智龍襲来~不幸をもたらす魔竜

作者:なちゅい

●宝玉封魂竜
 ヘリポートへと、智龍についての情報を求めにやってきたケルベロス達。
「螺旋忍法帖防衛戦に参加した人はお疲れ様。その結果だけれど……」
 彼らを手を振って出迎えたリーゼリット・クローナ(ほんわかヘリオライダー・en0039)は早速、説明を始める。
 先の戦いの結果、螺旋帝の血族『緋紗雨』を保護する事に成功した。
 もう一人の螺旋帝の血族『亜紗斬』の所在は不明だが、充分な成果を上げることが出来たと言える。
「ただ、螺旋帝の血族『イグニス』と同盟関係となったドラゴン勢力が、螺旋帝の血族『緋紗雨』を奪還すべく動き出したようだね……」
 竜十字島からの刺客の名は、智龍『ゲドムガサラ』。
 智龍『ゲドムガサラ』はその秘術によって『緋紗雨』の居場所を特定する事ができるらしく、まっすぐに『緋紗雨』を目指して進んでくる。
「『ゲドムガサラ』が引き連れるのは、『宝玉封魂竜』と呼ばれるドラゴンの軍勢だよ」
 この『宝玉封魂竜』は、ゲドムガサラが『宝玉封魂法』によって、定命化で死に瀕していたドラゴンを無理矢理生き延びさせたドラゴンだ。
 それらは本来ならば、死亡している状態なのだろう。その姿は骸骨のような状態となっているが、元のドラゴン時に準じる戦闘能力を保持している。
 ゲドムガサラと共に襲撃に来る宝玉封魂竜の数は多く、市街地で防衛戦で行えば大きな被害が出てしまうのは間違いない。
「そこで、ゲドムガサラの軍勢を迎え撃つのに最も適した場所……エインヘリアルによって要塞化されていた、天下の名城『飫肥城』で迎撃する作戦を行う事になったんだよ」
 まず、螺旋帝の血族『緋紗雨』を保護し、飫肥城へと向かってから、ゲドムガサラ率いる『宝玉封魂竜』の軍勢を迎え撃ちたい。
 とはいえ、『宝玉封魂竜』は数の暴力で押し寄せてくる為、難攻不落の飫肥城をもってしても守り抜くのは困難だ。
「ただ、『宝玉封魂竜』には智龍『ゲドムガサラ』が直接指揮しない限り、その戦闘能力を発揮できないという欠点があるようなんだ」
 この為、前衛の宝玉封魂竜を撃破した後、敵本陣に切り込んでゲドムガサラを撃破する事ができれば、残る戦力を駆逐する事も不可能ではない。
 こちらで担当する『宝玉封魂竜』は、不幸をもたらす竜だという。
 見た目は黒味がかった骸骨の竜であり、体内に宝石を持っているのは他の竜と同じだ。
 攻撃方法は、爪、尻尾での攻撃に、闇のブレス。また、相手を凝視して悪夢を見せ付けることもあるようだ。
 最後に、リーゼリットはこう説明を締めくくる。
「宝玉封魂竜は、ドラゴンに準じる力をもつ強敵だよ」
 激しい戦いとなることが見込まれる為、しっかりと準備を整え、戦略を練った上で作戦に臨みたい。
「では、行こうか。皆の武運をボクは祈っているよ」


参加者
村雨・ベル(エルフの錬金術師・e00811)
竜峨・一刀(龍顔禅者・e07436)
レティシア・シェムナイル(みどりのゆめ・e07779)
エフイー・ヨハン(虚空の彼方をも狙い撃つ機人・e08148)
フレア・ガンスレイブ(ガラクタ・e20512)
朱藤・環(飼い猫の爪・e22414)
ヴァーノン・グレコ(エゴガンナー・e28829)
レヴィア・リヴァイア(海星の守護龍・e30000)

■リプレイ

●宝玉封魂竜
 宮崎県日南市に位置する飫肥城。
 そこに多くのケルベロスが集まり、チームを編成して布陣する。
 守るべきは、螺旋帝の血族・緋紗雨。
 宝玉封魂竜……ドラゴンという相手に、子供っぽさを残す見た目の朱藤・環(飼い猫の爪・e22414)はやや緊張を見せているが、気合は十分。すでに城の周りの地理を把握しており、後方に本陣、緋紗雨がいるはずの方向を確認する。
「被害を抑える為、そして、みんなで帰る為にも頑張りますよー」
「そうじゃの」
 青い鱗の竜派ドラゴニアン、竜峨・一刀(龍顔禅者・e07436)も同意こそするが、敵を守る為に戦うという状況に妙な気分を覚えて。
(「……地球の命運を握っているとあれば、致し方ないか」)
 これも、地球を守ることに繋がる。一刀はそう信じて防衛へと意気を高めていく。
「しっかり、気を抜かずに防衛していきたい気持ち……」
「ドラゴンだかなんだか知らねえがよ。俺は負けねぇ……どんな奴が相手だろうともな!」
 メイドのレティシア・シェムナイル(みどりのゆめ・e07779)、そして、その主人、Tシャツ姿で戦いに臨むエフイー・ヨハン(虚空の彼方をも狙い撃つ機人・e08148)。2人は仲睦まじく寄りそい……空を割いて飛来する竜の群れを見上げる。
 飫肥城を攻める為に降下してくる一団の中で、黒い色の骨をした宝玉封魂竜がこちらのチームを見つめて特攻して来る。
「魔竜ムツィス 強敵そうです」
 村雨・ベル(エルフの錬金術師・e00811)は愛用の眼鏡を吊り上げて敵影を捉える。なんでも、不幸をもたらす竜なのだとか……。
「さてさて……」
 日焼けした肌、ややチャラい見た目のヴァーノン・グレコ(エゴガンナー・e28829)がリボルバー銃に手をかけ、酸っぱい味の棒付き飴を口で転がして呟く。
「あっちの不幸を振りまく力が強いか、こちらの未来を切り開く力が強いか試す時が来ちゃったね」
 その骨ばかりの体に、フレア・ガンスレイブ(ガラクタ・e20512)は僅かに眉をひそめて。
「無理やり延命した姿は痛々しいですね……」
「同胞が為、自棄に為らず耐え忍び、死を覚悟の上で立つと言うのか、忌まわしき侵略者共にしては高潔なる精神よ」
 仲間の前では緊張して片言になることも多いレヴィア・リヴァイア(海星の守護龍・e30000)だが、尊大な物言いで敵に呼びかける。
 同じ旅団の友達であるフレアを守るようにして、レヴィアは愛用のハルバードを手に身構えた。
「良いだろう、妾も誇りを以って真向から迎え撃ってやる」
 そんなレヴィア同様、フレアもまたドラゴニックハンマーを握りしめて。
「同胞の為、最期まで戦おうとするのなら、私は敬意を表し、死力を尽くして戦います」
 牙を向くムツィスは瞳を光らせ、ケルベロスに特攻して来るのである。

●魔竜ムツィス
 オオオオオォォォォオオォォォォォ!!
 骨と宝石だけの体で咆哮を上げるムツィス。発してくるブレスはプレッシャーすら与えてくる。
 エフイーはレヴィア、オルトロスのデザイア、ウイングキャットのイチマツさんと仲間の盾となり、敵の動向を窺いながら態勢を低くする。
 ぴり付く空気に体が若干硬直を覚えるも、エフイーは「テアフライシューティア」から素早く弾丸を叩き込む。
「体力維持は任せてくださいねー」
 ベルは前に出る仲間達を、シャーマンズゴーストのイージーエイトさんと共に回復に当たる。ベル自身はまず、地面に黒い鎖を展開して守護の魔法陣を描いていく。
「今回は俺に、どんな力をもたらしてくれるのかな」
 自身の立ち位置を確認していたヴァーノンは、敵の退路を断ちながらも、弾丸を発射する。
「ドラゴンが喰えるとは……覚悟しろよ」
 弾丸が折り鶴となって竜の宝石にクチバシを突き入れた瞬間、ヴァーノンは笑みを浮かべた。
 ムツィスは時に不幸を振り舞く為、メンバー達を凝視して悪夢を見せ付ける。
「このくらい、不幸のうちに入りません!」
 盾役の合間から、ムツィスの視線を見てしまった環。ちらつく自身のトラウマを振り払おうとしながらも、敵を押さえつけようとする。
「猛吹雪にご注意ください、なんてね?」
 環は降魔の力で喰らった魂を竜の周辺へと竜巻状に撃ち出す。それは凍傷を負わせながら、骨ばかりの体躯を切り裂いていく。
 仲間の状況を逐一確認しつつ、一刀も攻め入る。
「骨になり果てても、仲間のために戦おうというその意気や見事」
 抜いた日本刀の刃に雷の霊気を乗せ、敵の体を構成する骨にヒビを入れる。
 攻撃の足並みを揃え、レティシアもすかさず竜鎚から竜砲弾を叩き込んでいく。
 怯みながらも、鋭い爪、骨の尻尾による猛撃を食らわせてくるムツィス。
 しかしながら、この直後に防衛線を考えるケルベロスも、ぼやぼやしているわけにはと全力でムツィスの撃破を目指す。
 そんな中、身を張るレヴィアと、全力での攻撃を繰り返すフレアの連携攻撃が冴える。
 荒ぶるムツィスが向けてくる不幸の視線。
「……フレアさんは、ワタシが守りマス!」
 咄嗟に動いたレヴィアがそれによって悪夢を見せ付けられてしまうが、後方からウイングキャットのロミが大きく翼を羽ばたかせる。
 悪夢を振り払った彼女は、フレアと共に飛び出す。
 愛用の海色のハルバードを鎌となった部分で、レヴィアが敵の全員を刻み、宝石や骨に亀裂を入れていくと。
「武具装甲開放、地獄充填」
 息を合わせたフレアは、手にする竜鎚内部に地獄の炎を充填していく。
「急造獄焔式推進加速破壊兵器、火を噴きます」
 そして、その炎を推進力とし、彼女はムツィスの体を叩き潰す。
「不幸をもたらす竜……。でも、命を賭して戦う貴方が居てくれた事は、ドラゴニアにとっては幸福だったはずです」
 果たして、崩れ行くムツィスは最後に、幸福を感じることはできたのだろうか……。

●気の休まらぬ小休止
 ムツィスを撃墜したメンバー達。
 周りを見回せば、敵本陣、ゲドムガサラ撃破に向かうチームの姿がちらほらとあったが、自チームは他チームと共に布陣の穴を塞ぐ形で壁を成し、防衛戦に臨む。
「腹が減ってはなんとやらといいますし」
 ベルは仲間達へとお茶やおにぎりといった糧食を振舞う。やれることをやって、次に備えたい。
 敵の攻撃の切れ目となる短い合間に、メンバー達はムツィス戦の傷を癒すべく態勢を整え直す。
 レヴィアは自身に喰らった魂を憑依させ、傷を塞ぐ。フレアはヒールを持たぬ為、一刀に気力を分け与えてもらっていた。
 その一刀は仲間達の状態を見つつ、態勢の立て直しを図る。ヴァーノンも各自のポジションも気がけるも、今はその必要まではなさそうだが、防衛戦が始まればどうなるか……。
 環や一刀は赤い信号弾を持参している。最悪の場合の増援要求に使用するが、それは他班も同様。これが撃ち上がるようなら、ケルベロスが劣勢ということでもある。
 皆、気も休まらぬ休息をとり、今なお空に、地上に展開する竜を見やった。
 レティシア、エフイーは再び身構える。再び布陣を突破し、飫肥城内部に攻め込もうとしてくる宝玉封魂竜を迎撃する為だ。
 ギラリと瞳を光らせる、全身に宝石を浮かばせた骨の竜。一行はその迎撃を再開するのである。

●泥沼の防衛線
 新手とはいえ、ケルベロス達の気合は十分。一行は手堅い守りの布陣を取って敵を出迎え、この場を死守する。
 とはいえ、敵を倒すに越したことはない。
 フレアはムツィス戦時にも見せた地獄の炎を行かした一撃を新手の竜へと叩きつけた。彼女の翼猫、ロミもまた尻尾のリングを飛ばして援護を図ってくれた。
 飛び出す敵は、レヴィアがしっかりと抑える。
 次なる敵は怪しく瞳を光らせ、体中の宝石から怪しい光を発してくる。どうやら、理力、魔法で攻めてくる相手のようだ。
 怪しげな輝きに思考が侵食されそうになる仲間は、ベルが黄金の果実を出現させて、その光で癒しと耐性付与を同時に行う。イージーエイトさんも祈りを捧げて主の補助に動いてくれる。
「敵の動きを止めないと!」
 相手へは環が攻め入る。竜を自由にすれば、無駄にダメージも増えるし、何よりこの場を突破されかねない。敵の弱点を見ながら、展開するアームドフォートから主砲を発射し、銃弾を竜に叩きつけて行く。
 それによって、体を痺れさせる敵。ヴァーノンも先程同様、折鶴の形を取る銃弾で敵へと仕掛けていく。
 皆との連携は、とっても大事。そう考えるレティシアもまた、竜砲弾を撃ち込み、衝撃によって相手の足止めを行う。
 同じく、竜鎚「ハヴォックストライカー」を操り、轟竜砲を発射していくのはエフイーだ。
「ご……、ヨハンさん」
 大切な人がいる。レティシアはその存在を感じながら戦う。
 ウェーブヘアを風で揺らすエフイーも仲良しのレティシアを守り通す為に、強敵である竜へと立ち向かっていく。
 小休止を挟んだ2戦目だったが、ケルベロス達は徐々に押していくこととなる。
 勝機を感じた一刀が焔を宿す刃を一閃させたが、敵はそこで高く飛び上がる。
「逃がすか!」
 一刀が竜に切りかかろうとするが、別の竜がこの場を離脱する竜を援護し、代わりとなってメンバー達へと襲い掛かってきたのだった。

 どうやら、宝玉封魂竜は全体で連携して、撤退、仲間の回復、そして再突撃を繰り返しているらしい。
 再突撃の際は仲間の離脱を助けつつ、元交戦していた相手の元へとやってくる。
 ケルベロス達は一から態勢を整え直すこととなるが、徐々に疲労が蓄積しているのも自覚していた。
 周囲を支配する剣戟、爆裂音、そして怒号。
 しばしの間、メンバーは傷つきながらも交戦を続け、なんとか竜を追い込んでいくのだが……。
 再びその竜が離脱し、また万全な態勢を整えた竜が襲い来る。これで、メンバーは防衛戦開始から3体目との交戦となる。
 間髪入れずに襲い来る竜を相手に、態勢を立て直すことも布陣を入れ替えることもままならず、メンバー達は持久戦どころかジリ損となる消耗戦を強いられていた。
 環はそれにげんなりとしてしまう。何せ、折角つけた麻痺や氷をまた付け直さねばならないのだ。ジャマーとして、これはかなり精神的に堪える状況である。
「キッツイですけど……、こっちも意地ってものがありますからねー」
 代わる代わるやってくる敵は細かに弱点も違う。環は攻めて来る敵へと冷却効果のある竜巻を浴びせかけながらも、その攻撃方法を確認する。
 そいつは牙をむいて直接食らいつき、爪で薙ぎ払う。こちらは力で真っ向から襲ってくる相手だ。
 だが、盾役メンバーが踏ん張り、それらの攻撃を全身で抑える。
 ポジションとして回復専門でないからと、言ってはいられない。氷結の螺旋を発していたレティシアも竜の尻尾を叩きつけられてしまい、分身を纏わせることで自身の傷を塞いで行く。
「ご主人様……ヨハンさん」
「ああ、安心してな。何があってもレティちゃんを守るからな」
 いくら、防御態勢を取りながら戦うにしても、限度はある。エフイーもデザイアと身構え、時折叫びを上げながら、速射と凍結光線を繰り返して竜の動きを鈍らせようとしていく。
 そんな中、しっかりと仲間の回復、指示出しをしていたメンバーの存在は大きい。
「傷が深い者は後退を」
 まずは、一刀。彼は前衛メンバーの気を気がけ、気力を撃ち出して仲間を回復させつつ、戦線の維持に努める。
「イージーエイトさん、皆さんのカバーを」
 ベルもまた後方から仲間の回復を行いながら、一刀のカバーできぬ部分、主に回復面を含めた部分の指示出しのフォローを行う。翼猫のロミはそれに従う形で、傷が深くなりかけたメンバーの傷を癒していたようだ。
 そして、消耗の激しい仲間の為にと、時に後方のヴァーノンが前に出る。布陣を変えるのも手数が塞がるデメリットこそあれ、仲間が倒れるよりは幾分もマシだ。
 ヴァーノンはそのまま、全身を光の粒子に変えて敵に突撃を仕掛けていく。
 長期戦の様相を呈してくる防衛戦。とにかく連携してくる宝玉封魂竜がこの上なく厄介だ。
 だが、連携ながら、ケルベロスとて負けてはいない。
 仲間を最優先で守ると、レヴィアは全身に禍々しい呪紋を浮かばせ、ハルバートを手に防御態勢を崩さない。
 今は回復に専念、とにかく戦線を維持。今は本陣を守るケルベロス達を信じて、戦い抜くしかない。
(「少しでも長く、一撃でも多く……」)
 地獄の炎弾を発し、竜の生命力を奪うフレア。彼女もまた前線で攻撃を食らわせ、じっと耐える。これも大切な仲間の援護があってこそ。
 大きく振りかぶった竜鎚を噴射させつつ、彼女は力の限り目の前の宝玉封魂竜を殴りつけ、そして……。

●撃破は速やかに
 防衛戦が始まって、25分が経つ。
 突然、宝玉封魂竜達に異変が起こる。それまで見せていた鮮やかな連携が、まるで糸が切れたようになくなったのだ。
 そして、メンバーの目の前にいる竜も深手を負ってきていたのに、全く退く素振りを見せない。
「おそらくですが、ゲドムガサラが撃破されたようですね」
 戦況を見ていたベルが仲間達へと告げた。散漫になりつつある敵群。目の前の竜もまた攻撃に精彩さがなくなってきている。
 イチマツさんが敵の爪を受け止めてくれた隙に、ベルは好機と服を溶かすスライムを解き放ち、敵の体に喰らい付かせる。
 あとは、それまでの戦いが嘘のように一方的だった。
「……いく…ヨ……」
 敵の巨躯を足元からすくったレティシアが竜鎚を振り上げ、爆風を浴びせかけた直後、エフイーが凍結光線を叩き込んだ。
「その執念、これで断ち切る!」
 一刀はさらに、煩悩を断ち切ると言われる迦楼羅炎を宿した刃で、目にも留まらぬ斬撃を浴びせかけていく。
 ふらつく竜は業火を吐き出してくるが、前衛陣はそれを平然と受け止める。
 敵に出来た隙を見て、地獄の炎を舞わせた竜鎚を叩きつけたフレア。レヴィアが逆方向から、ハルバードの矛部分に雷を纏わせて敵を貫く。
 暴れ始める竜の全身の宝石に陰りが見えて。即座に撃破をと、環はアームドフォートの主砲を一斉発射させて敵を撃ち抜いた。
「その綺麗な宝石、戦利品として持ち帰ってやるよ」
 ヴァーノンは一つ輝きを残す宝石を見定め、竜の頭蓋へ銃弾を撃ち込む。
 乾いた音を立てて崩れ落ちる宝玉封魂竜。光る宝石も地面に落ちて砕け散っていったのだった。

 どうやら、ケルベロスによる防衛布陣内で、信号弾が放たれた形跡はない。
 程なく、ケルベロスによって殲滅される宝玉封魂竜の群れ。メンバーは皆、この場の防衛の成功を実感し、息つきながらも安堵の表情を浮かべるのである。

作者:なちゅい 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年7月6日
難度:やや難
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 6/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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