南瓜爆車大阪の陣~パンプキンパレード

作者:つじ

●走る南瓜花火
 訪れた10月の終わり、町はハロウィンの色に染まっていた。
 商店街の店先にはオレンジと黒を基調にした商品が並び、ショーウインドウにはカボチャやコウモリが飾り付けられ、景色に彩りを添えている。
 仮装した人々、そしてそれぞれの店の店員達の行き交うアーケード。そして明るく賑わうそこを、『それ』が勢いよく駆け抜けていった。
「何あれ、商店街のイベント?」
「すげー勢いだったな」
 それを見かけた人々の目には、神輿かなにか、ハロウィンイベントの一環に映ったようだ。燃え上がる車輪で地面を蹴り立て、火花を散らして角を回ったそれは、大きな南瓜の形をしていた。
 童話にあるカボチャの馬車ならぬ、南瓜の爆車。
 街を俯瞰する者が居れば、それと同じものをいくつも発見できただろう。
 一様に街を駆けるそのカボチャ達は、ある時刻になれば一斉に爆発する。今、それに気付いているのは――。

●追走劇
「皆さん聞いてください! またドリームイーターの魔女達が動き出しましたよ!」
 ハンドスピーカーを手に、白鳥沢・慧斗(オラトリオのヘリオライダー・en0250)がケルベロス達に呼びかける。対象とされたらしい大阪市には、現在多数の攻性植物、『南瓜の爆車』がすごい勢いで暴走しているらしい。
「市内全域でみれば、100を超える数が存在していると思われます。色々と事故が起こっていて大変なのですが、本当にまずいのはこの後なのです!」
 無軌道に走り回る南瓜の爆車は、10月31日の深夜12時に自爆して、集めた魔力を主に送るという役割を担っているらしい。首謀者はパッチワークの魔女に新たに加わった、ヘスペリデス・アバターというドリームイーターだ。
 ヘスペリデス・アバターは、カンギ戦士団に加わった第11の魔女・ヘスペリデスの力を受け継いでいる可能性が高く、今回の事件もその力を使っているのだろう。
「皆さんには市内の巡回をお願いしたいと思います。南瓜の爆車を、一体でも多く撃破してください!
 それと首謀者、ヘスペリデス・アバターは最終的に力を得るため、市内に潜伏していると思われます。可能でしたらこちらも発見し、引導を渡してやってください!!」
 走り回る『南瓜の爆車』達は、ハロウィンに関わりがある場所を通る事が多いようだ。また、それ以外の場所でも移動中のものを発見できるだろう。単体としての戦闘力はさして高くないため、見つけた敵を倒しながら巡回を続ける流れになるだろう。
「それから、携帯電話の電源は入れておいてください。市民からの目撃情報があれば、随時付近のチームに連絡が入るようになっています!」
 とはいえ、敵は常に移動している。通報受けてから駆け付けるのでは間に合わない可能性も高いので、それに頼り切るのはあまりいい手とは言えないだろう。
「なお、少人数で活動をつづけた場合、付近の南瓜の爆車が集まって少人数のケルベロスを戦闘不能に追い込もうと動く可能性があります! 手分けしたい気持ちはわかるのですが、こちらの8名でのチーム行動を推奨します!!」
 何にせよ、街中を時限爆弾が走り回っている現状は看過できない。決意を固めたケルベロス達を、慧斗はヘリオンへと案内した。


参加者
リリィエル・クロノワール(夜纏う刃・e00028)
シェリアク・シュテルン(エターナル主夫・e01122)
狗上・士浪(天狼・e01564)
天目・宗玄(一目連・e18326)
ヴォルフラム・アルトマイア(ラストスタンド・e20318)
サロメ・シャノワーヌ(ラフェームイデアーレ・e23957)
一瀬・栞里(博学篤志・e27796)
天原・俊輝(偽りの銀・e28879)

■リプレイ

●舞台に上がる
 巷がハロウィンで賑わい始める時間帯、ケルベロスの一団が通天閣の足元に到着した。
「毎年この時期になると暴れ出すな……風物詩、と呼ぶには些か物騒ではあるか」
 ドリームイーターの標的とされた市街の様子を探るようにして、天目・宗玄(一目連・e18326)が呟く。ヘリオライダーの余地の通りならば、これから騒がしくなるだろう。街中を走り回る『南瓜の爆車』の排除が、宗玄達の任務となる。
「ハロウィンはもともと収穫祭だったと聞きますが……」
「全く、はた迷惑な話ですね」
 一瀬・栞里(博学篤志・e27796)、そして天原・俊輝(偽りの銀・e28879)もまた、溜息を一つ。皮肉なことに今年はカボチャが豊作である。なにしろ件の『爆車』は百を超えるというのだから。
「まぁ、リア充のイベントと言えども本当に爆破させるわけにはいかん」
 そうなれば大惨事、他人事と笑っていられる状態ではないだろう。シェリアク・シュテルン(エターナル主夫・e01122)は確かめるように一度翼を振り、空へと舞い上がった。
「南瓜も大事だが、大元もぶっ潰しておきてぇよな」
 双眼鏡を下へ、上へと動かしつつ、狗上・士浪(天狼・e01564)がそう口にする。こんな事態を繰り返させないためにも、首謀者を叩くのは間違ったことではないだろう。
「そうね、無事見つけられると良いのだけど」
「ああ……つっても、簡単じゃあなさそうだが」
 リリィエル・クロノワール(夜纏う刃・e00028)の言葉に、士狼が頷く。一行が狙うのはこの状況の首謀者、ヘスペリデス・アバターの首だ。この状況を利用するため、市内に居る事は間違いないはずだが……。
「ああ、早速お出ましだね」
 通りの向こうから突っ走ってくるカボチャを発見し、サロメ・シャノワーヌ(ラフェームイデアーレ・e23957)が言う。優先目標である首魁とは違う、3ケタを数える個体の内1つに過ぎない存在だが。
「放っておくわけにもいかないだろう。追うよ」
 ヴォルフラム・アルトマイア(ラストスタンド・e20318)は、ビハインドのアレクを従え、翼を広げた。
 ケルベロス達の存在を察したか、南瓜の爆車が火花を散らして角を曲がる。大通りから外れ、敵対者の視界から消える形だが。
「残念だが、そこまでだ」
 建物を飛び越えたヴォルフラムがその前方に着地し、バスターライフルの引き金を引く。命中した光弾は、敵の武器にもなる車輪の動きを鈍らせていく。
「まずは動きを止めないと、ですね」
 そこに跳び来た栞里が情報からエアシューズを叩き込む。狙い済ました一撃に体勢を崩し、南瓜の爆車がスピン。傍らのビルに一度衝突しながらも、再度加速して栞里へと突撃をかける。
 その動きを抑え込んだのは、オウガメタルを展開したサロメだった。
「お姫様は乗せていないのかな? 残念だね」
 中身を覗き込むようにして軽口を叩き、一考。自らの活性化状態を吟味し、手袋を擦らせ指を鳴らす。地面が弾け、味方を鼓舞する爆煙が路地を包んだ。
 その間に、方向を変えた南瓜の爆車がまた地面を蹴って走り出すが。
「生きのいいカボチャだな。んじゃ、まずはガッチリ構えとくか」
 煙を越えて立ち塞がった士浪の身から、練り上げられた氣が溢れ出す。
「纏え……!」
 鎧錬憑依法、そして俊輝の展開したヒールドローンが、前衛を担う者達に『鎧』を与えていった。
「急ぐのは分かりますが……暴走もここで終わりです」
 俊輝の言葉に、リリィエルの振るう刃の切っ先が続く。
 ――こうして、ケルベロス達の長い一日が幕を開けた。

●探索行
「全力でいきますよ!」
 大通りを逃げようとしていた南瓜の爆車の車輪を、栞里の手にしたグレイブが貫く。弱点狙撃、見事に片輪を持っていかれた爆車は、加速した勢いのまま派手にひっくり返り、地面を転がる。
「燃えちまえ!」
 向かってきたそれを士浪が靴裏で受け止め、炎を纏ったエアシューズの車輪で擦り潰した。
「見事なものだね」
「三体目ともなれば、これくらいは!」
 サロメの賞賛に、敵の動きを読んだ一撃を放った栞里が胸を張る。南瓜の爆車に対する動きについては、ケルベロス達も徐々に習熟しつつあった。が。
「しっかし、どこに隠れてんだ首謀者は……」
 返り血的なもので黄色く染まったエアシューズを振りつつ、士狼が不満気に言う。そう、探していたヘスペリデス・アバターは現状も見つからないままで。
「無事終わったわ。皆さん、ご協力ありがとう」
 ラブフェロモンを振り撒いて誘導していた民間人に、リリィエルが手を振って見せる。人通りが増えているのも当然で、捜索と戦闘の流れの中、彼等は通天閣から北上、ハロウィンセールで賑わう複合商業施設に差し掛かりつつあった。
「ヘスペリデスは大阪城に居る攻性植物の一味だったが、アバターの方はどうなのか」
「どうでしょうね。あの爆車達は植物由来のものに見えますが」
 シェリアクと俊輝の考察も、今は捜索の方針に繋がらない。
「あんまり良い情報は得られなかったわ」
 民間人を見送るついでに聞き込みを行っていたリリィエルも話に加わる。悪戯っぽい笑みを浮かべた彼女は、もう一つの成果に言及した。
「でもねぇ、穴場のお店はいくつか聞けたわよ?」
「ああ、それは良いな」
「良くはねぇけどよ」
 頷くヴォルフラムに、士浪が渋面を浮かべる。
「そうは言うがな士浪。そっちも面白そうな店ばかり見つけていないか」
「あー……」
 彼のマッピングにより書き加えられた情報は、何かその手のガイドブックの様相を呈し始めている。ぶらり再発見はその効果を最大限に発揮していた。だがそうではない。そうではないのだ。さらに眉根に皺が寄った士浪に、とりなす様にサロメが口を開く。
「良いじゃないか。元々こちらの方角に向かう予定だったろう?」
「そういえば宗玄君もこっちの方に来たがっていたわね」
「意外だな、賑やかな場所が好みか」
「いや、むしろ人が多い場所は苦手なんだが……」
 リリィエルとヴォルフラムの問いに、宗玄が答える。弱音を吐いていられない状況なのは、当然承知していると付け加えて。
「昨年、ヘスペリデスはハロウィンを狙った。ならばこの『アバター』も、ハロウィンに関係する場所に居るのではと思ってな」
「なるほど、一理あるか……?」
 士狼が地図を再確認し始めた直後、少し離れた場所の人ごみにざわめきが生じる。
「――ああ、どうやらこっちに向かっているようですね」
 片目を閉じて、アイズフォンに転がり込んだ情報を俊輝が読み上げる。
 市民からの通報、聞こえるざわめきから明らかなように、どうやら一番近いのはこのチームのようだ。
「そこで間違いないようだ。手早く仕留めよう」
「悪い南瓜は退治しないとね!」
 シェリアクが地図アプリを開いていた携帯を仕舞い、拳を握り締めた栞里が駆け出す。
「はーい、ちょっと道を開けてもらえるかしらー?」
 リリィエルが再度ラブフェロモンを振り撒いて、ケルベロス達は次の仕事へと取り掛かった。

●長期戦
 激しい擦過音と共に駆ける爆車が、車輪から複数の火の玉を放つ。揺らめくそれは狙いを外したか、ケルベロスではなく、付近に居た市民へと向かっていった。
 逃げ遅れたその女性の前に、舞い降りたのは金の輝き。サロメと、彼女の従えたテレビウム、ステイがそれらを全て叩き落とした。
「お嬢さん、怪我はないかい?」
「あ、ありがとうございます」
 輝く笑みで女性を戦域外へと導く彼女を見送り、リリィエルが前へ。
「あらあら、負けてられないわねぇ」
 抜き放った刃と、それを操る身体は水の如く流麗に。剣舞『潮騒の唄』が爆車に幾つもの傷を刻んだ。
「アレクも、周りに被害を出さないように」
「美雨、やれますね?」
 主に従い、味方を庇うべく動くアレクの後方から、美雨が敵を狙って金縛り状態に持ち込む。
「もう、外しませんよ」
 不具合を起こしたように速度をよろめた南瓜の爆車を、栞里の黒影弾が撃ち抜いた。
 人通りの多い場所から、裏に回った路地へ、捜索を兼ねて移動しながら、ケルベロス達は遭遇する爆車達を逐次迎撃していく。
「おら、そっちに行くんじゃねぇ!」
「我が手で凍り付くが良い」
 爆車の進路を、士浪が身体を張って妨害し、その間にシェリアクが大器晩成撃を打ち込む。
 重ねられた氷が車輪の回りを鈍らせたのを契機とし、宗玄が斬霊刀、星流れを手に踏み込んだ。
「一歩決殺――」
 蹴った地面と、刀を納めた鞘が爆ぜる。地獄の炎の名残だけを残し、宗玄の姿が掻き消えた。
「断ち斬る」
 焚骨砕神。神速の一刀は走る爆車をも追い抜く。鍔鳴りの音を響かせる宗玄の後ろで、両断された南瓜の爆車が左右別々に倒れた。
「さすがね、やっぱり『作る』だけじゃなくて『使う』方もいけるじゃない?」
「なに、この程度では一流には届くまい」
 刀鍛冶としての一面を知るリリィエルの言葉に、宗玄が首を横に振る。一方で、シェリアクは消え行く敵を見届けていた。
「これで6、いや7か?」
「結構時間も経ちましたね。そろそろ方針を切り替えた方が良いかも知れません」
 時計に目をやり、栞里がそう付け加える。事実、ヘリオライダーからの依頼としては中々の長丁場になっていた。状況としてはダンジョン攻略に近いだろうか、幸い敵は強くないものの、蓄積する疲労は軽視できない。
 というか、何よりも。
「お昼ごはん、食べてませんね……」
「完全にタイミング逃したな……」
 栞里の言葉に士浪が頷く。捜索と市民が居る状態での戦闘、気を張るべき状況が続いた結果がこれである。
 そんな中、ぽりぽりと軽やかな音を立てる者が一人。
「サロメ……どうしたんだ、それ」
「クッキーだよ。さっきの子が、良ければ食べてくださいって」
「ああ、先程の戦闘の、か」
 そういえば巻き込まれそうになった女性を庇っていたな、とヴォルフラムが思い至る。リリィエルもそれを思い出したようで。
「相変わらず罪作りというか……」
「抜け目ないわねぇ……」
 言いつつ、市販品らしい個包装のクッキーに手を伸ばした。
「皆も食べると良いよ」
 休める内に、とサロメが配ったそれを、俊輝も受け取る。
 ハロウィンをイメージしているのかコウモリ型のそれに、気付けば美雨が興味を向けている。ハロウィン、何かあっただろうかと記憶に手を伸ばしかけたその時、宗玄が片目を瞑った。アイズフォンだ。
「うむ、腹ごしらえも大事だが、次の通報だ。少し離れた場所になるが……」
 とはいえ、一番近いのがこのメンバーであることに変わりはない。
 ヘスペリデス・アバターの捜索を切り上げるわけではないが、『南瓜の爆車をより多く撃破する事』に自然と優先順位を映し、ケルベロス達は心斎橋方面へと足を伸ばした。

●パレードの終わり
「発見した。この先だ」
 低空飛行していたヴォルフラムが、仲間達に声をかけ、心構えをさせる。訪れた通りには左右に商店が立ち並び、ハロウィン関係のお菓子や雑貨が、出店のような形で店先に並んでいた。
 人々は状況を察してそれぞれの店に避難したか、長く続く直線の真ん中を、既に見慣れた形、南瓜の爆車が走ってきている。
「迎撃するよ。危険だから私の後ろに」
「これはこれは、頼もしいね」
 舞い降りたヴォルフラムの前に、サロメが立つ。勢いを付けた敵の突進に、黒いスーツの上に表れたオウガメタルが揺れる。
「手を貸そう」
 一歩でそこに並んだ宗玄が、両手に握った斬霊刀で南瓜の爆車に斬りつける。平行に走った傷が、敵を押し戻した。
 が、その直後。路地から駆け抜けてきたオレンジ色の影が、店先の屋台を叩き壊して姿を見せる。
「新手か!」
「――はッ、今までが上手く行き過ぎてたって事だろ?」
 一瞬、浮かんでしまった驚愕と緊張を士浪が皮肉気に笑い飛ばす。『魔女』を相手取るつもりで来たのだ、たかがカボチャが一つ増えた程度。
「そうね、このくらいは――」
 軽く超えて見せる、そう応じ、リリィエルが流水の如き斬撃で二体を同時に切り払う。その間に、士浪が鎧錬憑依法で体勢を整えた。
「我はあちらを引き付けよう」
「ああ、私も手伝おう」
 鉄塊剣を手にしたシェリアクの言葉に、ヴォルフラムも頷いて返す。同時に現れた敵に即座に対応し、ケルベロス達は爆車二体を追い込んでいく。
 サロメの手による爆破スイッチの煙を抜けて、栞里が稲妻の如く刺突を放つ。その傷を決定打に繋げるべく――。
「我が深淵なる術の極み――」
 積み重ねられた知恵と技術が、シェリアクの両手から一つの作品を作り出す。材料は、爆車登場時にぶちまけられたハロウィンのお菓子たち。既に完成品たるそれらも、アレンジとデコレーションで新たな形へと生まれ変わった。
「その五感でとくと味わうがいい!」
 死の芳香。輝かしいハロウィンデザートがシェリアクの手によって作り上げられ、その色彩が、香りが、敵の五感に訴える。
 所謂飯テロ攻撃に、爆車の片方が進行方向を直角に変えた。
 基準はいまいちわからないが、どうやらその爆車にとってクリティカルな出来栄えだったらしい。
「食欲とかあんのかよ南瓜風情が!!」
 タイヤを軋ませて曲がったそこには、士浪の構えた砲口が待っていた。放たれた轟竜砲に、その個体は吹き飛ばされ、綺麗にひっくり返って消えた。
「そろそろとどめといきましょう」
 ポルターガイスト。美雨の巻きあげたお菓子のが驟雨のように敵を打ち付ける合間に、俊輝のフォートレスキャノンがカボチャの表面に風穴を開ける。
 宗玄とリリィエルが続く斬撃で傷口を広げ、最後にヴォルフラムの放った蹴撃、光のオーラを纏ったそれを受け、敵は力尽きた。

 敵は消え去り、最後に残ったのは、シェリアクの作り上げた料理のみ。材料は買い取れば良いとして、果たしてこれをどうするべきか。
 傍で漏れなく飯テロ効果を喰らってしまった一同の視線が絡む。
「……」
「……」
「あ、皆さん、任務完了のようです!」
 何とも言えない沈黙を打ち破り、栞里が一同にそう告げる。日没にも至っていない時間ではあるが、ケルベロス達の尽力により南瓜の爆車は全数が撃破され、途中表れたヘスペリデス・アバターもまた居合わせた者達に仕留められたという。
 現れた場所が、最初に捜索した通天閣だというのがどうにも皮肉な話だが……。
「これで事件は解決、か」
「時間は、まだまだあるね。皆でハロウィンを楽しもう」
 ヴォルフラムの言葉にサロメも頷く。
「いや、俺は人ごみは――」
「良いじゃない、打ち上げみたいなものよ」
 リリィエルが宗玄の背を押して、一同は戦場から各々の居場所へと帰っていった。
 取り戻した一時の平穏の中、ハロウィンの夜が更けていく。

作者:つじ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年10月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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