引き起こしていると考えられています」
 セリカ・リュミエールが、これまでの経緯を含めて説明し始めた。
「多数のドラゴンが生息する拠点である為、現在まで攻略する事ができなかったのですが、ケルベロス達の作戦提案により、遂に、強行調査が行われる事になりました。危険な任務ではありますが、ぜひ、お願いします」
 セリカは緊張した面持ちで話を続ける。
 無理もあるまい、ドラゴンと言えば絶対強者。格下のオークや竜牙兵とは訳が違う。多くの危険を伴うのは間違いないのだから。

「ここからが問題なのですが……。敵が強大、かつ多数であることから、正面からの攻略は難しい状況です。その為、まずは小規模の部隊を多方面から侵入し、1部隊でも良いので、内部の状況を調査してくる……事が必要となります」
 このままでは危険極まりないが、城ヶ島の敵の戦力や拠点の情報が判明すれば、攻略作戦を立案する事が可能となる。
 実際にどう行動するか、どの選択肢を選ぶかはともかく、今は可能な限りの情報収集が必要だろう。
「城ヶ島への潜入方法は、皆さんにに任せますが、多数のドラゴンが警戒する空域にヘリオンで侵入することは自殺行為となる為できません。三浦半島南部まで移動した後は、手配はしておきますので、それぞれの班が個別に立案した作戦に従って潜入を行ってください」
 小型の船舶や潜水服、あるいは、水陸両用車程度ならば用意できるので、作戦に応じて申請を行って欲しいとのことだ。
 当然ながら……。敵に発見された場合は、おそらく、ドラゴンとの戦闘になるだろう。
「仮に、ドラゴンとの戦闘になれば、たとえ勝利しても、すぐに別のドラゴンがやってくるため、それ以上の調査を行うことはできません。もし、戦闘になった場合は、できるだけ派手に戦って他の調査班が見つからないようにするといった援護も重要になるでしょう」
 戦いは避けるべきだが、見つかってしまえば仕方無い。
 正面の敵を倒しつつも、隠れている班の囮となって暴れるくらいの心構えが重要だとセリカの話は締めくくられた。
「場合によっては、ドラゴンと正面から戦闘か。危険な任務になるかもしれないが……。その価値はありそうだ」
 説明を聞いて、アシュヴィン・シュトゥルムフート(月夜に嗤う鬼・e00535)は、むしろ不敵な笑みを浮かべた。
 各地での事件は聞いているが、その根本を断つには丁度良い任務だ。
「最悪の事態を想定しつつ、戦いの後は勝敗関係無しに撤退。それで良いんだろう? ならやりようはあるさ」
 勝っても負けても撤収、要は情報が重要。
 ならば気分は楽なもんだ。アシュヴィンはそういうと、話を聞いていたケルベロス達と共に、潜入作戦を練り始めた。
 ここに城ヶ島強行調査が始まったのである。


参加者
アシュヴィン・シュトゥルムフート(月夜に嗤う鬼・e00535)
広井・世界(井の中のイタチ世界を廻る・e00603)
天之空・ミーナ(紅風・e01529)
千島・累(砂の薔薇・e02065)
ウィッカ・アルマンダイン(魔導の探究者・e02707)
逆黒川・龍之介(剣戟の修練者・e03683)
五ヶ瀬川・葵(俊足森ガール・e05660)
フォン・エンペリウス(生粋の動物好き・e07703)

■リプレイ


「時間だ、状況を開始するぞ」
 ドラゴンの勢力が占拠する城ヶ島を睨み、ケルベロスは一大潜入工作を計画。
 その一翼を担うアシュヴィン・シュトゥルムフート(月夜に嗤う鬼・e00535)達は、島に掛る橋を前に時計の針を合わせた。
 今は全員で行動するが、調査途中で分散する可能性もある為だ。
「しかし……思ったよりも静かな出発になったな。本当に近くへ誰も居ないって言うなら、逆に困るが」
「念の為、船の方も用意してあるけど、この様子じゃ二重の意味で必要なさそうだな」
 アシュヴィンの言葉に、『縦方向』から逆黒川・龍之介(剣戟の修練者・e03683)が応える。
 橋梁を真っすぐ水平に歩いており、それは重力を操った能力の一つ。
 ソレもしくは他の潜入向き能力を、この場に居る全員が備えて居た。
「一つ確認をするが……陽動組に先に動いてもらう予定は仔細に変更あれど、行程は同じで構わないな?」
「構わない。帰り路の確保を優先するから、行きは『此処』で陽動戦闘は起きないし、使える間は問題ないと言う合図も届くということだ」
 先行する千島・累(砂の薔薇・e02065)の質問に、龍之介は頷いた。
 破壊を考えれば橋による高速移動という手段は有限だ。行きと帰り、どちらに使うのが正解かは悩ましい所だ。
 だが、陽動と隠密調査という全体作戦に則るならば、行きの速度は不要。
「なら問題ないか、……邪魔をしたな。先を急ごう」
 累は周囲も納得したのを見届けて、頷くと移動を再開した。

 此処では起きない。
 つまりは、近くで陽動の為の戦いが起きるのは同じ。
 いずれ起きる別チームの戦いを無駄にしない為、一同は橋を横向きに行軍する。
「頼めるか?」
「ん、問題ないの」
 広井・世界(井の中のイタチ世界を廻る・e00603)の耳元でフォン・エンペリウス(生粋の動物好き・e07703)の声がする。
 もちろん、お姫様だっこで運んでいた訳ではない。
 彼女は小さな狐……フェネットに化けて運んでもらっていたのだ。
 こそーっと顔を橋梁から橋の上に出し、何も居ないことを確認して上がり込む。
「……ん。誰も居ないなの。走っても問題なの」
「おーけー。無理はすんなよ?」
 小狐状のフォンが橋の上を歩きながら世界たちに報告し、誰にも監視されない事を確認してから、全員で橋の横を駆け抜ける。
 流石に隠れて歩き続けたのでは時間が幾らあっても足りないし、だからと言って無警戒に走っては、空飛ぶドラゴンに見つかるだけである。
 その為に、小さくなれるフォンが、橋の上から偵察しているのである。
「おあつらえ向きに『下』で戦闘が始まったぞ。……そのまま、走れ! 振り向くな!」
「「了解!!」」
 アシュヴィンの声に下方を向くと、そこでは水面が不自然な白線を描き、あるいは湧きたって居た。
 幾つかはケルベロスが扱う船であり、あるいは水中スクターによる航跡だろう。
 だが……残る幾つかは哨戒中の水棲ドラゴンに違いあるまい。
 あとは任した……と一同は感謝しつつ後ろ髪を引かれる思いで、必死で橋の横や、時には裏側を目立たない様に駆け抜けた。


「ん……。ドラゴンが飛んでくるの」
「なら少し隠れて行くわよ。……水中組も見つかったみたいだけど大丈夫、よね?」
 フォンからの報告を受け、五ヶ瀬川・葵(俊足森ガール・e05660)は足を止めた。
 同じように仲間達は、橋梁の出っ張りや裏側部分の陰へ潜む。
 葵は鼻につく潮風が強くなったことで、目には見えずとも、攻撃や急激な機動で湧きたつ海面を感じた。
「船の上で戦ってるメンバーはともかく、水中戦闘なんて大変そうだけど……」
「まっ。そこは向こうの対応を信じるしかねーさ。それに、こっちが先に見つかった時は、向こうが本命に成るかもしれなかったんだしな」
 葵が自分に置き換えて事態を想定していると、天之空・ミーナ(紅風・e01529) が肩をすくめて羽ばたいた。
 自分達が橋での隠密移動を計算するように、水中で戦う事を想定しているなら……、水面に近い場所を泳ぐなり、水底を蹴れる場所で潜行するなり考えているはずだと告げる。
 そして目的地の方を指してハンドサインを入れると、からからと笑って先行。
「映画によくある『彼らの犠牲を無駄にするな』ってヤツだな。っと、もうちょいだ。ここはわたしが先に地上へ降りる」
「ん、はいなの」
 指の先には地上に面した橋梁。
 ミーナが先行するフォンと入れ替わると、小狐はしゅたっと世界の腕の中に飛び乗る。
 そしてミーナは軽やかに橋の影の中を横切り、島部分に直接乗り込むのではなく、何本目か手前の位置に降りる。
「追いついたか? そんじゃ潜入工作の始まりですよっと。今までのはただの前哨戦、重要な情報をもぎとるのがお仕事ってな」
「そうですね。確認しますが懸念があれば挙手を……、携帯番号の交換、目立った服装も控えて……問題ありません。あとは実行に移すのみですね」
 ミーナがハンドサインで移動可能だと手招きすると、ウィッカ・アルマンダイン(魔導の探究者・e02707)たちは手早く降りて合流した。
 そしてウィッカは仲間達に再度、事前準備の確認を目視で行った。
「お互いに問題ない。急ぐとしよう」
「ではそのように」
 目線を巡らせても龍之介たちは手を上げて異議を申し立てず、ウィッカは問題なしと確認を終え、いよいよ上陸が始まる。

「……このくらいの距離で良いですかね?」
「構わないだろう。このレベルなら助走無しでも集合に時間は掛るまい。……しかし、アレは異様過ぎるな」
 ウィッカ達が適度な距離を取って隠密行を再開すると、アシュヴィンは順調さに頷きながらも端正な口元を歪めた。
 顔色は変わらないが、心は段々と皮肉に染まって行く。
 なにしろ目指す造船場の工場の周囲には……。
「へっ! 死体置き場ならぬ骸骨畑かよ。趣味じゃねえなぁ」
「工場で畑というのも、合って無いような合っているような……」
 そこには身動き一つせず、待機状態の竜牙兵が一定間隔で蹲っていた。
 世界が一面の骸骨達に苦笑を洩らすと、ウィッカは肩をすくめて録画した。
 音声記録にも説明を入れつつ、簡単に見回して行く。
「さて、工場の目的は何に成るのかな……。この島自体は元々エインヘリアルと戦う為に籠ってたみたいだし、ゲートの建造強化とかしてそうだけど」
「巣になっているとか色々考えられるが、想像に任せず工場で直に確認しよう。生産されて待機しているのか、あるいは工場で何かしてるのでも変わって来る」
 累の言葉に龍之介は頷きながらも、あえて此処では答えを出さず、当初の目的である工場を目指した。
 せっかくここまで無事に来ているのだ。
 ドラゴンと戦って戦果と陽動を兼ねても良いが、是非とも、情報の方を持ち帰りたいものである。
「何か見付かれば良いね。さ、大なり小なり戦果を得られるよう頑張ろうか」
「そうね。数体ずつ造船場の中に向かってるみたいだし、何かあるとしたらあそこでしょう」
 累と葵は顔を見合わせて、少し距離を詰めると一様に造船場に向かい始めた。
 警戒しているか不明だが、無数の竜牙兵に見つからない方が良いだろう。
 そうなると、隠れて進むことのできるルートは限られているからだ……。


「さて次の角を曲がればいよいよ工場に……って、ちょい待ち。竜牙兵どもに動きがあるぜ」
「見つかったのか? せっかくならドラゴンの方と戦いたかったぜ」
 少し高い樹上から一同に指示を出していたミーナが止めると、世界たちに緊張が走った。
 だが、軽く首を振って浜辺の方を指さす。
「んにゃ。どうも浜の側みたいだな。水上か水中か知らねえが、どこかの組が上陸したんだろうさ」
「そっか。活躍を見せれなくて残念っちゃ残念だけど、仲間が無事に上陸したのと、雑魚と戦わなくていいのは、良いことだよな」
 ミーナが確認した情報に、世界はホっとしたような悔しがるような子供っぽい表情を見せる。
 仲間達は笑いながら、緊張の糸を適度に解して、また気を引き締め直した。
「動いたのは一部か……。竜牙兵は指揮官が居て一斉行動という訳ではなさそうだな」
「何か変化があれば、順次向かわせる感じなのかも」
 龍之介と累はそんな風に話しながら、いよいよ工場へと向かった。
 そして工場内に入り込む竜牙兵をやり過ごし、次の数体が来る前に侵入すると……。
「ん……。何かヘンテコな機械に入って行くの。そしたら一組ずつ白いモノで包まれるなの」
 二組ほどの竜牙兵は白い塊になり、片方が機械の上に、もう片方はそのまま留めめ置かれている。
 重要なのは敵を知ることだと、フォンはしっかりと工場内の様子を確認した。

 いや、正確には……確認しようとしたのだ。
 それよりも先に変化が訪れたことで、この造船場で何が起きているのかが判明する!
 がくんと機械の蓋が閉じたかと思うと……。ヴォ、轟!! と凄まじい音が周囲に満たされた。
「変形……違うね。奇妙な質感だと思ったけど……あれは、ドラゴンかな」
「竜牙兵の入ったモノを射出しただと? そうか、アレが、三浦半島で虐殺を狙う竜牙兵を飛ばしていたんだ!」
 いやに生物めいた機械だと思っていた葵であるが、完全に蓋が閉じてしまえば大型のドラゴンが口を閉じただけだと判った。
 そして飲み込むのではなく、大きく吸い込んだ息を吐くように彼方に飛ばしたことで龍之介は何が起きているのかを悟る。
 中世に使われたカタパルト射出機や、SFに登場するマス・ドライバーの如く、牙に格納した竜牙兵を飛ばしていたのだ。
「どうするの? 他に何かあるかもしれないけど……」
「幸いにも書類の類はなさそうだ。外の竜牙兵も動いているようだし知能が低い訳じゃない。迷っている暇は無い」
 確認の為に尋ねるウィッカに、アシュヴィンは首を振って外を指さした。
 そこは先ほど竜牙兵が上陸組を迎え討ちに行った辺りで……再び何体かが出撃している。
 何も無ければ放置して調査を続行し、複数のチームで襲撃する方が確実なのだろうが……。このまま推移すればこの場から離れる公算が高かった。
「速攻を駆けるぞ!!
「「応!!」
 アシュヴィンの言葉に仲間達は即座に戦闘態勢を整えた。


「いきなり本命の一つとはね……」
「気楽に行こうぜ! 外のチームが来てるんならこっちにだって増援は来るさ!」
 魔空回廊と並んで三浦半島の龍牙兵は、今回に対処すべき重要な案件の1つだ。
 葵の緊張を吹き飛ばすように、世界は思いっきり前に出た。
 動き出す前にまずは捕縛を試みる!
「本当に緊張してるのが馬鹿みたいね。鼬に横切られると不吉、なんて言うけれど……『鎌鼬に横切られて、不吉だけで済むとは思わないことね』こんなのはどう?」
 溜息をついて葵が高速で接近し、機械を支える部分に見える場所の脇を蹴りで横切ると、敵だと理解して動き出したドラゴンの足がパックリと割れて傷ついた。
 あまりにも高速の蹴りが、真空の刃を生み出したのだ。
 そして回避行動を取り始めた事で、黒色の生物めいた機械は、まさしくドラゴンへと変貌する。
「おっ、いいんじゃん。『死にたくなければ避けやがれ! シビれさせてやるよ!!』俺も鎌鼬には鎌鼬で合わせてやるぜ!」
 ノリの良い世界は次なる手を打ち、プラズマを起すほど高速の真空刃を放った。
 そして他の仲間達も、次々に打って出る。
「始まりましたか。……ドラゴンとは一度戦ったことがありましたがその時も雷竜でしたね。しかしその竜は復活直後で弱っていましたが……」
「本当の事を言えばもう1チームくらい欲しかったが……、こうなれば仕方無いな。やれるだけやろう」
 詠唱を始めるウィッカに続いて龍之介はケルベロスコートを跳ねあげた。
 そして腰に手をやったかと思うと、キン! と抜刀の音がする。
「そしてやるからには、やり遂げる『毎日打ち込み続けたこの一撃、受けて見ろ!』あれは、この日の為の修練だ」
「今回は弱体化なし、気を引き締めてかからないとですね。『黒の禁呪を宿せし刃。呪いを刻まれし者の運命はただ滅びのみ』……それに時間を駆けると、外の竜牙兵も来るかもしれません」
 龍之介が目にも留まらぬ居合いで切り込むと同時に、ウィッカは呪文を完成させた。
 その魔力を込めた剣で切りつけると、面白いように印が刻まれていく。
 思わぬ手応えに少し首を傾げながらも、ここは攻めの一手だと、龍之介と背中合わせに、両手にナイフを引き抜いて踊るような斬撃を浴びせて行く。

 そしてウィッカが疑問に自分で回答を見出すよりも先に、ドラゴンは巨大な頭を持つワニのような全貌を現し……。
 翼を展開して取るべき行動を開始したのである。
『……ギギギ。お前たち、これ以上。進マセナイ』
「大きな顎を使わず、ワザワザ格納されていた竜牙兵を?」
 累が周囲ごと撃ちまくり、頭を上げさせまいと威圧していたのだが、敵は構わず飛行を開始。
 そして白い物体の中から、留め置いて居た竜牙兵を出陣させる。
 タイムラグがあるその行為は、骸骨どもには自殺行為だ。
 それにも関わらず戦わせること、そしてドラゴンが持つ歪な体格……カタパルトにしていた大きな顎を考えると、一つの答えがもたらされる。
「射出力を与えられたことで、戦闘が苦手なのかもしれん。どうやら足止めを置いて逃げるつもりだ」
「なら翼や腹に集中させっぞ。逃がすんじゃなくて、外の連中と挟撃するんだ」
 累が音速の拳で殴り込むと、竜牙兵のうち表面側の一体が割りこんで来る。
 その間にも仲間達の範囲攻撃で、残りの竜牙兵たちは足止めを優先し、ミーナはその徹底ぶりに造船場での撃破を一時的に諦めた。
 殴りつけながら彼女も飛びあがり、ナイフで腹をザックリと裂く。
「仕方ない……情報代わりに竜牙兵の首、そしてドラゴンの体力を貰っていくとしよう」
「そういうこった! 『お前と私……どっちが生き残るか、勝負といこうぜ!』命の果てるまで!」
 累は表情を変えないまま、唇の端だけで苦笑すると逃走するドラゴンも残る竜牙兵もまとめて弾丸を撃ち込む。
 光の剣を構えるのに合わせミーナもナイフの先に光の大刃を作り上げ、共に襲いかかった。
「可能な限り追撃するが、この情報を確実に持ち帰り連絡する方が優先だ。悔しいが、敵に囲まれない内に撤収する」
「ん、了解なの。『クルル、蒼いのいくよ!』そーれっ」
 アシュヴィンは逃げるドラゴンに再び飛び蹴り放って追いつくと、竜と自分の血が混じり合うほどに混戦を掛けた。
 だが熱狂しているようで頭の奥は冷えており、フォンはその指示に頷くと、自らが連れるドラちゃんの蒼い炎を手に宿し、外の竜牙兵が来るまで渾身の力で殴りつける。
 撤収中の一同が最後に見た光景は、高く飛ぶことが出来ず、別チームの迎撃の砲火が出迎える姿であったと言う。

作者:baron 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2015年11月24日
難度:やや難
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 11/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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