8bitの兵隊たち

作者:坂本ピエロギ

 照明の落ちた空きテナントに、微かな機械音が響いた。
「キリキリキリ……」
 音の主は小さなダモクレス。彼は今、人気のないがらんどうの部屋にいた。
 そこはかつて、ゲームセンターとして子供たちの憩いのオアシスとなった場所。
 あちこちに放置されたゲーム用の機械は今や触る者もなく、どれも埃を被っている。
「キリキリ……キリ!」
 ダモクレスはその中をうろうろと這い回り、やがて隅の筐体の中へと体を滑り込ませた。
 筐体は脈打つように振動したかと思うと、瞬く間に巨大な怪物へと姿を変えてゆく。
「ピコピコ! ピコピコーッ!!」
 ダモクレスは施錠された入口を叩き壊して道路へ飛び出すと、マシンガンの如く発射したゲームコインで偶然居合わせた市民を殺害。耳障りなチップサウンドを轟かせながら、駅前の商店街の方角へ進んでいった。

「先日、懐中時計のダモクレスと戦ったのだけど……」
 白檀の扇で口元を隠し、アウレリア・ノーチェ(夜の指先・e12921)はひっそり呟いた。
「虫の知らせ、とでも言うのかしらね。類似の事件が起こっていないかザイフリート王子(エインヘリアルのヘリオライダー)に調べて貰ったわ。そうしたら――」
 アウレリアがちらりと視線を送ると、ザイフリートは頷いて話し始めた。
「ゲームセンター跡地に廃棄された筐体がダモクレス化し、人々を襲う未来が予知された。お前達には現地に急行し、現場前の道路で敵を待ち構えてほしい」
 予知によればダモクレスはゲームセンターを飛び出した後、道路を直進した先にある駅前の商店街へ向かうという。もしも侵入してしまえば、街は大混乱に陥るだろう。
 ザイフリートの手配により、既に現場周辺では避難活動が開始されている。ケルベロス達が到着する頃には、市民は残っていないはずだ。
「ダモクレスは中央に画面の取り付けられたテーブル型の筐体にドット状の手足が生えた姿をしている。大きさは丁度、小型トラックの荷台をまるまる占領する程度だ」
 敵の攻撃手段は3つ。そして投入口から乱射するゲーム用コイン、聴く者の脳を揺さぶるゲームサウンド、画面から飛び出て襲い掛かる8bitの虫歯菌のようなキャラクターだ。いずれも火力が高いため、後衛が狙われる恐れに十分注意しよう。
 説明を終えたザイフリートはケルベロスに敬礼すると、ヘリオンへと乗り込んだ。
「子供たちに愛された遊具を人殺しの手先にするわけにはいかん。確実に撃破してくれ……勇敢なるケルベロスたちよ、武運を祈る!」


参加者
赤星・緋色(中学生ご当地ヒーロー・e03584)
ソラネ・ハクアサウロ(暴竜突撃・e03737)
分福・楽雲(笑うポンポコリン・e08036)
アウレリア・ノーチェ(夜の指先・e12921)
ウェイン・デッカード(鋼鉄殲機・e22756)
エトヴィン・コール(澪標・e23900)
比良坂・冥(カタリ匣・e27529)
鈴森・姫菊(クーガー・e34735)

■リプレイ

●GAME START
 ケルベロス一行は、ダモクレス出現が予知されたゲームセンター跡へと向かっていた。
 時刻はちょうど夕刻である。警察に誘導されて下校していく子供の背中を見送りながら、比良坂・冥(カタリ匣・e27529)は新しい煙草に火をつけた。
「もうすぐ夏休みかぁ。ゲーセンが一番繁盛する時期だねぇ……俺が若かった頃は格ゲーの全盛期で、強い奴がいる店には所構わず出かけたもんだ」
「知ってるよ。すごく盛り上がると、『りあるふぁいと』になったりするんでしょ?」
「よしてよぉ、そんな恐い話は」
 赤星・緋色(中学生ご当地ヒーロー・e03584)の無邪気な問いかけに、冥は苦笑する。
「レトロなゲームってやたら難しかったりするけど、格闘ゲームはどうだったの?」
「昔の方がシンプルではあったね。自分の耳と足、横の繋がりが全てだったし」
「耳と足……ですか?」
 それを聞いたソラネ・ハクアサウロ(暴竜突撃・e03737)が、きょとんとした顔で首を傾げる。彼女にとって8bitのゲーム機は世代の外、知識でしか知らない存在なのだ。
 そこへアウレリア・ノーチェ(夜の指先・e12921)が、横から話に加わる。
「耳に挟んだ事があるわ。ネットのない時代は、情報の価値が今よりずっと高かったと」
 アイテムの隠し場所やボスの弱点、強豪プレイヤーの用いるキャラやスタイル。かつてはそうした諸々の情報を、雑誌や人づてで入手していたらしいとアウレリアは言う。
「今は全部、これで事足りるものね」
 そう言ってレプリカントの女性は、淑やかにウインクした。
「へー。随分詳しいじゃん」
「まあ、ね。ゲームというものには、色々と思い出があるから」
 分福・楽雲(笑うポンポコリン・e08036)の悪戯めいた横槍に、平然と返すアウレリア。傍を歩くビハインド『アルベルト』を見る彼女の目に、微かな哀愁が浮かぶ。
「あ、いや、うん。重い話だったならごめん」
「いいのよ、全然。気にしないで」
 沈んだ空気を払拭しようと鈴森・姫菊(クーガー・e34735)が楽雲に茶々を入れた。
「ポンタくんはほら、ゲームの電源はリセットボタン押しながら切っちゃう年代だから」
 負けじと言い返す楽雲。
「そういう姫菊ちゃんはほら、バグったROMカセットとか口で吹いちゃう年代だから」
「違うし! ポンタくんこそ――」
 楽雲と姫菊の丁々発止を聞きながら、ウェイン・デッカード(鋼鉄殲機・e22756)は敵のダモクレスに思いを馳せる。
(「時代に取り残されたゲーム機……か」)
 レプリカントである彼がダモクレスに抱く思いには、複雑なものがあった。かつて子供達のために存在したであろう、罪のない機械。それを破壊することに、一抹の罪悪感を覚えずにはいられない。
(「僕らが倒す。君たちがその手を血で汚す前に」)
 道路を封鎖している警察官に会釈をしてしばらく歩くと、8人は寂れたゲームセンターに着いた。既に避難は完了し、周囲はシンと静まり返っている。これなら派手に暴れても支障が出ることはないだろう。
 武器を手に、ダモクレスの出現に備えるケルベロス。それを待ち構えていたかのように、無人の店内からけたたましいチップチューンが聞こえてきた。
「あー。このピコピコ音ってなんかいいよね」
 前列へと進み出た緋色の眼前に、ビルの壁を破壊して出現する巨大な筐体。四角い画面をケルベロスに向け、テーブルの下に生えた二本の足でドスドスと地面を踏み鳴らす。
「ピコピコ! ピコピコーッ!!」
「ふははははー、出たねダモクレス! 一般人に危害を加えるなら容赦なく破壊するよ!」
「テーブル筐体だって? おーおー、オイラ実物初めて見たよ」
 胸を反らして笑う緋色。珍しそうに敵を眺める楽雲。
「折角眠れていたのにさぁ、こんな叩き起こし方するなんて無粋よね……もう役割を果たしきったのなら、あとは朽ち逝くのみ」
 冥は護り刀『紅天』を鞘に納めたまま、新しい煙草に火をつける。
「ゲームが人間に挑戦だなんてねー。あれかしら、最期に私たちと遊びたいとか?」
「いいね。一度ぐらいはプレイヤー側で遊んでいきなよ」
 縛霊手を打ち鳴らし、捕食者の視線をダモクレスへと注ぐ姫菊。そんな彼女の後ろでは、同じく肉食獣のウェアライダーであるエトヴィン・コール(澪標・e23900)が滲み出る狩猟本能を隠そうともせずに物騒な笑みを浮かべて言う。
「お互いに残機は一機ずつ、楽しい勝負だと思わない?」
「面白そう! 私たちが、必ずあなたをクリアしてあげるわ。というわけで――」
 ダモクレスと真っ向からにらみ合う姫菊。8頭の猟犬が、今、檻から放たれた。
「ゲームスタート☆」

●11 PLAYER GAME
「ピコピコーッ!」
 スリットからジャラジャラと溢れ出たゲームコインが、機関銃の如き勢いで射出された。標的となったのはウェインだ。
「この一瞬に、永遠の輝きを――『射手の毒刑・連弾』!」
 雨あられと襲い来るゲームコインに動じずに、銀色の粒子を纏い跳躍するウェイン。全身のリミッターを解除した高速機動によって目にも留まらぬ無数の飛び蹴りを放った。
 エグゼキューターで道路にマーキングした青十字の一列が、まるで見えない壁のように、飛来するコインを残らず相殺して弾き飛ばしてゆく。
「うん、さしずめ『EASY』ってところかな」
「やるねぇ。なら俺はクラッシャーでってな。『ガンガンいこうぜ』!」
 我も負けじとダモクレスに跳び掛かる楽雲。彼が構えたのは、装着者の拳を鉄槌化させるドラゴニックハンマー『クランカー』だ。そこから発射される轟竜砲を、姫菊のばら撒いた紙兵散布が華麗に彩る。
「さあさ、存分に遊びましょ!」
「恨みはないけど、悪く思わないでよね!」
 続いて緋色が跳躍。ビルの壁を足場に三角飛びでダモクレスの頭上から襲いかかる。小柄な体を利用した達人の一撃がダモクレスの体にめりこんだ。
「ピコピコーッ!」
「あの筐体、ほぼ最初期のものでしょうか。まさかこのような形で拝見しようとは……」
 ガタンガタンを身を揺らし、トラックのごとき巨体で暴れ回る敵の姿にソラネは呟く。
「最後の遊戯、私の『騎士』も混ぜていただきます――繋いだ縁はいつまでも。周り回って守りましょう……」
 ボクスドラゴンのギルティラに回復を命じ、『人竜一体・機騎廻貝』を発動するソラネ。すると、どこからともなく小さなアンモナイトのような生物たちが現れた。周辺の金属を依り代とする、貝を背負った小さな騎士達だ。
(「ソラネの言う通り、あれはもうデータベースでしか見られないような古い筐体。遊んでいた子供が、いい年齢の大人になるくらいの……」)
 騎士達に身を守られながら敵をじっと観察するアウレリアに、黒い虫歯菌のようなキャラが画面から次々と飛び出し、槍を構えて一直線に向かってきた。大きさはスマートフォンと同じくらいだろうか。
 アルベルトが、店の看板を、ガラス片を武器に、8bitの兵隊たちをポルターガイストで撃ち落としてゆくのを見ながら、アウレリアは静かにリボルバー銃に弾を込める。
「子供達の記憶の中で、貴方はきっと昔のまま。だから――」
 だから此処で、貴方を止める。思い出までも壊さぬように。
 アウレリアは筐体のレバーに照準を合わせ、引き金に指をかけた。
「さあ、踊りなさい。弾丸とワルツを……」
 道路で、ビルで、電柱で、網の目のようにダモクレスを捉える無数の跳弾。その傍らではソラネの騎士と8bitの兵隊が、派手に槍を突き合って火花を散らしている。
「すっごい。なにこれ、弾幕シューティング?」
 サークリットチェインで前衛の防御を強化しながら、エトヴィンが口笛を吹いた。
 いっぽう冥は新しい煙草に火をつけ直し、抜かずの刀でダモクレスに殴りかかる。
「さてと、あんたのコインと俺の命、破産するまで賭け合うとしようか!」
 筐体の台をガンガンと足で蹴り、投入口を刀の柄で殴り、台のど真ん中に煙草で焦げ跡をこさえる冥。やたらと年期の入ったその仕草は、見る者にある種の感動さえ覚えさせた。
「ピコピコーッ!!」
 これに怒り狂ったダモクレスは、しかし、冥ではなく姫菊へと狙いを向けた。新たに画面を飛び出した兵隊たちが、爪楊枝のような槍を手に姫菊へと襲いかかる。
(「デッカードさんの撃ち落とすやつ、面白そうだったわね……よし、私も!」)
 姫菊は縛霊手の指先で銃のポーズを取り、襲い来る兵隊をガンシューティングさながらにクイックドロウで撃ち落としていく。
「発想の自由ってやつ? 遊びはいつでも楽しまないとねぇ!」
 5匹、10匹、15匹……。
 僅かに撃ち漏らした兵隊に額を突かれ、悲鳴をあげる姫菊。
「あっ、ちょ、ヤバ……痛い痛い痛い!」
「ティウンティウンティウン」
「う、うっさいわね!」
「ふふふ、ここはオイラが手本を見せて進ぜよう、姫菊ちゃん!」
 唸りをあげて振り下ろされる、楽雲の獣拳撃。ダモクレスは体を回転させて、筐体の角で攻撃を受け止め、ダメージを最小限に抑える。
「痛っっっっって~~~!」
 真っ赤な拳を抑え、飛び上がる楽雲。ダメージは0だが手は痛い。それを見た姫菊は、
「ねぇねぇその程度なの? ねぇねぇ」
「ま、まだゲージ溜まってないだけだから! つーかノーカンだよアレ、初見殺しすぎ!」
 そんな彼らとは対照的に、ウェインはあくまで冷静に戦いを進めていた。
「キミたちの本当の役割はそうじゃないだろう?」
 掌に込めた回復グラビティを冥に送り込み、レプリカントの青年は悲しそうに首を振る。

●GAME CLEAR
 一見ゲームで遊んでいるように見えても、彼らはケルベロス。攻めるべきところは攻め、守るべきところは守り、着実にダモクレスを追い込んでいった。
 破産教唆を食らった事で、敵は標的を冥へと絞り始めていた。盾役が敵にヘイトを売り、攻撃に耐えつつ仲間の集中砲火で袋叩き。あらゆるゲームに通底する狩りの基本だ。
 緋色のスカルブレイカーとソラネのゼログラビトンが、次々ダモクレスに叩き込まれる。ぐらりと体を浮かした筐体の足下をすくうように襲いかかるエトヴィンの旋刃脚。
(「まさかゲーム機本体とリアルファイトする日が来るとは、夢にも思わなかったねぇ」)
 先程からダモクレスはけたたましいアラーム音を鳴らして冥を攻め続けていたが、怒りの付与が未だ不十分なのか、たまに狙いが他の仲間に流れていた。
「ピコピコ! ピコピコーッ!!」
「怒っているようね。対戦に夢中なプレイヤーのようだわ」
「それじゃ、もっともっと夢中になってもらおうかな、っと!」
 アウレリアと冥のファナティックレインボウが、ダモクレスの体を貫く。
「ピコピコオオオオォォォォ!!」
 前列へと降り注ぐ大音声のチップチューン。凄まじい音量に脳を揺さぶられながら、姫菊と楽雲が息を合わせた攻撃を放つ。
「んもう、あのピコピコサウンド何とかならないのかしら……耳障りだわ」
「じゃ、こいつでどうかな!」
 楽雲の超重の拳が、コインスリットの真裏、音の漏れてくる金網を強かに殴りつけた。
 悲鳴をあげるダモクレスの画面のど真ん中に直撃する、姫菊の気咬弾。ダメージは入ったようだが、敵の音に殆ど変化はない。
「音ゲーってボリュームも大事だと思うんだよね!」
 エトヴィンはウェインと共に、前衛を気力溜めとゴーストヒールで回復していった。敵は相当なダメージを負っている。戦いの決着が近いことを2人のメディックは理解していた。
 緋色が放った達人の一撃で体を凍らされ、ソラネのコアブラスターで追撃を叩き込まれ、アウレリアの血襖斬りに与えたダメージも回復され……流れは完全にケルベロスにある。
 一方ダモクレスは、冥とアウレリアが付与した怒りの影響で冷静な判断力を失っていた。いくら攻撃を浴びせようとも、後ろに控えるウェインとエトヴィンがすぐにダメージを回復してしまうのだ。
「懺悔の時間だ。誰かを殺してしまう前に、キミ達がキミ達でいるうちに、破壊する」
 冥を回復したウェインが、そっと敵に告げた。
 罪なき筐体を破壊すること――その罪を、彼は今懺悔する。
 ソラネのグラインドファイアがディスプレイを叩き割った。ひび割れたガラスに映るのは『PS-CC(パニッシングストライク―コエドシティ)』を発動する緋色の姿だ。
「いちげきひっさーつ!」
 グラビティで宙に描き出された日本列島、埼玉県は川越市に、煌々と光輝く星あり。川越市内に存在するゲームセンターの瞬きを太陽のごとき輝きに変えて、敵へと叩きつけた。
 直撃を受けてのたうち回るダモクレス。そこへチェーンソー剣を構えた姫菊が突っ込む。
「ポンタくん!」
「オーケー、姫菊ちゃん」
 楽雲はゲームコインを浴びながら突撃。チェーンソー斬りで切り裂かれたダモクレスを、妖気で変化させた獣の腕で上空に吹き飛ばす。
「行くぜ、超必! 『楽雲・螺旋落』!」
 跳躍した楽雲が筐体をキャッチ。噴出したオーラで姿勢を変えて、きりもみ回転しながらダモクレスごとアスファルトへと突っ込んだ。
 それが、とどめ。
「ピ……ピコピコオオオオオオオオオォォォォォォォ!!」
 地面に激突したダモクレスは、炎上爆散して動かなくなった。

●END
 修復と片づけが終わった街の通りは、先程の死闘が嘘のように綺麗な姿に変わっていた。きっとすぐに、普段の賑わいを取り戻すことだろう。
「あっ、警察とか消防には私が連絡しておいたよ!」
 笑顔でピースサインを送る緋色。これで8人は依頼を全て果たしたことになる。
 だが、彼らにはまだひとつ、大事な仕事が残っていた。
 ケルベロスとしてではなく、ゲームを遊んだプレイヤーとしての仕事が。
「コールちゃん、ちょいとそっち持ってくれる? はい1、2、の3」
 冥とエトヴィンは壊れた筐体を店内へと戻した。役目を終えた機械に、エトヴィンと冥が別れの言葉を送る。
「楽しかったよ、お疲れ様」
「ようやく幕が引けたね、おめでとう。俺はこれからも、曖昧に亡霊として彷徨うさ」
 そして、筐体の欠けたパーツを戻せるだけ戻し、汚れた箇所を丁寧にふき取って、化粧を施すソラネとアウレリア。
「貴方が動いていた時代を、想像することしか出来ませんが……少しでも、供養になれば」
「こういうゲームは大人も遊べるものと思ったけれど――いえ、やはり『子供』の遊具ね」
 傍に寄り添うビハインドを眺め、アウレリアは静かに目を伏せた。彼の元となった男性、そして、そのきょうだいと過ごした記憶をそっと記憶の箱にしまうように。
(「不躾な手に揺り起こされる事のない様、ゆっくりとお休みなさい。かつての『子供』達の夢の中で、貴方はきっと輝き続ける」)
 眠った子供に毛布をかける母親のように、そっと筐体にカバーをかけると、アウレリアは仲間と共に店を後にした。

作者:坂本ピエロギ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年6月30日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 0
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。