ジューンブライドこそ至高!

作者:なちゅい

●6月の花嫁
 6月。
 ヨーロッパなどにおいては、この時期は比較的晴天である日が多いこと。農作などに当たって比較的落ち着く時期であること。そして、ローマ神話のユノが結婚生活の守護神であり、6月1日にその祭礼が行われていたことなどがあり、この時期に挙式する人が多かったとされる。6月を意味する「June」もこのユノから由来しているのだとか。
 日本では、梅雨の時期としてのイメージが強い時期。
 ジューンブライドの考え方が日本に持ち込まれたのは、50年ほど前のこと。ブライダル関連の業界が挙式の少ないこの時期を盛り上げる為に行った施策が始まりとされる。
 だが、ビルシャナとなった山根・莉沙にとって、日本での事情など正直どうでもいい。
「西洋の風潮に合わせて、6月に挙式。素晴らしいことだと思わないかしら」
 この場の女性達は、うんうんと頷く。下は中学生から、上は社会人。いずれも若い女性達だ。
「結婚っていいなぁ……」
「私も幸せになりたい」
 幸せを願う女性達。ビルシャナとてそれは同じだが、ある意味で女性達のその心を利用している。
「幸せになれるのならば、それに越したことはないわ」
 腕に生える羽毛をバサッと翻し、彼女は街へと出向く。
「皆を幸せに。その為に、ジューンブライドの素晴らしさを人々に伝えねばならないわ」
 その山根の主張に、この場の女性達は拍手し、出かける彼女を見送るのだった。

 とあるビルにて。
 その日もまた結婚式がおこなわれ、一組の男女が結ばれる。その後、彼らは結婚披露宴を行っていたようだ。
「こういうのを見ていると、ボクもいつかはって思ってしまうね」
 ヘリポートへとケルベロスを誘導するリーゼリット・クローナ(ほんわかヘリオライダー・en0039)。彼女の言葉に、ケルベロス達の意見は様々。それらを耳にしつつ、一団はヘリポートへと到着する。
 皆それぞれ、話を聞く態勢がとれたところで、弘前・仁王(魂のざわめき・e02120)が口を開く。
「6月の花嫁こそ至高……。そう主張する明王が出現するようですね」
 仁王の言葉に、リーゼリットは頷き、説明を開始する。
 鎌倉奪還戦の際に、ビルシャナ大菩薩から飛び去った光の影響で、悟りを開いてビルシャナになってしまう人間が後を立たない。今回のビルシャナもその1人だ。
「ビルシャナとなった女性が布教しているところに乗り込んで、この女性を撃破してほしいんだ」
 ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、放っておくと一般人は配下になってしまう。現場到着時には、10人ほどの少女や女性が信者となりかけてしまっているようだ。
「ビルシャナの主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が配下になる事を防ぐことができるかもしれないよ」
 信者となり果てた人々の目を覚まさせるのは簡単ではない。ただ、説得ができなければ、この女性達はビルシャナ撃破までビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦いに参加する。配下が多いと戦闘で不利になる為、できるなら事前に説得しておきたいところだ。
 今回討伐すべきビルシャナは、山根・莉沙。某ショップ店員として働く20代の女性だ。
「昼間、宮城県仙台市市内の結婚式場周辺に現れるビルシャナは道行く人へと6月の花嫁について語り、信者の取り込みを図っているよ」
 ターゲットは未婚女性で、ローティーンから20代前半の女性が多い。ケルベロスの到着時には10人ほどにまで増えてしまっており、ビルシャナは彼女達を自らの教義に同調させている。
「ビルシャナの教義に共感できない人達は、この場から離れているようだよ」
 ビルシャナは自身の主張に意を唱える相手に対して、経文、閃光といった手段で襲い掛かってくる。時に、光を発して自身や信者の体力を回復することもあるらしい。
 また、戦いが始まるまでに説得できなかった信者は、ビルシャナを守ろうと動いてくる。この地点で残っていた信者は倒してしまう他ないので、予め認識しておきたい。
 説明も終わり、リーゼリットはヘリオンの離陸準備へと向かうが、その前に彼女は一言呟く。
「ジューンブライド……か」
 確かに、この時期に結婚すれば、幸せになれるという話はあるが。現代人のライフスタイルを考えるに、それは必ずしも正しいと言えるのだろうか。リーゼリットはそんな疑問を投げかける。
「でも、やっぱり幸せになれるなら、それにすがりたい気持ちはわかるな」
 ――皆はどう考える?
 リーゼリットは、参戦するケルベロス達へと最後にそう問いかけたのだった。


参加者
キーラ・ヘザーリンク(幻想のオニキス・e00080)
シィカ・セィカ(デッドオアライブ・e00612)
アイン・オルキス(誇りの帆を上げて・e00841)
ウォーグ・レイヘリオス(山吹の竜騎を継ぐもの・e01045)
アーティラリィ・エレクセリア(闇を照らす日輪・e05574)
ウェイン・デッカード(鋼鉄殲機・e22756)
猫夜敷・愛楽礼(吼える詩声・e31454)
弐番堂・むささき(紫電の歯車・e31876)

■リプレイ

●ビルシャナ対処に当たって……
 現場に向かうヘリオン。
 今回はビルシャナが相手と言うことで、メンバー達はやや呆れ顔で語り合う。
「ビルシャナ相手はいつもながら、難儀な事じゃなぁ……」
 頭に燦然と咲かせたヒマワリの花を揺らす、小柄なアーティラリィ・エレクセリア(闇を照らす日輪・e05574)。ジューンブライドに夢を持つのはよくあることと、彼女も考えはするのだが、果たしてどう対処したらよいものか。
「ウォーグさん、ウォーグさん! ウォーグさんもウェディングドレス着たりしたいデス?」
 シィカ・セィカ(デッドオアライブ・e00612)が無邪気に気心知れた同じ旅団「NoblesseTreize」のメンバー、ウォーグ・レイヘリオス(山吹の竜騎を継ぐもの・e01045)に問いかけると、そのウォーグは嘆息してしまっていた。
 赤いコートに黒いブーツという出で立ちの弐番堂・むささき(紫電の歯車・e31876)はウォーグの顔を見つつ、ちょっと違うなと唸る。むささきはビルシャナに同調させられた女性達を説得する為に予め、悲恋モノのドラマで女性の役者が悲しい時にする表情を研究していたのだ。
 ビルシャナの教義は、「ジューンブライドが至高」だと言う。思い込みで、幸せにはなれるのかもしれないが……。
「だが、思い込みが醒めた後から見えるものに、幸せは映っているだろうか」
 半人半機のアイン・オルキス(誇りの帆を上げて・e00841)に、結婚願望はない。……もとい、元々興味すら持っていないが、彼女はふと、それが気になっていた。
「どんな形式の結婚が至高かなどと、本来決められないものですが」
 腰まで伸びたストレートの銀髪を揺らし、ミステリアスな雰囲気を抱かせるキーラ・ヘザーリンク(幻想のオニキス・e00080)。どうやら、現場に到着したらしく、キーラは仲間と共に立ち上がる。
「ともあれ、なんとかしませんと」
 降下直前、彼女の言葉に仲間達は皆頷き合うのだった。

●ジューンブライドは必ずしも……
 ケルベロス一行が降下したのは、宮城県仙台市。
 その結婚式場の前で、ビルシャナと成り果てた女性、山根・莉沙が教義を語っていた。
「幸せになる為に、ジューンブライドを……!」
「結婚したい!」
「私も幸せになりたい……」
 ビルシャナの主張に合わせ、教義に同調してしまった13人もの若い女性達も銘々に声を上げる。
 ともあれ、女性達の目を覚まさせねばならない。ケルベロス達はビルシャナを止めるべく、その場へと介入していく。
「お前達は、始まりしか見えてないのか?」
 妄信に捉われた女性達へ、アインは言い放つ。
 人生はまだ何十年もある。結婚式だけで人生が終わるわけがない。
「お前らみたいな輩は大勢いるぞ」
 しまいには、「こんなはずじゃなかった」「幸せになりたかっただけなのに」と呟く暗い女が……。
 そんなアインの訴えに、女性達は戦慄する。
「お前達もこうはなりたくなかろう」
 今日は帰って考え直せと促すアインだが、ビルシャナは黙って見てはいない。
「考えずともいいのよ。幸せになれるのだから」
 ビルシャナが語る教義に、女性達は再び強制的に同調させられてしまう。
 そんな6月の花嫁に憧れる女性達へ、今度は小柄なアーティラリィが胸を張り、説得を試みる。
「そもそも、なぜジューンブライドが良いのか、知っておるか?」
 一つには、女神の祝福があるという。由来となったヘラはゼウスも恐れる恐妻家。これはこれで、家庭を守るという意味合いも含まれてはいるのだがと、アーティラリィは語る。
「日本人は主に仏教やキリスト教だと思っていたけれど、違ったかな」
 今回参戦メンバーの中で唯一の男性、マフラーが特徴的なウェイン・デッカード(鋼鉄殲機・e22756)。ジューンブライドの語源はローマの神々。あやかりたいならローマ人にならなければ、意味はないのでは女性達を諭す。
「幾ら八百万の神様がいても、余所の神様だしね」
「世の結婚式には、神前式もあることはご存知でしょう」
 次に、キーラが落ち着いた態度で進み出た。
 ジューンブライドとはウェインが離す通り、西洋の神話が由来となったもの。対して、神前式は神社で行う結婚式のことを指す。
「宗教の異なる神前式においても、6月の結婚は果たして素晴らしいものでしょうか?」
「それじゃ、なんでジューンブライドがもてはやされているのよ!?」
 ビルシャナがそこで大声を上げる。論破はもう一息といったところ。
「もう一つは、6月はヨーロッパだと一番雨の降らない時期だからじゃ」
 アーティラリィがさらに、持論を続ける。折角のウェディングドレスの晴れ舞台だ。誰しもが晴天の日に挙式したいと考えるはず。
「6月は、日本では梅雨の時期です」
 そこで、合いの手をキーラが入れた。
 気候の予測がしにくい時期では、偶然大雨の日に式がぶつかる可能性も高くなってしまう。花嫁を含めた来賓は皆、雨の中晴れ着という事態となりやすい。
「それでも、縁起がいいと言えるのかのぅ?」
「誰しも、晴れやかな陽気の中で執り行われる式の方が、洋々たる前途を感じることができるのではないですか?」
 アーティラリィ、キーラの後に、大きくポニーテールを揺らすシィカが大きく両手を振り上げて飛び込んでくる。
「やっぱり、結婚式みたいなロックなイベントは、お日様がきらーんってしている時のがいいに決まってるデース!」
 梅雨の結婚式など、雨なんかでジメジメーなイメージはないかとシィカは女性達に尋ねる。外には出られないし、ドレスも湿気でべとべとして不快だし、何より傷んでしまう。
「その点、クリスマスとかにやったりすると、ロマンチックで記念日って感じがしそうデス!」
 ハイテンションに叫ぶシィカの意見に、賛同する女性の姿はちらほらいる。
 雪の中、聖夜の結婚式。それもまたムードがあり、若い女性達は思わずうっとりとしてしまう。
「つまり、ジューンブライドにもいい点があったりかもするデスが、唯一無二の至高とかはありませーんってことデス! ロック的に!!」
 どーん!
 そんなシィカの言葉は、確実に女性達の心を揺さぶる。
「そ、そんなこと……」
 ビルシャナが反論の言葉を考える間、さらにウェインが自身の面倒を見てくれる女性の一言をそのまま女性達へ伝えていく。
『いつ結婚しようが、お互いがお互いをちゃんと理解しあっているなら、何月に結婚したって関係ないのですよー』
「……僕もそれが正しいと思う」
 ふわっとしたイメージだが、ウェインはそれに共感していて。
 それに、君達は、幸せになれなかった時の言い訳が欲しいだけではないのかと、嗜めるように彼は言う。
「幸せは神様から貰うものじゃない。自分で掴むものだよ」
 優しげ眼差しで語るウェインの言葉に、やや子供っぽくはあるが、女性達も彼に好感を抱いていたようだ。
「ジューンブライド……ロマンチックですよね!」
 エスキモードッグの獣人少女、猫夜敷・愛楽礼(吼える詩声・e31454)もちょっといいなーと思ってはいるものの、それが一番なのかと考えて彼女は調べてきたとのこと。
「日本にも、大安、一粒万倍日、天赦日……こんな日があります」
 大安は大いに安し、何事においても吉。
 一粒万倍日は幸運を一万倍にする日。
 さらに天赦日は、どんな事でも神様が赦してくれる最高の吉日と、愛楽礼はどんどん声を大にして。
「しかもこれらは、それぞれ重なりもします!」
 例えば、もうすぐの7月6日は、天赦日と大安が重なる日、倍プッシュである。
 ラッキーにラッキー。幸運に祝福を重ねる。そんな日を狙えばと、ポーカーフェイスな愛楽礼は耳は尻尾をピコピコと動かしつつ、語気を強めていく。
「ジューンブライド以上の縁起の良い日に結婚する事だって、できるはずです!」
 こうして語っていると、セールスの売り込み文句を喋っている気分になってしまう愛楽礼である。
 また、ウォーグは別の方面から、女性達を説いていた。
 結婚は女性にとって、幸せの一つ。ジューンブライドもゲン担ぎとしては良いだろう。
「しかし、あなた達は幻想を抱いている! 『ジューンブライドに結婚すれば幸せになれる』? 6月に結婚できれば、相手は誰でもよいのですか?」
 力強く語るウォーグ。結婚には、お金等の現実的な要素もあれば、愛だって必要だ。
「それもなしに、生活も出来ないような懐事情の、愛を持てぬ相手と結婚することになったとして、あなた達は本当に幸せになれるのですか!?」
 ウォーグの問いかけに、成人した女性達が戸惑う。ローティーンな少女にはまだ実感はないが、女性達は皆、円満な結婚生活というのに憧れているはずだ。
「私も幸せになれると思っていたわ」
 そこで、むささきが女性達にむけて涙を流す。
 事前にみっちりとドラマを見てきた成果。さらに、目薬も差したむささきはさめざめとした様子を装って語り始める。
「6月だからって、幸せになれる訳じゃない」
 なんでも、1年前にジューンブライドで結婚式を行ったが、先月駆け落ちされたとのこと。
 そして、むささきは手近な少女の服を握って、悲恋の感情を見せ付ける。
「人を見極めなきゃ、だめなのよ」
 レプリカントとして、コピーを意識して演じるむささき。その本心では、女性達の本当の幸せをどこか理解できずにいる。
(「ゲン担ぎをしたい気持ちはわからんでもないでござるが、幸せになるのに時期など関係ないでござる」)
 ケルベロス達に諭されて目に光が差してくる女性達は皆、幸せになる権利を持っているはずだと、むささきは確信している。
「そう、ですね……」
「私にも、そんな人が見つかるかな?」
 自我を取り戻した女性達は1人、また1人とこの場を去っていく。自分の幸せを信じて。
「まぁ、余も通った道ではあるが、やはり思い悩むものじゃなぁ」
 頭上のヒマワリを揺らし、アーティラリィは考える。
 人にもよるが、挙式は人生一度の晴れ舞台。それを大事にしたい気持ちは分かる。
 だが、それを誰かに言われて決めるなど、後々迷いを生む結果となるのは目に見えている。
「まして、ビルシャナに流されては、良い結果にはなるまいて」
 気づけば、10人あまりもいた若い女性の姿は、この場からなくなっている。それに、ビルシャナは小さく体を震わせていた。
「わからない連中ね……!」
 持論が正しいと疑わぬビルシャナは、怒りに体を震わせてケルベロスへと襲い掛かってくるのだった。

●主張をごり押す明王へ……
 閃光を放とうと、羽毛に包まれた両腕を広げるビルシャナ、山根。
 だが、歴戦のケルベロスは遅れをとるはずもない。
 自在に戦場を駆け回るアインが、ビルシャナに対して電光石火の蹴りを叩き込む。
 ビルシャナはその傷みに負けじと、光を放つ。だが、それをオルトロスの火無が受け止め、愛楽礼が爆破スイッチを押して戦場にばら撒いた地雷を起爆させていく。
 凶悪なデブ猫、ぐんじょうが飛ばすリングで敵を捕らえたところに、むささきは胸部からエネルギー光線を発射し、ビルシャナの体を穿った。
 そこへ、キーラが落ち着いた態度で突撃し、ビルシャナを一蹴する。敵の対策の為にと、シィカは後方からオウガ粒子を飛ばし、仲間の援護に動いていたようだ。
 その援護を受けるアーティラリィは早速全力での攻撃をと、周囲の熱や光を自らの元へと集めて。
「至天に煌く陽光よ、余の元に集え。森羅万象一切の区別無く、その光の中へと還るがよい!」
 自身の前方に光熱球と化した物を弾丸となし、彼女は投擲していく。
 だが、そこはデウスエクスとなりはてた相手。その身を焼き払われそうな一撃にも耐えてみせた。
「……っ、皆、ジューンブライドに憧れている。それに間違いはないはずなのよ!」
 今度は経文を唱え、ビルシャナはケルベロスを惑わせようとしてくる。
 率先して、キーラが前方に飛び出す。火無とボクスドラゴンのメルゥガも代わる代わる身を張り、主を含めたケルベロスの盾となる。
 力で押してこようとするビルシャナを相手に、ウォーグは時に守りへと立ち回り、軽やかなステップを踏んで戦場を舞い踊り、矢面に立つ仲間達の傷を癒していく。
「今のボクは、サイコーにロックデース!」
 メイン回復役のシィカも、戦闘不能者が出ないようにと仲間と声を掛け合い、オウガ粒子を放ったり、緊急手術で前に出すぎた仲間のカバーに当たったりと動く。
 戦線の維持さえできれば、あとは攻め立てるのみ。
 アイン、むささきが食らいつくオーラの弾丸を放つ手前で、占い師であるキーラが1枚のタロットカードを取り出す。
「Is de tijd van het oordeel……」(今、裁きの時……)
 それに描かれたのは、「審判」。呼び起こされた裁きの雷がビルシャナへと落とされ、その身を焼き払う。
 天秤座を冠するダモクレスの技術を駆使し、ビルシャナの周囲に空気の壁を展開させたウェインは掌を合わせる。
「その身に、終わりの始まりを――――」
 そうして、彼は公平たる慈悲の裁きによって、敵を押し潰す。
「好きなあいてと、し、しあわせ、を……」
 一言呟いて倒れるビルシャナ。その姿に、ウェインはふと思う。
「本当に『好き』なら、何故不安になるのだろう」
 果たして、機械人間の彼に、人間の感情が理解できる日はやってくるのだろうか。

 ケルベロス達は事後、戦場となった式場周辺の修復に当たる。
 キーラはヒールグラビティを装備していなかった為、仲間に修復を託す。応じたウォーグは戦闘時と同様に舞い踊り始め、花びらのオーラを降らして破壊箇所を幻想に埋めていく。
 町に人が戻ってくる中、先程避難した少女の姿を認め、アーティラリィが声をかける。
「少しでもすがりたい気持ちは分かるが、幸せになる努力は怠らずにの?」
「……はい、がんばります」
 少女はそれに、小さく首肯して見せたのだった。

作者:なちゅい 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年6月29日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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