●破壊を望む英霊
和歌山県和歌山市。
紀伊半島の西側に位置するこの街に突然、女性の姿をしたエインヘリアルが舞い降りてくる。
彼女の名はケルティス。清楚にも見える白いワンピース姿。そして、剣にも見える光の翼。一見すれば、それは女神にも思える美しい姿をしていた。
しかし……。
「あなた達に、破壊による再生を授けましょう」
次の瞬間、長短2本の長剣を抜いた彼女は、刀身から光を放ち、それを薙ぎ払うようにしてこの場の人々の体を寸断していく。瞬く間にたくさんの人々が惨殺され、街はパニックに陥った。
エインヘリアルは元々、大規模な行軍による蹂躙・侵略行為を得意とする種族。
しかしながら、ケルティスは己の信念を捨てず、敵味方問わず惨殺していたと言う。
その為、身内から『永久コギトエルゴスム化の刑罰』を受けていたのだが、その管理化にあるよりは、いっそ地球に送り込んでしまおうとの判断が下されたらしい。
ケルティスの破壊は続く。彼女はかろうじて生き延びた男性の下へと浮遊していき……。
「案ずることはありません。生も死も、通過点に過ぎないのですから……」
ほのかな笑みを浮かべた彼女は、その男性へと躊躇なく長短2本の剣による十字切りを浴びせ、絶命に至らしめたのだった。
ケルベロスはエインヘリアルによる事件を耳にし、ヘリオライダーの元へと駆けつける。
「うん……、今回の相手は一見おだやかな性格にも見える相手だけれど……」
ある程度、ケルベロスが集まったことを確認したリーゼリット・クローナ(ほんわかヘリオライダー・en0039)は、そんな印象を語りながら説明を始めた。
リーゼリットの予知した、一般人の虐殺事件を引き起こすエインヘリアル。
その種族は、平均身長が3メートルほどある大柄な体型の種族で、頑強な肉体を持ち、総じて好戦的な戦闘種族というのが一般的な個体だ。
「現れるのは、アスガルドにおいて重罪を犯した凶悪犯罪者のようだね」
放置すれば、多くの人々の命が無残に奪われてしまう。また、人々に恐怖と憎悪をもたらし、地球で活動するエインヘリアルの定命化を遅らせることにも繋がる。
エインヘリアルを止めねばならない。リーゼリットは小さくそう告げた。
「エインヘリアルの名はケルティス、ゆったりとした白いワンピースを着た長髪の女性だよ」
一見すれば、人を襲うようには見えない女性だが、己の信じるままに長短2本のゾディアックソードを操る。本人は、破壊による再生こそ創造の一歩だと主張しているのだが……。
「その行動は破壊でしかないよ。いくら破壊が再生をもたらすと彼女が信じていようとも、殺された人々が還ることはないのだから」
ケルティスはアスガルドにおいても危険人物として扱われていたようで、囚人のような扱いをされていたようだ。そのこともあって、彼女はこの場から逃走しようともせず、戦い続けようとする。この為、全力でぶつかって倒してしまいたい。
「現場は、和歌山県和歌山市の街中だね」
エインヘリアルは建物の入り口付近に降り立つが、ケルベロスの到着もそれとほぼ同タイミングとなる。
ケルティスは一般人、ケルベロスなど見境なく近辺にいる人々へと攻撃を仕掛けようとするので、一般人の避難だけはある程度気をつけて、敵の対処を行いたい。
「破壊による再生なんて……ありえないよ」
リーゼリットは自身の考えを語る。こうして、人々を殺害して再生を望むなど、許される行為であろうはずもない。
だからこそ、アスガルドにおいても、凶悪犯罪者として扱われていたのだろう。これほどの危険人物を放置するわけには行かない。
「それでは行こう。人々を救いに。そして、エインヘリアルを止める為に」
そうして、彼女はケルベロス達にヘリオンへと乗るよう促すのだった。
参加者 | |
---|---|
御神・白陽(死ヲ語ル無垢ノ月・e00327) |
アイン・オルキス(誇りの帆を上げて・e00841) |
スレイン・フォード(ロジカルマグス・e00886) |
山田・太郎(が眠たそうにこちらを見ている・e10100) |
八神・鎮紅(紫閃月華・e22875) |
フローライト・シュミット(光乏しき蛍石・e24978) |
四方堂・幽梨(ジャージの剣鬼・e25168) |
アリシア・クローウェル(首狩りヴォーパルバニー・e33909) |
●破壊の真意は……
和歌山県和歌山市。
この地に続々と降り立つケルベロス。
着地したスレイン・フォード(ロジカルマグス・e00886)は、軽く周囲を確認する。
「今すぐ退避しろ、ここは戦場になる」
アイン・オルキス(誇りの帆を上げて・e00841)もこの地の市民に勧告を行う。その際も、彼女はクールさを失わず、冷静に状況を見定める。
索敵に当たる間、アリシア・クローウェル(首狩りヴォーパルバニー・e33909)も通りすがる人々に可能な限り声をかける。被害は抑えられるに越したことはない。
「ここは、ケルベロスが受け持つ……。あなた達は……早く逃げて……」
ぽつり、ぽつりと八重歯をのぞかせつつ語る、フローライト・シュミット(光乏しき蛍石・e24978)。しかし、彼女の発動した割り込みヴォイスは街中に通り、多くの人々にデウスエクスの襲来を伝えていた。
街中で発する破壊音。
ケルベロスの到着とほぼ時を同じくして、剣のような形の翼を羽ばたかせ、微笑みを湛えた白い装束の女性が現れる。
「あなた達に、破壊による再生を授けましょう」
ケルティスという名のエインヘリアルは、長さの違う2本の剣を携え、周囲の人々へと冷たい視線を向けて告げた。
そこに接敵してくるジャージ姿の四方堂・幽梨(ジャージの剣鬼・e25168)。下に甲冑を纏った彼女は、すでに臨戦態勢に入っている。
「やあ、ネェさん。やたらと壊して回る前に、ちょっと付き合ってよ」
この近辺を殺界で包む幽梨は目の前の敵に呼びかけ、敵の注意を引きつける。
「破壊による再生とは、神にでもなったつもりか」
続いて到着した、山田・太郎(が眠たそうにこちらを見ている・e10100)。普段は眠ることも多い彼だが、一度敵を前にすれば、眼光鋭く敵を射抜いてみせる。
「済まないが、戦線維持は任せた」
直に警官隊も駆けつけるはずだが、今は一般人の避難が優先と判断したスレインは、この場を仲間に任せて離脱していく。
「破壊による再生とか、笑わせてくれますね」
「貴様が望んでいるのは破壊だけで、再生など何も考えてはいまい」
兎のように飛び込んでくるアリシアが鼻で笑うと、アインがゆっくりと歩み寄ってきた。
だが、ケルティスは笑みを崩さず、2本の剣先をケルベロスへと突きつける。
「生も死も通過点なので……、す」
語るケルティスへと強襲する影。御神・白陽(死ヲ語ル無垢ノ月・e00327)がその背に一蹴を加え、手前へと着地した。
「死を撒くモノは冥府にて閻魔が待つ。潔く逝って裁かれろ」
構えすら見せず、白陽はケルティスへと対する。
「己の生が仮に通過点だろうと、俺もこの星に生きる限りある命を持つ身。……不条理な破壊を見過ごすわけにはいかん」
太郎は敵を見据え、刀の柄に手をかける。
避難を呼びかけていた八神・鎮紅(紫閃月華・e22875)もケルティスに気づいて接敵し、これ見よがしに最前列に立つ。
「独善的な思想ほど、性質の悪い物は有りません」
白い衣装に黒の上着を羽織る鎮紅も、『Euphoria』と銘が刻まれた深紅のダガーナイフを抜く。
「――なればこそ、此処で終わりにします」
飛び込む鎮紅がナイフを突きつけ、ケルティスへと問う。
「アナタの信念が、私たちを壊せるかどうか――試してみますか?」
だが、エインヘリアルは全く笑みを崩すことなく、悠然とケルベロスと対するのである。
●破壊がもたらすものとは……
未だ、一般人の避難は完了していない。
一撃を与えた白陽は周囲に避難を呼びかける間に、メンバー達がエインヘリアル、ケルティスを抑える。
まず、アリシアが笑顔を浮かべ、ケルティスへと飛び掛る。
「ほら、アリシアが破壊してあげますから、再生してみてくださいよ」
彼女は挨拶代わりにと、ケルティスの腹に飛び込んで蹴りを見舞う。
「山田真刀流山田太郎、推して参る。悪いが、お前を破壊させてもらう」
同じく、名乗りを上げる太郎は全身に呪文を浮かび上がらせ、魔人へと変貌する。
「さあ、破壊による再生を……」
ケルティスは構わず2本の剣を振るってくるが、太郎はその前に立ち塞がり、幾度も振るわれる斬撃を受け止めて見せた。
「破滅を望む異邦の侵略者よ。お前には誰も破壊させんぞ」
壁となる太郎の横で、アインは地面に鎖を這わせて魔法陣を描く。そうして、彼女もまた仲間を守る為に動く。
軽やかに戦場を動くエインヘリアル。まずはその機動力を奪おうと、幽梨が日本刀『黒鈴蘭』を携えて仕掛ける。
鈴蘭が焼き絵された特別製の白鞘による抜刀居合。彼女はケルティスの出足を狙って斬撃を放つ。
迸る赤い血。それを確認した幽梨が後方に向けて叫ぶ。
「鎮紅!」
友の呼びかけに頷く鎮紅は、手にするナイフに魔力を流し込み、深紅の刃を形成する。
「其の歪み、断ち切ります」
鎮紅は淡い光を発する剣閃で追撃を行う。それはまるで、舞い散る花びらの如く。
(「不退転の意志を以て、例え倒し切れずとも、脅威であると認識させられれば――」)
暗く深い紅が徐々に、ケルティスの体を蝕んでいく。だが、一度の攻撃で戦意を削ぐには至らない。
そこに、避難誘導を優先させて動いていたメンバーが駆けつける。どうやら警官隊が駆けつけ、一般人の避難を引き継いできたようだ。
フローライトは右肩に紫葉牡丹型攻性植物……葉っさんをのせて参戦する。彼女が飼っている葉っさんは、攻防共に役立つ頼もしい存在だ。
そのフローライトは左手のゾディアックソードを煌かせ、守護星座の力によって仲間達の支援を始めていた。
「スクラップ&ビルドという考え自体はありふれたものだが……、あくまでビルドを前提としたスクラップでなくてはなるまい」
同じく、この場に戻ってきたスレインは持論を語り、砲撃形態としたドラゴニックハンマーを構える。
「お前のそれは、取り違えている……否、それ以上に稚拙な発想だ」
彼は表情を動かすことなく淡々と言葉を続け、竜砲弾をケルティスへと叩き込んだ。
その間に、白陽が瞬時に敵との距離を詰めていた。
「死にゆく者は無知であるべきだ。要らぬ煩悶は捨てて逝け」
皮肉たっぷりな笑みを浮かべた白陽は、その場に同化するように溶けていく。
白陽はその状態で腰の後ろに交差させていた斬霊刀を手に取り、ケルティスの存在と生命の源を解体せんとその刃を浴びせかける。
敵の肉体に傷は付いていない。だが、その斬撃は確実にケルティスを刻み、その身を凍りつかせていた。
それでも、ケルティスは微笑を浮かべたまま。彼女は2本の剣から放たれる光の線を水平に振るい、ケルベロス達の体を焼く。
「これぞ、創世の光……」
破壊の先に創造があることを疑わず、ケルティスはなおも手にする剣をケルベロスへと突きつける。
生と死。その両方を暗示するかのごとく。敵は長短の刃で2連撃を繰り出した。
前に出るアインがそれを受け止める。刻まれる重い斬撃に耐えた彼女は毅然として言い放つ。
「生存の為に再生が行われるのなら、人々に恨まれ続ける貴様はここで死ねばそれまでよ」
斬撃によって痺れが走るが、大したことはないと判断したアインは宙に光の盾を展開し、ケルティスの攻撃の威力を軽減する。
しかし、フローライトはその傷が浅くないことを察していた。彼女は右手に持つライトニングロッドを一旦仕舞う。
「この回復だって……一歩間違えば破壊になりかねない……。慎重に……」
右手を淡い光で包んだフローライトは、魔術切開を始める。アインはそのショックに少しだけ顔を引きつらせたが、すぐにグラビティの力で傷を塞いでいたようだ。
その間に、幽梨が敵を抑えるべく前に出ていた。
「死中に活……活に八門……断ちて滅すば……死門へ下る」
敵の剣を白鞘で捌きつつ、幽梨は飛び込んで「黒鈴蘭」で切り込んでいく。
集中力を極限まで高めた彼女は何気なく行う連撃攻撃の中でも相手の挙動を読みきり、敵の剣を弾いてからその背の光る翼をもごうと斬撃を叩きこむ。
しかし、ケルティスも悠然と剣を構え直し、致命傷を避ける。
まだ、敵の動きは鈍っていない。飛び上がるスレインが流星の蹴りを叩き込み、建物の壁を駆け上がる白陽が宙で2段ジャンプをし、再度、敵に電光石火の蹴りを喰らわせた。
いつの間にか消え、突然現れる白陽。その軌跡すら敵に辿らせぬ彼は自身ありげな表情を崩さない。
対するケルティスも、鮮やかな剣舞を見せる。
「さあ、破壊を受け入れなさい」
優雅に舞う彼女は長短の剣を操り、斬撃を幾度を浴びせてきた。じっとそれに耐える太郎が、裂帛の叫びで受けた傷を塞ぐ。
盾となる仲間が耐えてくれる間に、鎮紅は積極的に攻勢に出る。
(「元より全力で挑むべき相手、気は抜きません」)
仲間の攻撃に続き、彼女はそのナイフに地獄の炎を纏わせ敵を刻み、斬撃痕に炎を燃え上がらせる。さらに、冷気を纏う切り上げを繰り出し、今度は傷口を凍りつかせた。
この依頼に当たるケルベロス達は比較的、感情を示さないメンバーが多い。そんな中、アリシアの天真爛漫さは非常に目立つ。
「破壊による再生をお好みなら、アリシアが徹底的に切り刻んであげます」
もっとも、戦いとなれば、彼女は敵を刻むのに愉悦すら覚える殺人兎と成り果てて。
「極められた斬撃の一撃がもたらす、純然たる破壊。アリシアが見せてあげますよ」
アリシアは2本の惨殺ナイフによる斬撃をほぼ同時に、まさに重ねるように斬り払う。どんな物でも、彼女の前では紙くずにも等しく引き裂かれてしまうのだ。
それだけの攻撃を受けてなお、ケルティスは笑みを浮かべたままだ。
「さあ、破壊の先にある創世を」
再びケルティスは剣閃を発し、ケルベロス達を薙ぎ払ってくる。敵の動きはかなり鈍らせているはずだが、その光が前線のメンバーを苛む。
「行け、ファミリア。側面からフォローに回れ」
アインは椀部のコンソールを操作し、幾体もの無人機を呼び出し、仲間の治療の上で支援を行う。
「再生を語る割に、己の身は癒やさないのだな。良いのか? 随分と傷ついたようだが」
仲間の支援を得たスレインがケルティスに問う。見れば、敵の体はかなり傷ついている。
「……『再生』してやろうか?」
スレインは自動小銃を使い、暦のルーンを刻んだ弾丸を浴びせ続ける。撃ち続ける弾丸。その行為が魔術の効力を高めていく。
「他でもない、お前が望む通りの『再生』だ」
上体が揺らぐケルティス。それまで、回復に当たっていたフローライトも攻撃に打って出る。
「……毒も弱まれば薬になる……けれど……。何かを破壊する力に……変わりはない……」
それは、癒しの力の大きさを維持したままで、攻撃に転用する技。制御の為の触媒に『蛍石の御守』を行使することで、フローライトは力を暴発させる。
「破壊の力は……さらなる破壊しか産まない……この魔法の様に……」
その身が破壊され、ケルティスは傷口から毒が巡ってくるのを実感した。
白陽がその隙を逃さない。飛び込んだ彼は腰に差した2本の斬霊刀で敵の傷口を斬り広げる。
さらに、アリシアも、2本の惨殺ナイフを振り回し、敵の体に無数の切り傷を増やしていく。
「ほら、斬られても元通りにはならない。ああ、赤い花は咲きましたか、汚い花でしたね」
手に伝わる感触に、この上ない喜びを覚えるアリシア。ただ、ケルティスに焦りなどは微塵も感じられない。
「ああ、せめて、この身が朽ちる前に」
その長短2本の剣は止まらない。身を張る幽梨が敵に音速を超える拳で反撃を繰り出すと、それまで耐えていた太郎が山田真刀を振り上げる。
「斬る」
ただ、目の前の敵を断ち切る為に。彼はその刃を振り下ろす。
ケルティスの衣装が徐々に赤く染まる。敵は自らの死すらも受け入れ、両手を広げた。
「アナタとの因果は……此処で、断ち切ります」
鎮紅は燃える地獄となった両目で敵を補足し、深紅の刃から連撃を繰り出す。
地獄化した左腕が刃を振るうと、花びらが舞散る。それが地面に落ちたとき、ケルティスの胸もまた深紅に染まっていた。
「ふふ、私にも、再生のときが……」
それが最後の言葉となり、敵はその言葉に反して完全に動きを止めてしまう。
「わざわざ壊さなきゃ創造できないなんて、狭量だな」
眼鏡を吊り上げた幽梨が呆れながらも、再生が望めぬ敵へそんな言葉をかけたのだった。
●それぞれの一時を
エインヘリアルを討伐した一行。
そこで、鎮紅がどこからか連絡を受けたようで。
「すみません。別戦場で、ユーティス出現の知らせが……。お先に出立させていただきます」
鎮紅は仲間に陳謝の上、別のエインヘリアル対処の為にこの場から一足早く去っていく。
この場のメンバーは、駅周辺のヒールに当たる。アインは戦闘と同様にオルキス・ファミリアを召喚し、周囲の修復を行う。
フローライトもライトニングロッドを振るい、電気ショックを飛ばしてひび割れた地面を幻想で埋めていく。他人向けのヒールグラビティを持たぬ者は、そのフォローに当たっていたようだ。
「ひとまず、食事を創造できるところに行きたいな……お腹減った……」
気力を放つ幽梨はお腹を鳴らしてしまう。戦闘前にちらっと耳にした和歌山のご当地料理、しらす丼が気になっているようだ。
戦闘を終えて眠そうにしていた太郎はというと、和歌山ラーメンを食べようと考えている。その帰りに和歌山県の農業団体が販売するみかんジュースを箱買いしてから、帰ろうと考えていたようだ。
「ひとまず片付いたか」
修復作業を終え、アインが一息ついてスレインに声をかける。
「私の食事に付き合え。一通り回って行くぞ」
和歌山名物の食べ歩き。それを耳にしたフローライトがふと考える。
「鯨の竜田揚げ……どんな感じだろう……?」
フローライトは後ほど知ることになるが、見た目は鶏の唐揚げに似た様な形。されど、独特の臭いがあり、人によって例える味も様々だ。
さて、アインの誘いだが、スレインは二つ返事で了承する。
「折角来たのだからな、良い経験となるだろう。……奢らないからな?」
「金なら気にするな、全て自分で払う」
結局は皆、食べたいものが様々あるようなので、ケルベロス達は現場で解散し、各自で食べに行くことに。
アイン、スレインは鯨肉を扱う専門店へと向かう。
「鯨肉の串揚げか」
出された一品にスレインはかぶりつき、ばらく顎を動かしてその味を噛み締める。
「……む、類型化がし難いな。鶏レバー……否、馬肉が近いか?」
彼らはしばし、癖のあるその味を堪能するのだった。
作者:なちゅい |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年4月4日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 4
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