雪の灯りに

作者:崎田航輝

 夜の雪道に温かい灯りが光っている。
 それは小さな小さな雪の家。およそ百を超える、こぶりなかまくらだった。中に灯りを立てることで、広い雪の世界に幻想的な光の道を形成している。
 東北のこの街では、冬のごく短い期間にだけ、こうしてかまくらのライトアップが作られる。
 雪の冷たさと、ぼんやりとしつつも心地の良い灯りは、不思議な協奏をもって、幽玄な冬の時間を作り出していた。
 零下の中でも、この美しい光景を求めて、人の数は多い。賑やかに、また静かに。それぞれに写真を撮り、眺め、自分達の時間を過ごしていた。
 だが、そんな時。
 雪を踏みしめて、そこに現れた巨影があった。
「いい景色に、いい餌が沢山だ。こういうのを風流っていうんだろうな?」
 愉悦の声を漏らすそれは、巨剣を携えた大男。
 直後には目についた人間を無差別に切り裂き、殺戮していくエインヘリアルであった。
 一帯は混乱に見舞われ、悲鳴が飛び交い始める。そんな中、エインヘリアルはひとり楽しげに、剣を振り回し、殺戮を続けていった。
 雪の世界に血潮が飛び散り、命の灯火が消えていく。壊れたかまくらに光る茫洋とした灯りは、血溜まりで哄笑する巨躯の姿だけを照らしていた。

「集まっていただいてありがとうございます」
 イマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)はケルベロス達に説明を始めていた。
「本日は、エインヘリアルの出現が予知されたことを伝えさせてもらいますね」
 アスガルドで重罪を犯した犯罪者が、コギトエルゴスム化の刑罰から解き放たれ、地球に送り込まれている。以前から続くこの事件の新たな一件だとイマジネイターは語った。
 エインヘリアルは雪道に現れると、見境のない虐殺を開始するという。
 これを放置しておけば、相応の死者も出てしまうだろう言った。
「皆さんには、このエインヘリアルの撃破をお願いします」

 作戦詳細を、とイマジネイターは続ける。
「敵は、エインヘリアル1体。出現場所は、街の雪道です」
 建物の少ない平地で、この時期は一面に小さなかまくらが作られ、ライトアップされている。それを見に来た市民や観光客で、当日は人の数も多い状態だ。
 万全を期すために、これらの人々を事前に避難させておくといいと言った。
「今回は、敵の出現まである程度時間的猶予がある状態です。焦らず避難活動をしていただければ、その場の人を逃がすことは出来るでしょう」
 避難が済んだら、あとは待ち伏せて迎え撃って下さいと言った。
「エインヘリアルは雪道を北方からやってきます。市街の中心が南側なので、そこへたどり着かせないように、行く手を塞いで打ち倒してくださいね」
 では敵の戦闘力について説明を、とイマジネイターは続ける。
「剣を2本装備しています。ゾディアックソードに似た武器で、能力的にもそれに準じた技を使ってくると思っていいでしょう」
 各能力に気をつけてください、と言った。
「折角の綺麗な景色ですから。惨劇が起こらないよう、是非撃破を成功させてきてくださいね」
 イマジネイターはそう言葉を結んだ。


参加者
八代・社(ヴァンガード・e00037)
眞月・戒李(ストレイダンス・e00383)
スウ・ティー(爆弾魔・e01099)
朝倉・ほのか(フォーリングレイン・e01107)
リュートニア・ファーレン(紅氷の一閃・e02550)
チャールストン・ダニエルソン(グレイゴースト・e03596)
アーティラリィ・エレクセリア(闇を照らす日輪・e05574)

■リプレイ

●接敵
 雪道に降り立ったケルベロス達は、人波の中心で避難活動を開始していた。
「私達はケルベロスです。ここはもうすぐ戦場になります。速やかに建物内や別の場所に避難して下さい」
 周囲に声を響かせるのは、朝倉・ほのか(フォーリングレイン・e01107)。それが届くと、人々はどよめきながらも、退避を始めている。
 混乱が見られる場所では、スウ・ティー(爆弾魔・e01099)が落ち着けるように呼びかけていた。
「心配しなくても、敵はこっちで対処するからな。慌てずに行動してくれよ」
「ええ、怪我をしないように。南側にだけ逃げていてくださいね」
 さらに、チャールストン・ダニエルソン(グレイゴースト・e03596)も人々を先導。そのまま皆で誘導を続けると、段々と周囲から人波は引いていっていた。
「ほれほれ、ここから先は立ち入り禁止じゃぞ?」
 次いで、アーティラリィ・エレクセリア(闇を照らす日輪・e05574)はキープアウトテープを巡らせて、人払いに万全を期していく。
 それも終わる頃には、人の流入も抑えられ、一帯は無人となっていた。
 準備が万端となると、皆は頷き、北側へ移動。待ち伏せの態勢を取ることにする。
 途中、ふと風が吹くと、アーティラリィは頭のヒマワリを揺らしてふるると震えた。
「しかし、さ、寒い……。雪の日に外は堪えるのぅ……」
「そうですね。でも、綺麗な景色、です」
 応えたのはリュートニア・ファーレン(紅氷の一閃・e02550)。夜に灯るかまくらの光を見つめていた。
(「人はもちろんだけど、この景色も守りたい」)
 敵は、エインヘリアル。不安は消えない。だからそれを紛らわそうと、リュートニアはボクスドラゴンのクゥを抱きしめた。
「……がんばろうね、クゥ」
 クゥが鳴き声を返す。と、そこでスウが前方を見やった。
「やっこさん、来たみたいだぜ」
 その視線の先。夜の中から、1体の巨躯が現れてきていた。
 二刀を携え、獲物を探すエインヘリアルだ。
 皆はそれを機に、即座に接近。かまくらに近づけるまでもなく、広い雪道でその巨躯に立ちはだかっていた。
 エインヘリアルは、驚いて立ち止まる。
「何だ、お前ら……?」
「悪いけど。ここから先は立ち入り禁止だよ」
 言って見上げたのは、眞月・戒李(ストレイダンス・e00383)。猫のような瞳に、微かに鋭い色を滲ませた。
 巨躯は少し、片眉を上げる。
「立入禁止、だと?」
「おまえの時間はここまでだと、そう言っているんだ」
 そこへ、八代・社(ヴァンガード・e00037)が、言葉を返す。
 紫煙をくゆらせながら、既に脚に力を集中し始めていた。
「夜が明ける前に、眠らせてやる。かかってこい」
「……はっ、つまり、殺されに来たってことか。なら、都合がいいぜ!」
 エインヘリアルは、すぐさま好戦的な表情を浮かべる。そのまま、剣を掲げ走り込んできた。
 が、スウは焦らず間合いを取り、先ずは自身の体にグラビティを巡らせ、感覚を研ぎ澄ます。その表情には恐れも怯みもなく。ゆるりと帽子に一度手を当てていた。
「さぁて、それじゃあ──お仕事しますかね」
「ええ。戦いを、始めます」
 声を継ぐほのかは、平素の気弱な表情が、スイッチを入れたように鳴りを潜める。クールに告げられた言葉と同時、その手から放たれたのは炎を湛えた幻竜。それが飛来すると、爆炎を上げるように巨躯を熱で包み込んでいた。
 その間にレティシア・アークライト(月燈・e22396)はオウガメタル・oie sauvageを流動させている。
 輝くのは、洋墨の如き銀。煌めく粒子を一帯に拡散し、後方の知覚力を増幅していた。
「マスター、戒李さん。どうぞ後ろはお任せを」
「ありがと、レティ。さあヤシロ、行くよ!」
 瞬間、煌めきを纏った戒李は日本刀“銀弧・艶姫”で一閃、巨躯の足元を切り裂いていく。
 呼応した社も、頭上へ跳躍。体を翻し、強烈な縦回し蹴りを叩き込んでいた。
 エインヘリアルはふらつきながらも、剣を振るう。が、その攻撃はリュートニアが庇い受け、アーティラリィの眩いオーラが即座に傷を回復。
 直後にはチャールストンが跳弾で反撃をし、リュートニアもその場で羽ばたき回転。
「そう簡単に、やられませんっ!」
 刹那、炎を纏った蹴撃を打ち込み、エインヘリアルを大きく後退させていた。

●闘争
 エインヘリアルは体勢を崩しつつも、倒れずに踏みとどまっていた。
「成る程。お前ら、ケルベロスか……面白ぇ」
 そう声を零すその顔は、楽しげなもの。舌なめずりするように、剣を構え直していた。
「人間共より、楽しめる。まずはお前らの血で、雪を染めてやるよ」
「……いいえ、残念ですが、その景色を見ることはないでしょう」
 と、レティシアはそれに毅然と返していた。
「美しい白に、血の赤は似合いませんから」
「ええ、普通は『紅白』というとめでたいものなんですがね。雪の白と血の赤は水と油以上に相性が悪い──」
 声を継ぐチャールストンは、銀灰色のリボルバー≪Crime Kaiser≫に、素早く弾丸を詰める。
「そして、それ以上に悪いのが……我々とデウスエクスの関係ですかね。そのうちの一件をここで、解決してしまいましょう」
 瞬間、その銃口から六連のマズルフラッシュが瞬く。
 その射撃技『Takeover Target』は、詰めた全弾を連射するだけのシンプルな攻撃。だが、それ故の純粋な破壊力は、巨躯の腹部を穿って鮮血を噴き出させていた。
 呻くエインヘリアルは、それでも声を上げて切りかかってくる。
「……はっ、お前らの血で風流な景色を作れば、全部解決できるぜッ……!」
「風流、って言葉の意味を間違って覚えたらしいな、手前」
 と、その眼下に風のように迫る影がある。
 日本刀・缺月を下方に構える社だ。その刃に淡い魔力を篭めると一閃、社はすくい上げるような斬撃で、巨躯の足元から腹部までを深々と抉っていた。
「──そのまま地獄で勉強しなおしやがれ」
「勉強代も、もちろん支払ってもらうよ。その、命でね」
 連続して、戒李も言葉とともに肉迫。如意棒・散姫による苛烈な刺突で巨体を数メートル吹っ飛ばしていく。
 唸りを漏らすエインヘリアルは、反撃に、前衛へと氷波を放ってきた。
 それは嵐のような衝撃、だが、アーティラリィは怯まずその中で翼を広げていた。
「ふむ、相手にとって不足はないということじゃな。──それなら!」
 そこから煌めくのは、太陽の如き燦々と注ぐ光。暖かなそれは、辺りを包むとともに氷を融解させ、癒やしを運んでいた。
 次いで、レティシアは薔薇の香りを纏った真白の霧を生み出している。
「霧よ、恭しく応えよ。暁を纏いて、彼の者共を癒やし守護せよ──」
 その力は、『敬虔なる守護の庭』。細胞を活性化させる効能をもたらす霧は、前衛の仲間の傷を消していき、万全な状態にまで持ち直させていた。
 エインヘリアルはその間に此方に接近してくる。が、その横合いから、リュートニアの元から飛び立ったクゥが飛来。風の中に星がきらめくブレス攻撃を喰らわせていた。
 巨躯がそちらへ向くと、リュートニアはそこへ連続銃撃。血を飛散させ、大きく体勢を崩させた。
「ほのかさん、今です!」
「ええ。……この隙は、見逃さない」
 それと同時。応えたほのかが、後方から黒のリボルバー・影姫の銃口を向けていた。
 エインヘリアルは慌てて振り向こうとしてくるが、既に遅い。
「さあ、受けてください。──音を置き去りに」
 瞬間、ほのかは強烈な銃撃。発砲音が響く頃には、既に巨躯の背から鮮血が散っていた。
 膝をつくエインヘリアルは、それでもすぐに立ち上がろうとする。が、その眼前へ突如巨大な爆風が襲う。
 それはスウの配置していた、見えない爆弾だ。
「煩くて悪いね。おじさん仕事じゃこうでさ」
「がっ……!」
 煙を上げてよろめく巨躯。スウは間断を与えず、再び起動装置・Happyのスイッチを入れる。
「煩いついでに、もう一撃、いっておくかい」
 瞬間、炸裂したのは巨体の足元。噴き上げる爆炎に抗えず、エインヘリアルは派手に転倒していた。

●力
 雪片を払いながら、エインヘリアルはよろよろと起き上がる。
「ちっ……流石に弱ぇ人間とはわけが違うか……」
 口元の血を拭うその顔には、苦悶が滲む。毒づく声も憎らしげながら、どこか不思議そうな色もあった。
「……しかし、よくそんな力を発揮するもんだぜ。見ず知らずの人間を守るためによ……」
「あなたにも私達にも。無関係の人々だからこそ、毒牙にかけさせるわけには行かないんです。あなたにはきっと、わからないかもしれませんが」
 ほのかが静かに応えると、チャールストンもええ、と頷く。
「雪の灯りは消えてもまた点きますが……命の灯りはそうもいきませんからね。脅威があるのならこうして銃の一丁や二丁──手に取りますよ」
 刹那、チャールストンは発砲音を轟かせ、巨躯の剣に射撃。刀身に跳弾させて、脇腹へ全弾を貫通させた。
 唸りを漏らしながらも、エインヘリアルは退かず、剣を振り上げる。だがその刃に速度が乗る前に、戒李が素早く跳躍。刀で払うように動線を逸らしていた。
「遅いよ」
 瞬間、戒李は返す刀で袈裟に斬撃を打ち、巨躯の胸部に弧状の裂傷を刻みつける。
「さあ、ヤシロ」
「わかっているさ。冷たく、凍えろ」
 社も、その逆側から挟み込むように肉迫。刃に蒼い爍花を閃かせ、神速の剣閃を叩き込んで巨躯を足下から凍結させていた。
 地面に釘付けになったエインヘリアルは、それでもその場から、剣を振り下ろす。だが、その一撃は、滑り込んだクゥが防御して受けきっていた。
 ダメージ自体は浅くない。が、アーティラリィは治癒の力を生みながら、自信有りげに浮かび上がって、巨躯を見下ろしてみせていた。
「流石エインヘリアル、なかなかのものよのぅ……じゃが、余が倒れぬ限り終わりはせぬぞ?」
 言葉と同時、手元から陽光の如きオーラを生成し、クゥを即座に回復。
 次いで、リュートニアはリボルバーに『癒しの弾丸・改』を篭めていた。
「クゥ、待っててね。すぐに、回復するよ……!」
 瞬間、近距離からそれを射撃することで、クゥに治癒の力を浸透。内部から傷を消し去るようにして体力を癒やしきっていた。
「じゃあ、反撃と行くかね」
 と、巨体に疾駆していたのはスウ。折りたたみ式の赤槍・Loptrを伸ばすと、そこに爆雷を纏わせて強烈な刺突を打ち込んでいた。
「あらよっと!」
「ぐっ……!」
 腹を貫かれたエインヘリアルは、ふらつくように後退。するとそこへほのかも肉迫していた。
「アークライトさん、援護は任せます──」
「ええ、任せてください。いきますよ、ルーチェ」
 後方で応えたレティシアは、同時にウイングキャットのルーチェを飛び立たせる。
 そのままルーチェが左方からリング攻撃を浴びせると、レティシアは右方で、美しく流れるような所作で一回転。雪道にピンヒールのブーツでも淀みなく、星のオーラを蹴り出して巨躯に打撃を加えた。
 生まれた隙に、ほのかは日本刀・長門を抜刀し敵の剣を弾きあげる。
「──竜の吐息を」
 そのままがら空きになった巨躯の懐へ、手を伸ばして一撃。幻竜に業火を吐き出させ、巨体を焔で包み込んでいった。

●決着
 倒れ込んでいたエインヘリアルは、最早憎悪だけを頼りに立ち上がってきていた。
「……死んで、たまるか……折角自由になったんだぞ……ッ」
「残念ながら、アナタはまた牢の中に舞い戻りです。──但し今度は、誰も解放してくれない『死』という名の、凍てついた氷雪の如き牢獄の中ですがね」
 チャールストンは怯むでもなく、そこへ全弾発射で巨躯の四肢を撃ち抜いていく。
 同時、レティシアがオウガメタルの打撃で鎧を砕くと、リュートニアも燃え盛る蹴撃。連続で重いダメージを与えていた。
「このまま、一気に攻撃してくださいっ……!」
「うむ」
 リュートニアに応えたアーティラリィは周囲の熱を集め、それを光熱球に形成している。
「いくぞ、ほのか!」
「ええ、合わせます──畳み掛けましょう!」
 と、呼応したほのかは、高速の動きで疾駆。巨躯の背後から、狙いすました斬撃『暗の剣』を叩き込んでいた。
 そこへ、アーティラリィが『大日輪光炎弾』。熱球を飛ばし、眩い光の衝撃で巨体を包んだ。
「雪景色を、燃え種が煌々と照らす……それもまた風流じゃな?」
「ふざけ、るな……俺が見たいのは、血、だ……ッ」
 巨躯はよろめきつつも剣を握る。
 が、そこへスウが『悪神の狡知』。透明化した機雷を誘爆させ、エインヘリアルの全身を裂いていっていた。
「雪化粧に派手な血飛沫。これで満足かい」
 血を吐いて膝をつくエインヘリアル。その体は満身創痍だったが、最後まで朦朧と剣を振り回してきている。
「……まだ、だ……」
「いいや、もう終りだよ。お前の末路は、ボク達が決めるから」
 そう言った戒李は、社に目配せをし、『終息世界』を展開。エインヘリアルを自らの記憶で再現させた世界に閉じ込めていた。
 合図を受けた社は、戦闘挙動から変換・蓄積していた魔力を、両腕の魔術回路へ注ぐ。直後、それによって手と銃を魔術的に接続、白蒼の『砲塔』を成していた。
 その間、荒れ狂う暴虐の世界で敵が傷ついていけば、戒李はそっと目を閉じる。
「終息の時間だよ。この弾はこの世界と、君を壊すものだ」
「ああ、言った通り。てめえの行き先は、地獄だ!」
 刹那、社が『砲塔』から放つのは、流星の如き魔弾。
 戒李の横をすり抜けたそれは、あらゆる罪過を処断する応報の衝撃となって飛来。エインヘリアルを飲み込んで、跡形もなく消滅させた。

 戦闘後、皆は周囲をヒールした。
 かまくらは全て無事で、傷ついた場所も少なかったため、その作業もすぐに済む。スウは美しさを取り戻した雪道を見回した。
「修復作業はこんなもんかねぇ」
「ええ、これで、一般の方々も安心して景色を楽しめるでしょう」
 レティシアも言うと、アーティラリィはかまくらの方へ歩く。
「さて、折角じゃし、ライトアップされたかまくらを見て回ろうかのぅ」
 皆もそれぞれに頷き、夜に灯るそれらを鑑賞し始める。
 チャールストンも一服しながら景色を見ることにしていた。静かな光景を味わうように視線を巡らせる。
「昔から『雪と静寂は友人同士』とも言いますからね。積もる雪が全ての音を吸い取るような……そんな感じでしょうか」
 そして、揺れる炎が一層幻想的な世界を構築する景色。
「これこそが風流というものですよ」
 チャールストンは堪能するように呟く。
 その内に人々も戻り始め、沢山の人々が風景を楽しみはじめる。
 チャールストンはその間も、この贅沢な時間を満喫するように。暫しかまくらと灯りを眺めていた。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年1月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 0
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